あらすじ
ケイとメイおばさんは、普通の人には見えない不思議な存在=「アヤカシ」が見えてしまうという秘密を共有しています。象牙の鍵盤を持つピアノを弾くよう促す、牙のない象…女主人の窮地を救うため生きた鳥となって姿を現す鳩時計の鳩…どれもが、読んだあとだれかに語って聞かせたくなるような魅力的なお話です。メイおばさんの小学生時代の秘密に分け入っていく息づまる後半、じんわり胸に落ちるラスト。物語の醍醐味をどうぞ!
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4年生のBT用。
主人公のケイも4年生だし、メイおばさんがおばさんになったのも4年生だし、ちょうどよい。
物や人を大切にすることが柔らかく伝わってくる。こうでなくっちゃ!
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アヤカシさんが見えるケイに、同じく見えるメイおばさんが、知らん顔してなさい!と強く言う理由。だいたい想像できたけど、知らん顔できずに関わって、面倒なことにはならず解決していって終わりかと思いきや…
「何か事情があって、みんなどこかで、つながり合っているのだ。事情はどうあれ、引っぱり合い、つながり合おうとするのだ。
人も、ものも、時間もー。」
今の時代も、つながりを信じたい。
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定番もののアヤカシの話ですが、最後にうまくまとめるところがさすが富安陽子さん。
ただ、クロージングがやけにしつこい。
ブローチにからくり箱に箪笥まで!ぜーんぶに縁をつけて収めているので、ちょっとここは冗長感がありました。
おもしろい話だけれど、簡単だし、主人公の男の子も4年生だから、中学年向きでいいと思います。
文句なし。これは推しです。
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個人的にはとても好きな作品。
小学三年生の啓がメインかと思いきや、メイおばさんの方が実はメインだったという。
伏線をきれいに拾ってもらったなぁという感じ。
ただ、この、なんというか。
ちょっと大人な雰囲気というか。少し俯瞰してみている雰囲気というか。そういうのは、小学生にはまだよくはわからないかもしれないなと思いました。主人公も今、改めて見直したら小学校3年生。5年生ぐらいの雰囲気ですからねぇ。でも、このぐらい素直じゃないと「アヤカシさん」は見えないのかもしれないですね。
Posted by ブクログ
小学3年生のケイには、お姉さんみたいに若いおばさんがいる。メイおばさんだ。お母さんの仕事が忙しいから、メイおばさんはバイトとして、ケイの夕ご飯の用意や家庭教師に、週3回来てくれるのだ。
そして、ケイとメイおばさんには、二人しか知らない重大な秘密があった。それは、他の人には見えない物にやどったアヤカシの姿が見えるということだ。
ケイに、アヤカシの姿が見えるようになったのは、メイおばさんの後ろに、黒っぽい重そうなコートを着て山高帽をかぶったおじいさんがピッタリくっついて歩いている姿を見たことからだ。おじいさんはアヤカシで、メイおばさんに言いたいことがあるようだが、メイおばさんは、そのおじいさんどころか、アヤカシに出会っても知らない振りをしなさい、関わっちゃダメだと、ケイに教えます。
でもケイは、おじいさんが悪いものとは思えない。そして、ケイ1人でいる時に、おじいさんと出会ってしまう・・・。
富安陽子お得意の、ちょっと不思議で面白い物語。
小学校中学年くらい〜
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4年生のケイには、10歳年上のメイおばさんがいる。お母さんの歳の離れた妹なのだが、仕事で忙しいお母さんの代わりにアルバイトで家事や家庭教師をしてくれている。そんなケイとメイにだけ見えるふしぎなおじさん・アヤカシさん。いろいろな品物に宿るモノノケ?
モノに込められた思いを持ち主に伝える。
Posted by ブクログ
「人も、ものも、お互い知らないうちに、ひっぱりあい、つながり合う」という言葉が残りました。
骨子は、アヤカシが見える主人公たちが、アヤカシの物語に引き込まれながら解決の手伝いをする物語。富安陽子さんの作品はやっぱり安心感があります。
Posted by ブクログ
小学4年生のケイと、ケイと10歳しか変わらないメイおばさんを中心に描かれたお話。
二人は他の人とは違う、特殊な能力を持っており、それは物に宿っている精霊、いわばアヤカシを見ることのできる性質を持っている。
ケイはとてものんびり屋な正確で、興味を持ったものや疑問に思ったことをそのまま口にしたり行動に移したり、子どもらしい少年。
メイおばさんは、自分自身がアヤカシを見ることができるゆえの苦労から、今ではアヤカシが見えようが話しかけられようが無視を徹底している。しかし、甥のケイはどんなにメイが厳しく怒っても好奇心に負けてアヤカシと関わってしまう。
その様子が頻繁に描かれており、自分勝手さが目について正直この人とは関わりたくないタイプだなと思ってしまう。
私自身、メイおばさんと同年代に当たるので、視点がケイよりではないというところから来る感情なのかもしれない。
けれど、ケイくらいの年齢の子から見たら、20歳くらいのお姉さんを見ると、ガミガミうるさくて、ちょっと自分勝手でいて、でもどこかかっこよく見えるのかもしれない。(私は全くかっこよくは映らないが)
でも、このガミガミうるさいメイおばさんも後半は少し、しおらしくなる。
ずっと心につかえていた、しこりがやっと溶けてきたようだ。だから、今までのアヤカシに対しての接し方が完全無視という方法であり、文章だけの本でありながらも、耳を塞ぎたくなるほどのケイに対しての説教は、この、自身のアヤカシ関連の相当な嫌な出来事があってのことだったのだと言うことがわかる。
また、人やものは繋がりを求めていて、どこか知らぬ間にも繋がりがあるのだと。
時間や季節、過去から今、そして未来、色んな物同士にも、繋がりがあるのだと。
未熟な私にはわかるような、わからないような。
考え方が根本的に違うというのもあるのかもしれない。だけど、このような考え方もあるのだ、ということだけは覚えておこうと思う。
Posted by ブクログ
アヤカシ…というか「物の精霊」が見えるケイとメイおばさんの話。
ブローチの子かわいい。たんすの顛末が好き。
しかしメイおばさんの母親の反応がリアル。そりゃ不気味だわなあ…。