田村義進のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこ、これはわからん!と俺フィーのイラン戦の末次のようになった。方向性はそんなに間違ってなかったと思うのだが。
ポワロってデブチビ中年みたいなイメージなんだが浜辺の姿が想像できん。
以下、個人的な推理。
まず男の手による絞殺という前提があるので、逆に犯人は女で確定。そうなると明らかに怪しいのは浜辺に残ったレッドファーン夫で、犯人が女である=動機のある妻であることに気づいたから死因を偽造したのでは? と推定。この時代、扼殺痕がどれくらい偽造できるのかはわからんけど、たとえば死にたてホヤホヤなら偽造とかできんかな……? みたいなノリでの妄想推理。
ただレッドファーン夫は実際に犯罪現場を見たわけではないので、むしろ犯人は妻以外だろう。
マーシャルとロザムンドの証言は明らかに嘘だが、お互い無垢に庇いあっているのは明らかなのでシロ。このふたりの関係はレッドファーン夫婦のコピーになるはず(と思ったが、よくよく考えるとレッドファーン側は妻は夫のフォローしてないのでコピーにはならんのだよな。あとから考えると)。
そうすると素直に考えれば犯人は娘で、なんかこう……いいかんじに雑に殺したんだけどレッドファーン夫が勝手に勘違いして偽造してくれたぜ! みたいなことを途中まで想像。
ただ過去の事件の話が入ってきてわからなくなる。こうなると年齢的に明らかに犯人は娘ではない。うーむ。わからねぇ! で読み進めて終わり。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ静寂にどれほど価値があるのかを考える本。著者が静寂である色んな場面でのエピソードを出して並べている。ただ個々のエピソードから深い考察が始まるわけではないので初めはあまり深い内容は書かれていないかもしれないと思った。しかし言葉にならないことはそのままでもいいという考え方に沿って考えてみればこれはこれでいい。静寂とは無音な環境のことを指すのではない。著者が主張する静寂とは外の世界と自分を断つことで出来上がる世界のことである。そしてその静寂とは現代人にこそ必要なものだ。学校を休んで部屋でただ寝転がっていた時、虚無すぎて鬱なのかなーと思っていたけれどこの本を読んでから考えてみるときっとその瞬間こそが静寂だったと思う。そういうことをしてる時に、外の世界との繋がりを完全に絶っているからなのか時間の流れがすごく早く感じる。また、本文中にもあったように試合中に歓声など他の音が何も聞こえないという瞬間を体験したことがある。あれも脳が外の世界との接続を断っていたということだと思う。最高の静寂だったのかな、あの感覚は不思議で忘れない。
具体的なエピソードが並べられているけれどそのエピソードは体験してないものだから、体感は抽象内容がずっと続いていて少し読むのが大変だった。著者は一貫して静寂の勧めをしている。確実に新しい価値観が自分の中に入ってきたから読んでよかった -
Posted by ブクログ
主人公のオリヴァーは元警察官。
ある事件ではめられて警察を追われ、妻にも離縁され、生活をすべてを失った。
今は探偵として冴えない日々を送っている。
唯一の救いは娘が味方であること。
まだ高校生だが、探偵事務所の秘書としてオリヴァーを支えている。
原寮が「これが、人生を描くということだ」 と推薦文を書いていたので、チャンドラーばりのガチなハードボイルド小説かと思っていたが、オリヴァーは自分の失敗を忘れられず、娘に支えてもらいながら生きている等身大の、どちらかと言うと駄目な人生を歩んでいる主人公として描かれる。
だが、過去を精算できるチャンスを掴み、腹を括って命をかけて向き合っていく。一緒に立ち向かってくれる悪人メルカルトや祖母のキャラクターがいい。
オリヴァー自身にはあまり自覚が無さそうだが、周りの人たちが応援したくなるような生き方をしている。真摯に生きているのだ。正しいことは正しい、自分が信じた真実にブレない行動をする。そこに共感するさまざまな人たちが惜しみない協力をしてくれ、オリヴァーは自分の人生を取り戻していく。
まさしく、「これが、人生を描くということだ」なのだろう。
人生、いい時もあれば悪い時もある。一度の失敗で人生をあきらめるな。一人ではない、一緒に乗り越えてくれる仲間がいる。ハードボイルド風なある男の成長物語だ。 -
Posted by ブクログ
中国の美術品を盗む犯罪小説、アメリカと中国の間に生きる若者たちの葛藤を描く #十二支像を奪還せよ
■あらすじ
アメリカで育った中華系アメリカ人、ハーバード大学で美術史を専攻するウィル。彼のもとへ中国の資産家から美術品を盗むように依頼を受ける。北京の円明園にあった十二支像のうち5つで、かつて英仏軍によって持ち去られていたのだ。ウィルはチームメンバーを編成し、この略奪プロジェクトの作戦を立てはじめる…
■きっと読みたくなるレビュー
これまた興味深い小説、おもろい!
中国系アメリカ人が中国の美術品を奪還すべく、若者たちがオーシャンズ11よろしくチームを組み、世界的な美術館やFBIを相手にコトを進めるという犯罪小説です。
犯罪計画を企て、実行するというのが筋立てではありますが、派手なアクションやひりひりするサスペンスがあるわけではありません。では一体、何が描かれるのか。
本作は華文ミステリーではなく、本作はあくまで西側諸国のエンタメ作品。ただし登場人物たちが中国系であることから、中国からの視点や価値観でも語られる。このアメリカと中国の間に生きる若者たちを葛藤を描いているのです。
そして一番の読みどころは、前途有望な五人の若者たち。同じ中華系二世、いわゆる移民の子でありながら育ってきた環境が違うため、それぞれアイデンティティも異なる。彼らが企てる犯罪行為を実行する中で、複雑な人間ドラマが繰り広げられる。
中国のことをどう思っているのか、自分は中国人なのかアメリカ人なのか。はっきりこうだという意見をもっている者もいれば、どっちつかずで悩んでいる者もいる。そしてもちろん人間ですから、そもそも性格が合う合わないもあれば、ロマンスも見え隠れするのです。そんな彼らが略奪計画をはじめ様々なことについて意見をぶつけ合う。
東側諸国のアイデンティティって理解できない部分がありますよね。これまでの歴史もあることから、情報も入りづらいし、コミュニケーションをとることも少ないですし。でも彼らの熱量を見てると、結局は同じ人間であるということがよくわかるのです。
そして素晴らしい頭脳や特技をもっている彼らも、苦しんでいるところは心の根底の部分だったりする。国、人種、宗教、文化、価値観など違っても、同じ人間ってのを感じましたね。
果たして彼らは十二支像を奪還できるのか? 後半から終盤は、この犯罪小説のレイヤーが変わってくるのでまたぐぐっと惹きつけられるんすよね~ 楽しませていただきました!
■ぜっさん推しポイント
物語の終盤、主人公ウィルが犯罪に手を染めた理由について吐露するシーンがあります。若く優秀な彼がこんな思いでいるなんて… 自分自身がいかに幸せな環境で生まれ、そして育ってきたかというのを痛感しますね。
我が国日本においても、すでにさくさんの在日朝鮮人や移民の方がいらっしゃる。同じようにアイデンティティに悩みをもってる方もいるでしょう。同じ日本にすむ同じ人間として、開かれた交流がしたいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
「遅い馬」シリーズというべきか、「窓際のスパイ」シリーズというべきか、MI5、保安局の左遷組たちと、その長ジャクソン・ラムの活躍を描くシリーズの第3作。
相変わらず保安局内の権力抗争に「遅い馬」たちが巻き込まれる。
遅い馬の良心、母親的役割のキャサリンが何者かに誘拐され、犯人からリヴァー・カートライトに対して保安局=リージェンツ・パークの地下にある書庫から、機密文書を盗み出すように指示が出る。
しかし、実はこの事件こそが保安局の支配を目指す内務大臣ピーター・ジャドが仕組んだもので、外部の会社に委託して保安局のセキュリティ体制を試す「タイガー・チーム」と呼ばれる者たちによる犯行だった。
しかし、ピーター・ジャドの意図に反してタイガー・チームは暴走し、キャサリンを人質に有象無象の機密情報が集められた「グレー・ブック」と呼ばれる文書を求めて、脅迫が続けられる。
新しいメンバー、というか新たに左遷されて来たマーカス(ギャンブル依存症)、シャーリー(ドラッグ依存症)が加わって、ストーリにアクションが増えてきた。
このシリーズは本国イギリスでは9作目が2025年に出たらしいが、翻訳はこの3作目までなのが残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレここまで型を崩さない連作短編も稀。
一分の隙もない着こなし、詩を嗜み、依頼人の無罪を例外なく信じる弁護士エイレングラフ。
報酬は極めて高額、ただしその支払いは依頼人が無罪を手にしたときのみで良い成功報酬型。
ただし、ひとたび合意した後は一見何も貢献していないように見え、結果的に自由を手にした場合でもその支払い義務を負う。
凄腕弁護士なのかと思いきや、法廷に出ることは皆無。
むしろ法廷に出る必要すらないようにことを運ぶ(秘密裏にかつ強引に)当世きってのどす黒悪徳弁護士。
依頼後に訪れる窮地の雲散霧消ぶりに、しばしば依頼人達はあなたが何をやったの?と支払いを拒むが、そんな輩達にはおしおきとばかりの展開が。
ちょっとずつ足し引きはあるものの、もう嘘だろと思うくらいワンパターンの繰り返し。
でも何故か楽しめてしまう不思議。
半分を過ぎて思った、これは水戸黄門やドラえもんの類だと。
やってることはだいぶノワールなのだが、崩れない物腰、直接的な記述の排除、反復の妙により、エイレングラフ像が徐々に確実に補強され、いつしかどこかお茶目さすら感じてくる。
解説、松恋さん。
クレイグ・ライス、コーネル・ウールリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)の絶筆をローレンス・ブロックがゴーストライトしたなんて逸話も披露されていて驚き。
全然文体違うのに。
このミス2025年度版海外編6位。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
マーティン・H・エレイングラフ弁護士の弁護人は必ず無罪である。
そんな信念をもったエイレングラフが解決する12個の依頼。
・感想
こんな弁護士やだ!!でも嫌いじゃない…。
約30年にわたって綴られた短編集で、形式はほぼ一緒なので気軽に1日1遍のペースで読み進めた。
前半は好きじゃなかったエイレングラフだけど、後半になるほど彼の意外な一面や人間性も垣間見えて段々彼を面白く感じてる自分がいた。
特に好きだったのはエイレングラフの義務とエイレングラフの肯定。
義務では詩を愛するエイレングラフが、詩人である依頼人のために「諦めないで下さい、何度でも上訴すればいいのです」なんて茶番を演じてるの笑ったw
肯定はちょっとだけエイレングラフの人間味を感じられて良かった。
「私がやったんです」「いえあなたは無実です、なぜならこのエイレングラフの依頼人だから」