仲正昌樹のレビュー一覧
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帯の「現代思想の入門書」という文句とユニークなタイトルに惹かれて買って読んでみたが、私が以前に読んだ仲正氏の日本とドイツの思想比較をテーマにした新書よりも抽象度が高く、理解が及ばない箇所が多々あった。
この本は、アドルノ、ベンヤミン、アーレント、デリタ、ハイデガー、フーコー、マルクス、ニーチェ、ラカン、スローターダイクの10人の思想を章に分けて、著者のテーマに合わせて引用しつつ解説・解釈して話が展開していく形式をとっている。
私としては不十分な理解なりにも、ニーチェの「超人」に関する思想をバカボンのパパを題材にして論じている章が、妙に説得力があるように思われ楽しめた。 -
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ネタバレ『日本とドイツの二つの戦後思想』の続編?という位置づけにあたるようだ。前作の戦後思想に関するもののように、活発に議論されるテーマでなかったせいか、著者独自の見解というものが極力示されておらず、1870年代~1930年代までのドイツと日本の思想の変遷を順を追って比較し、論じるにとどまったものになっている。
前作の続編に位置づけられるのに、時代は遡っているという極めて異様な本書であるが、読み進めていくうちにこの後編を読むことによって、前作の理解がより深まっていくように感じた。
戦前から戦後と順を追っていくよりも、戦後の結果を踏まえた上でより理解が深まるものであると計算して、このシリーズを書 -
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ネタバレ日本とドイツ―戦後の対外政策においてよく比較の対象とされる両国であるが―では、よく「ドイツは周辺諸国にちゃんと謝罪したが、日本はアジアの国々に謝罪しない。けしからん」という主張が展開される。そうなるのはなぜなのか?、という素朴な疑問から出発している。
著者によると、日本とドイツの戦後政策は地政学的要素・政治的要素・文化的要素などから、単純比較はできないし、すべきでないという指摘・批判が鋭くなされていた。メディアで展開されるような単純な比較の問題とは異なり、議論に深みがあり説得力を持ったものだった。
ただ、途中のマルクス主義の日独比較あたりから、私の不勉強による教養の欠如が原因で、十分に -
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[ 内容 ]
プラトン以降の西欧哲学・思想史において、“すぐれた哲学・思想”と思われているものが、いかに擬似宗教(形而上学)化の危険性と隣り合わせにありそのことが哲学者・思想家によってどのように問題化され、論じられてきたのか。
本書では、現代思想に特に強い影響を与えたハイデガー、アーレント、デリダなどの論考をてがかりに、思想史の概観を試みる。
新興宗教体験を持つ著者だからこそ、現代日本の思想業界に、“生き生きとしたラディカルな思想”を中心とした「真の共同体」を求めるかのような、擬似宗教化の風潮が生じていることが分かるのである。
[ 目次 ]
序章 擬似宗教化する現代思想と「私」
第1章 「真 -
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ネタバレ[ 内容 ]
国民性か?
歴史の必然か?
近代化の陥った罠を思想史から俯瞰する。
[ 目次 ]
第1章 近代化とナショナリズム(「国民」という思想 「国民」の“人為”と“自然” ほか)
第2章 二つの社会主義(「労働者」の誕生と社会主義 国民国家と社会主義 ほか)
第3章 市民的自由と文化的共同性(二つの戦間期 ワイマール共和国の大衆民主主義 ほか)
第4章 全体主義と西欧近代の超克(脱西欧化と新保守主義革命 脱西欧化とアジア主義 「生存圏」の思想 「近代の超克」論 ロマン主義と「近代の超克」)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆ -
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普遍的真理を探究し、誰にでも分かるように証明する「哲学・思想」には、もともと疑似宗教的な共同体を作り上げる傾向が付随する。ある一定の真理を得られたとしてもそれをもまた吟味して問い続ける営みが哲学なのだが、哲学が疑似宗教にはまってしまう危険性を、いかにして思想家(とくに現代思想家)たちが問題化としてきたのかを本書では思想史を概観しながら取り上げている(とはいえ、ハイデガー、ハンナ=アーレント、デリダがメインだが)。
西洋哲学・思想史の流れとして、万物を遍く普遍的真理を探究し、その真理の名の下に世界や人間のあるべき姿や政治、科学などを説く、ソクラテスやプラトンに代表されるギリシア思想の流れと、 -
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アホなので中盤くらいからよく分かってないがとりあえず最後までは読んだ。色々とガタが来ていたアメリカ的なリベラルを立て直すためにロールズの正義論があって、そこにリバタリアニズムやコミュニタリアニズムから反論があって…みたいな流れやった気がするけど、コミュニタリアニズムくらいから色んな人が色んなことを言いだしてもう分からない。思想をまとめるというのは大変なことです。
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まあでもリベラルとかネオコンとか、言葉しか知らんものがなんとなく分かったのは良かった。貧乏な白人が何にキレてるのかも分かった気がするし、フェミニズムとかそういう運動にリベラルな人たちとラディカルな人たちがいるのも勉強になった。 -
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ウェーバー読んだ事ないし、哲学とかほとんど読んだ事ないし大丈夫かなと思いながら、でも入門書だし、と思って手に取った。はっきり言って難しかった。調べながら1日4、50ページとかの超スローペースで読んでなんとか理解できた。
ウェーバーの論考を読んで感じたのは、彼の思想が単に過去を分析するものではなく、現代社会の本質を鋭く捉えているということ
合理化や価値の多元化といったウェーバーの概念が、今の私たちが直面している問題と深くつながっていると思った
本に含まれるのはウェーバーの考えの一部分だけど、とても鋭くて柔らかい考えだと思った。めちゃくちゃ頭いいし、著者も言ってたけどバランス感覚が抜群というの -
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人間が世界の在り方について語るには、常に何らかの形而上学的前提に頼らざるを得ない。その点では、マルクス主義もキリスト教もポストモダンも共通しているという。仲正昌樹は、この「〈宗教〉化する現代思想」の中で、先人の形而上学的な思考枠組みを克服するつもりが自らもその形而上学的な思考枠組みに陥ってしまう過程を延々と描いている。
この循環を脱する方法は著者曰く存在しない。このような状況の中で私たちはどのようにしたらよいのだろうか。著者は哲学・思想において重要なのは結論ではなく、その思考過程にあるとする。無意識レベルの形而上学的な前提を「適度に」疑いつづける「相対主義者」であることを著者は勧めているように