仲正昌樹のレビュー一覧

  • マックス・ウェーバーを読む

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    学生時代にマックス・ウェーバーの本。
    正直、先生のいうことだけでは訳分からなかった。
    テストが大変だった記憶がある。

    この本がもっと早く出ていたら、学生の頃きっと助かったなあと思う。そのくらい分かりやすい。ポイントがさらっと押さえられている。とてもいい。
    いま改めて読んだら、ウェーバーって結構新しい人で、すごい人なんだなあと思った。

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    2015年08月02日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    アーレントって誰かというと、師のハイデッカーと不倫関係に陥るも、全体主義を批判した本を書いて一躍有名になった人。

    この人の政治というのは、どうも私が思っていたのよりギリシア哲学的なものが含まれている気がする。
    しかも、その問われる場面が日常にありうるものだからなおのこと。

    分かりやすく書かれている本。
    ただ、私はもう1度読んだほうがいいかも。

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    2015年02月08日
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険

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    第二次世界大戦前後から9.11以降の現在に至るアメリカの政治思想の歴史を、その時々の政治的状況を顧みながら概観する。「アメリカ現代思想」と言っても、アメリカに拠点を移したヨーロッパや非西欧圏出身の思想家なども含まれるので、本書がカバーする範囲は広い。

    第一講ではロールズ以前のアメリカの思想状況として、全体主義を批判し自由を擁護したフロム、ハイエク、アーレントなどが紹介される。

    第二講以降は、ロールズの正義論と、それに対するリアクションとして展開された種々の思想が時代を追って紹介される。

    ロールズに対する種々の批判や応用、広義のリベラリズムとポストモダニズムの関係などを解説した第三講〜第五

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    2015年01月28日
  • マックス・ウェーバーを読む

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    専門分野が多岐に渡るマックスウエーバーについての入門書という難しい問題に対して、その著書を読むことを通じて当たられた本書の挑戦が見事に当たっていると思います。本来、ウエーバーを学ぶには相応の覚悟が必要だと思いますが、その知識の一部でも正確に知る事ができる本書は有難かったです。
    著者も序で書かれているように、やはり専門的な内容にもなるので、学生になって講義を受けているような姿勢で読まなければならない面があります。私は第3章が少し難しく感じました。
    第1章・・・キリスト教の各宗派の思想と、資本主義の関係について
    第2章・・・政治を扱う人の種類や、政治形態としての官僚制について
    第3章・・・学問とし

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    2014年11月24日
  • マックス・ウェーバーを読む

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     マックス・ウェーバー入門書としてまとめられたものですが、「それぞれのテクストがどのような意味において知的に刺激的なのか、これから学者になろうとしている人、あるいは、少なくとも、学問と本格的に取り組もうとしている人の目線、言ってみれば、「学者の卵」目線で読んでいきたい。」(p18「序」より)と著者は単なる古典の「紹介」ではなく、読者の積極的な「読み」を要請しています。こうした姿勢は内田義彦『社会認識の歩み』(岩波新書・青版)とも共通しているように感じます。
     本書はウェーバーの膨大な業績の中から、宗教社会学(『プロ・倫』)、政治観(『職業としての政治』『官僚制』)、社会科学方法論(『客観性』『

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    2014年09月27日
  • マックス・ウェーバーを読む

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    著者とヴェーバー両者の深い知識と知恵が調和している。文章も小気味よく、回帰して読み返したくなる入門書。……あとがきの毒づきっぷりは謎だが。何か嫌なことでもあったんでしょうか。
    本家(?)「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」も近々読みたい。

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    2014年09月23日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    この本を読む前は、アーレントについて、ナチスの全体主義を糾弾した人、ということしか知らなかった。なので、バリバリの個人主義の人かと思ってたら全く逆だった。

    物事を単純化し、画一的な思考に陥ることを嫌い、言論活動を重視した共和主義者。他者と意見を交わすことでヒトは「人間性」を身に付けていくという。

    著者はアーレントの言説を援用しつつ、近年メディアやインターネットに蔓延する、複雑な事象の単純解釈や、短絡的で画一的な思考様式や、「傍観者」が自由に意見を言いにくい風潮に警鐘を鳴らす。

    「複雑な物事を複雑なまま捉える」……なかなか難しいことではあるが、とかく物事を単純化して理解したがる自分へ

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    2014年08月19日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    アーレントの哲学は、両端に偏らないが、かといってどっちつかずでもなく、複数性というものを主張しており、他を排除しようとする風潮を批判するもので、今の世の中では、ほとんど実現できていないが、今学ぶに値する哲学である。

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    2014年02月14日
  • 今こそアーレントを読み直す

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    ネタバレ

    面白かった。

     マルクス主義の理論では、「階級」という仕組みが生まれたことによる不自由から人類の本来的な価値を「解放」するという考え方なのに対し、アーレントは、「解放=自由」ではなく、自由とは本来、市民が物質的な制約に囚われずに「活動」している状態と考える。解放を目的とするのではなく、共同体の「共通善」を探求することにより自由が現れて来るのだ。

     貧困や障害という「不幸な人々」への共感を人間の「自然な情の発露」と見なして弱者を苦しみから救うことが政治だ、という論調は、「人間としての正しい在り方」を押し付ける排他的な価値観に繋がりやすい。

    アーレントは、そういうヒトとして生まれたことより

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    2014年02月09日
  • いまを生きるための思想キーワード

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    中央法の入試で動物化の項が出されていて、感動してしまった。受験後すぐ購入。大学生になって何度も読んでいる。名前がライトなので中身も薄そうだが、そんなことはない。文系のみならず理系の人も読んでもいいだろう。文系生はここらへんまで知っているか知らないかでは議論の質が全然違うのでこの本でもなくてもいいのでここらへんまでは知っておいて欲しい(結構切実に)
    筆者にはどちらにも偏らないでいようという様子がなく、冷静にキーワードに沿って説明をしつつ、さらっとつっこんで自分の意見もいやらしくない程度に入れてくるスタンスが好きだ。

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    2013年08月31日
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険

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    この本を一読すると他の米国政治哲学系の本を読む際に見通しが良くなります。また、ロールズ以前、米国の政治哲学関係者が抱えていた危機感などにも丁寧な解説がなされています。おすすめです。

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    2013年03月28日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    21世紀も間近になった頃に大学入学、研究を本格的にはじめたのは2000年代後半というな私は、日々「なんでこんなことになっちゃってるの!?」と叫びたくなるような哲学・思想(と社会との関係)に関する問題にぶちあたることが多かった。――たとえば、「どうして浅間山荘に閉じこもった連合赤軍は仲間同士で殺し合ったのか?」とか「なんで『総括』という言葉がリンチを指すようになったのか?」とか、「なんでこんなに現代思想は、ライトなノリで明るくたのしく語らなくちゃいけない感じになっちゃったのか?」とか。
    本書は、そうして日々ぶつかりながらも、その答えを見出す術同市もなく、喉にささった魚の小骨のようになってしまった

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    2012年07月19日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    いわゆる「現代思想」の入門書として非常に出来が良いと思う。特に日本でどのようにして現代思想が形成されてきたのかの背景について知ることができたのが良かった。2000年代中期ぐらいまで流れをカバーしているというのもポイントが高い。僕のようにこれから現代思想っぽいことをやろうかなーと思っている人以外にも、大枠としての社会「理論」に興味があるなら断然お勧め。また、理論の価値がよくわからないという実証主義の人たちが読んでも面白く読めるのではなかろうか。

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    2012年07月05日
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険

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    現在の宗教を考える上で、特にアメリカにおいては政治を考えなければならなくなっている(そしてその逆も然りである)。ということで何か政治哲学に関する入門書をと思い、手を出したのがこの本である。

    僕の政治哲学に関する知識はほんのりハーバーマスやテイラーについて知っている程度であった。その程度の知識しかない者にとっても、本著は非常にわかりやすいと思う。特に、現在どのような思想があって、それはどういう経緯で生まれてきて、どういうところで対立しているかという全体像が見事に整理されている。また、日本の政治哲学思想についても少し言及してくれているのも嬉しい。

    アメリカの事例なので、必ずしもこの本を読むこと

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    2012年06月03日
  • いまを生きるための思想キーワード

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    ネタバレ

    昨今において、様々な所で語られる言葉の幾つかについて、著者の考え方が書かれている。

    よもすれば、私たちはこれらについて語る時、世論のコピーになりがちなのを、改めて自分自身で考える大切さを教えてくれていると思う。

    以下、ややネタバレも含むが、この本で取り上げられているキーワードを元に、沸き上がってきた私の考えを整理してみた。

    正義
    更生なルールを追求する議論から、心の奥底にまで入ってきて導きを与えてくれるような正義論への移行


    何が善かを特定しようとすれば、主体的に係わらなくてはならなくなると思う。
    日本のように、自分の立場をはっきりさせなければ生死に関わるような宗教紛争もない国では、

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    2012年01月11日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    ネタバレ

    日本の現代思想を学ぶ入門書としては最高の書籍だと思う。
    ポストモダンをいきなり語るのではなく、マルクス主義からの流れで書かれているので、その成り立つ背景なども学ぶことができ、より理解がしやすい。

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    2011年12月21日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    80年代を中心に流行った、「現代思想(ニューアカデミズム)」の思想がどのように生まれ、どのように展開されたかを中心に戦後の日本の思想をまとめた本。3部に分かれて解説している。

    第1部(1.2章)で、戦後マルクス経済学がどのように日本に普及し、その限界があったかを述べている。具体的には、農労派(社会党系)や講座派(共産党系)の違いなどから始まり、全共闘、丸山や吉本などの思想にもふれながら、日本の左翼思想の高まりについて述べている。

    第2部(3.4章)では、構造主義から、諸外国のポストモダン(脱構造主義)がどのように展開したか、特に生産から消費へと流れる中で、変化があったこと、またフランスのポ

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    2013年04月13日
  • 集中講義!アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険

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    ポストモダンの残滓の中で大学生活をおくり、思想や哲学も一通り出尽くした後で、もはや「倫理学」しか残されていないのかな~と妙に達観してた(させられた)往時だったけど、
    ほぼ眼中になかったアメリカに、新しい思想潮流が生じていて、それが今やメインストリームにまでなっているとは・・・まったくもって知りませんでした。
    当時このことを知っていたなら、だいぶ読む本や研究テーマが違ったのにな~、残念。

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    2011年07月02日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    マルクス主義に端を発する近代思想からポストモダンへの思想の変遷をコンパクトにまとめていて、現代思想って結局何だったんだべ、という僕のような今さらながらの入門者に打ってつけ。本書を通じて思想史を概観すると、ポストモダンはまるで保守と左派という連星の周りをグルグルと振り回されながら周回する人工衛星のようだ。思想は今、危機的低迷を迎えているというけれど、人は生きている限り必ず何か考えているもの。ましてやこの難しい時代だ。狭いニッチでミクロな分析に甘んじる現代思想の残り火が、やがて思いがけない方向へとスイング・バイで飛び出していかないとも限らない。がっぷりと組み合うに値する面白い地平が待っていそうな気

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    2010年06月03日
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか

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    「あとがき」が読んでいて笑ってしまうくらい痛烈である。
    戦後のマルクス主義の隆盛からフランスの現代思想の輸入と80年代ポストモダン論の隆盛と落ち込み。2006年当時の言説状況までわかりやすく概説している。すらすら読めた。

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    2010年04月01日