田村義進のレビュー一覧

  • マハラジャの葬列

    Posted by ブクログ

    1920年6月、英国統治下のカルカッタで藩王国サンバルプールの王太子が暗殺された。現場に居合わせた英国人警部ウィンダムはインド人部長刑事バネルジーと犯人を捉えるが、それは序章に過ぎなかった。舞台は藩王国サンバルプールへと移る→

    英国統治下のカルカッタを舞台に英国人とインド人がバディを組んで事件を解決する歴史ミステリ第二弾。今作はインド東部の小国、サンバルプールが舞台。これが豪華なんだよー。インド映画みたいな感じ(知らんけど)で、読んでいて面白い。象に乗って虎狩りとかすごい……。→

    ウィンダム警部は相変わらず阿片中毒やし、バネルジーも地味にコツコツタイプで、主要キャラに華はないんだけど(オイ

    0
    2023年04月19日
  • 流れは、いつか海へと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初のウォルター・モズリイ。
    結構な作品数があるにも関わらず、翻訳された数は少ない&ほぼ絶版。そのためこの作品以外で名前を聞いたことがありませんでした。

    これぞニューヨークの私立探偵物、と言って良い作品だと思う。地道に、こつこつと関係者を回り、真相へと辿り着く。たまに攫われたり、たまに非合法なことをしたり。

    話の筋は二つ。過去に身に覚えのない犯罪で収監され全てを失った主人公ジョーに、あれは用意周到な罠だったことを伝える手紙が届く。同じくして、刑事殺しで捕まっている政治活動家の無実を晴らしてほしいとの依頼が。自身の過去と対峙しながら、調べれば調べるほどきな臭い刑事殺し。題名のとおり、こ

    0
    2023年04月02日
  • 帝国の亡霊、そして殺人

    Posted by ブクログ

    1950年のボンベイ。大晦日のパーティの最中に殺された英国外交官、事件の真相を追うのはインド初の女性警部。男尊女卑の風潮が半端ない社会や警察組織の逆境の中にあっても真実を追求する姿勢を貫く主人公ペルシスがカッコいい。手掛かりを求めて東奔西走したりと地道に解決へ導くミステリー。英国からの独立やパキスタンとの分断など時代背景も面白かった。

    0
    2023年03月07日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

    Posted by ブクログ

    スティーヴン・キング自身の凄まじい人生を面白おかしく書きながら(面白おかしく書けるのは貴方が困難を乗り越えた証拠だからだ)、私は小説をこんな風に書くよ〜という作法まで全部ぎっっっつちり詰め込まれてて笑った。
    副詞への恨みが凄い。
    エッセイであり小説の書き方を記した本なのにあまりにも面白くて、読み終わるのが勿体なくて、結局2ヶ月かけてしまった。

    スティーヴン・キングの文章が好き過ぎる。
    小説を書くことの情熱を、そして配偶者やへの愛をどうしてここまでに書けるのか。
    天才。
    マーカーを引きまくったページを読み返すとまた心がほかほかしてくる。
    私はこの本を死ぬまで手放せそうにない。

    0
    2023年01月29日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

    Posted by ブクログ

    人生は芸術の支援組織ではない。その逆である。
    という言葉が印象に残った。
    作者は幼いころからめちゃくちゃ書き続けて出版社に送り続けてきたことが分かり、尊敬した。創作のモチベを上げるにはいい本だと思う。
    反面、創作のために人生を犠牲にしてはいけないと、あのキングが言ったことにまたグッときた。

    あと個人的に印象深かったのは、副詞を削るというところ。文章がゴチャゴチャしてしまいがちなので、たまにこの言葉を思い出している。

    0
    2023年01月04日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    絶対に全員を平等に疑おうと決めてかかっていたのに、犯人の予想をまったく付けられなかったので大分びっくりした。なんだったら語り手がポアロではないので疑わしい、という先入観に邪魔されていたかもしれない。それでも、作中の女性たちが口々に言う『ミセス・レイドナーはろくでもない』説を、そういうタイプには見えない…と半信半疑でいたら、正しくはそういう空気のせいだったというどんでん返しがあり、クリスティの真実に対しての着眼点が相変わらず凄くて、震え上がった。

    0
    2022年10月28日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初の章はスティーブンの生い立ちから。ここで語られる作者の生い立ちで、スティーブンキングという名高い作家への親近感を感じることができた。少年の頃の悪戯や、最初の頃は人の真似をして書いた小説、出版社からの不採用通知、妻との出会い。書き続けているということ以外では、多分アメリカの片田舎にいる人として一般的な人物像がそこから浮かび上がってくる。
    そうして、その親近感を持たせたまま、小説を書くということについて、一体何が必要なのか、訳者後書きにもあったように、まるで知人が隣で親しみを込めて語るように、ひとつひとつ教えてくれる。
    小説を書くということについて、なんらハードルがあるわけではなく、書きたいと

    0
    2022年09月06日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    エルキュール・ポアロの作品でメソポタミヤが舞台になっていました!
    考古科学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が届いて、ルイーズは奇妙な人物を見たと周囲に言って、、、というハラハラドキドキのサスペンス物語です!
    ぜひ読んでみてください!

    0
    2022年09月23日
  • ゴルフ場殺人事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大事なことはすべて語られると決まっているわけじゃない。ときによっては、わざと語られない場合もある。
    人が嘘をつくのは愛のためか金のため。
    ヘイスティングスがシンデレラを逃してポワロと敵対すると決めたのに結局ポワロに泣きつくのがおもしろい。ポワロも気を悪くしてヘイスティングスに大事な真相話さないのもおもしろい。
    ジロー刑事いやなやつだけど小説のキャラクターとしては憎めない雰囲気あって、ポワロとの知恵比べもっと見たいと思った。
    全体的にコメディ感あって楽しい。
    展開がきれいで自然と映像が浮かんできて、構成うまいなって思う。

    0
    2022年06月12日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    A

    購入済み

    面白かった

    あざやかな謎解きでした。
    そして、読み終わったあとに第一章を読み返すとゾワッとします。
    本筋とは関係ないが
    「人生は戦場なんです」
    というセリフにハッとした。
    本当にそのとおりだと思う。

    0
    2022年03月24日
  • カルカッタの殺人

    Posted by ブクログ

    1919年英国統治下のインド、カルカッタが舞台。スコットランドヤードの警部のウィンダムとインド人の刑事バネルジー。英国政府高官が殺害されたことから始まる捜査。イギリス人とインド人の価値観、文化、暮らしの何もかもが違う。その時代やインドの街並みがとても興味深い。インド人への差別、イギリス人への恨み、怒り。そういったものが捜査にも影響しながら真実を見つけ出そうとする二人の息が徐々あってくるのがいい。この時代だからこその空気感があってとても面白い。続けて続編を読みます。

    0
    2022年02月15日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初、夫が怪しい!と思っていたのに、「夫は本当に妻を愛していた」と何度も書かれて「そうなのかぁ」と思わされてしまった。いや、確かにそうなのだけれどそれが動機だとは。元夫の弟が、兄を失ったショックでからだの成長が止まり、アラブ人の子供として働いてるんだ!とまで考えが飛躍したのに。
    日本語訳、文章を書き慣れていない女性の手記のナチュラルさが出ていてとてもよかった。

    0
    2021年12月26日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

    Posted by ブクログ

    スティーブン・キングがこんな本を書いてるなんて知らなかった。
    自分の生い立ちと、書くことに必要な道具箱(スキルやティップス的なこと)、そして書き方、書くことと生きること。
    なんか書いてみたくなってしまう。
    書けるような気になってしまう。
    そんな一冊です。
    本が好きな方にはオススメ。

    0
    2021年10月23日
  • カルカッタの殺人

    Posted by ブクログ

    シリアスなんだけどどこかコミカルな雰囲気が良かった。作者はイギリス育ちのインド系移民。イギリス、インドどちらに対してもフラットに俯瞰した歴史的事実を背景にストーリーが展開するので、お勉強にもなります。
    次の作品は積読状態ですが楽しみにとっています。

    0
    2021年04月27日
  • 書くことについて ~ON WRITING~

    Posted by ブクログ

    自ら生い立ち、また書くことについてユーモラスな表現で語っている。
    プロットを重視しないのは意外だった。小説を書く人は必ず作っていると思ってた。

    0
    2020年10月09日
  • 流れは、いつか海へと

    Posted by ブクログ

     国産ミステリーの犯罪のほとんどが、極めて個人的な犯罪を扱うのに比して、世界の賞を獲るような作品は必ずと言っていいほど、国家レベルの犯罪、あるいは政府機関の犯罪、もしくは制度の生み出す社会悪が生み出す犯罪を描くものが多い。単なる謎解き小説にとどまらず、犯罪を小説の題材として描くことで、何らかの社会的メッセージを描くもの、そうではなくても高位なレベルで行われる犯罪に、個人として立ち向かわねばならない状況を小説の背骨に据えているものが多いと思う。

     国産小説にそれが皆無とは言えないけれど、あくまでそうした部類の読み物とは一線を画し面白さだけを追求して、家族や男女間の愛憎のもつれ、ちっぽけな利権の

    0
    2020年01月27日
  • 死んだライオン

    Posted by ブクログ

    落ちこぼれスパイたちの「泥沼の家」シリーズ2作目。
    おもしろい!
    今回は、ラムの天才的なひらめきや働きはあまりみえなかったけど、新しいキャラクターも登場し、また今後が楽しみ。

    0
    2018年01月21日
  • 窓際のスパイ

    Posted by ブクログ

    英国保安局で「左遷部署の中の左遷部署」という位置付けの“泥沼の家”の面々が巻き込まれる羽目になった妙な誘拐事件…どうなってしまうのかは、是非本作を紐解いてみて頂きたいが…本作を愉しむことを通じて、何か“泥沼の家”の面々に“力”をもらえるような気もした…手近なところでどう視られようが、処遇がどうであろうが「独自な基準で不正や卑劣な振る舞いを許さずに戦う」というのは大切なことのような気がする…

    0
    2014年10月17日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

    Posted by ブクログ

    ニック・ヴェルヴェットやサム・ホーソーンのシリーズは読んでいたのですが、これはノン・シリーズのホック短編集です。でも期待に違わず面白かったです。短くても内容の濃い物語や、ラストの落とし方のうまさなど、堪能しました。

    0
    2010年04月13日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ポアロシリーズの中では好きな部類。
    凄惨な事件ながらも、中東の異国情緒あふれる雰囲気が、読んでいる間もなんとなく心を温めてくれた。
    犯人とトリックに関しては多少「うーん?」と思うところもなくはないが、それでも最後の犯人の自供のセリフは悲しくて不気味で心に残った。
    ミスレザランの目線で進むところもよかった。ヘイスティングスとは違う物言いや目の付け所を書き分けるところ、さすがアガサ・クリスティ。女性ならではのものの見方が繊細に表されていて秀逸。
    名作オリエント急行と時系列で繋がっているところも、さすがは殺人事件磁石のポアロさんだなぁと笑ってしまった。
    また読み返したい一作。

    0
    2025年11月29日