駒月雅子のレビュー一覧
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やっぱりホームズ。
モダン小説は全てホームズを参考に書かれている。
改めて読むと他のミステリーと違って犯人を自身の推理で突き止めるだけでなく、あっさりと捕まえるところまで抜け目ない所がホームズの凄さだと感じる。
社会人になってから読んでみて彼のプロフェッショナリズムにも魅了を感じた。ワトソンがコペルニクス理論や太陽系の位置等、至って常識的な知識をホームズが知らないことについて疑問を指摘したとき、仕事に必要のない無駄な知識を覚えてしまったとホームズはそれらの知識を忘れようとする姿勢が印象的だ。
人間の記憶容量は限られている故にストックする知識は厳選する。とても合理的で、プライベートを犠牲にするプ -
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Posted by ブクログ
シャーロックホームズシリーズ長編第3弾
自分はこれまで読んだホームズの作品の中では緋色の研究が一番素晴らしいと思っていて、この作品も素晴らしかったのだが、やはり比べてしまうとどうしても、その後の作品がどれもあれ以上の出来にはどうしても思えなくなってしまっている。
今回の物語には過去の長編2作と比べて過去パート(犯人の自供パート)がない。なぜないのかは読み終えればわかるだろう。
短編集を除き3作目ともなると、ホームズと数々の事件を一緒に解決してきた影響か、ワトソンにも洞察眼が備わってきているのがわかる。あとはなぜそう感じたのかがきちんとわかればホームズに並べるのかもしれない。
そしてホー -
Posted by ブクログ
角川版シャーロックホームズシリーズ 短編集2冊目
ジェームズ・モリアーティが登場し、決着する最後の事件を含む12編の短編集。
自分はシャーロックホームズシリーズをロバート・ダウニーJr. が演じる映画版から入ったので、ホームズとモリアーティが対決する”最後の事件”が短く、こんなものなのか?と驚いた。
> 「ボール箱」はセンセーショナルなテーマを理由に削除され、その後欧米で出された新版でも省かれる場合がほとんどだったのです。
と訳者あとがきにあり、私が初めてボール箱を読んだときは、ただの男女の愛憎ものだと思ったのだが、
> 当時のイギリスは植民地支配によって栄華をきわめてい