樋口明雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、17冊目。
最近、完結する前に読むのを止めるシリーズも多い中で、最初の頃ほどの面白さは感じないものの、飽かずによく読み続けているな。
主人公の二人の女性&二頭の救助犬に北岳の自然の魅力というのが大きいが、最近は世相をとらえた題材が扱われているところにも作者さんの趣向を感じる。
今回は、北岳でAI開発の世界的権威が滑落死した事件を巡ってのお話。
自我を獲得した超知能がシステムや人の心を操って暴走する。
少し前までなら絵空事だった設定が、想定を超えて急速に発達するAIについての議論や最近の情報漏洩問題などを思うと、真に迫った怖さを感じるところ。
登場人物とAIの会話の場面も多いが、PCの画面上でふわふわと揺れる赤い球体のアイコンが不穏というか不気味というか……。
山岳救助隊もAIドローンによる救助実験や登山用アプリの登場で最先端技術の波にさらされるが、『古くさい、アナログな肉体労働』と自嘲する救助活動の在り方も変わっていくのだろうなあ。
そんなこともあって、今回はITに通じた曾我野が中心のお話で、夏実や静奈が活躍する場面が少なくメイは登場するもののバロンは出て来なくて、ここらはちょっと物足らず。
北岳山荘の管理人をしていて、メンタルやられて、今は下界で事務仕事に専念している栗原くんって、「紅い垂壁」でナイフを拾ってしまった栗原くんのことかな?
呪われてしまった!? -
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、16冊目。
これでようやく既刊のものに追いついた、よね。
北岳で起こったクマ騒動に、幕営地での盗難事件も加わって展開していく話。
昨日もまた「八王子城跡でツキノワグマが目撃された」とニュースになっているが、全国的にクマの被害が頻発するご時世にタイムリーなお題。
人知を超えた手負い熊“片目”を巡ってページが割かれ、盗難事件はリンクするわけでもなく、いささかとってつけられた印象。
単身山に入った七倉を追い夏実と静奈が“片目”と遭遇するクライマックスは緊迫感があったが、そこまでの流れは何回も“片目”が人を蹂躙する場面が重ねられるばかりで、物語としては平板。
銃も持たずに多くの人を殺してきたクマがいる山に入っていくなんて(それをハコ長が許可するなんて)かなり無謀ではないかい。
ファンタジーのような決着は良かったような、急にリアリティがなくなったような…だが、このシリーズのテイストからすると、クマを駆除する結末にはしたくなかったのだろうね。
北アルプスにもクマが出るのかしらんと思っていたが、そこらも含めて東農大の先生が詳しく語っておられる解説がありがたい。
その解説だけでなく、農業被害や人的被害を食い止めるためになすべき野生鳥獣の捕獲や保全を民間狩猟に丸投げしていた国の政策への作者さんの考えも随所に示され、自然界に対して人間が行ってきた行為への批評は傾聴に値する。
『狩猟は熊を駆除することしかできないが、ベアドッグは生きたまま人間の生活圏から遠くへと追い払うことができる』ということを初めて知ったが、こういう取組みがうまく進むと良いのだけど。 -
Posted by ブクログ
購入本。そういえば最近新書を読んでいないなと思い、新書の積読本より今作をチョイス。読んでみた。
地方に移住して20年以上の著者が田舎暮らしの苦労を色々と教えてくれる本。新書を読んでいる感覚はあまりなく、田舎暮らしエッセイを読んでいるような感覚。めんどくさがりな自分には田舎暮らしは絶対無理だなと思った。
第一部のログハウスの話や薪ストーブの話は、あまり興味がなかったので流し読み。
第二部の狩猟問題や水問題、電気柵問題など田舎暮らしならではのトラブルの話が興味深く読めました。
私は自宅の徒歩圏内にスーパーやコンビニがない生活は無理。ほどよく便利な生活がいい。空いた時間で本が読めるから。と、この本読んで思いました。
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Posted by ブクログ
「のんではいけない」が面白かったので、何か他のものも読んでみるかと思ってこの一冊。アウトドアライフが高じてついに田舎にログハウスを立てて移り住むことを決断したものの、ログハウスは雨漏りするわ、設備屋は地元でも有名な手抜き野郎だったり、庭先に猟銃を持ったハンターがうろつくわ、ミネラルウォーター工場のせいで井戸は枯れかかるわ、無能な行政が電機柵を作るわと、数々の苦難におそわれ、しかし、それがこそが人生の醍醐味と前向きに捉えて、今日も(2年後、3年後の)冬に備えて薪を蓄える毎日。生まれたときから東京暮らして、都市を一度として離れたことのない自分には到底無理な暮らしだと思った。田舎暮しの夢は見ないことにしよう。
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Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、14冊目。
巻頭の地図がいつもと違うぞ。ヨセミテ国立公園、シエラ国立林、キングス・キャニオン国立公園…って、これはアメリカ!?
「さよならの夏」でだいぶ素性が知れてきたと思えたニック・ハロウェイだったが、まだまだ知られざる過去があったよう。
そんなニックがかつての仲間と約束していたジョン・ミューア・トレイル(JMT)に挑むためにアメリカに戻り、案じた静奈が長期休暇を取ってニックを追うという出だし。
なのだが、そこからは静奈がJMTのルートを辿ってそれを紹介する描写が続く。怪しげな人物がウロチョロはするが何も起こらず、ニックに追いついてからもトレイルの踏破を進めるばかりで、ちっとも面白くならない。
ニックが約束を果たして状況の何が良くなるのかが分からず、そもそも、かつての仕事仲間の不審死の裏にあんな背景があるとすれば、アメリカに戻った瞬間にニックも“削除”されているのではないのかしらん。
てな感じで、この設定ではバロンやメイの活躍があるはずもなく、最後の立ち回りにこのシリーズらしさがあったのでおまけで★★★にはしたが、今年最後に読んだお話としてはかなり残念。
というわけで、こちらが今年最後のレビュー。後半にペースが落ちて久し振りに100冊に届かなんだ。
だけども皆さんのレビューを参考にさせていただきながら、初読みの作者さんも多く、色々と楽しませてもらいました。
来年もよろしくお願いします。