仲正昌樹のレビュー一覧
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ネタバレ本作『日本とドイツ 二つの戦後思想』は、「過去の清算」を軸に、第二次世界大戦後の日本とドイツの60年間の思想的歩みを比較するもの。国際軍事裁判や占領統治から始まり、両国が戦争責任や国家のあり方、マルクス主義、ポストモダンといった思想課題にどう向き合ってきたかを、類似点と相違点を浮き彫りにしながら論をすすめる作品。
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いやあ、これ、面白かった。
ちょっと前の昭和の思想史って、近いようでなんだか分からなそう、取っつきづらそうじゃないですか。
ちょっと小熱い思想系の本には、確かに丸山眞夫とか吉本隆明(ばななさんのお父様)とかがよく引用されていましたが、そこまで実際手を伸ばす気にはなかなか -
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本書は、ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの主要著作を解説した一冊です。対象となっているのは、以下の著作です。
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
『職業としての政治』
『官僚制』
『社会科学と社会政策に関わる認識の客観性』
『社会学の基礎概念』
『職業としての学問』
勤め人である私にとって、これらの内容は明日からの仕事や生活にすぐ直接役立つものではありません。
しかし、300ページ弱の新書というコンパクトな形で、これだけの著作の要点を丁寧に解説してくれており、読後には、間接的にでもマックス・ウェーバーとつながったような感覚が得られました。学生時代の宿題をようやく果たすこと -
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元統一教会信者の金沢大学法学類教授が、昨今の社会を「知恵と教養」で分析した本、、
世の中の事象をニュースなどを鵜呑みにせず、批判的に?見る、という意味では、
私も目指すところなのではあるが、なんだかしっくりこない本となった。
テーマとして取り上げられたのは下記目次の通りで、
検証 ナチスは「良いこと」をしたのか(小野寺拓也 田野大輔)を盾に、
少しでもナチスの政策を肯定的に批評する人を糾弾する人に対する批判に始まり、
マインドコントロールによりお金を搾り取る統一教会と、
女性をもてなし多額の金を使わせホストと何が違うのか、
そもそも高校、大学進学だって自分の意志といえるのか、と投げかけ -
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英では契約や慣習法の基本原理を確認する形で新たな制度が構築されていったが、日本では政権が交代するたびに大宝律令・御成敗式目・武家諸法度などが生まれ、基本となる考えがどのように継承されてきたのか曖昧。日本で制度論的な保守主義を考えるのは困難。天皇制以外に守るべき制度がないため、日本の保守思想は、制度よりも精神論や文化論に力を入れてきた(例:西部邁・佐伯啓思)。ただし、細部を見れば、日本の法・政治にも慣習は見られる。日本の憲法には、政党の役割に関する規定はなく、政党が何のために存在するのかについて規定がないにもかかわらず、立法府は政党の協議によって運営されてきた。p.214『精神論ぬきの保守主義』
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いまの本邦がかなり全体主義的な雰囲気に満ちているので、そこに引きずられないようにするための手がかりとして、また全体主義とは具体的にどういうことでどういう経緯で起こって、現在に至るまでにどう影響してきたのかが知りたくて読んだ
読んでみて思ったのは全体主義は同質性に基づいているということで、やっぱり共感を重要しすぎてしまうと、自分と異なった意見を持つ人、それがエスカレートして自分と生きてきた環境や文化が異なる人を異質なものだと排斥してしまう可能性も充分にあって、自分と同じ意見を集めやすい環境ではかなり自覚的に気をつけなければなと思った。ハンナ・アーレント自身はナチスのユダヤ人迫害からアメリカに亡命 -
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ハンナ・アーレントの思想を、彼女の著作を軸に、現代にひきつけた問いから整理した書。少ない文章量の中で鋭くまとまっていて、読み応えがあった。
今回とくに面白かったのが、第二章「『人間本性』は、本当にすばらしいのか?」。
「アーレントは、そうした冷厳な現実を踏まえて、『人間性のすばらしさ』あるいは『ヒユーマニズム』を無邪気に信じ、それを信じることによっていつかユートピアが実現できると思っている"良心的"な知識人たちに警告を発しているのである。無邪気な『人間性』信仰は、その理想に合わない者を排除する全体主義に繋がりかねない、と。」
私自身、思想や哲学の本も、新聞やテレビのニ -
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やはり最後まで一気に読んでみて感じたことはただ一つ、解りづらいの一言である。それは本書がわかりづらいのではなく、ハンナ・アーレント自体の考え方が非常に中庸的というか、世の中のわかりやすい議論が白が黒か左か右かといった風潮の中で、極論はなくあくまで白と黒左と右の中間地点にいるからではないだろうか。これはよく考えれば当たり前のことで、日本の政治を見ていれば感じることが多い。政党全体でまともな頭の人たちがあれだけ集まっていて、与党と野党の意見がすっぱり割れるなんて事はあり得ない。ましてや100人を超えるような組織の構成員が全員右か左かなんてあり得ないし、どっちつかず、よく言えば双方の良いところどりに
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いま話題の統一教会の元信者だった著者の回顧録。この本を読んでるときに、周りの人たちがタイトルを目にした途端にギョッとする反応を何度か見たので、自分が思っている以上にインパクトがあるというか騒がれて、恐らく偏見や誤解も多く流布されてるんだろうな、と感じた。統一教会に興味があって手にした訳ではないけど、メディアで報じられる面だけで判断するのではなく内部の面からの情報も取り入れて、事実を把握することは必要だと改めて認識させられた。あと、信仰またはその組織としての良し悪し、客観的に見つめ直す、見つめるよう心がけるきっかけを与えてくれる一冊でもあると思うので、統一教会云々ではなく読んでみてほしい。
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メモ:
p142
私たちは日々様々な場面、テーマについて「価値判断」をしているが、それがどのような「価値規準」に基づいているのかはっきり意識していないことの方が多い。事実についての認識と「価値判断」が漠然と一体になっていて、いつのまにか”判断”している・そのため、他者との意見との食い違いが、事実認識のズレによるのか、拠って立つ価値の違いが判然としない。
p206
合理化の帰結として生み出された巨大な「鉄の檻」(=国家資本主義の下での研究体制)が、「合理性」の尺度を見失ったまま運動し続けているうちに、自らの足場を掘り損じているわけである。
p216
多分野にわたって大きな業績を残し。政治評論 -
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仲正昌樹 ハンナアーレント 「革命について」の講義本。フランス革命とアメリカ革命の違いを 公的自由と公的幸福から考察しながら、革命の目的、成功の条件、憲法とは何か を整理
テーマ
*政治体制を崩壊させない→独立した法的権威
*人民に政治的関心を失わせない→評議会制
*ポリス(目的共同体)の「始めに犯罪ありき」に焦点
フランス革命
*目的は 貧困からの解放(社会問題)→政治の条件である自由の構築はない
*群衆=有機体→群衆を動かしているのは 一般意志→意見の多様性を排除→徳のテロル
アメリカ革命
*目的は 統治形態に対する不満→自由の創設
*アメリカ人にとって 公的自由と公的幸福が不可 -
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エーリヒ・フロム『自由からの逃走』の議論の流れに則りながら、全体主義を可能にした歴史的・社会的条件を確認している内容。
関連する思想家・学者の論(ルターやフロイトなど)も多く引用しており、世界史的な知識の補足も多くあり、前提知識が少なくても読みやすい。
主に西洋近現代の話題だが、所々で現代日本に引き寄せた解説も入れてくれていて、その点も読みやすい。
『自由からの逃走』自体については、引用はまあまあ多いが要所要所だけ。
『自由からの逃走』を深掘りする系統の本ではなく、それを取り巻く諸議論を概観できる書籍。
所々で「詳しくはこっちも読んでね!」的に著者の別著書を参照するようにお薦めされるの -
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フロムの『自由からの逃走』に現代社会の文脈を含ませた解説書。フロムによれば自由には2つの側面があると述べており、それは「〜からの自由」という制約からの解放を意味した「消極的自由」と、「〜への自由」という自らの目標などを追求する意味の『積極的自由』があるという。
一見、消極的自由よりも積極的自由の方が本質的な感じがするが、実際後者は時に厄介な存在になりうる。自由であるが故に、不安や孤独を感じることは意外にあるのかもしれない。特に大学生の自分にとっては、ある程度のことは「自由」に決めれる年齢になってきた。しかしそれが原因で何をすべきか分からず迷走することになったり、自由であることに責任や重圧を感