【感想・ネタバレ】朗読者(新潮文庫)のレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年12月30日

戦争を知らない世代にとって、かつて自国が戦争をしたということについてどう捉えるべきか考えさせる内容。また、自分のコンプレックスを乗り越えること、更生と再生などをテーマとして感じた。

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Posted by ブクログ 2019年10月12日

もっともっと早く読めば良かった。感動させたベストセラーだからと言うわけではなく、自分と彼女の関係、父との関係、友との関係、その関係性の中で何が正しく、何が違っているかを物語はあくまで読者に委ねている。自分はどう考えるか?ハンナが裁判で語ったようにあなたならどうしますか?心に突き刺さる。

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Posted by ブクログ 2019年08月29日

最初は単純な年下の男の子と年上の女性の恋物語かと読み進めていたが、中盤から物語がガラッと変化する。途中結構辛くなったけど最後は一気に読めた。ハンナは努力家の真っ直ぐな気質で女性で、それ故に許される自分のことが自分で許せなくなったのか。自分が同じ立場になったときにどう行動できるのか、反復して考えるため...続きを読むに、このような物語を読むことは力になる。ハンナが裁判長に問いかける「あなたなら何をしましたか?」これは読んでいる読者すべてに、自分のことではないと傍観してはいけないと問いかけられていると感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年06月07日

大学のドイツ語の先生に薦められて読みました。

坊やの心情やハンナの裁判での葛藤が映画よりも細かく描かれていると感じました。
特に、裁判でのハンナの一言が印象的です。

そして、最後のハンナの選択には涙が止まりませんでした。
さらに、最後の一文にも涙が溢れました。

20代の私にはハンナの選択が理解...続きを読むできません。
これから読み込んでいきたいと思います。

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Posted by ブクログ 2018年04月07日

私たちは「あの出来事」を、どう思い出すべきなのか。
無機質を気取って、他者の過ちだと斬って捨てるのか、理解しようと努め、苦しみ続けるのか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年12月28日

 ホロコーストに関連した小説ですが、ホロコーストに加担した者を一方的に断罪するような単純な作品ではありません。また、戦時の行為を特殊な状況下であったことを理由に安易に正当化しようとするものでもありません。いろんな理解の仕方があると思いますが、大きな不幸に不可抗力的に巻き込まれた人の悲劇、加害者の側に...続きを読む立ってしまった人が背負う罪の意識、人が人を裁くことなどできるのか、そもそも何のために人は人を裁かねばならないのかといったことをテーマとした作品といえば当たらずとも遠からずだと思います。

 第一部がかなりショッキングな内容なので嫌悪感を持つ人がいるかもしれません。しかし、主人公のミハエル・ベルクがハンナ・シュミッツの人生(あるいは心の問題)に深く関わっていく必然性を導き出すには、このような物語の設定が必要だったのでしょう。

 作者のベルンハルト・シュリンクは法学者だそうで、いかにもドイツ人の学者らしい明晰な言葉で、主人公の複雑な心の内面を細かく描いていきます。結末は悲劇的であり、決して心地よいお話でもありませんが、読み終えてから暫くするともう一度読み返して意味を確かめたくなるような本だと思います。

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Posted by ブクログ 2018年03月20日

最初は、少年と年上の女性の恋愛ストーリーで、いずれすれ違って別れるんだろうな、と思っていた。
概ね合っていたけど、再会したところぐらいから、様相が違ってきた。
重い話だったけど、いろいろ考えさせられる内容だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年05月24日

 この作品は、ナチスに加担し、ユダヤ人を虐待する立場に立った人に焦点を当てている。彼らはいかなる心境だったのだろうか?
 作者はそれを「麻痺」という言葉で端的に表している。戦争という強力かつ強制的な麻酔の為に、数々の残虐行為に何も感じなくなるが、その効き目が切れた後に、加害者側に立った人々はどうしよ...続きを読むうもなく戸惑うことになるのだ。大変むごいことをしてしまった。しかし他にやりようがあっただろうか?
 作者はハンナを正当化するでもなく、糾弾するでもなく、淡々と描いてみせるだけだ。それは問いかけである。しかも、ひどく意地の悪い問いかけである。問われる側の我々は、果たしてどちらの立場にも立つことができないのだから。
 ナチスとユダヤで分からないなら、われわれは旧日本軍と近隣諸国に置き換えて考えることもできる。この本は、最低2度は読まなければなるまい。一度目は主人公とともに戸惑う為に、二度目は、おそらく、その戸惑いを受容する為に、だと思う。

原題:Der Vorleser

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Posted by ブクログ 2020年05月27日

直接的に戦争の描写をするわけではないが、
愛した女性を挟んで戦争をとらえることで、
見えてくる世界があった。
「あなただったら何をしましたか?」の言葉が重くのしかかる。

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Posted by ブクログ 2020年04月18日

余りに引力が強く、余りに哀しい物語だった。
始終ストリングスが聴こえる様な静謐さに反し、激しい感情の起伏を強いられる箇所も屡々。

舞台は戦時色が強く残るドイツ故に、社会的背景はとても陰鬱だ。
只、それがこの美しきロマンスをよりドラマティックに仕立て上げ、読者の心を高揚させた事は否めない。
ハンナの...続きを読む秘密は自身の身を滅ぼした。
数十年の人生と引き換えてまで守りたい秘密だったのか?
それは、正直な感想だ。
しかし、人に知られたくない事やひっそりと持ち続ける誇りなど、人それぞれではないか。
出逢った当初の二人は互いの身の上より先に、身体が持つ情報を交換し合った。
そして数十年の時を経、ハンナは彼の発信する情報より秘密の重大さを克服しようと懸命になったのだ。
彼女の努力は実に涙ぐましく、心を揺さぶる。
やるせない結末の着地点も、とても素敵だった。

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Posted by ブクログ 2020年02月15日

朗読をする男と朗読を聞く女が執筆者になる物語。男は女の愛については何も分からない。女に何をすべきかもわからない。しかし、女を愛すことで青年期を迎えた男の記憶に、女の姿は褪せることなく焼きついている。

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Posted by ブクログ 2019年05月21日

はじめて読んだ10代の頃から、何度か読み返してきた気がするが、改めて通して再読したのは久々。
読むたびに注目するポイントが変わるが、その度に、ここで語られる様々な事件(ハンナとミヒャエルの関係、裁判、その後のハンナとミヒャエルの生涯など)をどう捉えたら良いのか、わからなくなっていく。
出来事をとにか...続きを読むく追って夢中になった時、二人の関係に切なくなり涙した時もあったが、今回はストーリーを概ね覚えていたのに、読めば読むほど、複雑になっていく。
登場人物たちの描写が巧みで、だからこそ、わからなくなって、深みにはまっていくような気がする。名作だと思う。

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Posted by ブクログ 2019年04月28日

15歳の少年が母親のような年齢の女性と関係を持ち、次第に溺れていくという展開に目が行ってしまいがちだが、この小説の主題はドイツにおける戦後世代のさまざまな葛藤だと感じた。

多くの収容所を擁していたドイツでは、親世代に対する反発心等は、同じ敗戦国の日本とはまた異なると思う。

愛した人が実はナチ時代...続きを読むの戦争犯罪者だった。その時自分は何ができ、何をしたいのか。悩み、苦しむ様子が丁寧に描かれている。

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Posted by ブクログ 2019年03月22日

 久々の海外文学。
主人公の年齢は若干15歳、ヒロインのハンナは主人公の母親くらいの年齢。
年の差を超えた愛とそこに潜む深い葛藤の物語。

前半は甘い恋愛小説。
そして、後半は一転して深く重たい物語。

もし、愛する人が戦争犯罪を犯した人だったのなら、あなたはどうするだろう?

僕も戦争を経験してい...続きを読むない世代。
戦時の状況等、必死に思い浮かべようとしても、わかるはずもなく。
それでも、主人公はハンナを信じずにはいられない。

僕だったら、苦しみながら、関わり続けるか距離をとってしまうか、それくらいしかできないのかもしれない。

何故、ハンナが文盲で、それを隠そうとしたのか。
それは、僕の中で一つの大きな謎だった。

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Posted by ブクログ 2019年01月04日

感受性の強い少年と年上の女性のぎこちない恋愛で幕を開け,別れと「アウシュビッツ裁判」に物語が進む中,人間の自由や尊厳といった哲学的な問題へと続く.愛の記憶残滓に苦しみながら,大学生になったミヒャエルは裁判を見届ける.そして何より朗読,これがハンナが文盲だと知る鍵ではあるが,この朗読によって流れる静謐...続きを読むな時間を想うと抱きしめたくなるような気持ちになった.とても重いテーマを抱えていながら,美しい描写と深い考察,素晴らしい本です.

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Posted by ブクログ 2018年09月17日

初めましての作家さん。
重い・・・重過ぎる・・・・
色々と考えさせられるというか、考え過ぎてしまう作品です。
「ぼく」は物語の語り手であって、正に朗読者でしかない。
ハンナの内面を想像することはできても知る事はできなかった。
何も答えてもらえずに結末が来て、消化できない思いが
澱となって残り続けるん...続きを読むだろうなぁと・・・
ハンナの最後の決断は、そんな彼に対する優しさですか?
彼の人生に踏み込まないという・・・
やはり難しいです。
映画化されてたんですね。

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Posted by ブクログ 2018年07月20日

映画「愛を読むひと」の原作です。
映画が良かったので、原作も読む事にしました。
映画はほぼ忠実に原作をなぞってました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月08日

過去に戦争犯罪を犯していた人を愛することは罪になるのか
組織的とも思想操作とも言える戦争犯罪を誰がどう裁くべきなのか
自ら体験したわけではない悲惨な出来事にどう向き合うべきか
人に言える関係、言えない関係、言いたくない関係
法廷でミヒャエルと目があった時、ハンナはなにを感じた?当時ハンナはミヒャエル...続きを読むをどう思っていた?
清潔で綺麗好きなハンナが刑務所生活の中で突然身なりに気を遣わなくなったのは、そして釈放直前に死を選んだのはなぜ?
わたしがミヒャエルだったらハンナが文盲であることを裁判官に言っただろうか
本人に気づいたと告げただろうか
わたしがハンナだったら答弁にどう答えただろうか
戦争に対しても、人と人の関係に対しても、自分や過去との向き合い方に対しても、考えさせられる部分の多い物語だった

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Posted by ブクログ 2018年01月14日

私にとって素晴らしい作品とは「分からない/判断がつかない部分がある」点で共通していると思う。
登場人物の発言や行動にうまくは飲み込みきれない何かがある。だから二回、三回と読み返し、演劇や映画といった別の手法による表現に触れて、あらためて考える。
そういった「繰り返し」に耐える力のある物語が、時の審判...続きを読むの中で古典になっていくのだと思う。
きっと、この作品も古典になるのだろう。普遍性のある物語である。
一方で、ある世代の生々しさや戸惑いが含まれていることが私にも伝わってくる。発刊当初はもっとリアルな感覚として共有されていたのだろう、後ろめたさのようなもの。

「朗読者」は、確か高校生の時に途中で読むのを止めてしまったのだった。その時の気持ちはもう思い出せないが、読めて良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月09日

何度も読み返したくなる、とても好きな本。すごくきれいな小説だなと思う。ミヒャエルやハンナの思い、自尊心、こだわりが、鮮明にかつ赤裸々に描かれている。

15歳のミヒャエルと30代半ばのハンナとの恋から物語は始まる。毎日のようにミヒャエルはハンナの家に行き、朗読をしてセックスをする。しかしある日突然、...続きを読むハンナはいなくなる。
2人の再会は、ミヒャエルが大学の授業で傍聴した裁判所だった。それはナチス時代にユダヤ人の強制収容所で看守を務めていた女性たちを裁く裁判であり、その被告としてハンナはいた。
裁判ではハンナは非常に正直にふるまった。しかし1度だけはっきりと嘘をつく。ある報告書を誰が執筆したのか、ということが問題になった時だ。裁判官が筆跡鑑定をしようとしたところ、ハンナが自分が書いたと嘘をつくのだ。ハンナは文盲だった。書けるわけがなかった。しかし文盲だからこそ、それがバレてしまうことを最も恐れたからこそ、ハンナは嘘をついた。
ミヒャエルはハンナが文盲だということに気づいていた。だから苦悩する。文盲だということを裁判官に伝えるべきか、伝えないべきか。ハンナを説得して文盲だと告白させるべきか、そうしないべきか。。。

”そうだ、彼女はそれを(量刑を軽くし早く自由になる事--引用者)求めて闘っていた。しかし、勝利するために文盲を暴露するという代償を払うことまでは望んでいなかった。彼女は、軽を何年分か短くするために、ぼくが彼女の自己演出を暴いてしまうことも望まないだろう。自分でもそうした取引をすることができたのに、彼女はやらなかった。つまり、やりたくないわけだ。自己演出を守ることに、刑務所何年分もの価値があるわけだ。でも、その演出はほんとうにそれほど重要なのだろうか?こんなふうに彼女を束縛し、麻痺させ、自己発展を妨げている偽りの自己演出から得るものがあるのだろうか?これほどのエネルギーを費やして嘘をつき続けるくらいなら、とっくの昔に読み書きを学ぶこともできたのに”pp159

”君は裁判官に、何がどうなっているかを言うかい?考えてごらんよ、彼はホモで、その犯行はホモでは行い得ないのに、ホモであることを恥じている。左利きやホモを恥じるべきかどうかという話じゃないんだ。考えてごらん、被告が恥ずかしがっているということが問題なんだ”pp160

ミヒャエルは結局、裁判官に何も言わなかった。そしてハンナは無期懲役になる。数年間、ミヒャエルはハンナと何も接触しない。しかし数年後、ミヒャエルは、物語の朗読を吹き込んだテープをハンナに郵送する。何もメッセージは送らず、ただ朗読だけを送り続ける。
するとある日、ハンナから短い、一言だけの手紙が届いた。ハンナは、ミヒャエルからの朗読テープを使って、字の練習をした。朗読テープと実際の本の文字とを照らし合わせながら練習したのだ。
そして、ハンナがついに仮釈放になるとの手紙がミヒャエルに届き、ミヒャエルはハンナに会いに行く。そして、釈放後の家の準備をして、釈放の前日もハンナに会いに行く。しかし、釈放の日の朝、ハンナは自殺する。

なぜ、ハンナは自殺したのだろうか。ミヒャエルにとってハンナはどんな存在だったのか。ハンナにとってミヒャエルとは。読みながら、そして読んだ後、いろんな疑問がわく小説だ。
何より、ミヒャエルとハンナがそれぞれとても魅力的な人物として描かれている。
ハンナは文盲であり、その一方で知識欲が非常に旺盛であり、誇り高くかつ非常に誠実で人望のある人物だ。ミヒャエルは、様々な葛藤の中を生きている。ハンナへの思いも複雑で、対立する思いが同居してもいる。著者のシュリンクは、そんなミヒャエルの悩みや葛藤を赤裸々に描き出す。それは、思春期における恋愛の悩みであり、あるいはナチス時代の戦犯を裁かなければならないという時代の風潮とハンナへの愛情との葛藤であり、ハンナの文盲を公開すべきかどうかという苦悩であったりする。
僕は、これは人間の誇りについての話だと思った。文盲を隠して生きていくこと、これがハンナの人生を貫く一つの大きな原理だった。それは確かに歪んでいる。文字の練習をすればよかったじゃないか。そういうのは簡単だ。しかし、文字の練習をするということは、文字が書けない自分と向き合わざるを得なくなるということでもある。ミヒャエルはそんなハンナの強い自尊心に直面し当惑したのだ。しかしそんな中、ミヒャエルが送った朗読テープを使って、ハンナは文字の練習を始める。これはとてもすごいことだ。本のなかのミヒャエルと一緒に僕は興奮した。ハンナの強さに、勇気に、感動した。
ハンナは、しかし自殺をする。いや、「だから」自殺をしたのだろうか?なぜ彼女は自殺をしたのだろうか?いまだによくわからない。
また読みたい。

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