村松潔のレビュー一覧
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うだつの上がらない主人公の男チャーリーが母親の遺産で買ったアンドロイドのアダム。一緒に暮らしていくうちに、アダムがチャーリーの恋人・ミランダを好きになってしまい…という話。
まず、アンドロイドの感情はどこからくるものなのか?という問いがある。アダムの感情はアダム自身の内部から自然発生的に湧き出たものなのか、それとももともとプログラミングされていたものなのか。AIを取り扱う話はまずAI自身が信頼できない語り手として存在しているところが、物語の不安定要素になっていて面白い。
また、人間の行動基準や意思決定基準の何といい加減なこと。不合理で不条理で不公平で、でもその揺らぎがあるからこそアダ -
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ネタバレこの作品を通してネモ船長の存在感が凄まじい。
海や海洋生物、また機械工学など幅広い知識を持つ「ノーチラス号」の船長。
「人間」を嫌う人間社会とは切り離された世捨て人のような人物。
ある時は冷静に、またある時は情熱的に。
アロナクス先生が、最後に会いたい気持ちと会いたくない気持ちが葛藤していた気持ちが分かる気がする。
尊敬と嫌悪。
謎に包まれたままの「ネモ船長」。
まさに「誰でもない人」。
最後、ネモ船長率いるノーチラス号があの事件で航海は終わってしまったのか、まだ航海を続けているのか、
はたまた、航海が続いている場合、まだ復讐はおわっていないのか、それとも、、、、
っと、余韻 -
Posted by ブクログ
最近、映画の「風と共に去りぬ」を鑑賞したばかりだったので、今作の主人公の一人・ロバート・キンケイドと、風と〜のスカーレット・オハラが、同じアイルランド系という偶然の一致が、何だかすごく嬉しかった作品ですo(^▽^)o←長い
で、そんな同郷の2人なんだけど、一方は自分の生まれ育った土地を愛し、もう一方は風のように世界を放浪するっていう人物像の対比にすぐに気付けたのも、間を置かずに2つの名作に触れたからだよね〜と思えたのも嬉しかったのですo(^▽^)o←二回目
ロボートが引用したナバホ族の詩に触れた時も、これまた最近DVDで見たウインド・トーカーズのキーとなるナバホ族を思い出して、o(^▽^) -
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ロバート・ジャームス・ウォラーの【マディソン郡の橋】を読んだ。
1995年にクリント・イーストウッドとアニー・コーリーの共演で映画化され、大ヒットを記録した作
品であるので、見た、または読んだ人も多いかもしれない。
小説は全米で250万部を売り上げるという記録も作り出した大ヒット作である。
生涯でたった4日間の愛の物語。だがその4日間が2人の人生において、かけがえのない4日間になる。
不倫の話と言ってしまえばそれまでであるが、愛の形を問わぬとすれば、男が女を求める、または女が男
を求めるという真理において、これほど切なくて魅力ある物語はないのではないだろうか。
主人公のフランチェ -
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「大恋愛」なんて陳腐な言葉では片付けられない
ロバード・キンケイドとフランチェスカの4日間の奇蹟。
あー私の数少ないボキャブラリーでレビューは書けませんね。
でもね、こんなことが実際にあったって知るだけで、
地球の真反対にいる知らない人類に対しても愛おしさを覚えます。
夢を見ているような体験を、長年自分の記憶に残すために、
確実に存在していたと記すために、つないだ一通のメモと
名前が刻まれたネックレス。
地球規模から見た、体験と実感をつなぐために物質に頼る人間に、可愛らしさを感じます。
映画化もされているけど、きっと映画で見たら幻滅するだろうなぁ。