田村義進のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1920年6月、英国統治下のカルカッタで藩王国サンバルプールの王太子が暗殺された。現場に居合わせた英国人警部ウィンダムはインド人部長刑事バネルジーと犯人を捉えるが、それは序章に過ぎなかった。舞台は藩王国サンバルプールへと移る→
英国統治下のカルカッタを舞台に英国人とインド人がバディを組んで事件を解決する歴史ミステリ第二弾。今作はインド東部の小国、サンバルプールが舞台。これが豪華なんだよー。インド映画みたいな感じ(知らんけど)で、読んでいて面白い。象に乗って虎狩りとかすごい……。→
ウィンダム警部は相変わらず阿片中毒やし、バネルジーも地味にコツコツタイプで、主要キャラに華はないんだけど(オイ -
Posted by ブクログ
ネタバレ初のウォルター・モズリイ。
結構な作品数があるにも関わらず、翻訳された数は少ない&ほぼ絶版。そのためこの作品以外で名前を聞いたことがありませんでした。
これぞニューヨークの私立探偵物、と言って良い作品だと思う。地道に、こつこつと関係者を回り、真相へと辿り着く。たまに攫われたり、たまに非合法なことをしたり。
話の筋は二つ。過去に身に覚えのない犯罪で収監され全てを失った主人公ジョーに、あれは用意周到な罠だったことを伝える手紙が届く。同じくして、刑事殺しで捕まっている政治活動家の無実を晴らしてほしいとの依頼が。自身の過去と対峙しながら、調べれば調べるほどきな臭い刑事殺し。題名のとおり、こ -
Posted by ブクログ
スティーヴン・キング自身の凄まじい人生を面白おかしく書きながら(面白おかしく書けるのは貴方が困難を乗り越えた証拠だからだ)、私は小説をこんな風に書くよ〜という作法まで全部ぎっっっつちり詰め込まれてて笑った。
副詞への恨みが凄い。
エッセイであり小説の書き方を記した本なのにあまりにも面白くて、読み終わるのが勿体なくて、結局2ヶ月かけてしまった。
スティーヴン・キングの文章が好き過ぎる。
小説を書くことの情熱を、そして配偶者やへの愛をどうしてここまでに書けるのか。
天才。
マーカーを引きまくったページを読み返すとまた心がほかほかしてくる。
私はこの本を死ぬまで手放せそうにない。 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の章はスティーブンの生い立ちから。ここで語られる作者の生い立ちで、スティーブンキングという名高い作家への親近感を感じることができた。少年の頃の悪戯や、最初の頃は人の真似をして書いた小説、出版社からの不採用通知、妻との出会い。書き続けているということ以外では、多分アメリカの片田舎にいる人として一般的な人物像がそこから浮かび上がってくる。
そうして、その親近感を持たせたまま、小説を書くということについて、一体何が必要なのか、訳者後書きにもあったように、まるで知人が隣で親しみを込めて語るように、ひとつひとつ教えてくれる。
小説を書くということについて、なんらハードルがあるわけではなく、書きたいと -
-
購入済み
面白かった
あざやかな謎解きでした。
そして、読み終わったあとに第一章を読み返すとゾワッとします。
本筋とは関係ないが
「人生は戦場なんです」
というセリフにハッとした。
本当にそのとおりだと思う。
-
-
Posted by ブクログ
国産ミステリーの犯罪のほとんどが、極めて個人的な犯罪を扱うのに比して、世界の賞を獲るような作品は必ずと言っていいほど、国家レベルの犯罪、あるいは政府機関の犯罪、もしくは制度の生み出す社会悪が生み出す犯罪を描くものが多い。単なる謎解き小説にとどまらず、犯罪を小説の題材として描くことで、何らかの社会的メッセージを描くもの、そうではなくても高位なレベルで行われる犯罪に、個人として立ち向かわねばならない状況を小説の背骨に据えているものが多いと思う。
国産小説にそれが皆無とは言えないけれど、あくまでそうした部類の読み物とは一線を画し面白さだけを追求して、家族や男女間の愛憎のもつれ、ちっぽけな利権の -
-
Posted by ブクログ
ネタバレポアロシリーズの中では好きな部類。
凄惨な事件ながらも、中東の異国情緒あふれる雰囲気が、読んでいる間もなんとなく心を温めてくれた。
犯人とトリックに関しては多少「うーん?」と思うところもなくはないが、それでも最後の犯人の自供のセリフは悲しくて不気味で心に残った。
ミスレザランの目線で進むところもよかった。ヘイスティングスとは違う物言いや目の付け所を書き分けるところ、さすがアガサ・クリスティ。女性ならではのものの見方が繊細に表されていて秀逸。
名作オリエント急行と時系列で繋がっているところも、さすがは殺人事件磁石のポアロさんだなぁと笑ってしまった。
また読み返したい一作。