村松潔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明治2年から3年に執筆された本ということにまずは驚かされる。当時の科学、博物学に作者の解釈を加えて描かれていると思われるが大筋は今でも通用しそうですね。あらを探さずにミステリーツアーをアナクロス先生目線で楽しむべきです。海洋生物や過去の出来事の羅列には間延びしてしますけど、訳者も書いている通り、当時の読者には未知なる世界の想像の幅を広げるのに役立っていたんでしょうね。ネモ船長や乗組員の正体については度々伏線を張っているにもかかわらす、作者の想像に任せるかたちで少々残念かな。終盤の戦艦撃沈の理由は明確にしてほしいところ。ただ、アナクロス先生が脱出を決意するきっかけとしては必要なので謎のままにして
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Posted by ブクログ
新潮文庫の上下を横に並べると、ノーチラス号の絵が出現する。その表紙の絵が気に入って購入。
1870年に発表された作品と聞いて少々驚く。
日本では明治3年。大政奉還から3年しか経っていない!この時代に、フランスではこの内容の小説が読まれていた事実に衝撃を受ける。
謎に満ちたネモ船長率いる潜水艦ノーチラス号に偶然乗り合わせた博物学者のアロナクスらが、海の中の驚くべき世界を10ヵ月間冒険するお話。
今から150年以上も前に書かれたものとはとても思えない。それもそのはず、当時は潜水艦なるものはなかった。お話の全ては作者の頭の中にあるもの。
作中にでてくる海底の描写。特に、様々な生き物の描写はカタ -
Posted by ブクログ
美女と野獣含め13編が収録されている。
ディズニーの話に馴染みがあるから、実写のほうを脳内再生しながら読んでいた。そしたらあっさり終わったので、えっもう終わり?という感じで、ディズニーの細部に渡る世界観の作り込みすごいなと、本とは別のところに関心がいってしまった^^;
訳者解説によると、ボーモン夫人の美女と野獣は、ヴィルヌーヴ夫人の版を下敷きに書き直したものらしく、だいぶんカットされたそう。
他の物語も、「美徳」を説いた、まあ言ってしまえば似たようなパターンの話ではあるが、全体的に読みやすくて、人柄が何よりも大事だということが、身に染み渡ってきた。そりゃ13話も読むと刷り込まれるよな笑
子