田村義進のレビュー一覧

  • ゴルフ場殺人事件

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    ホントびっくりするぐらい振り回された。
    もはや二転三転どころじゃない。
    単純な事件かと思いきや、ロマンスが絡むことで複雑になっていく。
    ただでさえどう決着するのかハラハラしているのに、さらなる驚きが待ち受けていた。
    その見事な着地と明かされた事件の真相には思わず唸ってしまったほど。

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    2022年07月01日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    読む人の人生を豊かにする
    と同時に
    書く人の人生を豊かにする

    「書く理由」をたずねられてスティーブンキングはこう言った。
    積み上げられた努力は魔法のようにみえることがあるという。
    「あなたは書いていい」という許可証をいただけたのでこれから書いてみることにする。

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    2022年06月18日
  • 窓際のスパイ

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    イギリスの旧MI5は現在は内務省の中の保安局と呼ばれる部門。国内の治安を守るための諜報活動を担当する。
    リヴァー・カートライトは保安局の若手エージェント。だが、大きな失敗をしたために、ロンドンの辺鄙な土地にある「泥沼の家」と呼ばれるセクションに左遷される。
    「泥沼の家」はリヴァーの様になんらかの失敗をしでかし、免職ができなかった者たちが左遷されてくる溜まり場。そこに属する者たちは「スロー・ホース(のろまな馬)」と呼ばれている。
    「泥沼の家」をまとめるのはジャクソン・ラムという男。嘗ては敵国にも潜入していてらしいベテラン・エージェントだったが、今は太鼓腹の中年でデリカシーにも欠けている嫌味な男だ

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    2022年06月16日
  • カルカッタの殺人

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    ご推察の通り、ミステリー小説。
    レビューっぽい注意喚起(?)をするとしたら冒頭の惨たらしい事件現場さえ乗り切れば、後は赴任ホヤホヤの主人公、ウィンダム警部とのカルカッタ・ミステリーツアーに乗り出せば良い。もっとも、彼の長々とした推察や独白に付き合うのには忍耐を要したが。

    植民地時代のインド…知っているようで知らないことが多すぎる。初耳は初耳でも、これはワクワクできる部類の初耳!
    例えばイギリス人がインドにもたらした価値観や文化によって花開いたベンガル・ルネッサンス。それから、ローラット法。危険とみなされた人物は令状や裁判なしで投獄可能とされる悪法。対象者はインド人に限定されているに等しい…

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    2022年04月29日
  • 阿片窟の死

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    史実を基にしたミステリー。前2作よりテンポもあり断然面白かった。イギリス統治下のカルカッタの様子も読み応えあった。

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    2022年04月12日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    作家になるためには一度読んでおくべきものだと聞いたので読んでみた。
    副詞を多用するな、受動態を避けるなどの注意事項が多くて、書き始めようという気持ちが無くなっていた。しかし、最後の「あなたは書けるし、書くべきである。最初の一歩を踏み出す勇気があれば、書いていける。」の部分によってヤル気が出てきた。
    まずは書いてみる。たくさん書くことによってしか才能がないのかどうかの判断もできない。
    勝手に諦める前に必死になってみようと思えた本だった。

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    2022年04月10日
  • 阿片窟の死

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    イギリス統治下のインドで起きる事件を捜査するインド帝国警察のイギリス人警部ウインダムとインド人部下のバネルジー部長刑事コンビシリーズ第三作。

    第一作「カルカッタの殺人」は既読だが、読み始めてこれが第三作だと気付いた。近いうちに第二作も読まねば。
    自身のレビューによると第一作は1919年、この第三作は1921年となっているので2年が経過している。

    その間の変化の中でも第三作の重要な背景となっているのが独立運動の激化だ。ガンジー派幹部で弁護士のチッタ=ランジャン・ダースと彼の腹心であるスバス・チャンドラ・ボースが先頭に立って様々な集会やデモ行進を繰り返している。
    折しもイギリスのエドワード皇太

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    2022年04月01日
  • ゴルフ場殺人事件

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    ネタバレ

    南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。互いを意識し推理の火花を散らす二人だったが、事態は意外な方向に…

    ーーー
    読み進めるの時間かかったー!ちょっと読みづらかった。場面の変遷が複雑というか、場所を把握するのが難しくて常に混乱気味だったかも。
    ルノーの正体、真犯人、どちらもなるほど〜!!て感じだった(語彙力)真犯人の動機はありふれてるけれど、現在でも超現役な動機であって、人間て全然成長してないんだなって思った。

    ジロー刑

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    2022年03月13日
  • カルカッタの殺人

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    2022.3 まずは訳がうまい。テンポよく、読みやすい。説明文が少なく会話が多いのもいい。最後はあっさりとしているけれど楽しめました。

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    2022年03月11日
  • 阿片窟の死

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    シリーズ第三弾。英国領のインドでの連続殺人。インドの独立運動が激しくなっていくなかでの難しい捜査。イギリス人のウィンダムとインド人のバネルジーの刑事のコンビ。ウィンダムの阿片中毒のような現状やインド人とイギリス人の対立、複雑な感情とシリーズが進むごとにどんどん面白くなっていく。1921年という時代のインドの生活や風景も読み応えがある。まだまだ続いて欲しいシリーズ。今のところシリーズ第三弾まで全て面白い。

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    2022年03月01日
  • マハラジャの葬列

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    シリーズ第二弾。1920年の英国領のインド。その中にある半独立国のような藩王国。そこでの事件にイギリス人のウィンダムとインド人のバネルジーが捜査する。前作同様にこの時代のインドの様子、権力者の持つ力、イギリスへの憎しみと読みどころはたくさんあって面白くどんどんと引き込まれていく。事件の裏にある駆け引きや裏切り、インドの国としての動きなど時代の動きも感じられる。ウィンダムとバネルジーのコンビも深まってきてこの先がますます楽しみになるシリーズ。

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    2022年02月20日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    すべての手掛かりは提示されているのに、真相が最後までわからないもどかしさ。100年近く前の作品なのに色あせないね。素晴らしい。

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    2022年02月18日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    ネタバレ

    作家のスティーヴン・キングが自身の半生と、作家になりたい人へ向けてアドバイスをしたもの。
    勉強になることばかりで、もっとはやくに読んでおけばよかったと後悔しました

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    2022年01月20日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    ストーリーを掘り出す、そこにテーマを見つけて丁寧にそのシンボルを加えていく。

    たくさん読んで、たくさん書く。

    小説を書く人すべてにおすすめ。

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    2021年10月30日
  • 流れは、いつか海へと

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    「濡れ衣への復讐のために耐え忍ぶ」という主人公の境遇から、デュマのモンテクリスト伯を彷彿とさせられる本書。作者のウォルター・モズリーは、本作に限らずギャング、ヘロイン中毒者、傷ついた魂、そして不屈の精神など、大都市ニューヨークのサバイバルをテーマとした作品をリリースしています。一連の作品でモチーフとなるのは、不正や腐敗の歴史を認めようとしない警察の暗部で、いずれも説得力のある物語は期待を裏切らない出来でした。今回も主人公のオリバーが自身に仕組まれた陰謀に翻弄されつつ、並行して発生した別の事件も交錯するという風に、いい話が展開されます。ですが、今作で私が一番興味を持ったのはストーリーそのものでは

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    2021年01月17日
  • 流れは、いつか海へと

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    ネタバレ

    かつて自らの女ぐせの悪さが災いし、身の破滅を招き、警察官の職を追われることになったオリヴァー。

    娘の支えもあって今は探偵業を営み生活しているが、当時の顛末には陰謀めいたものを感じており、10年以上経った今もいささか納得がいっていない。
    そこへ舞い込んだ当時の事件関係者からの告白の手紙と、冤罪と思われる男の疑いを晴らしてほしいという依頼。

    汚職警官の影がちらつく2つの事件の関係者、情報を握るであろう人物達を目まぐるしく巡礼する様に、「こいつはいったい誰だっけ?」となるけど、それぞれの人物との対決、次の一歩へ続いていく展開が特徴的で面白い。

    黒幕を担う人物は予想どおりといえば予想どおりだが、

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    2021年01月17日
  • 流れは、いつか海へと

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     びっくりするほどハードボイルドだ。
     読んでいると、80年代が舞台かと思うようなハードボイルドものだが、i-padなんかが出てきて現代に引き戻される。

     複数の事件が主人公を軸に複雑に交差するため、ストーリーを見失うこともあったが、少し前のページに帰りながらも面白く読めた。現代ニューヨークの人種間の感度や、暴力の匂い、組織犯罪の影がうまく書かれており、また、ハードボイルド小説の魅力である、主人公の骨太な矜持が魅力的な小説だ。

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    2021年01月04日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    幼い頃から書いて読むことに親しんできた己の人生を振り返りつつ、その波瀾万丈で手にした〈小説づくりの極意〉を教えてくれるエッセイ。


    面白かった。キングの小説は『スタンド・バイ・ミー』しか読んだことがなく、シングル・マザーの家庭で育ち、IQの高い兄を持ち、若いうちに結婚してアルバイトや教師をしていたことはもちろん知らなかった。略歴を語った「履歴書」のパートでは、自分の輪転機で刷った同人誌や新聞を学校で配る幼いキングのバイタリティや、懸賞スタンプを貯める母のひと言から小説のアイデアを思いついたり、学生時代の苦い記憶を掘り起こしてキャリーのキャラ造形をしたことなど、印象深いエピソードがユーモア混じ

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    2021年01月01日
  • カルカッタの殺人

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    インドが舞台のミステリーなんて、読むのは初めてじゃなかろうか。描写が素晴らしくて、ぐいぐい引き込まれて読んだのだけれど、宗主国と植民地、差別もいっぱいで、今からしたら「なんとまあ」なんだけど、この時代にはこれが当たり前だったんだよなあ・・・と。もしこの物語をイギリスではなく日本にしたら、舞台は上海あたりになるのかしら、そしたらもっと陰鬱な話しになりそう・・・なんて思いながら読んでた。

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    2020年11月23日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

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    分かりやすかった。
    小説と人生といった感じで、経験そのものが小説に投影されるんだなと感じた。
    細かいけどペプシが出てきたのには笑った。そういやアニーがペプシを警察官に渡しとったなと。
    とても丁寧でオススメの作家が載っているので、次に読みたい本リストにした。

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    2020年11月17日