村松潔のレビュー一覧

  • 恋するアダム
    カズオイシグロのAIを題材にした作品は、語り手がAIであるが故に直接的には多くを語らず読者に思考させるものだと思ったが、こちらはあらゆる人間が種々の問題(AIと人間の関係性に留まらない)を提起するもので、これはこれで非常に良かった。ミステリー色、SF色、社会派色、と、あらゆる側面を一気に味わえる作品...続きを読む
  • マディソン郡の橋
    なんて美しい恋愛なんだろう
    たった4日間の短く深く一生の愛
    彼が彼女の名を刻んだペンダントを身につけていたシーンでぶぁぁぁぁと泣いた
    彼女が走り書きした1枚のメモが彼にとっての唯一彼女がこの世に存在した証であるなんて悲しすぎる
    亡くなってから灰になりやっと一緒になれた(号泣)
  • 海底二万里(下)
    19世紀のBBCアース、その圧倒的な物語。
    影響を受けた物語や映像は数知れない、超名作。

    地球にある海はつながっているという事実を再認識するような壮大な行程の中で、生物・鉱物・地形、それらがガイドブックのような詳細な記述で当時の解釈や想像の中から生み出されて、まるでノーチラス号の小窓から見ているよ...続きを読む
  • オペラ座の怪人(新潮文庫)
    名作、面白い!
    ミュージカルであらすじは知っていましたが、小説は、サスペンスあり、オペラ座の怪人の真の姿にせまるストーリー。オペラ座に行った時の記憶を辿りながら読みました。次回は、2階の5番ボックスに行きたい!
    最後の解説も、当時の様子・時代背景がわかって良かったです。
  • 海底二万里(下)
    ジュール・ヴェルヌの海底冒険ものに圧倒された。巨大タコやサメとの壮絶な戦い、南極での酸素不足、敵艦からの襲撃等旅行中の修羅場が多数あり、手に汗握る。読書による映像がバーチャルリアリティー化のように思うほどの描写力に作者の想像力が卓越していたんだろうと思う。ネモ船長がなぜ人間社会から隔絶し復讐に燃えて...続きを読む
  • 海底二万里(上)
    ジュール・ヴェルヌの本はロマンと神聖さを感じる。アロナックス教授が青年・コンセイユ、銛付き・ネッドと一緒に巨大深海魚を探す。船が何らかの巨大物体と接触し3人が海へ投げ出される。巨大物体は潜水艦(ノーチラス号)であり、ネモ船長に囚われの身となる。この潜水艦の技術は最強で、ネモ船長の監視下で海底旅行をす...続きを読む
  • 海底二万里(上)
    日常生活からの隔絶され、生死の手綱を他人に握られた人々は何を思い行動するのか

    故郷への渇望、まだ見ぬ世界への知的好奇心、置かれた状況への淡い期待、絶望

    自分達の命を握る潜水艦の主ネモ船長
    脱出が許されない以外は最大限の限られた自由を与えてくれるが、時折激しい一面も見せる

    突如として閉じ込められ...続きを読む
  • 恋するアダム
    誠実さや正義感を持つロボットであるアダムとイブは、人間の不誠実、嘘、憎しみ、裏切り、ありとあらゆる人間の歪みを初めて知った時、絶望する。そして自殺行為に及ぶ。果たして人類は、この複雑な人間(邪悪で非道的な部分を含む)という生き物を模倣とする人格、精神を持ったロボットを完成させる日はくるのか。 人間の...続きを読む
  • 家なき子(上)(新潮文庫)
    さまざまな出会いと別れを繰り返して逞しく成長するレミの姿に元気づけられます。下巻ではどんな旅が繰り広げられエピローグが待っているのか楽しみです。
  • 海底二万里(上)
    電車を乗り過ごしたほど!
    理系男子向けの本かと思っていたので、私には面白く感じられるかなと半信半疑でした。
    美しい装丁からの期待通り、いや、以上の面白さ。
    ぐいぐい引き込まれます。
    言葉だけでここまで楽しめる、想像をかき立てられるものに久々に出会いました。
    20歳までに読んで欲しい一冊。
    まだの方は...続きを読む
  • 海底二万里(上)
    ★はじまりの本★

    未知の海底で、奇想天外な大冒険

    〈内容紹介〉
     1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた。怪物の正体を暴くため、アロナックス教授は召使のコンセイユとともに船に乗り込む。航海の途中、海に投げ出されてしまった彼らが遭遇した怪物の正体とは…。
     SF小説作家として有名なジュール・ヴェ...続きを読む
  • 海底二万里(下)
    今でこそ光の届かない深海を探る手立てがあり、深海の生態系について(僅かでも)知ることができている。それはつい最近の出来事であると、無生物な荒涼とした深海の描写で思い知らされる。深海1万メートルにもヨコエビの仲間が生息しているらしい、と判明したのはつい最近の研究によるもの。
    大西洋に海底ケーブルが敷設...続きを読む
  • 海底二万里(上)
    多種多様な水棲生物の列挙を掻き分けながら、潜水艇ノーチラス号で世界中を旅するザ・海洋冒険譚。ノーチラス号とネモ船長の謎、大海原への好奇心を満載して海底へ。
    ただ、何しろ古い小説なので、生き物の分類が今と異なる・いるはずのない生き物がいるなど…注意が必要。注釈を読んでね。オオサンショウウオが海を泳いで...続きを読む
  • 恋するアダム
    これは面白かった!

    ドライな感じは楽しい。
    西欧ではやっぱり機械に生命を見出すというか、壊すにあたっても倫理みたいなものを考えずにはいられないんだなーと思った。
  • 海底二万里(上)
    ラストがとても綺麗で、さらに神秘的でこの作品だからこそのものであった。
    下巻、この冒険のラストもとても楽しみです。
  • 恋するアダム
     うだつの上がらない主人公の男チャーリーが母親の遺産で買ったアンドロイドのアダム。一緒に暮らしていくうちに、アダムがチャーリーの恋人・ミランダを好きになってしまい…という話。

     まず、アンドロイドの感情はどこからくるものなのか?という問いがある。アダムの感情はアダム自身の内部から自然発生的に湧き出...続きを読む
  • 恋するアダム
    人工知能を持ったアンドロイドと暮らすってどういうことなんだ??という未知の面白い体験が出来たことが良かった。倫理的な問題も散りばめられているので、思考することの醍醐味を味わえた。人間とロボットの境界線が曖昧になる世界って不思議だ。
  • 海底二万里(上)
    色んな学問の要素が散りばめられているんだけど、読んでて理解に苦しんだり引っかからない。
    お陰で物語に没頭できる。
    一方で巻末に膨大な注釈があるから、分からないまま終わることもない。
    本編と図鑑や辞典を並べて読んだら、もっと深く潜れるんだろうな。
    読みながら書かれた時代を何度も確認してしまうくらい、先...続きを読む
  • 家なき子(上)(新潮文庫)
     エクトール・マロによるフランス児童文学の傑作。発表されてから150年近く経つという古典作品だが、どんどん読み進めたくなる魅力であふれている。
     大好きな母が実の母ではなく、自分は捨て子だったという事実を知り、年老いた旅芸人ヴィターリスに貸し出されるということで、家を追われレミの旅が始まる。その描写...続きを読む
  • 海底二万里(下)
    この作品を通してネモ船長の存在感が凄まじい。

    海や海洋生物、また機械工学など幅広い知識を持つ「ノーチラス号」の船長。

    「人間」を嫌う人間社会とは切り離された世捨て人のような人物。

    ある時は冷静に、またある時は情熱的に。

    アロナクス先生が、最後に会いたい気持ちと会いたくない気持ちが葛藤していた...続きを読む