あらすじ
15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」――ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。
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Posted by ブクログ
薦められて読んだ本ですが、本当に読んで良かったと思える1冊でした。
「あなたならどうしましたか?」という言葉が本全体にかかってくるようで重い。
この言葉が苦しいのは、ハンナは裁判長をせめるつもりもなく、本当に分からなかったから何でも知ってそうな人に教えてほしかっただけで... という...
裁判長が作中でこの問いに答えられないのも、著者自身が答えをだせなかったからなのか、読者に答えを委ねたからなのか
簡単に答えがほしいと願う読者に対して、そうそう容易く答えなんか得ようとするなと言われているようで。
「僕たち後にくる世代が恥と知と罪のなかで押し黙る ─それが求めていた結果だったのだろうか」
覚えておきたい言葉です。
Posted by ブクログ
文盲であることの恥と苦しみはどれほどのものだろう。それを知られるくらいなら、戦犯として裁かれ服役することを選んだハンナ。
文字を学び、本を読んだことで初めて自らの罪の重さを知った時、、、
どうしようもなく切なく胸を打つラストでした。
Posted by ブクログ
第二章からグンっと重いテーマになった。
2人だけの物語であれば、もっと違う結果になった気がするけど、ハンナの過去を考えると本の結末が妥当な気がする。主人公は手紙を書かなかったけど、きっと、書いたところでこの結末は変わらなくて、
やっぱり重い。
重いし、もっと違う結末を望むけど、読んで良かったと思える作品。
Posted by ブクログ
感想がまとまらない…
ドイツに、ドイツ国内で戦争犯罪を犯した人たちを裁いた時代があることを初めて知った。
戦争は経験していないけど、二度と繰り返してはならない罪の歴史として教育された、親や愛した人が戦争の当事者でありえた世代の人たちは、身近な人が犯罪者であることに、どれだけたくさんのことを考えたんだろう…
ヨーロッパの真ん中にあるドイツが負の歴史を抱えていることが、ヨーロッパの人たちにとって、どんなに身近な出来事で、記憶や文化として残っているのか、ナチズムを扱った本を読むたびに考える。
日本も決して蚊帳の外の話ではなく、かつて戦争の時代を生きた人がいて、その子どもの世代があって、今がある…戦争の時代を歴史として学んで、当時の状況を一生懸命想像するよりも、この本はいろんなことを考えさせてくれた。
訳者あとがきに、この本は二度読むと登場人物たちの繊細な心情がわかると書いてあったので、いつか再読したい。たしかに一回目はストーリーの中の大きな出来事が印象に残った。