簑輪諒のレビュー一覧

  • 最低の軍師
    臼井城攻防の数ヶ月を描いた作品。上杉謙信が義を掲げて臼井城に迫る。北条方の援軍としてやる気に燃える松田孫太郎、必ずしも北条に忠誠を誓っている訳では無くしたたかに生きる原胤貞、そして道端の易者だった白井浄三が籠城側の軍師に仕立て上げられる。浄三の過去と河田長親との繋がり。映画を読んでいる様な展開。
  • 千里の向こう
    中岡慎太郎の物語。坂本龍馬の陰に隠れて目立たない人ですが、こんな良い働きをしていたなんて。キャラの個性が際立っているし、史実の説明もわかりやすいし、とてもおすすめの本です。
  • 最低の軍師
    直前に佐倉城や臼井城に行くプランを練ってたのだが、この本を読んだのは完全に偶然。
    断片だけ明らかになっている臼井城の戦いを、ここまで膨らませて、いかにもあり得そうなストーリーにしたのは凄い。一気に読み切った。
  • 戦国 番狂わせ七番勝負
    新進気鋭の作家さんが番狂わせとしてそこそこ有名な戦いを書いている(弥助だけ少し毛色が違うが)。地図が分かりやすく、非常に助かる。テーマ上、若い時期のストーリーが多いが、描き方は色々で興味深い。
    海ノ口は大河でも見たが、季節は考えたこと無かったな。政宗と長政の2作がお気に入り。
  • うつろ屋軍師
    本作、『うつろ屋軍師』はその丹羽長秀、その後継者の丹羽長重に仕えたという江口正吉(えぐちまさよし)という人物を主人公に据えた物語である。
    江口正吉?「三郎右衛門」という通称で、作中では「三右(さんえ)」という呼び方も頻出している。正直、然程知名度が高いとも思えない。が、「織田信長の麾下で知られている...続きを読む
  • くせものの譜
    厄神と言われ、武辺はあるが仕えた家は全て滅びる御宿勘兵衛の視線を通して、戦国時代末期を描く。

    5つの短編から成り立っている。天正壬午の乱、さらさら越え、小田原征伐、久世騒動に依田信蕃、佐々成政、久世但馬守らが滅び衰退していく様をそれぞれの信念を御宿勘兵衛が脇役として見守る形式を取る。

    5編目の大...続きを読む
  • 最低の軍師

    面白い!

    白井浄三という得体の知れない軍師の奇想天外な策謀の数々が描かれており、最終章でタイトルの如く浄三が最低の軍師であるされた理由が語られる。非常に良く出来た面白い作品であった。
  • 千里の向こう

    中岡慎太郎の一生

    先日高知北川村へ旅行に行き、中岡慎太郎という人物について更に知りたいと思い購入。

    歴史は元から好きでしたが、幕末は疎遠していたのと、どちらかというと映画やドラマで物語として見ることが多く、今までは固い文章や難しい言葉で断念することもありましたが、この「千里の向こう」はとても読みやすく、最近行っ...続きを読む
  • 戦国 番狂わせ七番勝負
    歴史上の有名な戦いや、大大名の合戦の話ではないが、英雄の若き日の活躍や小が大を制する小気味好い物語がとても面白い。島津義弘、織田信長、真田昌幸などの想定外、裏話、想像を掻き立てるフィクションなどが、短編なのでさくっと読める。物語の面白さもさることながら、この作者がこんな話を書くのかという楽しみ方もあ...続きを読む
  • 最低の軍師
    真直ぐな性格、「武士らしさ」を追い求めるかのような孫太郎…“裏”ばかりを歩んで来たかのような、素性のよく判らない、胡散臭い感さえする浄三…このコンビが動かす、圧倒的な大軍を迎え撃つことになった小さな城の状況…非常に面白い!
    “正統派”的な、如何にも「時代モノの主要人物」と言うのか、「ヒーロー然とした...続きを読む
  • くせものの譜
    主人公は御宿勘兵衛!

    私にとって全くの無名の武将でした。読みについては同僚に『みしゅく』さんと言う方がいて初見で読めました。

    この御宿勘兵衛なる人は武田、佐々、北条などに仕えるが、仕える家が次々と断絶!?そして最後は豊臣秀頼の下へ・・・


    運がないのか不幸を呼ぶのか勝ち組の側に回れないのが可愛...続きを読む
  • うつろ屋軍師
    最低の軍師が面白かったので買ってみましたが、期待は裏切りませんでした。
    今回の主人公は丹羽長秀の家臣 江口正吉。現実離れしたアイデアからついたあだ名は「うつろ屋」。長秀の死後、人の良い息子長重を支え、秀吉による大減俸、関ヶ原戦い等の苦難を乗り越えていく主従の物語。
  • くせものの譜
    大坂夏の陣で生涯を終えた戦国時代の生き残り、御宿勘兵衛の一生を描く。
    真田丸でも描かれているけど武田家滅亡後の甲信は大変だったのね。織田家の支配下に収まるかと思いきや直後に本能寺の変が勃発する。
    徳川と北条と上杉の三つ巴、それに羽柴秀吉が絡んできて何処に味方すれば、生き残れるのか小豪族達は必死だ。
    ...続きを読む
  • 殿さま狸
    阿波国藩主、蜂須賀家政の半生を描く。

    父親の蜂須賀小六の名前くらいは知っていたのだけれど、嫡男の家政のことについてはほとんど知識のないまま読んだ。表では不敵な態度をとりながら、正室の比奈の前でだけ本来の臆病な姿を晒し出す家政に好感を覚える。意外や経済感覚に優れ、稲作に適していない阿波の土地で藍や塩...続きを読む
  • うつろ屋軍師
    面白かったです。
    丹羽長秀さんの丹羽家のお話です。
    城マニアのお殿様とうつろを言う軍師がお家再建を賭けて…

    タッチは軽快で読みやすく、どんな空論(うつろ)な策が繰り広げられるかとワクワクしながら読み進められました。
  • 最低の軍師
    初めて読んだ箕輪諒先生の作品です。
    タイトルが気に入って購入しました。

    この作品から、箕輪諒ワールドに引き込まれました。
  • 千里の向こう
    小説を読むきっかけとなったのは司馬遼太郎の「竜馬がゆく」この本で坂本龍馬を一躍有名人に押し上げ、龍馬信望者、ファンが増えたと思います。人物を描く時に作者の思い入れ、愛情、表現のさじ加減によって作品と人物像が全く変わってしまうのは否めない。私は坂本龍馬が好きですが幕末の大仕事を彼一人の功績にみられるの...続きを読む
  • 決戦!賤ヶ岳
    賤ヶ岳の七本槍を七人の作家が描く面白い構成。

    どの作家も、譜代の家臣がいなかった秀吉が、「うちにはこんな良い家臣がいるんだぞ!」と「七本槍」をでっち上げたような描き方が興味深かった。
    それによって多くの七本槍たちが悩むことなる。その苦悩の心理描写を、どの作家も上手く表現している。
  • くせものの譜
    御宿勘兵衛、シブいね〜、いやまったくだんなシブいよ〜。しかし依田信蕃とか改めて気づきを与えてくれた。天正壬午の乱の英雄。
  • 決戦!賤ヶ岳
    木下昌輝さんが好きで読みましたが、他の方の小説の雰囲気が分かって、読みたい作品を開拓出来たところが1番良かった。
    敵陣の登場人物がまぁまぁ一緒なので、自分の担当する武将に花を持たせるために寄せて書いてるのが、歴史小説はフィクションとはいえ、続けて読むと寄せてる感が出るのだけが複雑な気分になった。それ...続きを読む