簑輪諒のレビュー一覧

  • 化かしもの 戦国謀将奇譚

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    戦国歴史小説なんだけど、おそらく同学年の著者がこれだけのものを書けるのにヤキモチやきつつ、本当に凄いもんだなと感心。
    まず選んだトピック、おそらくほとんど史実ベースでこれだけ面白く料理できるけど今まであまり扱われていないネタばかりで、信玄と謙信と越中を巡る謀略、青木一重と孫六兼元の真柄切、宇都宮の尼将軍、蜷川と長宗我部の信長への砂糖献上、宮部継潤、島津歳久、大坂の陣の功績を巡る戸村と高松の往復書簡。
    どれもどんでん返しにあっと言わされるし、島津の話は涙なしでは読めなかった。

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    2024年05月22日
  • 殿さま狸

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    パッとしない歴史上人物が箕輪諒先生にかかれば、秀才に見える!
    読んだ後、信長の野望で登場人物のステータスを見て弱くてびっくりすることが多々。最高ですね。

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    2024年01月16日
  • 最低の軍師

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    臼井城攻防の数ヶ月を描いた作品。上杉謙信が義を掲げて臼井城に迫る。北条方の援軍としてやる気に燃える松田孫太郎、必ずしも北条に忠誠を誓っている訳では無くしたたかに生きる原胤貞、そして道端の易者だった白井浄三が籠城側の軍師に仕立て上げられる。浄三の過去と河田長親との繋がり。映画を読んでいる様な展開。

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    2022年11月26日
  • 千里の向こう

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    中岡慎太郎の物語。坂本龍馬の陰に隠れて目立たない人ですが、こんな良い働きをしていたなんて。キャラの個性が際立っているし、史実の説明もわかりやすいし、とてもおすすめの本です。

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    2022年02月12日
  • 最低の軍師

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    直前に佐倉城や臼井城に行くプランを練ってたのだが、この本を読んだのは完全に偶然。
    断片だけ明らかになっている臼井城の戦いを、ここまで膨らませて、いかにもあり得そうなストーリーにしたのは凄い。一気に読み切った。

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    2021年07月30日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    新進気鋭の作家さんが番狂わせとしてそこそこ有名な戦いを書いている(弥助だけ少し毛色が違うが)。地図が分かりやすく、非常に助かる。テーマ上、若い時期のストーリーが多いが、描き方は色々で興味深い。
    海ノ口は大河でも見たが、季節は考えたこと無かったな。政宗と長政の2作がお気に入り。

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    2021年03月01日
  • うつろ屋軍師

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    本作、『うつろ屋軍師』はその丹羽長秀、その後継者の丹羽長重に仕えたという江口正吉(えぐちまさよし)という人物を主人公に据えた物語である。
    江口正吉?「三郎右衛門」という通称で、作中では「三右(さんえ)」という呼び方も頻出している。正直、然程知名度が高いとも思えない。が、「織田信長の麾下で知られている武将」として名が挙がる明智光秀、豊臣秀吉、柴田勝家、滝川一益、丹羽長秀という5名の中、江戸時代を通じて末裔の大名家が続き、関係者が戊辰戦争にも関わったというのは丹羽長秀のみということになる。江口正吉は、その江戸時代を通じて続いた大名の丹羽家の礎を築く活躍をしたということになる訳だ。
    「うつろ屋」?“

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    2020年06月18日
  • 殿さま狸

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    江戸時代を通じて現在の徳島県に相当する阿波国と淡路島とを知行していた大名家の蜂須賀家の始祖は、豊臣秀吉に仕えた蜂須賀小六の嫡男であった蜂須賀家政である。その蜂須賀家政が本作の主人公だ。そして蜂須賀家政は「阿波の狸」等とも呼ばれたという、なかなかの策士であったともいう。
    本作は、若武者が偉大な父とは一味違う国主へと成長する物語であり、城下町を起こして流通を盛んにする他方で商品作物の藍に着目した産業振興を図るという経営関係の物語であり、大きな合戦での生き残りを図る戦略の物語でもあり、多様な要素が織り込まれている。
    作中、酷く記憶に残るフレーズが在る。「尽くされて当然の主もいなければ、尽くして当然の

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    2020年06月14日
  • くせものの譜

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    厄神と言われ、武辺はあるが仕えた家は全て滅びる御宿勘兵衛の視線を通して、戦国時代末期を描く。

    5つの短編から成り立っている。天正壬午の乱、さらさら越え、小田原征伐、久世騒動に依田信蕃、佐々成政、久世但馬守らが滅び衰退していく様をそれぞれの信念を御宿勘兵衛が脇役として見守る形式を取る。

    5編目の大坂の陣のみ、御宿勘兵衛が主役であり、真田幸村と自分とを対比しながらクライマックスを迎える。

    負け戦の話が連作続くのだが、暗い作品ではなく、それぞれの主人公が颯爽と自分の主義を貫いていく様子が読みやすく表現されている作品となっている。

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    2020年05月10日
  • 最低の軍師

    購入済み

    面白い!

    白井浄三という得体の知れない軍師の奇想天外な策謀の数々が描かれており、最終章でタイトルの如く浄三が最低の軍師であるされた理由が語られる。非常に良く出来た面白い作品であった。

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    2020年05月04日
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

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    歴史上の有名な戦いや、大大名の合戦の話ではないが、英雄の若き日の活躍や小が大を制する小気味好い物語がとても面白い。島津義弘、織田信長、真田昌幸などの想定外、裏話、想像を掻き立てるフィクションなどが、短編なのでさくっと読める。物語の面白さもさることながら、この作者がこんな話を書くのかという楽しみ方もある。ところで、こういういくさ話、単純な勝ち負け(結果)だけでもないし、武士のメンツや矜持を保つこと(外部からの評価)や信頼関係の構築(ネットワーク)など、ケースディスカッションに使えそうだなと。ちょっと作ってみるか。

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    2019年12月05日
  • 最低の軍師

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    真直ぐな性格、「武士らしさ」を追い求めるかのような孫太郎…“裏”ばかりを歩んで来たかのような、素性のよく判らない、胡散臭い感さえする浄三…このコンビが動かす、圧倒的な大軍を迎え撃つことになった小さな城の状況…非常に面白い!
    “正統派”的な、如何にも「時代モノの主要人物」と言うのか、「ヒーロー然とした」という感の若き荒武者の孫太郎が居て、年長の補佐役を従えていて、やややり悪い臼井城関係者が色々居て、城下の村で領民に敬愛される神社の娘が居て、そこに「屈折している」とか「何やら不思議で胡散臭い」という“アンチヒーロー”的な浄三が関わって行く。そして孫太郎も浄三も互いに「少し変わった?」というような経

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    2019年09月20日
  • くせものの譜

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    主人公は御宿勘兵衛!

    私にとって全くの無名の武将でした。読みについては同僚に『みしゅく』さんと言う方がいて初見で読めました。

    この御宿勘兵衛なる人は武田、佐々、北条などに仕えるが、仕える家が次々と断絶!?そして最後は豊臣秀頼の下へ・・・


    運がないのか不幸を呼ぶのか勝ち組の側に回れないのが可愛そうになります・・・しかし勘兵衛の武名は天下に轟 大坂冬の陣の時には家康から後藤又兵衛に匹敵するとも称えられたとの事!

    そんな御宿勘兵衛を軸に無名の武将達を主人公とした短編が五本!時代物と思いきやミステリー仕立てや涙を誘うお話もあります!

    登場人物達の殆どが無名に近い武将達で私の知ってる限界が佐

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    2019年06月09日
  • うつろ屋軍師

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    最低の軍師が面白かったので買ってみましたが、期待は裏切りませんでした。
    今回の主人公は丹羽長秀の家臣 江口正吉。現実離れしたアイデアからついたあだ名は「うつろ屋」。長秀の死後、人の良い息子長重を支え、秀吉による大減俸、関ヶ原戦い等の苦難を乗り越えていく主従の物語。

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    2018年05月21日
  • くせものの譜

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    大坂夏の陣で生涯を終えた戦国時代の生き残り、御宿勘兵衛の一生を描く。
    真田丸でも描かれているけど武田家滅亡後の甲信は大変だったのね。織田家の支配下に収まるかと思いきや直後に本能寺の変が勃発する。
    徳川と北条と上杉の三つ巴、それに羽柴秀吉が絡んできて何処に味方すれば、生き残れるのか小豪族達は必死だ。
    武田家遺臣である御宿勘兵衛は武田家再興を目論む依田信蕃を振り出しに秀吉と争う越前の佐々成政、小田原征伐の渦中の北条家、
    と渡り歩き結城秀康に拾われたのも束の間、早死にした秀康のバカ息子忠直に付き合いきれず結城家も出奔。
    遂に死に場所を求めて大阪城に辿り着く。自らの将才には自信を持っていた勘兵衛だった

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    2016年06月30日
  • 殿さま狸

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    阿波国藩主、蜂須賀家政の半生を描く。

    父親の蜂須賀小六の名前くらいは知っていたのだけれど、嫡男の家政のことについてはほとんど知識のないまま読んだ。表では不敵な態度をとりながら、正室の比奈の前でだけ本来の臆病な姿を晒し出す家政に好感を覚える。意外や経済感覚に優れ、稲作に適していない阿波の土地で藍や塩の産業を作り出し、一大商業地に発展させた才に感嘆を覚えた。元は川並衆という出自であったからこそ、この経済の才が育まれたという流れには、ナルホドと思わされる。阿波国存続のために、狸と呼ばれた策略の才をもって立ち回る家政の姿に最後まで魅了。阿波踊りの起源説や、「のぼうの城」の忍城に対する水責めの舞台裏(

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    2016年04月07日
  • うつろ屋軍師

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    ネタバレ

    面白かったです。
    丹羽長秀さんの丹羽家のお話です。
    城マニアのお殿様とうつろを言う軍師がお家再建を賭けて…

    タッチは軽快で読みやすく、どんな空論(うつろ)な策が繰り広げられるかとワクワクしながら読み進められました。

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    2014年11月17日
  • 化かしもの 戦国謀将奇譚

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    「川中島を、もう一度」
    「一千石の刀」
    「宇都宮の尼将軍」
    「戦国砂糖合戦」
    「悪僧」
    「いざ白雲の」
    「老人と文」
    かなり面白く、一気読みでした。
    どの短編も魅力的で、ラストのどんでん返しも絶品です。

    「いざ白雲の」の島津歳久の話が一番好きです。

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    2025年07月03日
  • 最低の軍師

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    史実をベースにした物語!
    まるっきりのフィクションかと思ったら、実際にあった「臼井城の戦い」をベースにした物語でした。
    この軍師は実在の人だったのね。びっくり!
    エンターテイメントとしてとても楽しめました。映画のシナリオのような物語!

    永禄八年に上杉輝虎(謙信)が1万5千の兵を率いて臼井城へ侵攻開始!
    臼井の兵は2千、さらに北条の援軍は250。
    その援軍を率いるのが松田孫太郎
    その軍師はひょんなことから知り合った易者の白井浄三!

    城主の原胤貞含め、城内の家臣たちは北条からの援軍はどちらかというと迷惑..
    そんな城内をまとめ上げ、闘うことができるのか?

    浄三の過去が語られ、さらに謙信側の軍

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    2025年06月08日
  • うつろ屋軍師

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    面白かったです。主人公は江口正吉ですが、個人的には丹羽長重の方が好きでした。おっとりとした性格ですがときには怒りときには優しくいい主君だと思いました!ただの空論が、最後にはとてつもない軍略に。とても楽しかったです。【小6】

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    2024年08月20日