仲正昌樹のレビュー一覧
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文体が読みづらいのか、内容がないのか?さっぱり理解できず。「」鍵括弧が多い。各章のテーマに沿って、作者の主張が語られていると思うのだが、他者の著作を批判する記載が多く見られる。その内容の正当性は分からないが、文体は不快である。(不快になるように記されているのかもしれない)
何でも自己決定の限界
自己決定するとはどういうことなのか?本当に自分で決めているのか?といったことを哲学的に考察している。内容は難しいと感じたが、普段の生活ではあまり円のない話題だからとも思える。自分で決めるということは、決断するということは、日常茶飯事であるが、その意味、決定という自己との考えることは、あまりしない。
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ネタバレ「私」が安心して「主体」として振る舞えるようになるためには、「私」から見て、立派な自立した「主体」であるような他者たちから、対等な立場で「承認」される必要がある。その他者もまた他の”他者”からの承認を必要とするはずである。つまり相互に(無限に)承認し合う関係が成立していることによって、「私たち」は安定的に「主体」たり得るのである。
自己の個性・自由・歴史性を意識する「人間」の欲望は、「他者の欲望」を欲望する。①他人が欲しがるものを「私」も欲しがる。②他者の欲望を「私」の思うようにコントロールする。③欲望する主体としての「私」を(同じように欲望する主体である)他人に認めさせる。―③相手に認め -
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政治哲学や倫理学の関連用語21を,各7ページ前後で紹介。特に「正義」「善」など,翻訳から来てる用語は日常語の色がついてまわるので,思想の文脈では注意が必要。
「正義」なんかは,日本語で「義の人」みたいに人情あふれる感じの語感があるけど,英語の「justice」は全然違って「法」「公正」という意味合いが強い。正しい解決のためのルールというある意味冷たい含意がある。
「アーキテクチャ」だけでなく「所有」の項にも登場するアメリカの法学者ローレンス・レッシグに興味をもった。クリエイティブ・コモンズの運動を提唱してる人。(主に)ネット上の知的所有権の範囲を限定して,共同創作を推進する活動は,なかなか意 -
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ネタバレ[ 内容 ]
本書は、「過去の清算」を軸にしてドイツと日本の六十年間の「戦後思想」を比較するものである。
[ 目次 ]
第1章 二つの「戦争責任」(「国際軍事裁判」はインチキか? 「人道に対する罪」を背負ったドイツ ほか)
第2章 「国のかたち」をめぐって(「国のかたち」は変わったか 分断された「国のかたち」 ほか)
第3章 マルクス主義という「思想と実践」(思想的武器としてのマルクス主義 日本における“何でもマルクス主義” ほか)
第4章 「ポストモダン」状況(ポストモダンの導入と批判的知性 ドイツのポストモダニズム ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おす -
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ネタバレ[ 内容 ]
「みんな」を求め、「みんな」に傷つけられた「わたし」は何処へ行く。
[ 目次 ]
1章 「みんな」って誰?(「みんなやっていることやないか!」 「赤信号」の法則 ほか)
2章 「みんな」の西欧思想史(法とは「みんな」の意志である 「みんな」による「みんな」の支配・全体主義 ほか)
3章 「みんなの責任」をどうするか?(「みんなの責任」の範囲 「自分で語ることのできない他者」への「責任」 ほか)
4章 「みんな」と「わたし」の物語(「みんな」から押し出された「わたし」 「わたし」が「みんな」から目覚める時 ほか)
5章 そして、「みんな」いなくなった!(「みんな」はいつまでも「み -
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ネタバレルソーを学校レベルの知識でしか把握していなかったので手に取ってみた。
おそらく、この著者(仲正氏)はルソーと同じ高さで物事を見ることが可能な人物なのだと思う。不平等論を基にして、エミールや社会契約論までもアイロニーとしてとらえるべきだと彼は語る。そもそも自己矛盾の塊ではないかと。
しかし、ルソーを語る人々は、それを受け入れられずにそれぞれに関して素直に解釈し、全体を結びつけるときに根底にある矛盾の処理が行えなくなるというのだ。
そういうことを私たちにわかるように説明しようとしているのだけれど、富士山頂からの景色が登った人のみが真に感じられるように、どれだけ言葉を重ねても実感として感じら -
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現代リベラリズムの良質なブックガイド。ロールズの「正義論」におけるリベラリズムを軸として、リベラリズムvsリバタリアニズム、リベラリズムvsコミュニタリアリズムの歴史を、簡便にまとめている。リベラリズムをめぐる議論の概観がわかるし、索引や巻末の年表なども充実しているので、リベラリズムについての資料として有益だと思う。
個人的には、ノージック「アナーキー・国家・ユートピア」やロールズ「万民の法」、ローティ「哲学に対する民主主義の優位」、テイラー「<ほんもの>という倫理」あたりを読んでみたいなと思った。特に「万民の法」におけるロールズの「リベラルな社会がリベラルではない社会をどこまで許容すべきか -
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これは読みやすい。ハイエクのような古典的な自由主義にはじまり、価値中立に立つリベラリズムを前提としつつ秩序の根拠を説明しようとするロールズ・ドゥウォーキンを押さえ、そうした意味でのリベラリズムに反対するラディカルな(古典的な方向へのゆり戻しというか)ノージックや、価値中立に対する限界から価値や文化を政治思想に取り込もうとする理論、もはや国家のあり方を説明する政治思想ではなくその枠を超えたまとまりを説明しようとする「帝国」の議論まで。これらの見取り図をこの薄い本で整理してくれて、さて、では、それぞれに取り掛かってみよう!と思わせてくれる。