仲正昌樹のレビュー一覧

  • ハイデガー哲学入門 『存在と時間』を読む

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    入門書だが個人的にはかなり難しく感じた。アーレントやナチズムとの文脈も読解したかったが、結局理解できずに終わったので、後ほど再読。

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    2021年07月11日
  • ペンテジレーア

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    なかなか良かった。現代を描いた作品は、やれ職業が人種が生活圏が、と何のためかわからない設定に翻弄されがちだが、こういうむかーしの戦いを描いた作品は清々しく感じた。戦うことで、生まれ持った体力知力を存分に鍛えて発揮する。物語はあっさりで、後半の解説が熱い。

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    2021年05月16日
  • 統一教会と私

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    ーー東大入学とほぼ同時に、統一教会に入った著者は、11年半にわたる入信生活の後、脱会して学者の道へ。気鋭の哲学者がその数奇な半生をつづり、みずからの宗教体験を振りかえる。ーー

    佐藤典雅「ドアの向こうのカルト」はエホバの証人から脱退ものでしたが、こちらは統一教会。
    かなり赤裸々に告白しているので読み応えあります。
    まず、統一教会の教義の基本は、「救い」と「思想」の2本立て。
    「救い」の内容とは、キリスト教がイエスが死んで肉体がなくなり霊的な働きかけしかできなくなったという「不完全さ」を克服し、地上の新たなメシア(文教祖)によって完成されるというもの。
    「思想」とは勝共理論(唯物論的なマルクス主

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    2021年03月20日
  • 現代哲学の最前線

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    現代哲学の主要なテーマをコンパクトに解説している本です。ロールズの『正義論』とそれに対する批判などを皮切りに、承認論、自然主義、心の哲学、そして新しい実在論(形而上学)の五つのテーマがとりあげられています。

    著者は、作品社から刊行されている「講義」シリーズのように、さまざまな思想家の議論の背景にある哲学史的系譜をじっさいに解きほぐして読者の前に示すような入門書を多く執筆しています。本書の「はじめに」でも、「アラカルト式の入門書は、一般教養とし哲学の基礎知識がほしいという人には役に立つだろうが、本格的に「哲学」を学びたい人、つまり過去の哲学者たちの思考を参考にして、自らも哲学的に思索したい、と

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    2020年12月19日
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える

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    悪い本ではないと思うが、「結局エリート主義しかないのでは?」という問いには答えられていない。まあ難しすぎる問題ではあるが。ただ、この点を突破できないと今アーレントを読む意義を上手く説明できない気がする。

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    2019年04月30日
  • ヘーゲルを越えるヘーゲル

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    ヘーゲル哲学は、現代思想のさまざまなシーンにおいて、肯定・否定の両面において議論の対象となっています。本書は、そうした多様な解釈と評価において姿を現わす、ヘーゲル哲学の多面性を紹介している本です。

    フランシス・フクヤマの『歴史の終わり』と、そのバックボーンになっているアレクサンドル・コジェーヴのヘーゲル解釈からはじまって、ハーバーマスやアドルノ、チャールズ・テイラーやロバート・ブランダム、スラヴォイ・ジジェクやジュリス・バトラーといった思想家たちが、ヘーゲルについてどのような解釈を提出しているのか、簡潔に論じられています。

    ヘーゲル哲学の現代的な解釈の諸相を概観することができるという意味で

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    2019年01月19日
  • ハイデガー哲学入門 『存在と時間』を読む

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    ・一度「存在」への問いに囚われると、そこから完全に逃げ出すことはできなくなり、「存在」を気遣い続けることになる。逆に言えば、「気遣」っているからこそ、「現存在」は「実存」として「存在」しているのであり、「気遣い」しなくなった時、「現存在」はもはや「存在」しない
    ・「死」をもって、自分の現存在の全てが顕わになるが、その瞬間を自分で経験することはできない。「死」の瞬間に、経験する主体である自分自身が消滅するからである。「死」をもって、各人のそれまでの各種の気遣いや、自明視してきた有意義性の連関も消滅する(ように思える)。「世界」がその後も”存在”し続けるかどうか分からないし、たとえ”存在”し続けた

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    2018年11月04日
  • 日本とドイツ 二つの全体主義~「戦前思想」を書く~

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    プロローグによると、日本とドイツの戦前の思想は「意味のある比較」をすることができる、ということらしい。個人的にはドイツのような変な国と比較されるのは嫌なのだが、意味があるのであれば仕方がない。

    内容は、国民国家としての両国の誕生から挫折するまでの歩みを両共同体の思想史を通じて読み解く、といったタイトル通りの内容。少し物足りなさは感じるくらいサッパリしていて読みやすいが奥は深い。そして闇も深い。

    興味深い箇所は多々あるのだけど、特に興味を引いたのは「日本的なもの」という曖昧な概念を「台風の目のように中心が空洞になっていて、周辺の空気の運動を吸収して次第に膨張していく」として、これがファシズム

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    2018年09月21日
  • マックス・ウェーバーを読む

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    『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』についての解説がよかった。ウェーバーを離れてあちこち寄り道しているようでいて「では寄り道か」というとそうでもないような感じ。新書なのであまりに深すぎる話にはならない程度なこともあって自分には読みやすかった。

    他の章では、例えば「価値基準を学問的に位置付ける」や「理解するとはどういうことか」といったふうに、うまい具合に要約された太字の後に、絶妙の説明がある(テクストがある)という書き方は「理解」しやすい。

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    2018年03月02日
  • 日本とドイツ 二つの戦後思想

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    未開人のうちに、かつての自分の野蛮さの鏡像を見てしまい、自分もまたそこに引き戻されるのではないかという不安に襲われる文明人は、彼らを放っておくことができない。
    仲正昌樹『日本とドイツ 二つの戦後思想』p149

    日本の戦後思想は、マルクス主義の人々(とマルクスを独自に解釈して実践する左派の人々)が、その時代ごとに「何を考えてどう行動した(しようとした)のか」が中心。この点が詳しく書いていないと、文字通り何が書かれているのかわからないのだが、本書はその点をドイツのそれと比較して読み進められるので読みやすい。

    言われてみると過去、新聞では「マルクスっぽい理想郷」というものを共通の概念として持って

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    2018年01月30日
  • いまを生きるための思想キーワード

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    「高校生でもわかる」のかどうか、疑問ではある。ただこの疑問をツッコミどころとするのは筋違い、著者のこれまでの出版物などをリーダーズダイジェスト的な色合いで一冊にまとめた感じでスピード感があって面白い。
    『高校生でもわかる(かもしれない)仲正昌樹』というのが適切か。最初に読む仲正昌樹としては良い本だし、最初に読むとすると『今こそアーレント』かこれだと思う。

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    2018年01月03日
  • 〈宗教化〉する現代思想

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    面白かったし読みやすかった。もとUCという特殊な文脈がシンパシーとしてひきつける。どのようなラディカルな思想であろうとも「形而上学」的な側面からは離れることができない。それを自明なものとして、それぞれの人生から思想も活動も、特に知的な分野に身を置こうとする場合は、それらを心にとどめておく必要がある。
    まあ、それはめちゃくちゃわかっていたが、改めてしっかり確認。結局一周して「無知の知」ということだろうか。

    収穫はデリダですかね。エクリチュールに考えさせられるところがある。ポスト構造主義理解の足掛かりになってくれたらうれしい。


    17.4.14

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    2017年04月14日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    『全体主義の起源』『人間の条件』『革命について』そして最晩年の『精神の生活』とそれを補完する「カント政治哲学講義」をとりあげ、その思想の「もどかしさ」がもつ魅力を、著者自身の明快なことばで解説しています。

    「序論」には、「アーレント理論の“忠実な解説”は放棄して、アーレントの思想の中で特に重要だと私が思っている内容を、現代日本でもお馴染みの政治・社会問題にやや強引に引き付けながら紹介していくことにしたい」と書かれていますが、そこまで強引な解釈をおこなっているようには感じられず、むしろ現代社会のなかに具体例を探しながら、わかりやすく解説している本だと思います。

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    2017年11月07日
  • ハイデガー哲学入門 『存在と時間』を読む

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    『存在と時間』。過去なんども読破に挫折。本書でようやくわかったような気分になれて、やっと胸のつかえがとれた感じ。

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    2016年02月04日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    政治や人間性というのを「読み直す」為の本になっている。
    特に人間とはペルソナを付けてはじめて人間として想定される本性に近づくという論点は重要なものだろう。
    ならば、仮面そのものともなりうる言葉とは人間性の概念において中心となるものだ。ただ、空間のベクトルについてはこのままでは未整理のままだとも思う。

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    2015年07月10日
  • マックス・ウェーバーを読む

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    マックス・ヴェーバーの著作の中から、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、『職業としての政治』と『官僚制』、『社会科学と社会政策に関わる認識の「客観性」』と『社会学の基礎概念』、『職業としての学問』を取り上げ、その内容について分かりやすく解説している本です。

    「あとがき」には、無理にヴェーバーの統一像を提示するのではなく、ヴェーバーの主要著作についてピンポイント解説をおこなうことをめざしていると書かれていますが、「ヴェーバー学」の権威である折原浩がアカデミズムきってのうるさ型ということも影響しているのか、ヴェーバーにかんする簡明な入門書は少ないので、本書のように新書サイズで読めて分

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    2015年05月22日
  • マックス・ウェーバーを読む

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    ネタバレ

    元々は、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に興味があって岩波文庫の原本を買ったのだが、中々進まないのでこの入門書を手に取った。

    読んでみると、最後の「職業としての学問」の第4章が親しみやすく、面白かった。特に、「世界を動かしている法則を知ることが可能である、という信念を人々が共有すること」としての「脱呪術化」の指摘に鋭さと現代の思想にもつながる先駆性を感じた。

    私たちは、携帯電話の通話の仕組みをほとんど知らない。しかし、その動きを予測することができれば不便はなく、十分であり満足する。また、その働きに、神秘性や呪術が介在する余地は全くない。一方、「未開人」は、自分が使う道具の仕

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    2015年05月09日
  • 日本とドイツ 二つの全体主義~「戦前思想」を書く~

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    『日本とドイツ 二つの戦後思想』(光文社新書)の続編。ナショナリズムや社会主義、全体主義などの項目について、1870年から第二次世界大戦までの日本とドイツの思想を照らし合わせています。

    比較を通して日本とドイツの共通点を差異をはっきりと示すことがめざされているのではなく、それぞれの観点から両国の思想状況の特色を概説的に説明するにとどまっており、明確な結論のようなものは見受けられないように思いました。もう少し、両国を対照する視点をはっきりと示してほしかったように思います。

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    2015年05月08日
  • いまを生きるための思想キーワード

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    現在、信頼できる知性の一人である仲正さんの著作であって、さすがにレベルが高い。論旨が明快でわかりやすく、概念を多面的に知ることができる。良書。

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    2014年08月23日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    昨年末…映画『ハンナ・アーレント』を観に行って驚いた。いつもは客席もまばらな単館映画ばかりをかけるハコが満席。用意された補助席も足らず、床に敷かれた座布団に腰をおろして観たのだった…アーレントの言説のなにに、今の日本の人たちは惹かれるのだろう…?

    映画はアイヒマン裁判の傍聴からなされたアーレントの言説による、世間からのパッシングを軸に、その人生を俯瞰して見せてくれた…映画を観たあと、アーレントの思索をたどろうとして、主著である『人間の条件』を買ったのだけれど、数ページめくってみて、とても読める代物ではない…と諦めた…で、概説書が欲しくて手にしたのが本書だった。

    ーアーレント理論の“忠実な解

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    2014年02月23日