田村義進のレビュー一覧
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TVドラマを観て、原作を読みたくなって読みました。
イギリスのスパイ機関MI5の落ちこぼれ(Slow horses)が集まるスラウハウス(泥沼の家)、その面々がいつの間にか世間を揺るがす大事件に巻き込まれる話。落ちこぼれが活躍する話は日本人は大好きだと思う。ドラマではよく分からなかったキャサリンと死んだ男性の関係、リヴァーの昇進試験の裏事情とかが描かれていて何とも怖い世界だなぁ、と。スパイだから日常的に裏切り、裏切られるの世界なのかなぁ。そんな中でも、ボスのジャクソン・ラムのSlow horsesたちに対する、表面上は投げやりで冷たいけど、奥底での深い愛情に救われる。
このシリーズは長編8巻、短編5作出ていて2025年に9巻目が出る予定らしいが、日本語に翻訳されているのは3巻のみ。面白いからみんなもっと本読んで、訳してもらおう! -
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物書きを目指す人には是非読んで欲しい一冊。キングの生い立ちから、文法や会話文やテンポ、推敲の仕方などの小説作法が丁寧に書かれている。小説の書き方がメインだが、エッセイとかノンフィクションなど書くこと全般に生かせるアドバイスも沢山ある。自分も物書きを目指しているから、これから何度も見返そうと思う。文章自体も堅苦しくなくユーモアがあって読みやすかった。
キングの幼少期から作家として売れるまでの半生は凄く苦労が伝わってきた。トレーラーハウスの洗濯室の机で執筆していたことや教師をしながら小説を書いていたこと。才能に加えてこのストイックさがアーティストには必須なんだなと思った。ここでの沢山の体験や出会いが小説の設定や人物造形(キャリーとか)に生かされていて、苦労も含め、若いうちに色々な世界を見なければな、と感じた。ものを書くためには、沢山読み、沢山書くこと。文法などの勉強や読書などのインプットと荒削りでもいいから実際に書いてみるアウトプットの両方が大事。早速実践したい。 -
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ネタバレ時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じられる作品じゃないかと思います。 -
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・履歴書
・書くこととは
・生きることについて
の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。
書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、自分が本当に感じたままの言葉で真摯に語るのは決して簡単なことではないけれど、それこそが文章を書く楽しみであり、その積み重ねが物語の価値を生み出す。
楽しんで、真摯に書くこと。
"私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる"
"ときどき書くのが辛いと思うことはあるが、脚の具合がよくなっていき、気持ちが日々のルーティンに馴染んでくるにつれて、適切な言葉を見つけて文章にする楽しみはどんどん膨らんでいく。それは飛行機が離陸するときの感覚に似ている。滑走、滑走、滑走……そして離陸。それで、魔法の空気のクッションに乗り、世界を眼下に一望できる。この時ほど幸せを感じる事は無い。私は書くために生まれてきたのだ"
後書きにあたる「生きることについて」の中でキングは(この本を書いている)近年に遭遇した大事故のことを語り、そこから自分を立ち直らせたのは奥様の献身と本書を書き上げることだったと言っている。
売れる本を書きたくて手法を探している人ももちろん得ることがあるし、頭の中にある物語を書いてみたい、自分にも小説が書けるのでは?とウズウズしているような人にはとてもお勧め。
大御所スティーブン・キングがあなたの肩を叩いて、やってみなさい、きっといいものが書けるよ、と応援してくれているような本です。 -
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1921年12月、英領カルカッタ。ウィンダム警部は阿片窟で警察のガサ入れに遭い逃げる途中で両眼をえぐられ腹を刺された男と会う。一方、カルカッタではガンジーの教えを尊ぶ人々による独立運動が活発になっていて……。→
シリーズ3作目。わたしはこのお話が1番好き。
今作は両眼を抉り取られた死体×インド独立運動激化×イギリス皇太子親善来訪×〇〇〇〇(ネタバレなんで話せない〜!)と盛りだくさん!!これを一つにまとめるのマジですごい。ムカジーすごい。ラストは美しい(のか?)し、次作への余韻も良。→
ウィンダム警部がいいんだよー!!シリーズ追うごとにイケオジ感が上がってる!(阿片中毒者やけど)今作ではH機関のドーソン大佐との絡みがまた良い。ライバル感〜!イギリス人なのに、英国領のインドでとてもフラット。そんなウィンダムの一人称視点だからとても読みやすい。次の翻訳正座待機!
以下はリアルタイムツイート
次はインドミステリ。
アビール・ムカジーのシリーズ第3弾を読んでるんだけど、冒頭からウィンダム警部がピンチで笑う(笑うところじゃない)
相変わらずだなぁ、もぅ(笑)
「阿片窟の死」が面白くて。
ストーリーの流れが、というよりも、物語そのものが面白い。
ウィンダムが冷静で、阿片中毒なんはあかんねんけど、でも当時の環境下では驚くほどフラットな思考の持ち主で、その視点で物語を見るからとても心地いい。ずーっと読んでいたい。
読んだよ……アビール・ムカジーすごいよ……。
で、これシリーズ3作品目なんだけど、海外作品あるあるの4作目以降が翻訳されない呪いにはかかってないと信じていいよね?次出るよね?原書は5作目まで出てるみたいなんですが早川書房さんそこらへん大丈夫なんですかね?(詰め寄り) -
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1920年6月、英国統治下のカルカッタで藩王国サンバルプールの王太子が暗殺された。現場に居合わせた英国人警部ウィンダムはインド人部長刑事バネルジーと犯人を捉えるが、それは序章に過ぎなかった。舞台は藩王国サンバルプールへと移る→
英国統治下のカルカッタを舞台に英国人とインド人がバディを組んで事件を解決する歴史ミステリ第二弾。今作はインド東部の小国、サンバルプールが舞台。これが豪華なんだよー。インド映画みたいな感じ(知らんけど)で、読んでいて面白い。象に乗って虎狩りとかすごい……。→
ウィンダム警部は相変わらず阿片中毒やし、バネルジーも地味にコツコツタイプで、主要キャラに華はないんだけど(オイ!)イギリス統治下のインドという世界観がめちゃくちゃ濃厚。このシリーズは歴史ミステリ的に面白いと思う。
あと、女は強いね。以上!(笑) -
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ネタバレ初のウォルター・モズリイ。
結構な作品数があるにも関わらず、翻訳された数は少ない&ほぼ絶版。そのためこの作品以外で名前を聞いたことがありませんでした。
これぞニューヨークの私立探偵物、と言って良い作品だと思う。地道に、こつこつと関係者を回り、真相へと辿り着く。たまに攫われたり、たまに非合法なことをしたり。
話の筋は二つ。過去に身に覚えのない犯罪で収監され全てを失った主人公ジョーに、あれは用意周到な罠だったことを伝える手紙が届く。同じくして、刑事殺しで捕まっている政治活動家の無実を晴らしてほしいとの依頼が。自身の過去と対峙しながら、調べれば調べるほどきな臭い刑事殺し。題名のとおり、この二つの流れが、いつ合流して海となるか、ワクワクさせられた。
娘のエイジア(めちゃくちゃ良い子!)、元娼婦のエフィー、そして何より重犯罪者の相棒メルカルトが本当に魅力的。この3人に好かれているジョーは何者なんだと笑
ただ、登場人物があまりにも多いので、登場人物表をもう少し充実して欲しかった。結構、読み返しが多かった。その点だけは残念。
シリーズ物じゃなくても良いので、もう少し翻訳されれば嬉しい作者さんでした。 -
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スティーヴン・キング自身の凄まじい人生を面白おかしく書きながら(面白おかしく書けるのは貴方が困難を乗り越えた証拠だからだ)、私は小説をこんな風に書くよ〜という作法まで全部ぎっっっつちり詰め込まれてて笑った。
副詞への恨みが凄い。
エッセイであり小説の書き方を記した本なのにあまりにも面白くて、読み終わるのが勿体なくて、結局2ヶ月かけてしまった。
スティーヴン・キングの文章が好き過ぎる。
小説を書くことの情熱を、そして配偶者やへの愛をどうしてここまでに書けるのか。
天才。
マーカーを引きまくったページを読み返すとまた心がほかほかしてくる。
私はこの本を死ぬまで手放せそうにない。