あらすじ
騒音時代に生きる現代人へ―――車の騒音、アナウンスの声、音楽など、私たちの日常はノイズで溢れている。人々はスマートフォンを片手に、いつも何か(誰か)と繋がって、気になる事があれば何でも検索、あっという間に欲しい情報を手に入れる。
人、環境、情報、時間……あらゆる物事が、めまぐるしく変化する時代。現代人は無意識においてさえも、常に何か(騒音)を聞いている。
そんな日常において、人々の心と体は、知らず知らずのうちに、ストレスを抱えてしまっているのではないだろうか。そんな現代人に、今もっとも必要なもの。それが、「静寂」なのかもしれない――
静寂とは何か。静寂はどこにあるのか。なぜ今、静寂が重要なのか。
この3つの問いの答えを見つけだすために、著者が語った33の試み。
「静寂」を感じ、向き合う事によって得られる心身の解放。
ストレス社会に生きる人たちに、今読んで欲しい一冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
心が自然と静かさを求めていたからか
このタイトルに惹かれたのだと思います。
筆者や、あらゆる時代に生きた方々が静寂をどう捉えているか
その言葉を辿るにつれて
自分がいかに音に浸って生きてきたかを痛感しました。
音に救いを求めていたはずが
音に溺れてしまっていたことに気づき
一時的に物理的にも精神的にも音を遮断する
勇気を得ました。
音が好きなら、また音の溢れる環境に戻れる気もするので
これからは静けさを感じられる時間も大事にできそうです。
Posted by ブクログ
ものすごく面白くて、もっと本の余韻に浸っていたかった。
心の静けさは、外側にあるのではなく内側にある。だから、周りが騒がしくても自分の心と向き合うことで静けさを感じるという言葉が印象的だった。
情報が渦巻く社会の中で、自分と向き合うことの大切さを教えてくれる。
Posted by ブクログ
・現状がどうであるかより、現状をどう見るか
・セネカ:「過去を忘れ、現在を軽んじ、未来を恐れる者たちにとって、人生は非常に短く、不安なものである。人生の最後で、何もせずに過ごして来たことに気づいても、時はすでに遅い」
・時間はたっぷりある。人生は長い。我々が自分自身を見つめることに十分な時間を割いたとしたら。
・我々は騒音の時代に生きている。静けさは撲滅しかけている
・もしかしたら、静けさはもはや「贅沢品」ではなく、人間が正気であるための「必需品」になっているのかもしれない。
Posted by ブクログ
岩田書店のご店主が、『一万円選書』の候補にしておられる一冊。その括りから読んだ3冊目。
現時点では、三冊の内、これが一番好き。とても理知的で、タイトルの通り静謐な文章。私自身は、テレビの点けっぱなしも嫌いだし、タブレットやスマホの通知音も、必要なところから以外鳴らさない。日中は基本ひとりだが、無音はつらくない方だ。静寂の中、ゆったりと過ごす。考えたり書いたりも、静かな方がいい。何か聞いたり観たりも、『ながら』は嫌い。例外的に朝の家事やトレーニングの時は、クラシック専門のネットラジオ『OTTAVA』を聴いている。いずれにしろ騒がしいのは嫌いなようだ。
そういえば、この本は、表紙の白さ、題字のフォントから、もう静かで、とても凛としている。秋や冬に読みたい本だった。静けさイコール寂しさではないし、孤独も悪い面ばかりでない。静寂の中には、詩情と知性が潜んでいる。静寂の中で感じる寂しさは耐えられるが、賑やかで幸福そうな中で感じる寂しさは、苦い痛みを伴う。
ひとりでも生きられるか?という命題は、永遠のテーマのひとつだが、この本を読んで私は「是」と答えたい。ただそれを、冒頭の夕食の場面のように、他者に強制するのは、いささか煩わしいかな。
自分の中の空白を愛するきっかけになる一冊だった。
Posted by ブクログ
読んでいると度々、『あぁ!そうよね!いいよねー!わかるわー』となり、自分が思いの外静寂を必要とし、その時間を愛し、人一倍静寂が必要なのだと、
改めて気づけた。
それでもヒマラヤも南極も行ったことない私には、限りなく無音。というものが想像以上のものだということが著者の表現力からイメージできた。
味わってみたいような怖いような。
元より、静かな環境をかなり好む方なら、一読の価値あり。日頃から賑やかなのがお好きな方はちんぷんかんぷんかも。というより良さがわからないと思う。
後半は引用が多く、とにかく静寂取り入れるといいよー!みたいな感じになり飽きたのはここだけの話。