田村義進のレビュー一覧
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「小説を書くためのハウツー本ではない
よく読んでよく書いて、極力無駄を省いて装飾を取り払った言葉を連ねて文章を紡ぐだけ」
そう嘯くスティーヴン・キングの、創作に対する取り組みを読めるだけでも価値がある本と言える。
本人は「自叙伝の類ではない」とことわっているが、前段は幼少期から青春時代と小説を生業にするようになった頃、次から次へと創作を続けながらアルコールとドラッグに浸るようになった壮年期まで、キングらしいシニカルでユーモアのある筆致で描かれていて興味深い。
小説を書く上での各論というか具体的な作法についての解説の後、不慮の事故で大怪我をして復活するまでのは生々しい顛末も記されており、前段 -
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ネタバレイラクで遺跡を発掘している調査団長のエリック・レイドナーの妻ルイーズが精神的に不調を抱えているため、看護婦のエイミー・レザランがルイーズのサポートをするためテル・ヤリミアの現場に赴くが、ルイーズが何者かに殺されてしまう。
外部から人が入りづらいので、遺跡調査団のメンバーの中に犯人がいるらしい。。。
そして、調査団は昨年までは和気あいあいとしていたが、この年からはメンバーが入れ替わったせいなのか、ギクシャクとしてよそよそしい雰囲気が漂っている。
うーん。この感じが何とも言えないサスペンスを感じさせてくれる。
もちろん、ポワロが登場して事件を解決してさすがポワロとなるのだけど、殺されたルイーズの性 -
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岩田書店のご店主が、『一万円選書』の候補にしておられる一冊。その括りから読んだ3冊目。
現時点では、三冊の内、これが一番好き。とても理知的で、タイトルの通り静謐な文章。私自身は、テレビの点けっぱなしも嫌いだし、タブレットやスマホの通知音も、必要なところから以外鳴らさない。日中は基本ひとりだが、無音はつらくない方だ。静寂の中、ゆったりと過ごす。考えたり書いたりも、静かな方がいい。何か聞いたり観たりも、『ながら』は嫌い。例外的に朝の家事やトレーニングの時は、クラシック専門のネットラジオ『OTTAVA』を聴いている。いずれにしろ騒がしいのは嫌いなようだ。
そういえば、この本は、表紙の白さ、題字の -
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本作も面白くて夢中で読んだ!
象や虎、マハラジャたちの豪華絢爛な生活。埃っぽい農村や豪雨。全ての描写に異国情緒やその時代特有の空気感を感じることができ、それが楽しみでどんどん読み進めた。
インドが舞台の小説はあまり読んだことがない中で、この作品は単なるミステリーに留まらず、どっぷりインドの世界観に浸ることができるのがうれしい。
最後のオチはなるほどね〜思ったものの、結局カルカッタの駅で私服のドーソンが何をしていたのかがよく分からず気持ち悪い。
たまたま居合わせただけなの?
あとまあ別にいいんだけど、ウィンダム警部は女性にうつつを抜かしすぎな気がする…別にいいんだけど…
シリーズ1冊目も2冊 -
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イギリスの旧MI5は現在は内務省の中の保安局と呼ばれる部門。国内の治安を守るための諜報活動を担当する。
リヴァー・カートライトは保安局の若手エージェント。だが、大きな失敗をしたために、ロンドンの辺鄙な土地にある「泥沼の家」と呼ばれるセクションに左遷される。
「泥沼の家」はリヴァーの様になんらかの失敗をしでかし、免職ができなかった者たちが左遷されてくる溜まり場。そこに属する者たちは「スロー・ホース(のろまな馬)」と呼ばれている。
「泥沼の家」をまとめるのはジャクソン・ラムという男。嘗ては敵国にも潜入していてらしいベテラン・エージェントだったが、今は太鼓腹の中年でデリカシーにも欠けている嫌味な男だ -
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ご推察の通り、ミステリー小説。
レビューっぽい注意喚起(?)をするとしたら冒頭の惨たらしい事件現場さえ乗り切れば、後は赴任ホヤホヤの主人公、ウィンダム警部とのカルカッタ・ミステリーツアーに乗り出せば良い。もっとも、彼の長々とした推察や独白に付き合うのには忍耐を要したが。
植民地時代のインド…知っているようで知らないことが多すぎる。初耳は初耳でも、これはワクワクできる部類の初耳!
例えばイギリス人がインドにもたらした価値観や文化によって花開いたベンガル・ルネッサンス。それから、ローラット法。危険とみなされた人物は令状や裁判なしで投獄可能とされる悪法。対象者はインド人に限定されているに等しい…
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イギリス統治下のインドで起きる事件を捜査するインド帝国警察のイギリス人警部ウインダムとインド人部下のバネルジー部長刑事コンビシリーズ第三作。
第一作「カルカッタの殺人」は既読だが、読み始めてこれが第三作だと気付いた。近いうちに第二作も読まねば。
自身のレビューによると第一作は1919年、この第三作は1921年となっているので2年が経過している。
その間の変化の中でも第三作の重要な背景となっているのが独立運動の激化だ。ガンジー派幹部で弁護士のチッタ=ランジャン・ダースと彼の腹心であるスバス・チャンドラ・ボースが先頭に立って様々な集会やデモ行進を繰り返している。
折しもイギリスのエドワード皇太 -