仲正昌樹のレビュー一覧
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三省堂本店で行なわれた著者の連続講義「ヴァルター・ベンヤミン──〝危機の時代〟の思想家を読む」を文字に起こし、おそらく編集部が体裁を整えたもの。素直に少しずつ読んでみることで見えてくるものがあるのを知らせてくれる点では、確かに刺激的である。とくに著者のロマン派研究が生きている、言語論の読解は示唆に富む。ただ、野村修の訳業にコメントを加えながら、原文の仕組みを解き明かしているところは、ドイツ語原文を参照する者にとっては興味深いが、それ以外の読者の関心をどれほど引けるだろうか。「複製技術時代の芸術作品」をメディア論として読む講義を中心に、著者とベンヤミンの資質の違いや、著者の芸術への関心の浅さが
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Posted by ブクログ
ネタバレルソーを学校レベルの知識でしか把握していなかったので手に取ってみた。
おそらく、この著者(仲正氏)はルソーと同じ高さで物事を見ることが可能な人物なのだと思う。不平等論を基にして、エミールや社会契約論までもアイロニーとしてとらえるべきだと彼は語る。そもそも自己矛盾の塊ではないかと。
しかし、ルソーを語る人々は、それを受け入れられずにそれぞれに関して素直に解釈し、全体を結びつけるときに根底にある矛盾の処理が行えなくなるというのだ。
そういうことを私たちにわかるように説明しようとしているのだけれど、富士山頂からの景色が登った人のみが真に感じられるように、どれだけ言葉を重ねても実感として感じら -
Posted by ブクログ
無責任になる「日本的」構造を、責任をフーコーの責任応答可能性「説」から、論じている。■まあ、笑えるジョークの形をとった、「みんなのバカ」という挨拶語である。日本人の集団でのあり方を、西欧的自我の基準で、斬ったつもりになる典型的な「日本人論」をぶつ「知識人」としての大学の教授とやらが、丸山真男の「蛸壺」型組織の論理から抜け出せていない現状も描かれ、その点では苦笑したが、参考にはなった。■みんなのバカという日本人論で、ただ新しいのは「自律」社会だけでは、行き詰ることも指摘されているのでその点は、丸山達の「世代」の日本人論とは異なるといえる。■時間つぶしには向く「思想」本かな。
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Posted by ブクログ
『不自由論』がおもろかったので買ってみた。が、イマイチだった。。。「みんな」という言葉を現代哲学の知識を使って(といってもデリダ)分析していくんだけど、文章中に「みんな」という言葉が乱発されるせいで、わけわからんくなる。結局やりたいのは、「みんな」を使いすぎると、責任の主体が分散されてヤバイぞ、っていう、結構ありがちな議論。
それをするに当たって、「みんな」という言葉を使ったとこがミソなんだが、逆にわかりにくかったかも、って感じでした。
オレの文章読解力が低いからなのかもだが。
ただ、前作同様哲学者の易しい解説がある(今回はアドルノ)が、これはおもしろい。