田村義進のレビュー一覧

  • 流れは、いつか海へと

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    「濡れ衣への復讐のために耐え忍ぶ」という主人公の境遇から、デュマのモンテクリスト伯を彷彿とさせられる本書。作者のウォルター・モズリーは、本作に限らずギャング、ヘロイン中毒者、傷ついた魂、そして不屈の精神など、大都市ニューヨークのサバイバルをテーマとした作品をリリースしています。一連の作品でモチーフとなるのは、不正や腐敗の歴史を認めようとしない警察の暗部で、いずれも説得力のある物語は期待を裏切らない出来でした。今回も主人公のオリバーが自身に仕組まれた陰謀に翻弄されつつ、並行して発生した別の事件も交錯するという風に、いい話が展開されます。ですが、今作で私が一番興味を持ったのはストーリーそのものでは

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    2021年01月17日
  • 流れは、いつか海へと

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    ネタバレ

    かつて自らの女ぐせの悪さが災いし、身の破滅を招き、警察官の職を追われることになったオリヴァー。

    娘の支えもあって今は探偵業を営み生活しているが、当時の顛末には陰謀めいたものを感じており、10年以上経った今もいささか納得がいっていない。
    そこへ舞い込んだ当時の事件関係者からの告白の手紙と、冤罪と思われる男の疑いを晴らしてほしいという依頼。

    汚職警官の影がちらつく2つの事件の関係者、情報を握るであろう人物達を目まぐるしく巡礼する様に、「こいつはいったい誰だっけ?」となるけど、それぞれの人物との対決、次の一歩へ続いていく展開が特徴的で面白い。

    黒幕を担う人物は予想どおりといえば予想どおりだが、

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    2021年01月17日
  • 流れは、いつか海へと

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     びっくりするほどハードボイルドだ。
     読んでいると、80年代が舞台かと思うようなハードボイルドものだが、i-padなんかが出てきて現代に引き戻される。

     複数の事件が主人公を軸に複雑に交差するため、ストーリーを見失うこともあったが、少し前のページに帰りながらも面白く読めた。現代ニューヨークの人種間の感度や、暴力の匂い、組織犯罪の影がうまく書かれており、また、ハードボイルド小説の魅力である、主人公の骨太な矜持が魅力的な小説だ。

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    2021年01月04日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    幼い頃から書いて読むことに親しんできた己の人生を振り返りつつ、その波瀾万丈で手にした〈小説づくりの極意〉を教えてくれるエッセイ。


    面白かった。キングの小説は『スタンド・バイ・ミー』しか読んだことがなく、シングル・マザーの家庭で育ち、IQの高い兄を持ち、若いうちに結婚してアルバイトや教師をしていたことはもちろん知らなかった。略歴を語った「履歴書」のパートでは、自分の輪転機で刷った同人誌や新聞を学校で配る幼いキングのバイタリティや、懸賞スタンプを貯める母のひと言から小説のアイデアを思いついたり、学生時代の苦い記憶を掘り起こしてキャリーのキャラ造形をしたことなど、印象深いエピソードがユーモア混じ

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    2021年01月01日
  • カルカッタの殺人

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    インドが舞台のミステリーなんて、読むのは初めてじゃなかろうか。描写が素晴らしくて、ぐいぐい引き込まれて読んだのだけれど、宗主国と植民地、差別もいっぱいで、今からしたら「なんとまあ」なんだけど、この時代にはこれが当たり前だったんだよなあ・・・と。もしこの物語をイギリスではなく日本にしたら、舞台は上海あたりになるのかしら、そしたらもっと陰鬱な話しになりそう・・・なんて思いながら読んでた。

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    2020年11月23日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    分かりやすかった。
    小説と人生といった感じで、経験そのものが小説に投影されるんだなと感じた。
    細かいけどペプシが出てきたのには笑った。そういやアニーがペプシを警察官に渡しとったなと。
    とても丁寧でオススメの作家が載っているので、次に読みたい本リストにした。

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    2020年11月17日
  • 流れは、いつか海へと

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    主人公のオリヴァーはニューヨーク市警の刑事として鳴らしていたが、ハニートラップに簡単に引っかかりレイプ犯扱いされ、妻に見捨てられ警察をクビになり、いまは私立探偵をしている。娘だけを生きがいとして生きてきたが、そこにハニートラップを仕掛けた女性から手紙が届く…直後別のもう一人の女性から黒人ジャーナリストの無実を証明して欲しいと依頼がある。オリヴァーは2つの事件に繋がりはないが共通点を見つけ、自分の無実を晴らすためにも同時に調査を進めることにする。
    出てくる登場人物が個性的で良いのだが、多過ぎて誰だ誰やら分からなくなりかけ混乱する。その中でも群を抜いて魅力的なのは元凶悪犯で主人公の相棒になるメル。

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    2020年07月19日
  • カルカッタの殺人

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    ネタバレ

    時は1919年、インド、カルカッタ。
    イギリス統治下にある町のうらびれた小路でイギリス人高級官僚の惨殺死体が発見される。

    事件の展開から特権階級の利権がらみのスキャンダル隠しの匂いがぷんぷんするよくありそうな話。

    東と西の洋の交わる場所で独特な情緒、社会事情、人間模様を背景に繰り広げられる展開が特徴的。

    結末は風刺的な意味もあるのだろうかね。

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    2020年06月28日
  • ゴルフ場殺人事件

    A

    購入済み

    わかりそうでわからない

    ヒントは最初から全部示されていたはずなのに
    最後までわかりませんでした。
    もう少し真剣に読まないとダメかな。

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    2020年06月17日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    ネタバレ

     作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない。
     私は本を読むのがそんなに速い方ではない。それでも、一年に七十冊から八十冊は読む。そのほとんどは小説だ。読みたいから読むのであって、何かを学ぶためではない。たいていは夜、書斎の椅子にゆったり腰かけて読む。繰り返しになるが、読みたから読んでいるのであって、小説の技法やアイデアを学ぶためではない。それでも、読めば何かしら得られるものはある。手に取った本にはかならず何かを教えられる。概して優れた作品より、出来の悪い作品からのほうが教わるものは

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    2020年07月14日
  • 流れは、いつか海へと

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    読み進めずにはいられないんだけど、登場人物が多すぎて途中で何が何だか訳が分からなくなってくる、けどなんか面白い。なんだこれは?

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    2020年02月13日
  • 流れは、いつか海へと

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    今のこの国のように、役人や警察が民衆のために働くのでなく、自分たちの利権を守るために働くのが当たり前になってくると、頭の切れる警官なら自分が正規のルールに従って動くことが自分の所属する集団の中にいる他の者の目にどう映るか、だいたい分かるだろう。法や正義を盾にとって、いつか自分に害を及ぼすことになるだろう相手に、本心を明かすことはなくなり、遠巻きにして眺め、警戒するに決まっている。

    独善的でなく、周囲に気を配れるだけの器量さえあれば、腐った林檎でいっぱいの箱の中に入っていたら、自分だけいい匂いをさせているのがどれだけ危ういことか気づけるはずだ。ところが、自分の腕に自信があり、周囲の助けを借りる

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    2020年02月12日
  • 流れは、いつか海へと

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    二つの事件が並行して解き進められていく話。久々に翻訳もののミステリ読んだ!という充実感があります。

    とはいえ、関係者が結構多くて「あれ?この人前に確か名前出てきたけど何だっけ・・・??」と戻りながら読むので時間がかかる。老化だなぁ。しかし手間暇(?)かけてもしっかり把握したくなったのだから物語に引き込まれたのでしょう。当初考えていた大団円とは違ったけれど痛快なラストで読後感がよかったです。

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    2020年01月21日
  • 流れは、いつか海へと

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    身に覚えのない罪で警察をクビになり現在は探偵として生きるジョー。ある事件を追うなかで自分の過去とのつながりを見つける。ハードボイルドの王道のような、でもそれだけではなく今の空気もあって面白い。とても読み心地がよくてずっと読んでいたかった。

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    2020年01月17日
  • カルカッタの殺人

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    ネタバレ

    警察ものでバディもの。時代はイギリスがまだインドの統治をしていた頃。
    戦争でたくさんの死を見、また病で妻と子を失った男とインド人ながら優秀な成績でケンブリッジ大学を卒業し、法執行官として生きることを選んだ青年。

    二人が挑むのは、イギリス人の高級官僚の惨殺事件。

    楽しかったです

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    2019年09月14日
  • 帰郷戦線―爆走―

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    自殺した元部下の家から40万ドルもの大金とプラスチック爆薬が見つかった。未亡人を助けようとやってきた、自身も深刻なPTSDを抱える元海兵隊員のピーター・アッシュは、事の真相を探りはじめる。やがて家のまわりに怪しい人物が現われるようになり、ピーターは否応なしに事件の渦中へ……戦争で帰る場所を失った男たちを描くハード・サスペンス!

    邦題はいまいちだが、内容は◎。シリーズなら継続して出していただきたい。

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    2019年03月27日
  • 帰郷戦線―爆走―

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    “ホワイトノイズ”となんとかうまく付きあっていかねばならない。それが自分の人生なのだ。それをどのように生きるかは自分次第なのだ。
    しびれる!

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    2019年01月04日
  • 放たれた虎

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    〈窓際のスパイ〉シリーズ最新刊 英国情報部の落ちこぼれスパイたち、通称〈遅い馬〉のひとりで、ボスのジャクソン・ラムの片腕の秘書キャサリンが、何者かに拉致された。犯人の脅迫を受けたカートライトは彼女の身の安全と引き換えに、本部へ侵入して厳重に保管された情報を盗み出すことを引き受けるが……仲間の危機、そして〈泥沼の家〉の存亡をかけて、ラムが重い腰を上げ、〈遅い馬〉たちの奮闘がはじまる!

    まさかの大アクション大会に、びっくり。今回もあなどれません。

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    2017年12月28日
  • 死んだライオン

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    ネタバレ

    一人の元スパイが心臓発作で死んだ。その死に疑惑を抱く者はいない…ジャクソン・ラム以外は。スパイは死ぬまでスパイだ。スパイが死んだなら、そこには必ず何かがあるはずなのだ。はたせるかな男はメッセージを遺していた。ただ一語“蝉”―それは旧ソ連の幻のスパイにかかわる暗号名だった!ラム率いる“泥沼の家”の落第スパイたちが、動き出す。『窓際のスパイ』に続く会心の痛快作。英国推理作家規会賞ゴールドダガー賞受賞!

    あっさりレギュラーが退場したり、「ダイ・ハード」ばりののアクションがあったりと、いろいろな意味で「ひょうひょうと」裏切られる感じ。でも悪くないです。

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    2016年12月26日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    完成度の非常に高い上質なミステリ短編集。
    存じ上げなかったのですが、
    これを機に他の作品も読んでみたく。

    お気に入りは「夜の映画祭」(渋い!!カッコいい!!)
    「くされ縁」「二度目のチャンス」。
    「大物中の大物」はちょっと星新一ぽくてなお好き。

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    2016年03月01日