伊吹有喜のレビュー一覧
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今の世の中の空気感で、自分の心も疲れている実感があり、少しほっこり楽な気持ちになれそうな本を読みたくなり、手に取った。
心に傷を持った、39歳の哲司とキンコ(喜美子)が、夏のひとときに出会い惹かれていく。
正直、第一印象は、哲司は少し偉そうで、キンコは元気と下品を取り違えてるオバチャンみたいで、微妙に感じたのだけど、
一見、全く交わることがなさそうな二人が、いつの間にか、距離が近づいていくと、交わす言葉に、優しさや、哀しみを隠した明るさや、温度みたいなものが感じられるようになる。すると、不思議。二人ともが魅力的に思えてきて。こう言う二人が、これからの人生を支えあっていけたらいいな、と思う気持 -
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『なでし子物語』『地の星』に続く三作目。どうやらこの続きも『常夏の光』として連載中のようです。
天竜川の上流、かつて林業で財を成した財閥・遠藤家の大邸宅・常夏荘を舞台にした物語。
どこかバーネットの作品『小公子』『小公女』『秘密の花園』等を思い出させるなかなか良い雰囲気で始まった『なでし子物語』。その20年後、没落した遠藤家を支える若い女主人の奮闘を描く『地の星』。でもねぇ、その方法が余りに小ぢんまりとした手作りお菓子製造であり、その過程もご都合主義満載のお仕事小説で少々がっくり。三作目にはなかなか手が出なかったのです。
で、この三作目『天の花』。
時系列的には『なでし子物語』に続く10年間 -
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ネタバレ*かつて新宿追分と呼ばれた街の「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。BAR追分。昼は「バール追分」でコーヒーやカレーなどの定食を、夜は「バー追分」で本格的なカクテルや、ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす新店、二つの名前と顔でいよいよオープン! *
優しい空気感が漂う作品です。
それぞれ少し訳アリな人々が、触れ合いながらゆるゆると前に進んでいく、と言った感じでしょうか。
「ボンボンショコラの唄」は少しだけひねってあるのが楽しい。
タッチも軽く、さらっと読める短編集です。