富安陽子のレビュー一覧
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ネタバレ菜の子先生シリーズの小学生ヴァージョン。座敷童の学校版、学校怪談ならぬ学校神話とでも呼ぶべきジャンルである。
和製メアリーポピンズを思わせる、しゃきしゃきピシピシした菜の子先生の「生まれながらの先生」的キャラクター、やたらと学校の規則を大切にする杓子定規な現実の先生キャラクターなのに、そのまま妖精めいた存在として不思議な異界と繋がっている。
いつの間にかやってきて、当然のように先生としていて、ある日ふといなくなってしまう。
本当に「マレビト」的なこの存在の不思議さの味わいはそのまま英国の厳格で優秀なナニー、メアリーポピンズだ。東風とともにやってきて、また次の風にのっていってしまうメアリー -
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ネタバレずっと住んでいた化野原一帯が巨大団地となり、妖怪たちは怒り困惑。市役所へ相談に行ったヌラリヒョンは地域共生課の野中さんから団地で暮らしませんかと提案される。
公園の池のかっぱ、ペントハウスの天狗。
そしてヌラリヒョンは7人家族としてB棟地下十二階での新生活が始まった。
見越し入道のおじいちゃんややまんばおばあちゃんがウッカリやらかしてしまったり、その悪びれない感じにニヤニヤする。
妖怪たちの得意なことで団地を守り、一緒に暮らしていく。良い環境だな。
シリーズ1作目なので人物紹介でアッサリ終わったから次作からが楽しみ。
「いない」って思って暮らしてるけれど、もしかして?
月のない夜、団地の -
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小学3年生のケイには、お姉さんみたいに若いおばさんがいる。メイおばさんだ。お母さんの仕事が忙しいから、メイおばさんはバイトとして、ケイの夕ご飯の用意や家庭教師に、週3回来てくれるのだ。
そして、ケイとメイおばさんには、二人しか知らない重大な秘密があった。それは、他の人には見えない物にやどったアヤカシの姿が見えるということだ。
ケイに、アヤカシの姿が見えるようになったのは、メイおばさんの後ろに、黒っぽい重そうなコートを着て山高帽をかぶったおじいさんがピッタリくっついて歩いている姿を見たことからだ。おじいさんはアヤカシで、メイおばさんに言いたいことがあるようだが、メイおばさんは、そのおじいさん -
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RPGを意識したような作品。
主人公の少年がいろいろなアイテムをネズミの助言に従って手に入れ、化け猫をやっつける(といっても殺すのではなく、力を失わせる)。
最後のしかけも、よく本を読む人なら、全く驚かない、よくあるものだ。
でも、子どもが読んだらやっぱり楽しいんじゃないかと思う。
気弱で運動神経も鈍い少年が、知恵でピンチを切り抜ける様子はもちろん、化け猫、天狗、鬼などの造形も面白いだろう。
大人は「彦一ばなし」やネズミのもちつきなどの昔話風が懐かしい。
長すぎず、きれいにまとまっていて、言うことなし。
それにしても、これが「小学上級以上」ってどういう基準?
中級でいいと思うよ。