松永美穂のレビュー一覧

  • オルガ

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    第一次大戦前のドイツ、祖母に引き取られたオルガは、農園主の息子ヘルベルトと仲良くなるが、農園主に反対される。ヘルベルトは英雄を夢見て北極圏の冒険に出かけるが、音信不通になってしまう。オルガは、祖母の反対を押し切り師範学校へ行き教師になる。行方のわからないヘルベルトに局留めの手紙を書きながら、オルガは第二次世界大戦を迎える。

    第一部は、オルガとヘルベルトの若い日々と、ヘルベルトがいなくなったあとのオルガの日々をオルガが語る。
    第二部は、大戦後オルガが親しくし家で裁縫をしていた家庭の息子フェルディナンドが、年老いたオルガを語る。
    第三部は、オルガの死後フェルディナンドが手に入れたオルガのヘルベル

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    2021年07月15日
  • 車輪の下で

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    要所要所での人間に対する分析が非常に鋭く、登場人物それぞれの人生もどこか見過ごせないような感じがして、とても面白かった。ハッピーエンドと捉えるか、バッドエンドと捉えるかは人によりそう。主人公のような人生を歩む人は多いと思う。

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    2021年05月08日
  • オルガ

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    "墓地を歩くのが好きな理由は、ここではすべての人が対等だから、とのことだった。強者も弱者も、貧者も富者も、愛された者も心にかけてもらえなかった者も、成功した者も、破滅した者も。霊廟や天使の像や大きな墓石も関係ない。みんな同じように死んでいて、もはや偉大であることもできないし、偉大すぎることなんてぜんぜんない。"(p.102)


    "沈黙は学べるのだ――沈黙に含まれる、待機の姿勢によって。"(p.119)

    "要求は出さず、期待もせず、一番いいのは、言葉では何も言わないことです。"(p.170)



    "雪や氷、武器や戦争――

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    2024年06月13日
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ

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    ネタバレ

    3つの短編ドイツの自然ってこんなにも美しいんだって。鳥がそれぞれの物語に出てくるところもすてき。

    みずうみ
    自然の描写が美しい。
    結ばれなかったふたりだから美しい物語になるのかなぁ。それにしても、彼女の夫は鈍感なの。優しいの。人生についてパンになぞらえる部分など鋭い教訓だなぁ。なんで?なんで?って思ってしまいました。
    エリザーベトのもとにラインハルトがいなくなってから、ラインハルトの幼馴染のエーリヒさんが通ってきてたけど、ラインハルトはその人のこと、自分の着ている茶色のオーバーにそっくりだって言ってて。悪口にきこえるけど、エリサーベトは、それをそんなふうに思ってないみたいで、手紙に描いたりし

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    2020年11月29日
  • 才女の運命

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    読後はドッシリずっしりとした重苦しい気持ちになる。
    1人の女性について20ページ程度にまとめられており、読みやすい。

    結婚や、結婚でなくとも男性との繋がりによって才能や時間、人生を搾取され、そして男性の見方によって歴史からも排除されてきた、才能豊かで努力家でもあった、稀有な女性の先輩方。

    過去の話だけど、今の日本でも個人差はあれど続いているのではないか。
    結婚という契約により、女性は男性の帰属下になり、女性の人生をコントロールできる、より口出しできると無意識下に思っているのは現代にも繋がっていないか。

    事実婚を選ぶ一因は、こういうこともあるのだと思う。

    シャルロッテ・ベーレント=コリン

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    2020年10月03日
  • 才女の運命

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    大学時代、「青年期の病理」という講座で、「芸術的才能がある人から芸術を取り上げるとやばい。病気になる」と聞きました。
    この本に出てくる女性たちの多くが病に向かっていったこと、その事実に切ないものを感じました。

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    2020年08月25日
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ

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    短編集.
    3編共過去を思い出すというより,過去と寄り添っているような味わい深い物語.訳もいいのだろうが簡潔な文章で物語の風景世界が目の前に広がっている.森の中のいちご摘み,枯れたバラ園,人形劇など目に見えるようだった.

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    2020年07月28日
  • オルガ

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    遠く離れて時折にしか会えない人を、どうやって思い続け心を通い合わせることが出来るのだろう。そして会うことも叶わなくなった亡き人を。
    静かで強い。既読がつかなかったり返信がないだけで一喜一憂するような現代からは遠い強さ。多分、相手や相手との関係というより、自分自身の強さなのだろうな。

    オルガにも不安や悲しみや眠れない夜はたくさんあったはずで、そしてそれはその時代の女性たちには珍しいことではなかったはず、とも思う。
    我が身を問われる思い。

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    2020年07月22日
  • オルガ

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    格調高い文学の香りに包まれました。一生ヘルベルトへの愛を貫いたオルガは幸せですね。手紙一通一通から熱い思いが伝わります。腹を立て喧嘩するからこそパートナー、、オルガに教えられました。夫とはしっかりパートナーだったんだな。戦争を絡めて人の強い意志をあぶり出す、朗読者でも感じたことです。久しぶりにシュリンク氏の著作を読み、久しぶりにその魅力に浸れました。しばらく強く生きられそうです。

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    2020年06月26日
  • オルガ

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    個人の葛藤と世代的トラウマが折り重なる。

    苦痛と困難の時代。

    世界大戦、戦間期、再びの大戦、戦後。

    近代から現代へ急速な変貌、それはオルガにとっても、彼女の世代にとっても苦痛と喪失を伴うものだった。

    この物語に言うべき言葉はあまり見つからない。

    喪失を乗り越えるために必死に生き、届くはずのない手紙を送るオルガ。

    歴史は語られるものであって、読み解かれるものになる。

    翻訳あとがき(松永美穂氏)の引用『「シュリンクは不愉快な問いを投げかけることを忘れない」』

    まさしく、葛藤とは直面化したくないものだ。
    しかし、その葛藤から洞察を得たいと思うのも健全な人間の文化だとも思う。

    物語の

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    2020年06月10日
  • みずうみ/三色すみれ/人形使いのポーレ

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    ネタバレ

    みずうみ
    エリーザベトとラインハルトの物語。
    ラインハルトの鳥が、カナリアに変わったことが悲しかった。在学中、彼は思いを持ちながら、自分の世界に入ってしまった。時は巻き戻せなかった。

    3色スミレ
    希望がたくさんで、読み終えてホッとした。若い新妻は前妻と一緒で肖像画になるのかとやきもきした。新妻の成長に感謝。同じ名前はつけないとした夫に尊敬を。

    人形使いのポーレ
    婦人のお父様は残念だった。だが夫人は幸せで、これからも幸せを紡いでいくのだと考えると、お父様の無念も晴れると思った。ドイツ中部の工房を離れるときの決心は見事だった。工房のおかみさんにも賛辞を。

    繊細な描写が多く、勢いで読む本ではな

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    2020年06月05日
  • 車輪の下で

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    ネタバレ

    ヘッセが若い頃に書いたようだけど教育機関、細い一本道の進路の閉塞感に反発しまくり。批判的な自伝的小説。ロックンロール。
    生真面目に頑張ったけど落ちぶれて川に落ちて死んだハンスと、詩人で自由人で周囲から疎まれ退学してそれなりにいい人生を送ったらしいハイルナー、親友同士のこの二人が、実はヘッセ自身の分身的存在であると解説で知り、面白い。
    レールに敷かれた人生を真面目に生きても周囲の重圧に揉まれ運もよくなくて病んで落ちぶれダメになったハンス、これは割と「あるある」なのだろうけど、そういう人たちへの哀れみ、鎮魂歌、或いは祈りのように感じる。そうさせた社会への怒りも。十代で読むか大人の側に立って読むかで

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    2020年02月12日
  • 車輪の下で

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    思春期の少年の、細かな心の動きをしつこく客観的に描いた作品。
    10代の頃に出会っていたら、すごく救われるか図星すぎて直視できなかったか。
    思春期って命がけなことを思い出した。
    それとは別に季節と風景の捉え方が秀逸。

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    2020年01月12日
  • 車輪の下で

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    小学生の時、母親から、読むようにと無理やり押し付けられた本の中に「車輪の下」があった。たしかポプラ社から出てた小学生用に易しく翻訳された「車輪の下」である。当時、どうしてもその本を読む気になれず、そのまま年月は過ぎてたんだが、今回、新訳という事で「車輪の下」に初挑戦してみた。
    読んでみる気になったのは、あるラジオ番組で、新訳で出された本書のことを褒めていたからだ。非常に読みやすい訳って聞いて、読んでみようと思ったわけだ。もっとも本書を購入してから半年近く積読状態だったんだが・・・。

    ヘッセの自伝的小説とも言われる本書。おおまかな流れは、ドイツのある田舎町。町で一番の優等生ハンスは、神学校に入

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    2016年07月04日
  • 朗読者(新潮文庫)

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    いい本だった。
    読むと分かるけど、この本には確実に伝えたい事がある。でもそれをオブラートに包むどころか、殆ど匂わないように封じ込めて、年の差カップルの恋愛としてお話が始まる。

    第一部は、恋愛の行く末。私は女性だけど、主人公と一緒にハンナに恋をする。

    第二部は、法学部教授である作者の本領発揮どころ。法学を学ぶ人が読むと、感じることが違うのではないだろうかとい思わせる内容。黒と白の狭間で揺れる主人公。

    第三部は、ハンナとの穏やかな関係と意外な終焉。

    ドイツというと、、、という話を想像したが、逆の立場からの話で私にはその方が共感できる。人は弱い生き物で、よく考えもせずマスコミに煽られ、現在の

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    2023年03月02日
  • 車輪の下で

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    ヘッセが1905年に発表した自身の学生時代を描いた自伝的な長編小説。初めて読んだのは、中学生の頃に新潮文庫から出ている高橋健二訳でしたが、今回は新訳で。しかし、100年以上前の作品が、今も読む度に新しい感動を生みだすという持っている力に本当に驚かされる。ハンスの周りにいた大人たちがもっと色々なサインに気づいていれば、彼は死なずに済んだんだろうと思うとやるせない気持ちになる。新訳はかなり読みやすいので多くの人に読まれると良いな。とは言うものの、四苦八苦しながら、あえて旧訳で読むという選択肢も面白いと思う。

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    2014年11月24日
  • マルテの手記

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    パリの情景と人々の暮らしに関する、青年・マルテのモノローグである。彼は見ることから学び、そして考える。断片的な思索の過程そのものと、世界と絡まる自身の内面を描いている。「病み」の中に隠れている健全さも印象的。

    表紙の絵はまさしく「クラインの壺」。

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    2014年09月03日
  • モモ(絵本版)

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    10歳8ヶ月の娘
    7歳8ヶ月の息子に読み聞かせ

    モモ読んだの
    いつだったんだろう…

    中学生?
    高校生のときかな??

    ぜひ読んでおきたい名作ということで
    読んだけど
    当時の私には難しく。
    みなが言うほど心に残らず。

    大人になってから
    改めて読んでみたいなと。

    絵本版がでたとのことで
    読んでみたけれど
    あれ?モモってこんな話だったっけ?

    私の中で
    時間どろぼうと亀のイメージしか残ってなく…

    やっぱり改めて
    原作を読んでみないとだな。

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    2026年01月29日
  • モモ(絵本版)

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    この本が評判になった時、なぜか手に取ることをしなかった。「時間泥棒」ってなに? って感じ。それが絵本になり、知人が大ファンで子どもに「もも」と名前をつけていると知ったとき、読んでみようと思った。何十年ごしである。
    まず絵がすてき。話を聞くことの大切さを再認識。前世で友だちだったことまで出てきて、時間泥棒の話は? というところでおしまい。出てこない。結局、映像化作品を観たり、漫画化されたものを読んだりしても本作には届かないということで、絵本ではかなわなかった。そして残ったのは、やっぱり本作を読まなくちゃね。ということで、読みたい本リストに入れた。

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    2026年01月12日
  • 朗読者(新潮文庫)

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    愛した人が戦争犯罪者だったら
    あとがきに書いてあった
    答えがなくいろいろな考えがあっていい
    AIに感想を聞いたらどうだろ

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    2026年01月04日