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人間のパパとキツネのママが結婚して、そして生まれた三人の子どもたち、ユイ、タクミ、モエには、キツネ一族からおくられた不思議な能力があった。風の耳、時の目、魂よせの口、それぞれの力をもつ信田家のきょうだいが、時空をこえてよびよせられたのは、金色のドングリがみのる山。しかも、その山の人々はなぜか石にすがたを変えられていたのだった。せまりくる災いをまえに、キツネの血をひく子どもたちの運命やいかに! 人気シリーズ第2弾。
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Posted by ブクログ
そりゃあね、私だっていろんな児童文学作家の作品を読みたい気持ちはありますよ。あるんだけれども、時が経てば経つほど、折角読み始めた多くのシリーズものの内容を忘れてしまいそうになるから、そうなる前に読まなきゃって気持ちになることで、どうしても富安陽子先生の作品が多くなってしまうし、そもそも内容がつまらなければ、これだけ同じ作家の作品をたくさん読もうとは思いませんよ。
それでは、なぜ富安先生の作品に夢中になるのかというと、不思議な要素にワクワクドキドキする物語の面白さは勿論なんだけれども、それ以上に私が惹かれるのは、生きていて良かったと思えるような明日への希望や元気をいただけることで、こうした要素って、児童書なんだから当たり前にあるだろと思われそうで、意外と少ないのではと私は感じていて、なぜかというと、こうした要素には作家が児童書を通して何を伝えたいのかという部分が大きく、更にそこには作家の人柄のようなものが如実に表れやすいと思っているからなのです。
というわけで、パパが人間、ママがキツネの一家に起こるドタバタや困難を描いた物語と、大庭賢哉さんの親しみやすい絵が見事にマッチした「シノダ!」シリーズ2作目ですが(2004年作)、前作は現実の世界に不思議なものがやって来た展開だったのに対して、今作では異世界に於ける危機一髪の大冒険が待っていたのです。
それは『まっ暗だった心の中に、ぽつりと希望の灯がともった気分』になったかと思えば、『黒い闇の中をぬけたら、なんにも見えない白い闇』が待ち受けていたりと、小5の長女「ユイ」、小3の長男「タクミ」、3歳の次女「モエ」が乗り越えるには、中々緊迫したハードな展開ではあるのだが、だからこそ前作以上に3人の子どもたちをメインとしながら、それぞれが持つキツネのママから受け継いだ特殊能力も本格的に始動してと、まさに児童書としては子どもたちの成長を追いかける胸熱な展開となっていくのです。
彼女が悪いわけではないのだけれど、それでも異世界に引き込まれて石像と化してしまった友だちを見捨てる訳にはいかないと頑張るユイは、その責任感の強さ故にイライラが募り、ついそれを周囲にぶつけてしまうことや、冷静な一面と頑固な一面が同居するタクミと、子どもたちそれぞれの個性もしっかりと描かれていて…えっ、モエはどうなんだって? なんといっても3歳だから自由きままに振る舞っているだけで充分なんだけれど、実は3人の中で最も洞察力というか、何気ない気付きに優れているのかもしれないね。
異世界で出会う男の子「テト」や、記憶を無くしているように見える逞しい男との出会いを経ながら、敵らしき恐ろしいものとの戦いに謎解きと、様々な要素で楽しませてくれる今回の物語ではあるものの、そうした中で、『名前っていうのは、世の中でいちばん最初の、いちばん短い呪文』であることの持つ大切な意味合いが、他の誰でもない自分でいることが大好きなんだということに気付かせてくれることへと繋がることや、『物語やマンガとちがって、現実っていうのは、そこでおしまいになっちゃったりしないんだね』に込められたメッセージは、大人の私にとってもジンワリと沁み入るものがあって、人の尊厳を踏みにじる争いばかりが引き起こされる、こんな世の中だけれど、子どもたちよ、未来に生きる自分の晴れ晴れとした姿を夢見て幸せになるんだよ!!
Posted by ブクログ
シノダ!シリーズ二作目。タンスの引き出しの中にふと見えた森の景色。強い風に飲まれる様に引き込まれてしまったユイ、タクミ、モエの信田兄妹。森の人々は大蛇オロチによって石にされてしまった。石にされずたった一人で残っていたテトと、霧の谷に住む石の工と共に大蛇を倒し、人々を救う冒険に出る。
ユイが持つ風の耳、タクミの時の目、モエの魂寄せの口が存分に発揮される。館主は三申の子と呼んだ。見ざる、言わざる、聞かざるで有名な三猿のことである。キツネ一族の能力をもらった三兄妹。この設定だけでワクワクしちゃう!前作で時の目の力を持て余していたタクミが段々と使いこなしていく様子も必見。ユイが夜叉丸おじさんのキツネ姿を見た時に「キツネ姿の方がかっこいい!!」と言っていたが、全力で同意したい。挿絵すごく可愛かったです。
Posted by ブクログ
両親のいない午後に、姉弟妹は好きな時間をすごそうと計画。
と思ったら、またしてもおじさんのおかげで大変な状態に。
迷惑をかけている、と思わない大人は面倒というより
どうしようもない生き物です。
もはや『大人』のカテゴリーにも属さないかと。
最初から最後まで自分が悪いと思っていないのが
いっそ素晴らしいですね、と言いたくなるほどに。
こんな大人になってはいけません、という見本です。
子供ならばまだ矯正がきくでしょうに…もう無理無理。
しかも、驚くような台詞を吐いてくれました。
見ざる言わざる聞かざる、には、なるほど、です。
全員が能力に目覚めたという事は、3人力を合わせて?
次回もまた、おじさんが問題あり、なのでしょうか。
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