田村義進のレビュー一覧

  • 流れは、いつか海へと

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    嫌いなアメリカノワールものだったが、広いものの面白みが味わえた。
    ハヤカワミステリの王道を行くような流れ、展開、そして警察という巨大組織の悪を自らの孤軍奮闘ともいうべき砕身で戦う黒人探偵。
    筆者Wモズリーはペンを30年も寝かせていたのである・・尤も握っては居たろうが。
    2019、満を持して❓描いた世界は!
    とは言え、ただならぬ彼・・背後を支えるのは犯罪人ばかり、そしてメガトン旧売春婦など。

    この5月、ミネソタ州で起きたあの事件・・J・フロイドさんの死・・いや殺人。
    モズリーが描く世界、そして黒人刑事(アフリカ系黒人とロシア系白人の間に生まれた彼)が今、この時代でも尚更根深く巣食う黒人へのいわ

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    2020年10月26日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    ネタバレ

    小説を書く上で参考になることがたくさん。ストーリー重視の作家なんだなぁと思った。テーマが先でストーリーが生まれるのではなくて、ストーリーを考えるなかでテーマが浮かび上がってくる、という話が印象的。また、台詞によってその登場人物のキャラクターを表現できるという話になるほどなぁと思った。最後の生きることについて書かれた部分は作者の死にかけた体験がリアルに描かれていて、読んでいて感動した。この人の文章はユーモアがあっていいなぁ。

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    2020年09月20日
  • 流れは、いつか海へと

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    主人公のオリヴァーはニューヨーク市警の刑事として鳴らしていたが、ハニートラップに簡単に引っかかりレイプ犯扱いされ、妻に見捨てられ警察をクビになり、いまは私立探偵をしている。娘だけを生きがいとして生きてきたが、そこにハニートラップを仕掛けた女性から手紙が届く…直後別のもう一人の女性から黒人ジャーナリストの無実を証明して欲しいと依頼がある。オリヴァーは2つの事件に繋がりはないが共通点を見つけ、自分の無実を晴らすためにも同時に調査を進めることにする。
    出てくる登場人物が個性的で良いのだが、多過ぎて誰だ誰やら分からなくなりかけ混乱する。その中でも群を抜いて魅力的なのは元凶悪犯で主人公の相棒になるメル。

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    2020年07月19日
  • カルカッタの殺人

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    ネタバレ

    時は1919年、インド、カルカッタ。
    イギリス統治下にある町のうらびれた小路でイギリス人高級官僚の惨殺死体が発見される。

    事件の展開から特権階級の利権がらみのスキャンダル隠しの匂いがぷんぷんするよくありそうな話。

    東と西の洋の交わる場所で独特な情緒、社会事情、人間模様を背景に繰り広げられる展開が特徴的。

    結末は風刺的な意味もあるのだろうかね。

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    2020年06月28日
  • ゴルフ場殺人事件

    A

    購入済み

    わかりそうでわからない

    ヒントは最初から全部示されていたはずなのに
    最後までわかりませんでした。
    もう少し真剣に読まないとダメかな。

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    2020年06月17日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    ネタバレ

     作家になりたいのなら、絶対にしなければならないことがふたつある。たくさん読み、たくさん書くことだ。私の知るかぎり、そのかわりになるものはないし、近道もない。
     私は本を読むのがそんなに速い方ではない。それでも、一年に七十冊から八十冊は読む。そのほとんどは小説だ。読みたいから読むのであって、何かを学ぶためではない。たいていは夜、書斎の椅子にゆったり腰かけて読む。繰り返しになるが、読みたから読んでいるのであって、小説の技法やアイデアを学ぶためではない。それでも、読めば何かしら得られるものはある。手に取った本にはかならず何かを教えられる。概して優れた作品より、出来の悪い作品からのほうが教わるものは

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    2020年07月14日
  • 流れは、いつか海へと

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    読み進めずにはいられないんだけど、登場人物が多すぎて途中で何が何だか訳が分からなくなってくる、けどなんか面白い。なんだこれは?

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    2020年02月13日
  • 流れは、いつか海へと

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    今のこの国のように、役人や警察が民衆のために働くのでなく、自分たちの利権を守るために働くのが当たり前になってくると、頭の切れる警官なら自分が正規のルールに従って動くことが自分の所属する集団の中にいる他の者の目にどう映るか、だいたい分かるだろう。法や正義を盾にとって、いつか自分に害を及ぼすことになるだろう相手に、本心を明かすことはなくなり、遠巻きにして眺め、警戒するに決まっている。

    独善的でなく、周囲に気を配れるだけの器量さえあれば、腐った林檎でいっぱいの箱の中に入っていたら、自分だけいい匂いをさせているのがどれだけ危ういことか気づけるはずだ。ところが、自分の腕に自信があり、周囲の助けを借りる

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    2020年02月12日
  • 流れは、いつか海へと

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    二つの事件が並行して解き進められていく話。久々に翻訳もののミステリ読んだ!という充実感があります。

    とはいえ、関係者が結構多くて「あれ?この人前に確か名前出てきたけど何だっけ・・・??」と戻りながら読むので時間がかかる。老化だなぁ。しかし手間暇(?)かけてもしっかり把握したくなったのだから物語に引き込まれたのでしょう。当初考えていた大団円とは違ったけれど痛快なラストで読後感がよかったです。

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    2020年01月21日
  • 流れは、いつか海へと

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    身に覚えのない罪で警察をクビになり現在は探偵として生きるジョー。ある事件を追うなかで自分の過去とのつながりを見つける。ハードボイルドの王道のような、でもそれだけではなく今の空気もあって面白い。とても読み心地がよくてずっと読んでいたかった。

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    2020年01月17日
  • カルカッタの殺人

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    ネタバレ

    警察ものでバディもの。時代はイギリスがまだインドの統治をしていた頃。
    戦争でたくさんの死を見、また病で妻と子を失った男とインド人ながら優秀な成績でケンブリッジ大学を卒業し、法執行官として生きることを選んだ青年。

    二人が挑むのは、イギリス人の高級官僚の惨殺事件。

    楽しかったです

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    2019年09月14日
  • 帰郷戦線―爆走―

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    自殺した元部下の家から40万ドルもの大金とプラスチック爆薬が見つかった。未亡人を助けようとやってきた、自身も深刻なPTSDを抱える元海兵隊員のピーター・アッシュは、事の真相を探りはじめる。やがて家のまわりに怪しい人物が現われるようになり、ピーターは否応なしに事件の渦中へ……戦争で帰る場所を失った男たちを描くハード・サスペンス!

    邦題はいまいちだが、内容は◎。シリーズなら継続して出していただきたい。

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    2019年03月27日
  • 帰郷戦線―爆走―

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    “ホワイトノイズ”となんとかうまく付きあっていかねばならない。それが自分の人生なのだ。それをどのように生きるかは自分次第なのだ。
    しびれる!

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    2019年01月04日
  • 放たれた虎

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    〈窓際のスパイ〉シリーズ最新刊 英国情報部の落ちこぼれスパイたち、通称〈遅い馬〉のひとりで、ボスのジャクソン・ラムの片腕の秘書キャサリンが、何者かに拉致された。犯人の脅迫を受けたカートライトは彼女の身の安全と引き換えに、本部へ侵入して厳重に保管された情報を盗み出すことを引き受けるが……仲間の危機、そして〈泥沼の家〉の存亡をかけて、ラムが重い腰を上げ、〈遅い馬〉たちの奮闘がはじまる!

    まさかの大アクション大会に、びっくり。今回もあなどれません。

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    2017年12月28日
  • 死んだライオン

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    ネタバレ

    一人の元スパイが心臓発作で死んだ。その死に疑惑を抱く者はいない…ジャクソン・ラム以外は。スパイは死ぬまでスパイだ。スパイが死んだなら、そこには必ず何かがあるはずなのだ。はたせるかな男はメッセージを遺していた。ただ一語“蝉”―それは旧ソ連の幻のスパイにかかわる暗号名だった!ラム率いる“泥沼の家”の落第スパイたちが、動き出す。『窓際のスパイ』に続く会心の痛快作。英国推理作家規会賞ゴールドダガー賞受賞!

    あっさりレギュラーが退場したり、「ダイ・ハード」ばりののアクションがあったりと、いろいろな意味で「ひょうひょうと」裏切られる感じ。でも悪くないです。

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    2016年12月26日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    完成度の非常に高い上質なミステリ短編集。
    存じ上げなかったのですが、
    これを機に他の作品も読んでみたく。

    お気に入りは「夜の映画祭」(渋い!!カッコいい!!)
    「くされ縁」「二度目のチャンス」。
    「大物中の大物」はちょっと星新一ぽくてなお好き。

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    2016年03月01日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    「エドワード・D・ホックは2008年1月17日にニューヨーク州ロチェスターの自宅で心臓発作のために亡くなるまで、950篇以上の短編小説を発表した。ミステリ業界において短編小説の執筆だけで生計を立てていたのは、ホックだけだった。ホックが亡くなった今では、誰もいない」(ミステリ研究家・木村仁良、巻末解説より引用)。

    アンリ・ジャイエが丹精した極上の「エシェゾー」の如き味わいのミステリー。必読のアンソロジーである。

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    2011年11月22日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    ネタバレ

    『フレミング警部最後の事件』

    『どこでも見かける男』

    『私が知らない女』

    『夜の冒険』

    『影の映画祭』

    『くされ縁』

    『正義の裁き』

    『空っぽの動物園』

    『静かに鐘の鳴る谷』

    『やめられないこと』

    『もうひとつの戦争』

    『不可能な不可能犯罪』

    『出口』

    『大物中の大物』

    『家族の墓』

    『サソリ使いの娘』

    『知恵の値』

    『二度のチャンス』

    『スペインの町で三週間』

    『ガラガラヘビの男』

    2010年1月21日購入

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    2014年04月06日
  • 十二支像を奪還せよ

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    大学生のウィルは中国の資産家から十二支像奪還を依頼される。かつて英仏軍に盗まれた五体の像が世界各地の美術館にあるというのだ。ウィルは友人たちを勧誘し、5人のチームを結成。最初の像を盗み出すことに成功するが…。

    爽やかな犯罪小説。
    クライヴ・カッスラーの諸作を想起させるような邦題はどうかと思うが。

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    2025年11月23日
  • ゴルフ場殺人事件

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    ネタバレ

    あまり期待してなかったのだが、ふつうに面白い。この人もしかして代表作群が凄すぎて、他のパッとしない作品の評価が霞み&厳しくなりがち?なんとなくロジックを重視する方は合わないかなあと。ポアロが超人すぎて、作者の思いつきをそのまましゃべっているようにしか見えないほど(笑)
    複雑な人間関係トリックによる入り組んだ真相が明かされた時の快感たるや。あとベッタベタのメロドラマも自分好みで、読後感も心地よい。

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    2025年11月08日