田村義進のレビュー一覧
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物書きを目指す人には是非読んで欲しい一冊。キングの生い立ちから、文法や会話文やテンポ、推敲の仕方などの小説作法が丁寧に書かれている。小説の書き方がメインだが、エッセイとかノンフィクションなど書くこと全般に生かせるアドバイスも沢山ある。自分も物書きを目指しているから、これから何度も見返そうと思う。文章自体も堅苦しくなくユーモアがあって読みやすかった。
キングの幼少期から作家として売れるまでの半生は凄く苦労が伝わってきた。トレーラーハウスの洗濯室の机で執筆していたことや教師をしながら小説を書いていたこと。才能に加えてこのストイックさがアーティストには必須なんだなと思った。ここでの沢山の体験や出会 -
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ネタバレ時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じ -
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・履歴書
・書くこととは
・生きることについて
の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。
書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、自分が本当に感じたままの言葉で真摯に語るのは決して簡単なことではないけれど、それこそが文章を書く楽しみであり、その積み重ねが物語の価値を生み出す。
楽しんで、真摯に書くこと。
"私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる"
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ネタバレ<名探偵ポワロ>シリーズ長篇2作め。南アメリカの富豪ルノーから助けを求める依頼状が届き、ポワロとヘイスティングズは彼の滞在先のフランスへ渡るも既に殺されていて、その真相解明に挑む、という内容。
ドラマ視聴を機に読み始めたが、デイヴィッド・スーシェ版よりも言い回しは面倒臭いが紳士然としている点がいい。ポワロを目の敵にするパリ警視庁のジロー刑事とも変に張り合ったりせず、あくまでも“大人の対応”をする姿が好ましかった。一方で事件関係者の一人でヘイスティングズが一目惚れする某女性の設定がやや煩わしく、ドラマ版のほうがすっきりとしていた。 -
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1921年12月、英領カルカッタ。ウィンダム警部は阿片窟で警察のガサ入れに遭い逃げる途中で両眼をえぐられ腹を刺された男と会う。一方、カルカッタではガンジーの教えを尊ぶ人々による独立運動が活発になっていて……。→
シリーズ3作目。わたしはこのお話が1番好き。
今作は両眼を抉り取られた死体×インド独立運動激化×イギリス皇太子親善来訪×〇〇〇〇(ネタバレなんで話せない〜!)と盛りだくさん!!これを一つにまとめるのマジですごい。ムカジーすごい。ラストは美しい(のか?)し、次作への余韻も良。→
ウィンダム警部がいいんだよー!!シリーズ追うごとにイケオジ感が上がってる!(阿片中毒者やけど)今作ではH機 -
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1920年6月、英国統治下のカルカッタで藩王国サンバルプールの王太子が暗殺された。現場に居合わせた英国人警部ウィンダムはインド人部長刑事バネルジーと犯人を捉えるが、それは序章に過ぎなかった。舞台は藩王国サンバルプールへと移る→
英国統治下のカルカッタを舞台に英国人とインド人がバディを組んで事件を解決する歴史ミステリ第二弾。今作はインド東部の小国、サンバルプールが舞台。これが豪華なんだよー。インド映画みたいな感じ(知らんけど)で、読んでいて面白い。象に乗って虎狩りとかすごい……。→
ウィンダム警部は相変わらず阿片中毒やし、バネルジーも地味にコツコツタイプで、主要キャラに華はないんだけど(オイ -
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ネタバレ初のウォルター・モズリイ。
結構な作品数があるにも関わらず、翻訳された数は少ない&ほぼ絶版。そのためこの作品以外で名前を聞いたことがありませんでした。
これぞニューヨークの私立探偵物、と言って良い作品だと思う。地道に、こつこつと関係者を回り、真相へと辿り着く。たまに攫われたり、たまに非合法なことをしたり。
話の筋は二つ。過去に身に覚えのない犯罪で収監され全てを失った主人公ジョーに、あれは用意周到な罠だったことを伝える手紙が届く。同じくして、刑事殺しで捕まっている政治活動家の無実を晴らしてほしいとの依頼が。自身の過去と対峙しながら、調べれば調べるほどきな臭い刑事殺し。題名のとおり、こ -
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スティーヴン・キング自身の凄まじい人生を面白おかしく書きながら(面白おかしく書けるのは貴方が困難を乗り越えた証拠だからだ)、私は小説をこんな風に書くよ〜という作法まで全部ぎっっっつちり詰め込まれてて笑った。
副詞への恨みが凄い。
エッセイであり小説の書き方を記した本なのにあまりにも面白くて、読み終わるのが勿体なくて、結局2ヶ月かけてしまった。
スティーヴン・キングの文章が好き過ぎる。
小説を書くことの情熱を、そして配偶者やへの愛をどうしてここまでに書けるのか。
天才。
マーカーを引きまくったページを読み返すとまた心がほかほかしてくる。
私はこの本を死ぬまで手放せそうにない。 -
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ネタバレ最初の章はスティーブンの生い立ちから。ここで語られる作者の生い立ちで、スティーブンキングという名高い作家への親近感を感じることができた。少年の頃の悪戯や、最初の頃は人の真似をして書いた小説、出版社からの不採用通知、妻との出会い。書き続けているということ以外では、多分アメリカの片田舎にいる人として一般的な人物像がそこから浮かび上がってくる。
そうして、その親近感を持たせたまま、小説を書くということについて、一体何が必要なのか、訳者後書きにもあったように、まるで知人が隣で親しみを込めて語るように、ひとつひとつ教えてくれる。
小説を書くということについて、なんらハードルがあるわけではなく、書きたいと -
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ホラーの帝王、スティーヴン・キングによる文章読本。小説の書き方は勿論、彼の作家になるまでを赤裸々に綴った「履歴書」も兼ねています。とにかくユーモアに富んだ文章と言い回しが読んでいて楽しく、今では泣く子も黙るホラー作家の巨匠である彼も、若かりし頃は本当に駆け出しの作家だったのだなあと感慨深く思いました。後半に収められた「書くことについて」はとても勉強になりました。とにかくたくさん読んで、たくさん書く。また「公式――ニ次稿=一次稿マイナス10%」はわかりやすい目安で、推敲する時に意識しようと思います。読んでいると小説が書きたくなる、楽しい本でした。
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購入済み
面白かった
あざやかな謎解きでした。
そして、読み終わったあとに第一章を読み返すとゾワッとします。
本筋とは関係ないが
「人生は戦場なんです」
というセリフにハッとした。
本当にそのとおりだと思う。