田村義進のレビュー一覧

  • 死んだライオン
    人の恨みは果てしなく、死ぬまで纏わり憑く。
    戦時中に拉致し拷問にかけた本人が、その目の前で「蝉」(心臓麻痺)にやられた。ロシア、イギリスでのスパイ工作は互いに罠を仕掛け、囮をかけ、相手を揺さぶり、スパイを引き出す。元スパイが昔の恨みから同僚のスパイを死へと追い込む。現代でも繰り返しながらスパイを見つ...続きを読む
  • 阿片窟の死
    2022.12 なんかごちゃごちゃしたストーリー運び。終盤はハラハラ・ドキドキでページをめくる手が止まらない部分もあったけど長くは続かなかったな、という感想。
    シリーズ3作めだけれどだんだんストーリー運びが凸凹していく…
  • ゴルフ場殺人事件
    殺人事件が起きてそれを解決していくので、立派なミステリーなのだが、私はコテコテのラヴロマンス作品として楽しんだ。中々ストレートな恋愛もので、その関係は子供ぽくさえ感じられる。
    クリスティは、もしかしたらあまり男女間のドロドロした関係を描くのは得意でないか嫌いなのかもしれない。まだ作品をそんなに多くは...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    犯人は最後まで全く分からず。騙された感は楽しめた。

    でも、いくら時間が経ち、変装していたとしても、前の夫と今の夫が同一人物だったら妻ならば分かるんでないの?

    もうひとつ言うと、一つ目のトリックが少々物理的過ぎるかなあ。あの状況で鉄格子から頭出すかな。。

    と、ツッコミどころはあるけど、面白いです...続きを読む
  • 阿片窟の死
    エリザベス2世が亡くなって現旧英国領の問題が再燃しだしている時にタイムリーな感じ。インドと英国の関係は、想像を遥かに超えたものなんだろうと思う。

    史実も含めて書かれた小説で、主人公たち、話し方、テンポなんかにスルスル引き込まれて一気に読んだ。

    他の作品も見つけたら手に取りたい。
  • 死んだライオン
    失敗から閑職に追いやられた落ちこぼれスパイ(遅い馬)たちの活躍を描く第二作目。
    今回はかつて英国の下っ端のスパイだった老人が心臓発作を起こしてバス内で無くなったことに端を発し、それが旧ソ連時代、ベルリンの壁崩壊時に生き残る場を探して西側で冬眠することになったKGBスパイの残党(蝉)の捜索に発展してい...続きを読む
  • マハラジャの葬列
    前作『カルカッタの殺人』のレビューにて、「早いとこ次の現場に急行せねば!」と大口を叩いてから1ヶ月強。他の作品に気を取られてかなり出遅れてしまったが、こちらの2人も手遅れだったようだ。

    2人というのは主人公ウィンダム警部とその部下バネルジー部長刑事のこと。
    2人が警護していたにも拘らず、不覚にも藩...続きを読む
  • カルカッタの殺人
    インド系移民2世である筆者なればこその作品。
    英印、双方に軸足を置いて「公平」太郎と欲する気持ちの高まりがペンをとらせたのかと思うようなくちぶりがウィンダムの吐露を通じて随処で語られている。

    支配・被支配の関係は16世紀ごろより始まって、植民地時代の幕開けと共に世界各地でなされて行った。
    印度に於...続きを読む
  • マハラジャの葬列
    本編とは別にさ、毎度毎度「その前にやらなければならないことがある」て流れの後、アニーに会いにいくのやめてくれんか?笑
    この時代ってそれがそんな最優先なの?英国のマナーなの?そもそもアニーて最初からかなり怪しくない?主人公が無能に見えてきた。それでも次も読むけどね!

    カルカッタの殺人でも思ったけれど...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    ポアロ作品。
    メソポタミアの発掘現場で起こる殺人事件で、何故メソポタミアなのかというと、クリスティ本人の再婚事情にあるらしい。
    当然悪くないのだが、他作品と比較しても解決はちょっとあっさりめであった印象。
  • マハラジャの葬列
    英国統治下のインドで捜査に挑む、帝国警察のウインダム警部とインド人部長刑事バネルジーコンビのシリーズ第二作。

    今回は『藩王国』が舞台になる。
    聞きなれない言葉だったので調べてみたら『イギリス従属下で一定の支配権を認められていた藩王(prince)の領国』という説明だった。作品を読み進めると藩王であ...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    4/9/2022

    「書くことについて」の章は面白い。が、キング氏の文体あまり合わないかもしれない。

    たくさん読み、たくさん書くこと。副詞の濫用は×.

    概して優れた作品より、出来の悪い作品からのほうが教わるものは多い。

    「大事なのは、本は一気読みだけでなく、ちびちび読むのも悪くないということ...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    殺人の過去を再現せよ。

    妻の様子を見てほしいとドクター・ライリーを通じて考古学者に依頼され、看護師のレザランはバグダットに向かった。不思議な魅力を持つルイーズ・レイドナーは不安定な様子を見せ、周囲の空気も何かピリピリとしている。ルイーズが昔の夫からの脅迫状に怯えていることをレザランは知ったが、その...続きを読む
  • マハラジャの葬列
    ゾウさんのところで映画『バーフバリ』を思い浮かべたり、カルタゴのハンニバル将軍思い出したり。
    第1作から第3作目まで並べたら、表紙がかわいいのな。
  • 流れは、いつか海へと
    どうしようもなく頑固で不器用な男が、どんどん自分を追い詰めて、自分でしんどくなっていく「カッコいい」物語。
    原尞さんが薦めているのだから、読まないわけにはいかないでしょう。
  • 静寂とは
    読んでいると度々、『あぁ!そうよね!いいよねー!わかるわー』となり、自分が思いの外静寂を必要とし、その時間を愛し、人一倍静寂が必要なのだと、
    改めて気づけた。

    それでもヒマラヤも南極も行ったことない私には、限りなく無音。というものが想像以上のものだということが著者の表現力からイメージできた。
    味わ...続きを読む
  • 流れは、いつか海へと
    2019年度エドガー賞最優秀長篇賞に輝いたハードボイルド探偵小説。ハニートラップに嵌り、警察を追われた主人公(現私立探偵)が自身の濡れ衣を晴らすべく奔走する本筋に、黒人活動家の冤罪事件の調査依頼が絡み合う錯綜したプロット(お家芸的)だが、最後は上手い具合に着地する。何より厄介なのは登場人物が多過ぎる...続きを読む
  • カルカッタの殺人
     著者は1974年ロンドン生まれのインド系移民二世で、デビュー作の本作は2017年にイギリスで刊行され同年の英国推理作家協会(CWA)賞エンデバーヒストリカル・ダガー(歴史ミステリー)賞を受賞した。

     小説の舞台であるインドは、1858年から1947年迄イギリスの植民地だった。
     1919年イン...続きを読む
  • マハラジャの葬列
     1920年、インド・カルカッタでサンバルプール国王太子が車中で射殺された、車中にはウィンダム警部とバネルジー刑事部長も一緒だったが、犯人は逃亡し自殺、王太子は死亡した。

     王太子の葬儀がサンバルプール王国で行われウィンダムとバネルジーは葬儀に向かい王太子殺害事件の真相を探る事となった。

     舞台...続きを読む
  • ゴルフ場殺人事件
    セリフにフランス語?が入っててイマイチ馴染めず。
    内容も最近の込み入ったミステリーを読み慣れてるせいか先が読めてしまった。
    ミステリー初心者が読むとワクワクして楽しいと思う。
    今のミステリーの基盤なんだな、とは思いながら読みました。