【感想・ネタバレ】菜の子ちゃんと龍の子 日本全国ふしぎ案内(1)のレビュー

あらすじ

修験道のメッカ・大峰山の麓にある村の小学校に、ある日突然、不思議な転校生・山田菜の子ちゃんが現れます。秋祭りの夜、地元の少女トキ子は、菜の子ちゃんとともに、龍の子が天に昇るのを助けようとします。燃えさかる大護摩の炎、鳴り響く法螺貝。こわい目にもあいながらあと一歩のところまできましたが、そのとき、龍の子を運ぶ頼みの風がぱったりやんでしまいました。さあ、このピンチを菜の子ちゃんはどう切り抜ける!?

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ネタバレ

トキ子は、秋祭りの日菜の子ちゃんに誘われて池から竜の子を助け出します。後ろから呼びかけてくる「おいてけ」と言う声から必死に逃げ、ようやく竜の淵に竜の子を放します。けれども、他の竜の子が空に上っていくのに助け出した竜の子はなかなか空まで上っていくことができません。菜の子ちゃんが助けを求めたのはなんと天狗たち。天狗の扇ぐ風に乗って竜の子はやっと空に上ることができました。
クラスメイトに声をかけられたときもう菜の子ちゃんはいなくなっていて、クラスの子はだれも菜の子ちゃんのことをしらないというのでした。
文字は小さめだが、挿絵も多く少し読みなれた子ならば読み進められると思われる。付録の菜の子ちゃん通信も楽しい。

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2018年02月14日

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おもしろかったけど、もう少し小さいときに読めばよかった。役行者とかてんぐとかの伝説が好きだから、ますますお山に行ってみたくなった。(小5)

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2022年11月13日

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菜の子ちゃんは菜の子先生だと思うよ!
日本全国ふしぎ案内①となっていたので、シリーズ化されているのかな。
奈良県の大峯山のこと、修験道のことが詳しく書かれていたけど、土地勘が無いなりに楽しめたけど、話としては少し距離があったかなあ・・・

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2022年05月11日

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このあとがあるシリーズもの。同作者の菜の子先生のシリーズがあるようだけど、菜の子ちゃんとはどういう関係でしょうね!?内容はよいですね。

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2018年07月19日

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菜の子先生が子どもだったころの話。
トキ子だけが覚えている1日だけの転校生、菜の子。お祭りの夜の二人だけの冒険。

奈良県の大峯山の修験者を下敷きにしたストーリー。日本全国の不思議をめぐるシリーズになるらしい。
大峯山の解説もあります。

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2015年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

菜の子先生シリーズの小学生ヴァージョン。座敷童の学校版、学校怪談ならぬ学校神話とでも呼ぶべきジャンルである。

和製メアリーポピンズを思わせる、しゃきしゃきピシピシした菜の子先生の「生まれながらの先生」的キャラクター、やたらと学校の規則を大切にする杓子定規な現実の先生キャラクターなのに、そのまま妖精めいた存在として不思議な異界と繋がっている。

いつの間にかやってきて、当然のように先生としていて、ある日ふといなくなってしまう。

本当に「マレビト」的なこの存在の不思議さの味わいはそのまま英国の厳格で優秀なナニー、メアリーポピンズだ。東風とともにやってきて、また次の風にのっていってしまうメアリーポピンズ。

…さてこちらのシリーズはまた少し別の物語。
その山田菜の子先生が、そのキャラクターはそのままに、山田菜の子ちゃんという少女の姿で学校にあらわれるお話である。

座敷童的にいつの間にかクラスにいて、誰もが当然のようにそれを受け入れていて、けれど主人公の記憶にしか残っていない、不思議な転校生。

そうすると、一気にイメージは宮澤賢治の「風の又三郎」だ。

一度きり、別世界の広がりを垣間見させてくれる。

その世界の不思議、不思議の世界にいざなってくれる。記憶の中の大切な宝物になる。その物語。

 ** *** *** ***

今回の主人公は、はぐれた龍の子を助けて、しきたりどおり、水神のお祭りの日に無事に天に昇らせようとする菜の子ちゃんを手伝うトキ子ちゃん。

巻末の付録資料を見ると、実際の奈良の霊峰大峰山、吉野の集落に伝わる天狗や鬼、役行者伝説をきちんと下敷きにして、トキ子ちゃんの回想、子供の頃の、美しい幻想、夢の中のようなお祭りの一夜の思い出にアレンジしたお話になっている。

富安陽子さんの独特のこの感覚、好きだなあ。

伝統の民俗的世界、妖怪世界、「自然」と上手に渡り合い畏怖と尊敬と親しみをこめて付き合ってきた人間の知恵としてのその集団的意識。

自然の荒ぶる面、おどろおどろしい畏怖や恐怖に結び付けられがちなその民俗的意識世界が、日常の「学校」という場所を媒介にして、現代社会に生きる個人の、極めて個的、私的なその意識が柔らかく滑らかに繋がってゆく。

個を恐怖によって支配し制限し飲みこむ、或いは逆説的に支配されるべき恐怖としてではなく、きちんとそのアイデンティティを尊重し保ちあいながら、異界、大きな自然界の理(ことわり)のようなものが、人間の個的アイデンティティを支えているものとしてのマトリックス、故郷、母としてのユーモアや親しみをこめて包み込んでゆくような、そのおおらかな優しさに満ちた世界。

これもシリーズになるんだろうな。
富安陽子さん、どんどんどんどんいっぱいいっぱい書いてほしいぞ。

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2015年08月14日

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