仲正昌樹のレビュー一覧

  • 現代哲学の最前線
    近代哲学をある程度学んだ後にこちらを読むと点と点が一気に線となる感覚を得られて気持ちが良い…
    巷に溢れかえる哲学入門書では到底得られない知識の深さと広さ、読みやすさで、何度も読み返している。
    個人的に薦めたい哲学系新書No.1だが、結構難しいとの口コミが多く、初心者に薦めていいものか悩ましいところ
  • 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか
    つねに皮肉っぽい書きぶりであるが、それぞれの時代の思想業界界隈の様子がうかがえて面白い。著者による整理だけに囚われてもいけないが、様々な日本の思想家の文章を読むにあたって、それが書かれた背景をある程度イメージできている方がよいので、こういった本はありがたい。
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える

    サイドにおいて

    ハンナアレントの著書にトライしているが不完全燃焼。勉強不足なので、とってもためになった。今こそ考えよう
  • 統一教会と私
    哲学、現代思想の分野で多くの著書を持つ作者の人となりを知りたくて購入。本書は仲正氏が東大入学直後に原理研(統一教会の学生組織)に勧誘されて参加し、11年後に脱会するに至った経緯を中心に、幼少時から現在までの半生を振り返った自叙伝である。自らの不安、迷いなどその時々の心の動きを実に率直に語っている。折...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    今の日本も何となく全体主義化してるんじゃないかなぁ、と思い勉強のため購入。凄く丁寧で具体例により分かりやすく説明してくれるので助かった。
    テレビでは政府への批判を聞く事もめっきり減り、政府も答えたくない質問には「回答を控える」で許される。フォアグラのガチョウの様にバラエティばかり朝から晩までこれでも...続きを読む
  • マックス・ウェーバーを読む
    面白いポイントがありすぎて、メモしすぎた(思考の整理学を読んだのにも関わらず)。

    合理化と非合理化の二項対立で考えるのではなく、その狭間を見ていきたいところ。

    プロテスタンティズムによる非呪術化の影響はかなり大きい。

    禁欲+公共の福祉の最大化+それによる富裕+天職感

    こう生きるべきだよねって...続きを読む
  • 人はなぜ「自由」から逃走するのか
    自由の背景にある孤独と不安について深く理解できた。

    自由は非の打ち所がない概念のような印象を受けるが、その背景には孤独と不安が隠れている

    消極的な自由は人に孤独と不安をもたらし、それは人を権威的なものに従属させてしまう

    それはサディズムでありマゾヒズムでもある
    そしてそれらが生み出す権威主義的...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    とても読みやすい本。全体主義思想、ホロ・コーストがなぜ起こったのか、大衆の心理についてハンナ・アーレントの思想を読み解く。
    エルサレムのアイヒマン(数百万人のユダヤ人の虐殺を執行した人、「法」に従ったのみだと主張した)の話に至るまでの最低限必要な知識が順を追って書かれているため、世界史に詳しくない人...続きを読む
  • 日本とドイツ 二つの戦後思想
    日独戦後思想を戦争責任や国家といった観点から比較概観している。第二次大戦後、同じ敗戦国としてその後の国家形成はしばしば比較されがちだが、もちろん類似点はあるものの思想・イデオロギーの観点から比較すると違いもたくさん見えてきて面白い。自然な結論にはなってしまうが、やはりドイツのナチズム・ホロコーストは...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    ハンナ・アーレントの本を読みたかったけれど、難しそうだったので解説書から読むことにした。
    アーレントの人生史や時代背景の説明をしながら、アーレントの考えについて解説されていたので、歴史に詳しくない私としてはとても読みやすかった。

    全体主義の危険性を終始説いていたが、第二次世界大戦のドイツがなぜその...続きを読む
  • 教養としてのゲーテ入門―「ウェルテルの悩み」から「ファウスト」まで―(新潮選書)
    ゲーテは東洋的な見方をしていたなどという根拠のない知識を抱いていた。

    また、『ウエルテル』や『ファウスト』を読んでも、いまいち何が言いたいのかピンとこない。いわゆる西洋の文学とは違うが、かといって歴史を画する意義を持つ作品とは思えなかった。

    そのような私が本書を読んで、ゲーテ、恐るべし、という感...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    アーレントの思想を知る際に、最初に読むべき本。現代の文脈も挟まれており、分かりやすくて挫折しない。

    現代社会にも見られる「排外主義」は非常に恐ろしいイデオロギーで、そのことはまさにナチスの歴史を見ればよく分かる。陰謀に惑わされ、思考をやめてしまうことがどれほど危険なことなのか、アーレントによる全体...続きを読む
  • 現代哲学の最前線
    とてもよくまとまっているので、卒論でほんの少し哲学に言及する場合には役立つであろう。この本からその原典を参照できるからである。5つにテーマを絞ったこともわかり易いことの理由である。
  • マックス・ウェーバーを読む
    たびたび出てくる訳文の傍点が不快で、ずっとウェーバーには挫折してきた。この本を読んで、初めて、ウェーバーの思想が少しわかった気がする。そりゃ有名なわけだ、と、ウェーバーの洞察力に感服。
  • 現代哲学の最前線
    相変わらず驚異的な編集能力・要約能力を持ち合わせておられる。
    題名の通り、この本で20世紀の哲学の要点は大体掴むことが可能でしょう。
    単なるすぐれた要約にとどまらず、初学者が疑問に思うような点(例えばロールズの正義論の何が画期的だったか?というように)に視点を向けようと努力している点も素晴らしく、そ...続きを読む
  • 現代哲学の最前線
    E Oウィルソンの『知の挑戦』が解説される哲学関係の書籍というのはただそれだけで満足を得られたりする。


    期待して読んだのは第4章「心の哲学 「心」はどこまで説明可能か?」

    自分としては(大雑把にいって)自由意志と行動主義が同時に存在する感覚を、今ここで感じられること(事)が「こころ」と呼ばれる...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    第二次世界大戦中にドイツからアメリカへ亡命したドイツ系ユダヤ人哲学者ハンナ・アーレント。彼女が執筆した『全体主義の起原』をはじめとした著書を通して、ナチズムやホロコーストを推し進める背景にあった社会の流れや大衆心理を説いていく。

    『蠅の王』(ウィリアム・ゴールディング)や『一九八四年』(ジョージ・...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    本日第3章「大衆は「世界観」を欲望する」に読み架かりました。
    白眉は大衆を定義した箇所。

     政治的に中立の態度をとり、投票に参加せず政党に加入しない生活で満足している

    投票を棄権する人(大衆)は、平素はとりたてて不満がなく
    「ま、ひどいことにはならないだろう。」
    と楽観し、実際に(多少ズルをする...続きを読む
  • 悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える
    全体主義は突然変異だと思っていたのだが、ヨーロッパの歴史の中で産まれて来たのだとわかりびっくりした。アフリカを植民地支配したことにより優生思想、人種主義。金融業を独占していたユダヤ資本。国を持たない彼ら。歴史的に突き上げて来た差別意識が総合し、排他的というのか、あのナチスの全体主義が発生した。その中...続きを読む
  • ヘーゲルを越えるヘーゲル
    ヘーゲル以降、ヘーゲルはどのように読まれてきたのか、また、ヘーゲルのキーワードはどのように受け入れられてきたのかを、一般的な解釈を交えながら記してあ理、これまでに読んだヘーゲルの解説書の中でも一番よかった。

    法哲学が中心に解説してあると勝手に誤解していたので買うのが遅れたが、もっと早く読んでおけば...続きを読む