田村義進のレビュー一覧

  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
    ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
    事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
    今作、ルイーズという美人がかき乱す人...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    ・履歴書
    ・書くこととは
    ・生きることについて
    の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。

    書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、...続きを読む
  • 静寂とは
    ものすごく面白くて、もっと本の余韻に浸っていたかった。

    心の静けさは、外側にあるのではなく内側にある。だから、周りが騒がしくても自分の心と向き合うことで静けさを感じるという言葉が印象的だった。
    情報が渦巻く社会の中で、自分と向き合うことの大切さを教えてくれる。
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    多分、今、私の灰色の脳みそは“ポアロ”色に染まっている。

    事件に関わった看護師の手記という書き方のためか、ポアロの容姿などがこと細かく描写されている。
    そのためか、NHKドラマで観たスーシエの演じるポアロは、ほんとにそっくり(まるでドラマが先にあったよう)。

    この、新訳シリーズは文字が大きく(眼...続きを読む
  • ゴルフ場殺人事件
     <名探偵ポワロ>シリーズ長篇2作め。南アメリカの富豪ルノーから助けを求める依頼状が届き、ポワロとヘイスティングズは彼の滞在先のフランスへ渡るも既に殺されていて、その真相解明に挑む、という内容。
     ドラマ視聴を機に読み始めたが、デイヴィッド・スーシェ版よりも言い回しは面倒臭いが紳士然としている点がい...続きを読む
  • 阿片窟の死
    1921年12月、英領カルカッタ。ウィンダム警部は阿片窟で警察のガサ入れに遭い逃げる途中で両眼をえぐられ腹を刺された男と会う。一方、カルカッタではガンジーの教えを尊ぶ人々による独立運動が活発になっていて……。→

    シリーズ3作目。わたしはこのお話が1番好き。
    今作は両眼を抉り取られた死体×インド独立...続きを読む
  • マハラジャの葬列
    1920年6月、英国統治下のカルカッタで藩王国サンバルプールの王太子が暗殺された。現場に居合わせた英国人警部ウィンダムはインド人部長刑事バネルジーと犯人を捉えるが、それは序章に過ぎなかった。舞台は藩王国サンバルプールへと移る→

    英国統治下のカルカッタを舞台に英国人とインド人がバディを組んで事件を解...続きを読む
  • 帝国の亡霊、そして殺人
    イギリスから独立したばかりインドを舞台にした歴史ミステリー。主人公は正義感の強いインド初の女性警察官で勇敢で無鉄砲で魅力的な女性で、どこか頼りないイギリス人男性とバディを組んで、事件を解決する。
    インドとパキスタンの分離独立に対する知識が少なかったため、より楽しむために調べながら読む必要があった。宗...続きを読む
  • 流れは、いつか海へと
    初のウォルター・モズリイ。
    結構な作品数があるにも関わらず、翻訳された数は少ない&ほぼ絶版。そのためこの作品以外で名前を聞いたことがありませんでした。

    これぞニューヨークの私立探偵物、と言って良い作品だと思う。地道に、こつこつと関係者を回り、真相へと辿り着く。たまに攫われたり、たまに非合法なことを...続きを読む
  • 帝国の亡霊、そして殺人
    1950年のボンベイ。大晦日のパーティの最中に殺された英国外交官、事件の真相を追うのはインド初の女性警部。男尊女卑の風潮が半端ない社会や警察組織の逆境の中にあっても真実を追求する姿勢を貫く主人公ペルシスがカッコいい。手掛かりを求めて東奔西走したりと地道に解決へ導くミステリー。英国からの独立やパキスタ...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    スティーヴン・キング自身の凄まじい人生を面白おかしく書きながら(面白おかしく書けるのは貴方が困難を乗り越えた証拠だからだ)、私は小説をこんな風に書くよ〜という作法まで全部ぎっっっつちり詰め込まれてて笑った。
    副詞への恨みが凄い。
    エッセイであり小説の書き方を記した本なのにあまりにも面白くて、読み終わ...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    人生は芸術の支援組織ではない。その逆である。
    という言葉が印象に残った。
    作者は幼いころからめちゃくちゃ書き続けて出版社に送り続けてきたことが分かり、尊敬した。創作のモチベを上げるにはいい本だと思う。
    反面、創作のために人生を犠牲にしてはいけないと、あのキングが言ったことにまたグッときた。

    あと個...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    絶対に全員を平等に疑おうと決めてかかっていたのに、犯人の予想をまったく付けられなかったので大分びっくりした。なんだったら語り手がポアロではないので疑わしい、という先入観に邪魔されていたかもしれない。それでも、作中の女性たちが口々に言う『ミセス・レイドナーはろくでもない』説を、そういうタイプには見えな...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    最初の章はスティーブンの生い立ちから。ここで語られる作者の生い立ちで、スティーブンキングという名高い作家への親近感を感じることができた。少年の頃の悪戯や、最初の頃は人の真似をして書いた小説、出版社からの不採用通知、妻との出会い。書き続けているということ以外では、多分アメリカの片田舎にいる人として一般...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    エルキュール・ポアロの作品でメソポタミヤが舞台になっていました!
    考古科学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が届いて、ルイーズは奇妙な人物を見たと周囲に言って、、、というハラハラドキドキのサスペンス物語です!
    ぜひ読んでみてください!
  • ゴルフ場殺人事件
    大事なことはすべて語られると決まっているわけじゃない。ときによっては、わざと語られない場合もある。
    人が嘘をつくのは愛のためか金のため。
    ヘイスティングスがシンデレラを逃してポワロと敵対すると決めたのに結局ポワロに泣きつくのがおもしろい。ポワロも気を悪くしてヘイスティングスに大事な真相話さないのもお...続きを読む
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    ホラーの帝王、スティーヴン・キングによる文章読本。小説の書き方は勿論、彼の作家になるまでを赤裸々に綴った「履歴書」も兼ねています。とにかくユーモアに富んだ文章と言い回しが読んでいて楽しく、今では泣く子も黙るホラー作家の巨匠である彼も、若かりし頃は本当に駆け出しの作家だったのだなあと感慨深く思いました...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

    面白かった

    あざやかな謎解きでした。
    そして、読み終わったあとに第一章を読み返すとゾワッとします。
    本筋とは関係ないが
    「人生は戦場なんです」
    というセリフにハッとした。
    本当にそのとおりだと思う。
  • カルカッタの殺人
    1919年英国統治下のインド、カルカッタが舞台。スコットランドヤードの警部のウィンダムとインド人の刑事バネルジー。英国政府高官が殺害されたことから始まる捜査。イギリス人とインド人の価値観、文化、暮らしの何もかもが違う。その時代やインドの街並みがとても興味深い。インド人への差別、イギリス人への恨み、怒...続きを読む
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕
    最初、夫が怪しい!と思っていたのに、「夫は本当に妻を愛していた」と何度も書かれて「そうなのかぁ」と思わされてしまった。いや、確かにそうなのだけれどそれが動機だとは。元夫の弟が、兄を失ったショックでからだの成長が止まり、アラブ人の子供として働いてるんだ!とまで考えが飛躍したのに。
    日本語訳、文章を書き...続きを読む