田村義進のレビュー一覧
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読んだ本 ゴルフ場殺人事件 アガサ・クリスティ 20251005
ポアロシリーズが長編で34冊。時間をかけて読んでみようと思ってます。
アガサ・クリスティの小説は、いろんなミステリー作家がいても未だに超える人はいないって思わせるほど、よくできたお話ばかりで、「ABC殺人事件」なんてプロファイリング小説の元祖みたいなもんで、読み返してみても、うーんって唸らせてしまう。どこかにヒントが隠れてて、それを見過ごしてラストまでいってしまうとホントに悔しくなってしまう。
「ゴルフ場殺人事件」は、まだ初期の作品のせいか、正直まだ成熟してないような気がしますが、それでも色んな気になる手掛かりが、残りのページ数でまだ何かあるって教えてくれます。
それにしても、ヘイスティングスなんて老境に差し掛かってると思ってたのですが、この物語の中では恋なんかしてまだ若いのかな。
次は何読もうかな -
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ネタバレ読みやすーい!
読書がちょっとマンネリ気味でもクリスティーはさくさく読めるし楽しい。でも今回は読書脳があまり働かず、登場人物の名前と特徴があまり一致しない状態で読み進めてしまって、クリスティーを読んでるときの楽しさはいくらか少なかった。もったいないことをした。
物語の展開も王道のポアロシリーズという感じで、さまざまな証拠や状況が散りばめられて一気に収斂されていく。
他の扼殺事件の話が出てきたときは、絶対関係あるんだよわかってる!!と思いながらも関連性は思いつかず…これわかる人いる…??
アリーナは男をたぶらかす悪魔のような女性だと思われていたが、最後に実はその逆で、アリーナが男に依存してしまう可哀想な女性だ、という表裏一体の性質を明らかにするのは、女性の視点ならではだな、と思う。 -
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1936年の作品。
エルキュールポアロシリーズ長編12巻。
あらすじ
イラクのアッシリアの遺跡調査団を率いるレイドナー博士は、美貌の妻、ルイーズの付き添いとして看護婦のミス・レザランを雇う。ルイーズはとても美しく聡明な女性だったが、亡くなった前夫のフレデリックボスナーから「他の男と結婚したら殺す」と脅迫状が何度も届いたことで常に怯えていた。
果たして、ミスレザランが雇われてまもなくルイーズは何者かに殺されてしまう。たまたまバグダッドに旅行中だったエルキュールポアロはこの事件の捜査を依頼される。犯人と思われるのは、ルイーズの亡くなったはずの夫フレデリックボスナーと、その弟のウィリアム。そのどちらかが調査団に紛れ込んでいると見て捜査を始めるが…。
感想
今から90年前の遺跡調査団の様子が伝わってきて、異国情緒溢れる作品です。
が、、肝心の殺人事件に関しては…自信満々のポアロに思わず「そんなわけあるかーい!」とつっこんでしまった。
クリスティ作品はどれも大好きですが、たまにそんなバナナなオチ?のものもありますね笑。
看護婦さんが語り手となってるのも珍しい。もしやアクロイド殺しパターン?!と思ったら違った。いつも助手をコケにしまくるポアロですが、女性相手だから優しめな感じがします。 -
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久々のクリスティー!
本書はなんといっても、看護婦ミス・レザランの手記で語られるのが特徴。
やはりクリスティー作品に出てくる、職業意識の高いご婦人は頼もしいですね。彼女目線の”ポアロ描写”にもくすっと笑ってしまいました。
『ナイルに死す』と同じく、中東の世界観たっぷりな今作。
生涯の伴侶となったマックス・マローワンと共にこの地を訪れたクリスティーには、どんな風にこの景色が映っていたのか……とレザランの手記を通して想像できます。余談ですが、ポアロさんはこの事件の後にオリエント急行に乗って”あの事件”に遭遇するそう。うーん、コ○ン君(笑)。
登場人物が多いのはいつものことですが、今回は職業も国籍もバラバラということで当初はなかなか苦戦しましたが、物語も半分くらいまで進むとしっかりキャラクターの輪郭が濃くなっていくのがさすがのクリスティー。
そして、妄想としか思えなかった犯人も、シンプルながらしっくりくる謎解きに十分納得でした。
こちらはまだドラマ版が未鑑賞なので、「松明を持って湿地から姿を現わし、男を惑わす妖精」と評されるルイーズがどんなふうに描かれているのか、観るのが楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ12作目。1936年の作品。
テル・ヤリミア遺跡調査団宿舎の間取り図が出てきたところで、前に読んだことがあると気がつきました。そのあとで犯人も思い出しだので伏線とミスリードを確認しながら読んだのですが、これがなかなか楽しかった。
アガサ・クリスティーはやっぱり犯人がわかっててもおもしろいなあ。
遺跡発掘現場が舞台で、考古学者と再婚した美しきミセス・レイドナーが調査団たちに巻き起こす不協和音が事件の発端となるというのが、設定からして皮肉めいています。
アガサ・クリスティーが考古学者と再婚したのが1930年。とうぜん、彼の発掘調査に同行したこともあるでしょうし、その時に現場で敬われると同時に邪魔者扱いされたこともあったのかもしれません。
発掘現場である中東を美化していないところもいいです。
(15ページ)
でも、バグダッドの不潔さと混乱ぶりは信じられないくらい。『千夜一夜物語』から想像されるようなロマンチックなものなんてどこにもない。
(76ページ)
本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。
90年近く前の作品で、イギリスの上流階級の人々を中心とした登場人物といった違いはあるものの、ミセス・レイドナーをめぐる女性たちの嫉妬と羨望の視線は現代にもあるあるな感じで、こういうところがアガサ・クリスティーの普遍性だなと思います。
性格の悪さを隠そうとしないシーラが特に好き。
(221ページ)
「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」
クリスティーはいろんな出版社からいろんな訳が出てますが、どの訳でもいいなら、ハヤカワの旧装丁旧訳で満足なので、あえて新訳で読むというルールを自分に課していて、今回は2020年出版の新訳版を選んでいます。
旧訳と比較はできませんが、固有名詞が解説もなく結構でてきます。
「P・G・ウッドハウスの小説」とは美智子皇后が言及したことで日本でもちょっとブームになった『ジーヴス』シリーズあたりですね。
「セイリー・ギャンプ」はディケンズの『マーティン・チャズルウィット』に出てくる看護婦。wikiの訳ではセアラ・ギャンプ。
「イアーゴー」は有名だけどシェークスピアの『オセロ』の登場人物。
ミセス・レイドナーの本棚のタイトルも調べてみました。
『相対性理論序説』はベルグマン著。
『ヘスター・スタノップの生涯』
日本語訳だと法政大学出版の『オリエント漂泊
ヘスター・スタノップの生涯』が見つかりました。
『思想の達しえるかぎり』はバーナード・ショーの作品。
『リンダ・コンドン』も実在の小説のようです。
『クリュー列車』は日本語訳が見つからず。
どれもなかなか難しそうな本ですが、すらすらと説明しているポアロは読んだのか。
ミスター・エモットとの会話で『雪の女王』が出てきますが、カイ少年のことはおぼえていてもゲルダを忘れてるのが驚き。ゲルダ、主人公なんですけど!
(こういう視点で見ると雪の女王とカイ少年の関係って未成年誘拐みたいなもので結構ヤバい。)
(278ページ)
「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」
あと、「ヴァン・アルディン」は『青列車の秘密』に登場する大富豪「ヴァン・オールディン」のこと。
(137ページ)
「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」
「人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。」とか名言も多い。
(206ページ)
「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」
以下、引用。
35
駅に着き、プラットホームにおりたって、まわりを見まわしていると、ひとりの青年が近づいてきた。顔はまん丸で、頬っぺは真っ赤。P・G・ウッドハウスの小説の登場人物のようだ。
41
パーティー会場で全部の男性からダンスを申し込まれないと気がすまないひとを、わたしはこれまで何人も見てきた。
48
「お待たせしました、みなさん。セイリー・ギャンプのお見えですよ」と、コールマンはディケンズの小説に出てくる看護婦の名前を出して言った。
59
部屋はきれいで、家具は簡素だけど、ベッド、整理だんす、洗面スタンド、椅子など、一通りのものは揃っている。
「お湯は朝とお昼と夕食のまえに持ってきてくれます。それ以外の時間なら、廊下に出て、手を叩き、使用人が来たら、こう言うのよ。ジブ・マイハール。覚えられる?」
68
〝ドナルドが(アーサーでも誰でもいいが)いまも生きていたら〟という言い方をする者は多い。でも、もし本当に生きていたとしたら、ごくありきたりの太った、気むずかしい、ロマンチックなところなどかけらもない中年男になっているにちがいない。
76
本当にがっかりだった。発掘現場は土と泥の山で、大理石もなければ、黄金もない。美しいといえるようなものは何もない。これなら、クリックルウッドにある叔母の家のほうが、まだ見栄えのする遺跡になるはず。
137
「エルキュール・ポアロという人物をご存じでしょうか、博士」
「ええ、聞いたことはあります。ヴァン・アルディンという人物が高く評価していました。たしか私立探偵でしたね」
142
「あなたはわたしを見くびっていますね、お嬢さん(マ・スール)。プティングの味は食べたらわかる、といいますぞ」
〝プティングの味は食べてみないとわからない〟、という諺のつもりだろう。
172
ポアロは手紙を受けとると、注意深く目を通しはじめた。指紋をとるための粉末を振りかけるでもなく、顕微鏡を持ちだすでもないので、少しがっかりしたが、考えてみれば、お年もお年なので、新しいものにはついていけないのかもしれない。普通に見て、読んでいるだけだ。
187
コールマンの立ち居振るまいは、血のかよった生身の若者のものというより、P・G・ウッドハウスの小説のなかの滑稽な登場人物のもののように思える。
206
「わたしもよく冗談を言って笑います、マドモアゼル。でも、冗談ではすまないこともあります。わたしは仕事で多くのことを学んできました。そのなかでもっとも恐ろしいのは、殺人は癖になるということです」
209
ポアロは紅茶に角砂糖を五つ入れて、スプーンでゆっくり掻きまわした。
221
「死んだひとの悪口を言っちゃいけないというけれど、それはちがうとわたしは思うの。事実はあくまで事実よ。言っちゃいけないのは、むしろ生きてるひとの悪口じゃないかしら。生きてるひとは傷つく。死んだひとは傷つかない。でも、死者がなした悪は死後も生きつづける。とかなんとか、シェークスピアも言ってるでしょ。」
222
「いわば女性版のイアーゴーといったところよ。あのひとにはドラマが必要だった。でも、自分が舞台に立つことはなかった。いつも裏で糸をひき、それを眺めて楽しんでいただけ。」
230
大人の男は子供のように保護され、守られているわけじゃない。ときには性悪女に出くわすこともある。あちこちでいろいろな女性と出会うはずです。スパニエル犬のように忠実な女性もいれば、〝死ぬまであなたのもの〟と誓う情の深い女性や、おせっかいで口やかましい鳥のような女性もいるでしょう。人生は戦場なんです。ピクニックじゃない。
278
「子供のころ読んだ北欧の童話で、雪の女王とカイ少年が出てくる話があります。ミセス・レイドナーはその雪の女王です。いつもカイ少年を連れて歩いていました」
「ええ。ハンス・アンデルセンの童話ですな。たしか少女も出てきたはずです。ゲルダでしたっけ」
344
それは本棚に並んでいた本のタイトルを見てもあきらかです。
『ギリシア人とは何者なのか』、『相対性理論序説』、『ヘスター・スタノップの生涯』、『クリュー列車』、『思想の達しえるかぎり』、『リンダ・コンドン』等々。
そこからわかるのは、第一にミセス・レイドナーが現代科学と文化に大きな関心を持っていたということ。つまり、それだけ知的な女性であったということです。『リンダ・コンドン』や『クリュー列車』という小説を読んでいたということは、男に束縛されない、自立した女性に共感を寄せていたということでしょう。レディ・ヘスター・スタノップにはその人間性に魅せられていたにちがいありません。『リンダ・コンドン』は女性による女性の賛美の書であり、『クリュー列車』の主人公は情熱的な個人主義者です。『思想の達しえるかぎり』は、感情的にではなく知的に生きよと説いています。
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Posted by ブクログ
【ポアロ】
語り手が看護師なのが新鮮で良い。
考古学者夫人の心身に不安があるとのことで、看護師エイミーは夫人の付き添いを依頼される。
でもみんな何かを隠していておかしい…。
それが何なのか先が気になり、人間ドラマも丁寧で面白い。
ポアロの「殺人は癖になる」という言葉が怖かった。
ツッコミどころはあったけど、ストーリーと異国情緒な雰囲気が好きだったので気にしないことにしよう(^_^;)
オリエント急行の事件は、このメソポタミアの帰り道だったとは!ポアロの灰色の脳細胞はなかなか休めない。
★3.5
Audibleにて。
これでAudibleのポアロとノンシリーズは全部聴いてしまった(TOT)
Audibleのクリスティー作品は、ナレーターさんの演じ分けが上手で、過剰な演技もないので物語に入り込みやすくて本当に楽しかった!
これからAudibleにもっとクリスティー作品が増えると良いなぁ。(7月23日に『もの言えぬ証人』が配信スタート予定)←でも紙の本で読んでしまった(T_T)
紙ではまだまだポアロを読むけど、Audibleではマープルへ!
ミス・マープルは田舎の噂好きのおばあさんのイメージにどうしても興味が持てず、1冊も読んでこなかった。
ミス・マープルとポアロはどう違うのか?
違いも楽しみ(•‿•)