成田美名子のレビュー一覧
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ネタバレ漫画の中では脇役の役者志田さん、
大杉漣さんを思わせる良い役者ぶりだ。
こんばんは、と挨拶にきてくれるし、
「仕事とはいえお玄人の方の先生役とは恐縮しております」
とわざわざ言ってくれるところがすごく良い。
謡と仕舞を習っていた経験があるから余計そう言える知識があるのだろう。
型でも、奥に感情の動きがあるから
というのが興味深かった。
藤哉役をやる人が本物だからこそ、ドラマの中の憧れや壁も本物になるし
能の先生も本物になる。
なるほどその通りだと思ったし憲ちゃんの責任は重大だ。
能役者なのにじゃなくだから選ばれた、という表現が好きだ。
憲ちゃんは周りから影響を与えられるばかりのように感じ -
Posted by ブクログ
ネタバレ西門とのエピソードがとても良い。
ふたりが悪いわけでもなく誰が悪いわけでもないのに
ギクシャクしてしまうのがかわいそうだけれど
仕方のないことだとも思うし、関係が少しでも進展して良かった。
舞台上で面が割れても集中しているところがすごいけれど
それをきっかけにテレビドラマのオファーが来るのも運命だなと思う。
ドラマを見ていて詳しい人が見るとおかしいことばかりというのは
能だけに限らずよくあることだと思う。
その道のプロが撮影協力していても色々な都合に流されて
修正されないこともよくある話。
気持ちだけ作っていってお任せするのは
プロ同士だからこそ成り立つのだろう。
選んだのは向こうな -
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ネタバレ海くんが左右十郎の名を継ぐということを
大人である憲ちゃんと全く同じではないかもしれないが
意識し考えているところがすごいと思うし
それが伝統芸能の家に生まれるということなのだろう。
自分じゃ駄目なのでは、と自信がなくなるのは
能が嫌なのではなくて、寧ろ好きだからなのだろう。
憲ちゃん自身、舞台に立つことが当たり前だと思っていたところから、
お母さんに「舞台以外の道も考えていい」
と言われるシーンも印象的だ。
初めて舞台を続けるかやめるかという選択肢を手に入れることになる。
続けるということが、惰性ではなくて
自分で選んで続けることになる訳で、より一層重くもなるし
真摯に向かうことになるだろ -
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ネタバレ楽の茶髪について、お客様のこと、ひいては舞台のことを
気遣って染めるべきという意見なら分かるが
そうでない理由で批判してくる意見は腹立たしい。
自分ならこうしないのにと思うことをされるとイラつくが
「それは実は自分に一番近い人かもしれない」
というおじいちゃんのアドバイスが結構衝撃だった。
生まれた時はみんなまっさらで
あらゆる性格の人間に育つ可能性があった、
だから憲人がその人のように育つ可能性もあった
という考え方は想像だにしなかった。
そうならなかったのは、認めたくなかった自分を押し込めて今の自分になったし
だからそれを発揮する人を苦手に思うのも当然
と憲ちゃんを肯定してもくれているし -
Posted by ブクログ
ネタバレ現代ならスマホの乗り換えアプリでいくらでも
自分でその場で調べられるだろうから
こんなことはないのだろうが
落ち着いて調べられる人が調べて電話で伝えて
それを待つだけではなく動けるだけ見切り発車で
動いておかなければいけないとか
この不便さがはらはらする。
火事になった家から子供を助ける。
確かにあまりにすごい理由での遅刻で
一瞬その場にマジか?という空気が流れたというのがリアルだし
楽ちゃんが「憲人さんらしいですね」と言ったのが
楽らしく憲人らしく。
人助けをした憲ちゃんが他の人にまた助けられ
お舞台に間に合うところがちょっと報われる感じで良い。
48年前にはいなかった人達、
48年後 -
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ネタバレこちらを先に読んで、後からNaturalを読んだ。
ただどちらを先に読んでも、それぞれきちんと深く描写がされていて面白い内容。
能の家に生まれて小さいときからお舞台に立つのが普通だった憲ちゃんを主人公に
彼が語る調子で物語が進んでいく。
単純に能の入門にも良いと思う。
改めて読み返してみたら、1巻からなかなかにヘビーというか
いろんな事件が巻きおこっていてすごい物語だ。
みんな良いキャラなのだが、母方のおじいちゃんがまたちょっと突き抜けていて粋だ。
憲ちゃんが痴漢の事件に巻き込まれた時
心配をかけないよう黙っていたことに対して
「家族には言いな。わかったとき情けねぇからさ」
と言ったところ -
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ひゃー!
能のうんちく話と、けんちゃんの飄々とした毎日が好きで読んでますが、いきなり急展開!
成田漫画にしたら珍しく、恋のどろどろ展開の予感!
大じいじの芸者さんネタはだいぶ前からの仕込みなので、道成寺披キの前にこの展開になるのも決まってたんですねぇ。ニヤリ。
けんちゃんはたしかに甚六だしいい人間だけども、限界ぎりぎりになったことのない人として常に描かれてたなあ、と思い返します。
元ゴスロリお弟子さんの小野寺さんの恋心も、ご近所の揉め事も、首は突っ込むけど、他人事だもんね。傍観者として接するというか。それでも助けようと働くから、いい人なのは間違いない。
でも、この人が彼氏だったらちょっと寂し -
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知る人ぞ知る
五流派のほとんどが東京にお家元がいらっしゃる現在
各地に細々とイベントなどで観る機会があっても真髄にはなかなか触れられない世界
だからこそ面白いのだけど