田村義進のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中国系アメリカ人の大学生たちが、かつて英仏軍が北京の円明園から奪った美術品を北京に取り戻すお話。
ルーツの曖昧な人間のアイデンティティや故郷への愛のあり方、故郷をどう定義するか、「アメリカン・ドリーム」への重責と、引き換えに背負うことになった寂しさや悲しみ……ケイパー小説といえど、メインで描かれているのは5人の主人公たちの青春のドラマ。
揃いも揃って優秀すぎないか、というきらいはあるけど、最近アメリカの進学校のアジア系の比率が増えているという話も聞くし、アメリカのアジア系の理想像としてはしっくりくる設定なのかも。
十二支像を奪還する旅路は、彼ら5人の過去、または故郷や未来を取り戻す旅である -
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自分も書いてみたい、そう思わせてくれる1冊でした。私は小説どころか、何か物を書くということを仕事にしているわけではありません。仕事どころか趣味としても書くことにはなじみがありません。
それでも心のどこかに、何かを書いてみたいという欲求はあって、それがどうしてなのかわからずにいました。でもこの本を読んで、少しだけその理由がわかった気がします。
もちろん著者にとっての書くことと、私にとっての書くことの意味は違うと思います。でも誰かに読んでもらうことを意図して書いている場合、そこには読者のために何かを為したいという意図は働いているはずです。たぶんそれが子を持つ親になった今、実感として理解できるように -
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Posted by ブクログ
TVドラマを観て、原作を読みたくなって読みました。
イギリスのスパイ機関MI5の落ちこぼれ(Slow horses)が集まるスラウハウス(泥沼の家)、その面々がいつの間にか世間を揺るがす大事件に巻き込まれる話。落ちこぼれが活躍する話は日本人は大好きだと思う。ドラマではよく分からなかったキャサリンと死んだ男性の関係、リヴァーの昇進試験の裏事情とかが描かれていて何とも怖い世界だなぁ、と。スパイだから日常的に裏切り、裏切られるの世界なのかなぁ。そんな中でも、ボスのジャクソン・ラムのSlow horsesたちに対する、表面上は投げやりで冷たいけど、奥底での深い愛情に救われる。
このシリーズは長編8巻、 -
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Posted by ブクログ
物書きを目指す人には是非読んで欲しい一冊。キングの生い立ちから、文法や会話文やテンポ、推敲の仕方などの小説作法が丁寧に書かれている。小説の書き方がメインだが、エッセイとかノンフィクションなど書くこと全般に生かせるアドバイスも沢山ある。自分も物書きを目指しているから、これから何度も見返そうと思う。文章自体も堅苦しくなくユーモアがあって読みやすかった。
キングの幼少期から作家として売れるまでの半生は凄く苦労が伝わってきた。トレーラーハウスの洗濯室の机で執筆していたことや教師をしながら小説を書いていたこと。才能に加えてこのストイックさがアーティストには必須なんだなと思った。ここでの沢山の体験や出会 -
Posted by ブクログ
ネタバレ時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じ -
Posted by ブクログ
・履歴書
・書くこととは
・生きることについて
の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。
書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、自分が本当に感じたままの言葉で真摯に語るのは決して簡単なことではないけれど、それこそが文章を書く楽しみであり、その積み重ねが物語の価値を生み出す。
楽しんで、真摯に書くこと。
"私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる"