村松潔のレビュー一覧

  • 海底二万里(下)

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    どこか不穏なネモ船長のすべての謎を残したまま、物語はクライマックスへ。無期限にノーチラス号に閉じ込められるという極限状態は、ロックダウンの時になんとなく似ている。しかし知的好奇心は、そのような状況も救うのだ。

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    2021年06月20日
  • 海底二万里(上)

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    1870年刊行当時、最先端の技術・自然科学の驚異と神秘に満ちたこの本に読者は夢中になっただろう!4人しかいない登場人物、それぞれ異なるキャラクター、ノーチラス号の内装、海の恵みの豪華な食事、そして海底探検の描写!

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    2021年06月03日
  • 海底二万里(下)

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    ネタバレ

    ちょいちょい入る海の生き物の名前列挙するやつ、全部読み飛ばしたけど、すごい知識量、勉強量だなーと思った。二万里なのか二万マイルなのか二万海里なのか、よくわからないまま生きてきた。そして、どれでもないということがわかってよかった。どうやら正解は2万リューらしい。リューと里でたまたま音が似てるし、たまたま距離も近くて2万リューで8万km(2万里は約7.8万km)らしい。これからは、堂々と「二万里」派を表明して生きていける。あと、数字の前に「海底」という単語がくっ付くせいで、海面から下方向に向かって2万里だと思ってたけど、これも違った。

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    2021年05月07日
  • 恋するアダム

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    AIは恋をするのだろうか。
    どうやって自分でいられるのだろうか。
    不完全な人間は倫理と道徳観念とどう向き合っているの。
    現実世界の裏返しのような(サッチャー夫人が追い出され、ビートルズが新譜を出して酷評される)1981年のイギリス。
    デジタル分野は今より進んでおり、自動運転やAI搭載のアンドロイドがでてきている世界。

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    2021年05月05日
  • 恋するアダム

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    1980年代後半のイングランドに似たパラレルワールド。チューリンゲンは生きているし非常に優れたアンドロイドのいる世界。
    25体の一体アダムを手に入れたチャーリーと女子学生ミランダの共同生活における関係性の構築と破綻の、そしてある意味再生の物語。ミランダの秘密のミステリー色と善悪と正義の判断、アダムを含めた3人の恋模様など盛り沢山で内容の詰まった物語だ。

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    2021年04月30日
  • 恋するアダム

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    発想が斬新だった。コンプレックスの固まりみたいな主人公とアダムとの対比が面白かった。もしかしたら、もうそこそこにアンドロイドがいるのかも、と思った。

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    2021年03月28日
  • 海底二万里(下)

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    下巻の途中からトラブルが起こったりネモ船長の秘密みたいなのがわかってきて急激に面白くなった。最後の終わり方も完璧やったな〜。また読みたくなるわー。ネモ船長の毒舌がおもしろい。
    専門的な人もそうでない人も楽しめる作品でした。

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    2021年03月06日
  • 海底二万里(下)

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    リアリティが凄い。
    本当に教授の手記なんじゃないかと思ってしまうくらい、現実と空想のギャップがない。
    上巻が続く海洋冒険ロマンから、少しずつ不穏な空気が漂い始めてからラストへ至る勢いもとてもよかった。
    謎が謎のまま終わったところが、むしろ読後のドキドキ感を残してくれた気がする。
    現代技術なら、ノーチラス号は再現できるのだろうか?

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    2021年02月28日
  • 恋するアダム

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    ネタバレ

    パラレル1982年に、愛とは正しさとは復讐とは子どもを持つとは…などいろいろ盛り込まれた意欲作。
    読んでいくとどうしてもアダムに肩入れしてしまうので、アダムの真正直さ正しさが悲しい、つらい。

    やはり人間は不完全であり、嘘も影も含む存在なのだなあ。読後、引き摺る。

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    2021年02月17日
  • マディソン郡の橋

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    様々な見方があるだろう。不倫の正当化ともいえる。純愛ともいえる。キンケイドという男の魅力でなりたつ少女漫画のようなものともいえる。
    ここでは、どこにも所属しない者のさ迷い混んだ物語として、カフカの「城」のように読むことが一番文学的には面白いと指摘したい。ただ、女を我が物にしたいというところに落ち込むのは弱さというべきではないかと思う。

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    2020年12月12日
  • 海底二万里(上)

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    すごい想像力。巨大な生き物、イッカクのストーリーでもおもしろかっただろう。こういう物語から技術は発展する。

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    2020年10月23日
  • 海底二万里(下)

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    私のSF好き(というほどでもないが)の原点ってなんだろう、と考えてみたら、たぶん子どものころ母に薦められて読んだ『海底二万マイル』ではないかなと。はじめは書名を口頭で聞いて、「海底に"まんまいる"か(知らない動詞だな)」と思った記憶がある。ちなみに今回私が読んだ翻訳本の訳者の解説によると、マイルという訳はあまり適切でないらしく、英訳でも使われていないとか。でも私のなかでは二万マイルだ。


    小学生のときも面白かったのだし、名高い古典だし、いま読んでもきっと、いやよりいっそう面白いだろうと思って読み直したところ、やっぱり面白かった。でも、歴史や科学の解説的な部分は、読んでいる

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    2020年09月06日
  • 海底二万里(上)

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    森見さん作品にはよく?登場する本書。上巻までの感想。
    冒頭の、謎の海難事故の発生から、正体不明の相手を海に捜索する場面は、あらすじをどこかで目にしていたので、何となく予想はついたが、それでもわくわくする展開だった。
    ネモ船長と合流してからは、海中の珊瑚や、魚、哺乳類など、様々な生物の固有名詞がずらずら続く箇所もあり、ヴェルヌも大仰に描写しているのだろうが、やや読みくたびれることもあった。それにしても、海洋生物のみならず、科学や物理、哲学などの分野の学者名や、理論の詳細など、広範な知識をもとに、当時としては夢のような装置や技術にしっかり理論づけをして描いている。単なる絵空事というより、当時の現実

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    2020年09月03日
  • 海底二万里(下)

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    上下巻、ちがう出版社(翻訳者)のを読んでみた。
    下巻の方が好き。

    色々感想はあるのだけど、登場人物が少ないのにドラマチックな物語だった。
    船長は謎めいていて、本当はいい人なんだろうなと思える場面がいくつもあった。
    きっと、すべては謎のままのほうが、いい作品なんだろうな。

    衝撃を受けたのは、150年前の時点で、乱獲により絶滅してしまうであろう海の生物が書かれていたこと。
    ラッコ、マナティー、など
    今もいるけど、確かに少ない。

    全編にわたって、かなり詳しく海の生物のことが書かれていて、残念ながらそこは退屈で、読み飛ばしたりもしたけど、海底の旅行はドキドキした!
    とはいっても、私は海があまり好

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    2020年03月12日
  • 家なき子(下)(新潮文庫)

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    マティアと親友になり、フランス国内を旅する。九死に一生を得る経験や心温まる出会いを経て、イギリスにも渡る。勇気と努力と人への思いやりがハッピーエンドにつながる。抄訳でなく全文で読む楽しさを堪能した。2020.1.1

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    2020年01月01日
  • 家なき子(上)(新潮文庫)

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    子どもの頃に読んだはずだが、内容はすっかり忘れてしまった。フランス中を旅しながら愛する人たちと別れ離れになり、孤独な旅が始まろうとするが、これまでの体験が心身共にたくましくなっていて生きる意欲にあふれている。この作品に限らず、貧しい子の童話は多かったが、今の子にも読みつがれ共感されているのだろうか。2019.12.19

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    2019年12月19日
  • 美女と野獣(新潮文庫)

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    コクトーやディズニーなどが映画化しているボーモン夫人が1756年に出版した異類婚姻譚。オリジナルは1740年にヴィルヌーヴ夫人が発表した長編ですが、広く知られている本作は「こどもの雑誌」用に改変・短縮したものです。映画を知っていると、あまりにもあっさりとしている印象です。他に収録された作品も外見の美醜よりも優しさや知性など内面を磨くことが大切だということを示す教育的な内容になっています。子供向けのため、キャラのパラメータを極端に振り分けているのが印象的。大人でもドキッとする部分が多々あります。

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    2019年03月17日
  • マディソン郡の橋

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    最後のカーボーイ、ロバートと、アイオワの農場に住むイタリア出身のフランチェスカ。対極の人生を歩む二人が、マディソン郡の橋を介して出会います。

    まるで足りないピースを探し当てたかのように、二つの魂が一瞬にして一心同体となり、死が訪れるまで紐帯に結び付けられます。二人はまさにベターハーフだったのでしょう。

    「長いあいだ、私はあなたに向かって、あなたは私に向かって歩いてきたのです」
    出会うことの必然性を、ロバートがこうフランチェスカに言います。

    自分の魂の片割れに出会うのは、自身のことを良く知ってからかもしれませんね。その時こそ、希求するものが良く見えるのではないでしょうか。

    この小説は、1

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    2019年02月06日
  • 憂鬱な10か月

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    胎児の独白?なんだそりゃ、という読み始めの感覚は知らないうちにどっかに行って、ひきこまれて読んだ。皮肉なのに冷たくないという、マキューアン独特の世界。

    生まれるときは誰もが、自分では選びようのない状況下に、無力な状態で投げ込まれる。この世は決して生きていくのにたやすいところではないし、醜いこと、不条理なことが山盛りだ。それでもそこに美や真実があることもまた間違いない。そんな感慨が湧いてくる。

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    2019年01月15日
  • 憂鬱な10か月

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    ネタバレ

    『というわけで、わたしはここにいる、逆さまになって、ある女のなかにいる』という出だしで始まるこの小説の語り手は、もうすぐ生まれる予定の胎児だ。しかしこの胎児は母親の聴いているラジオ番組や外界の音から様々な情報を得て、周囲の人物の様子から世界情勢まで理解しているというとんでもない胎児なのだ。
    彼の両親は不仲で、母親は父親を家から追い出し、父親の弟と不倫関係にあるばかりか、弟と共謀して父親を毒殺してしまう。弟の名はクローディア。正にハムレットである。彼は母親の胎内で色々な事を考え、どうするべきか、どうしたら良いのかを思い悩むが、いかんせん何もできない胎児であることがもどかしい。最終的に、警察に追わ

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    2018年12月08日