簑輪諒のレビュー一覧

  • でれすけ 常陸の鬼・佐竹義重

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     宮本昌孝氏『風魔』でちらりと描かれた佐竹・常陸仕置きに触発され、本作を手に取った。
     本作は、佐竹義重・義宣二代の物語である。領国・常陸を守るという同じ信念を抱きながらも、異なる方向へ進んでいく親子の姿が対比的に描かれる。戦国の古い価値観に生きる父と、秀吉の治世のもとで体制の刷新を図ろうとする子。両者のすれ違いは、時代の転換そのものを象徴している。
     父義重の視点では、内心では義宣の考えに理解を示しつつも、武士としては受け入れがたいという葛藤が丁寧に表現されている。その人間味は魅力でもあるが、一方で両者ともにどこか小物感が強い点が終始気になった。情けない息子と頑固で時に横暴な父の姿が折々に垣間見え、読者として苛立ちを覚える場面も少なくない。もう少し人物造形を単純化してもよかったのではないか、とも感じた。
     義宣と妻・正洞院とのエピソードは印象深い。二十四歳にして自らを戒めた正室。反発し合いながらも心では通じ合っていた二人。そのなかで、夫の革新を前に変われぬ自らを恥じ、自害に至る展開には胸を打たれた。

    …夫の足かせになるまいとする彼女の情愛は、皮肉にも義宣の目指す変革に対する、これ以上ない拒絶でしかなかった…

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    2026年02月23日
  • うつろ屋軍師

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    どういうわけか、いまいち正吉の人柄が伝わってこない。熱いのか飄々としてるのか、賢いのかそうでないのか、どうも性格がブレて感じる。与右衛門はそんなことないのに。いまひとつ、主人公としても魅力に欠けるんだよな。歴史ベースだから仕方ないけれど、有名どころの軍師と比べるとどうしても霞んでしまうよね。

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    2026年02月12日
  • でれすけ 常陸の鬼・佐竹義重

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    常陸の雄で鬼義重と恐れられた佐竹義重の一代記。豊臣政権に臣従する形で子義宣は常陸を守ろうとしたが、関ヶ原の戦いで勝利した家康により減俸、秋田への移封となる。内容はかなり浅い。

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    2026年01月02日
  • 化かしもの 戦国謀将奇譚

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    短編集。
    『宇都宮の尼将軍』戦国時代、北条が領土拡大し、上杉謙信が関東に度々侵攻してきたとき、北関東の坂東武者たちの一角である宇都宮家を巡り、生き残りをかけた一策を描く。これは面白かった。
    『悪僧』宮部継潤、比叡山から浅井家の家臣となり、秀吉に見出されて、秀吉の家臣となった男と、若かりし加藤清正との話を描く。この宮部継潤という武将が興味深い。

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    2025年06月01日
  • 最低の軍師

    購入済み

    臼井城に実際に訪れたが

    どうしても謙信がこのような城を落とせなかったのか、納得できなかった。
    その答えを期待してほぼ一気読みして、なるほどと思わせられた内容で歴史小説としてかなり面白かった。事実は小説よりも奇なりというが、果たして筆者が描いたストーリーと真実がどこまで重なりあうのか自分なりに考えるのも楽しみ始めている。

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    2024年11月27日
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

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    面白かったです。決戦!設楽原を読んで織田信長は強いし鉄砲は恐るべき武器だなと感じました。決戦!設楽原TOP3は①砂原浩太朗「けもの道」②赤神諒「表裏比興の者たち」③武川祐「くれないの言」です。【小5】

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    2024年02月02日
  • 化かしもの 戦国謀将奇譚

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    なかなか味のある短編集といって良いのか、各章共ほぼ同じ時代の話であった。戦国時代、秀吉や家康、明智光秀が生きた時代の番外編7話だった。登場人物多彩で楽しかった。

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    2023年10月10日
  • 千里の向こう

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    坂本龍馬というもっとも有名な人物の影で、実は龍馬のしたことは、全部中岡慎太郎がやったことなんじゃないかな。と思ってしまうほど、優秀で格好いい男、「慎の字」。
    彼が、龍馬より一日長生きしてくれたおかげで、龍馬暗殺の一部始終が今に伝わっている。

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    2023年09月12日
  • 殿さま狸

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    豊臣秀吉が木下藤吉郎と呼ばれた時から従った蜂須賀小六の息子の物語。徳島を治めるに至る物語がスピード感とドキドキ感を持って描かれている。一人の若者が一国を治める力をつけていく上での知略や失敗を乗り越えた成長が面白い。

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    2023年03月17日
  • うつろ屋軍師

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     歴史の大筋は理解していること前提で書かれているのか、自分にはわからない部分が前半多かった。が、秀吉が死んだ辺りから、そんなことも忘れてしまう程グイグイ引き込まれた。
     面白い。あまり有名でない人なので、わかっていることが少ないことを利用して、作者の思いを描いている。
     とは言いつつ、主人公より仕えている丹羽の殿様たちの方が魅力的。

     他の作品も読んでみたくなった。

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    2023年02月08日
  • 決戦!賤ヶ岳

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    とても好きなシリーズだ。
    今回は登場人物が限定されていて各作家の描き方が違い過ぎて、本全体としては何となくしっくりとこなかった。
    でも歴史物に長けている作家の面々で個別としては面白い。

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    2022年11月05日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    甲斐の虎武田信玄の初陣。
    本能寺をめぐる信長の首の行方。
    父の跡を継いだ政宗の総大将の心得。
    側近の立場から見た信玄の深慮遠謀。
    浅井家滅亡への最期の戦い。
    九州の桶狭間島津義弘の木崎原の戦い。
    津軽為信の独立への戦い。

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    2022年09月07日
  • うつろ屋軍師

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    江口正吉ゲームにも出てこないようなマイナーな武将を主人公にした作品。一時百万石を超える大大名になった丹羽家その後長秀が亡くなり凡庸な跡継ぎ長重が継ぐが当然百万石を保つ器量も無く秀吉により12万石に減封される。関ヶ原では西軍についてしまいお家取り潰しに遭うが大坂の陣で復活し織田家の5人の軍団長の中で唯一幕末まで家を保つ事ができた大名。

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    2021年06月03日
  • くせものの譜

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    依田信蕃、佐々成政、伊達与兵衛、今村掃部助、松平忠直、久世但馬守、野本右近、本多富正、御宿勘兵衛。

    歴史上、関連書籍が少なく割とマイナーな人物が多く登場する。信長、秀吉、家康の天下人三人の流れの中で、北条の滅亡から大坂の陣までを、御宿勘兵衛を軸にくせものと言われた男たちが活躍する。
    マイナーだからこそ、自由に物語の中で活躍できるな。
    若き作者の蓑輪諒。彼の人選が実に粋なことはもちろんだが、描写が実に活き活きとしている。

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    2020年11月02日
  • 最低の軍師

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    幻の軍師、白井入道浄三の臼井城の攻城戦を描く。謎多き浄三を足利義輝に結びつけて、魅力一杯に表現している。非常に面白い。

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    2019年11月15日
  • 最低の軍師

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    内容(「BOOK」データベースより)

    永禄八年、上杉輝虎(謙信)が義を掲げ、下総国臼井城に侵攻を開始した。総勢一万五千といわれる上杉軍に対し、臼井の兵は二千ほど。後ろ盾となる北条家からの援軍は、わずか二百五十余であった。抗戦か降伏か、紛糾する城内をまとめるため、北条の武将松田孫太郎は道端の易者を軍師に仕立てた。白井浄三である。ところが、浄三は想像を絶する奇策を次々と画策し…。

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    2019年08月14日
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

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    さくっと読める決戦シリーズの設楽原編。武田家滅亡のきっかけとなった織田・徳川連合軍との設楽原の闘いを7人の作家がそれぞれの時点で描いています。私的に気に入ったのは、赤神諒氏の真田昌輝を描いた「表裏比興の者たち」。

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    2019年01月15日
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

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    決戦シリーズ第7弾。今回の舞台は「長篠の戦い」。
    主戦場が設楽原だったということでタイトルになってます。鉄砲三段撃ちで有名なあの戦いです。

    武田側は信玄ありきだったのだなぁ、と改めて感じました。偉大な先代の影響から、勝頼も宿老たちも逃げられなかったのだなぁ、と。信玄の遺産で勝ち続け、この戦いで使いつくしてしまったわけか。
    そこから前を向く「ならば決戦を」。
    少しでも残そうとする「くれないの言」。
    敗北から這い上がろうとする話は、涙を憶えます。その後の武田の顛末を知っているだけに。

    「表裏比興の者」は、伊東潤の「天地雷動」との相似として面白いです。真田昌輝と釣閑齋の作戦は似たものだけど、導き出した根底が全く違う。
    「決戦!設楽原」の中で同時に読んでみたかった、と思いましたね。

    いやー、こういう風にいろんな角度があるから歴史小説はおもしろいや。

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    2018年10月29日
  • 最低の軍師

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    歴史小説だが、知っている史実は上杉と北条が関東の覇権を争っていたというだけで実際の戦いなどは全く知らない。有名な武将も上杉輝虎しか出てこないのでストーリー展開は読めない。
    臼井城の攻防戦がメインストーリーであるが、城下の農民との折衝なども描かれていてリアル。
    軍師の白井浄三は実在の人物ではあるらしいが、フィクションがかなり入っているようでマイナーな人物に肉付していくのは作者の想像力であり面白さがある。

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    2018年09月12日
  • うつろ屋軍師

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    織田信長から重宝されていた丹羽長秀の軍師が主人公。
    丹羽長秀、長重の元で織田・豊臣・徳川を乗り越えて行くのですが、泣けますね~。
    いいお話でした。

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    2015年01月10日