藤崎翔のレビュー一覧
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対談記事の上辺だけの会話&真実の心の声で物語が展開! 人間不信の闇に浸れるミステリー #殺意の対談
■きっと読みたくなるレビュー
雑誌記事の対談形式で綴られる本作、しかしながら対談中の登場人物たちの心の声も同時に描写されるという人間性を垣間見れるミステリー。各記事ごとに短編形式になっていますが、対談が進行するにつれて…
面白い試みですね。さすが元お笑い芸人の藤崎先生らしい、読者をニヤニヤさせてくれるサービスが満点です。かなり邪道な構成ではありつつも、物語としてもよく組み立てられていて見事。練りに練った小説であることが伺えます。
本作、十重二十重にも入り組んだ人間関係がめちゃくちゃ面白い。 -
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主人公の神尾瑠美は相手の心を読める超能力の持ち主であり、かつ県警本部捜査一課三係の刑事という設定。それゆえ通常の刑事ものとは異なり、事件発生の序盤から犯人が誰なのかがわかった状態で物語は進みます。
物語の肝は物的証拠や犯人からの証言をどう引き出すかに腐心する場面が描かれるのみ。普通の刑事ものにあるような捜査の進展に伴い新たな事実が判明し、おおっ!そんな展開が!というノリはない。のでつまらない。。。
と思って読み進めていたところ、ラスト2章で俄然盛り上がりを見せてくれました! 「読心刑事と老人ホーム」では事件の目撃者はいるものの認知症の老人ということで、読心が効力を発揮しない状況。また2件目 -
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お隣さんが殺し屋さんとは...ネームセンスに惹かれ手に取った1冊。トリックにトリックを重ねる藤崎翔の作品にしては珍しく、隠された謎を見付けるのは容易い方だったと思う。
故にトリックに驚く事は出来なかったが、ユーモア溢れる会話のキャッチボールと天真爛漫と身勝手の狭間にいる愛らしい主人公が魅力的で面白い。
腐女子受けを確実に狙いに来てるキアヌ・リーブス風のお隣さんと、女子高生みたいなモンスター(JD)達のキャピキャピ会話に頭が痛くなり、脳内の忙しさは心地よい社畜状態だ。
伏線回収は答え合わせをしている様で、キャラ崩壊でのどんでん返しにまた毒の香る笑いを提供してもらった。今回は少し物足りなさを感 -
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著名人同士での雑誌の対談、と言う設定。台詞も脚本形式になっていて、対談という形を忠実に再現している。
そして、読み進めていくうちに作者の術中にハマる。
台詞の後に、鉤括弧で語り手の胸の内が明かされているのだ。しかも、話している言葉とは全く裏腹のハラグロ発言が乱発されていき、その内容は徐々にエスカレートしていく。
そして、彼らが胸の内で語る内容は、少しずつリンクしていくことがわかり、ゾッとする。
「神様の裏の顔」でも感じたが、藤崎さんは人の腹の内の黒い部分を描き出すことが上手い。今回も、よくこういう手法を思いついたな、と、思わず拍手したくなってしまう。
しか -
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4篇
「星の傷痕」(麻見和史) アスタリスクの形の傷が作られた遺体。犯人と形の謎は?
「道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿」(沢村鐵) 新人の女性刑事、”黄昏派出所”に助けられる。
「読心刑事・神尾瑠美」(藤崎翔) R県警には心が読める女性刑事がいて…。
「ファーストレディの黒子」(吉川英梨) ハラマキの広田、十三階の古池が首相夫人腹上死事件をどう解決するか。
個性的な物語を集めたなあといった感じ。道案内でファンタジーに入り、読心刑事で笑いに入る。そして最後は吉川流、広田と古池がビシッとしめた。他はわかりませんが、「ファーストレディ〜」は二人が出てくるシリーズ物にかかる内容もあるよう