駒月雅子のレビュー一覧
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シャーロックホームズシリーズ長編第3弾
自分はこれまで読んだホームズの作品の中では緋色の研究が一番素晴らしいと思っていて、この作品も素晴らしかったのだが、やはり比べてしまうとどうしても、その後の作品がどれもあれ以上の出来にはどうしても思えなくなってしまっている。
今回の物語には過去の長編2作と比べて過去パート(犯人の自供パート)がない。なぜないのかは読み終えればわかるだろう。
短編集を除き3作目ともなると、ホームズと数々の事件を一緒に解決してきた影響か、ワトソンにも洞察眼が備わってきているのがわかる。あとはなぜそう感じたのかがきちんとわかればホームズに並べるのかもしれない。
そしてホームズ自身にもワトソンとの交流を通じて段々と人間らしさが備わってきているように見える。過去の作品では事件そのものにしか興味がなく、事件に関わった人には関心を向けていないように感じたが、過去に依頼者を死なせてしまった影響からか、ホームズが依頼主を心配しているような言動が見受けられる。 -
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角川版シャーロックホームズシリーズ 短編集2冊目
ジェームズ・モリアーティが登場し、決着する最後の事件を含む12編の短編集。
自分はシャーロックホームズシリーズをロバート・ダウニーJr. が演じる映画版から入ったので、ホームズとモリアーティが対決する”最後の事件”が短く、こんなものなのか?と驚いた。
> 「ボール箱」はセンセーショナルなテーマを理由に削除され、その後欧米で出された新版でも省かれる場合がほとんどだったのです。
と訳者あとがきにあり、私が初めてボール箱を読んだときは、ただの男女の愛憎ものだと思ったのだが、
> 当時のイギリスは植民地支配によって栄華をきわめていましたが、富はすべて支配階級に集中し、そこに属さない人々は厳しい道徳律のもとで貧しいながらも仕事や勉学に努め、良き家庭を築くことが求められていました
とあとがきにて説明されており、なるほど、この時代の不倫などの類は今以上に厳しいものがあるのだとわかる。 -
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アンソニー・ホロヴィッツが描くコナン・ドイルの世界。コナン・ドイル財団公認。
物語は、シャーロック・ホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝で行方不明になった「最後の事件」の直後から始まる。
アメリカの犯罪組織とモリアーティが手を組もうとしているという情報を追ってヨーロッパにやってきたアメリカの探偵社のフレデリック・チェイスと、スコットランド・ヤードの警部アセルニー・ジョーンズ(コナン・ドイルの小説「四つの署名」に登場している警部)が、ライヘンバッハの滝で出会い、モリアーティが手を組もうとしているアメリカ犯罪組織の正体を暴こうと奮闘する物語。
ホームズに心酔し、スマートな暗号解読や推理を披露するジョーンズ警部をホームズ役、アメリカ人探偵者の調査員チェイスがワトソン役(小説上の一人称)となって、事件を追っていくのだけれど、ようやく突き止めた証人や容疑者が次々に殺され、自分たちも命の危険にさらされる、手に汗握る展開は、まるで本物のコナン・ドイルの小説を読んでいるかのよう!
さて、ちょっと冷静になって、その小説を読んでいる私は、というと、直前に読んだ「カササギ殺人事件」と比べながら読んでいました。「カササギ殺人事件」は、アンソニー・ホロヴィッツが描くアガサ・クリスティーの世界。どっちの世界観が好きかと考えたら、アガサ・クリスティーの描く静かな世界のほうが好きかもなぁー、ホームズは好きだけど小説で読むとグロいんだよなぁー、なんて考えてました。
そんなわけで、「面白いんだけど、そもそもコナン・ドイルの小説のスタイルを私は好きなのかな?ホームズって変なやつ過ぎるよねぇ」と、ちょっと懐疑的な気持ちで読み進めていたんですが、最後の最後のどんでん返しで
「してやられたっ!」
と、ニヤニヤが止まらない状態に!
うわー、またこれ、最初から読み返さないといけないパターンではないですか!
途中、いろいろなキャラクターに疑いを向けてはいたんですが、そう来るとはっ。言われてみれば彼が一番怪しいですよね。うんうん。やられたわ。
そんなわけで、ミステリー好きで、ホームズとワトソンとモリアーティというキャラクターが大体わかっている人にはおすすめです。シャーロキアンから見た感想はどうなのかな?
私が、グロいシーンや、あまりにも痛すぎるシーンが好きではないので、最初の方が読み進まなかったぶんを差し引いて★4。でも、頑張って読んだだけの報酬はある小説でした。 -
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最後の事件の一年前、ホームズの捜査に協力した少年が惨殺される。正体不明の「絹の家」の謎をめぐり、ホームズとワトソンのコンビが活躍するパスティーシュ。
ホームズ作品をすべて読破したのは、もう数十年も前のこと。熱烈なファンというほどではないものの、コナン・ドイル財団初の公認しかもホロヴィッツの作品となると読んでみたくなる。
なるほど、薄暗いロンドンの阿片と貧困を背景とした闇の事件では、おなじみの面々がドイルの作品さながらに登場して、違和感などまったくなく懐かしさを覚えたほど。おぞましい事件だから、ワトソンが100年後に開封されるように配慮したという設定もおもしろい。
先日、ホームズの若い頃という設定で三谷幸喜が書いた芝居を観てきたのだが、笑いと推理とホームズ兄弟の愛憎にワトソンの屈折した思いも加わって、じつに楽しかった。しかも、ちょうどこの本を借りた頃に本人のエッセイが新聞に掲載されたのだが、参考にこの作品を読んだことが書かれていてびっくり。世界中で愛されているホームズに、またどこかで出会えるといいな。