樋口明雄のレビュー一覧

  • 逢魔ヶ刻

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    しっとりとした叙情ホラー小説。リストラされ、当て所の無い旅を続ける笹森が立ち寄った『夜見』というひっそりとした街で次々と起こる怪異…

    時間の経過が止まったような静かな街の風景描写が非常に上手い。こうした風景描写を土台に描かれる恐怖は最後には、しんみりした哀しみに変わる。

    樋口明雄の作品では『約束の地』『狼は瞑らない』『光の山脈』といった冒険小説が好みであるが、この作品も同じような香りが漂っており、なかなか読み応えがあった。

    『鬼火』の改題。

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    2013年10月06日
  • 狼は瞑らない

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    中々読み応えがあります。

    折角の山岳小説なので、
    雪山での攻防が、もう少し分量が多いと、
    もっと満足感は高いと思います。

    この手の作品に有りがちな、
    内通者も存在し、手に汗握る物語になっています。
    映画とかになれば、面白そうなんですけどね。

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    2013年10月03日
  • ミッドナイト・ラン!

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    少し軽くて物足りない気もしたけど、スカッとできる一冊。
    汚職刑事や市議会議員がもっと追い詰められる様を読みたかった。
    映画だと、さらにスピード感が出て面白そうだと思いました。

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    2013年08月31日
  • 男たちの十字架

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    新書としてのタイトルは『クライム』。文庫になってタイトルが変わったみたい。前半は新宿・歌舞伎町を舞台にどす黒い面白くもない物語が展開する。樋口明雄作品初めてのハズレかと思ったが、中盤から山に入り、一変。それまでの登場人物が複雑に絡まり合って、重なりあう。特徴は主要登場人物がみんな悪人だということ。そのせいで途中までは結構不快だった。
    功刀と千晶の最後は納得行かなかった面もあるが、最後は樋口明雄、最後はしっかりと締めてくれた。

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    2013年04月18日
  • 約束の地(上)

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    久しぶりの自然系。単純なクマ倒しの話かとおもいきや、人食いイノシシでてくるわ、人が殺されて?ミステリーだわ、娘はイジメにあうわ、新種の寄生虫がでてくるわ、とにかく収拾つかない!
    後巻を待て!!

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    2013年02月07日
  • 約束の地(上)

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    序章からの展開に引き込まれつつ、問題提起は興味深く社会性も高い。「甲斐駒ヶ岳しんどかったなぁ」と、とても美しく険しい南アルプスの山々が思い出される描写にも感嘆。さぁ、どうなる下巻!!

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    2012年11月19日
  • 武装酒場

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    父から譲り受けたので軽い気持ちで読んでみた・・けれど!

    まるで映像を見ているかのようなリアリティ!!
    登場人物が個性的すぎて、映像化するなら誰がいいかな
    なんて考えながら頭の中でドラマが繰り広げられた!
    セリフと擬音語、擬態語がおもしろすぎて、「間」さえ感じられました。
    運命としか言いようのない出来事の連続に口元が緩みっぱなしで・・・
    一気に読んでしまいました!

    オヤジさんのキャラがおもしろすぎる。
    酔っ払いの力ってすごいんだなぁ。。

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    2012年04月16日
  • 光の山脈

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    この前見つけた樋口明雄の、これまた山岳冒険小説です。
    前に読んだ『狼は狼は瞑らない』が良かったので、また試してみました。
    読んでみた結果は…、やっぱり良かったです。
    やっぱり冒険小説はこうでないと!と思ってしまう内容でした。

    産業廃棄物の不法投棄を行う組事務所とそれを見て見ぬふりをする町の人間。そこに一投を投じる兄弟。祖父の時代に町に来たのにも関わらずよそ者扱いをされる閉鎖的な町に住む彼等は、兄は町を捨てて、弟は町外れで山とともに生きる。

    でも町は非情で、山とともに生きる弟を排除しようとします。
    彼が不法投棄の告発の手引きをしたということで…。

    弟は知的障害を持っているという設定となって

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    2011年10月23日
  • 狼は瞑らない

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    標高2000mを超える険峻な山岳地帯を舞台にした決死のハードボイルド。事件の黒幕の背景が少々大袈裟な感はあるけれども、山岳警備隊等々の山の男たちの描写は胸熱くなるものがあった。満足のいく面白さです。

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    2011年05月30日
  • 武装酒場の逆襲

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    「武装酒場」の続編。前作に出ていた人物や新しい飲兵衛達が登場して、店を根城に大暴れします。今作も良い話。

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    2010年12月14日
  • 武装酒場の逆襲

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    前作に続き、バカバカしさ満載。シリアスとスラップスティックを行き来するB級なノリ。ただギターが「5弦」というのはどういうことだ?

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    2010年02月21日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    南アルプス北岳救助隊K-9シリーズ第11弾。二つの話を収録。一つは、以前の作品に登場したアイドル歌手が再登場。もう一話は息子を山岳事故で失った親が救助隊を逆恨みする話。ともに神崎静奈のアクションシーンは無かったし、夏実とメイの登場も控えめ。次々と事件を絡める筆者にしては、あっさりした展開。

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    2025年09月25日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    南アルプス山岳救助隊K9シリーズ第9弾。筆者いわく、スピンオフ的作品が続いたのて原点回帰で舞台を南アルプスにしたとか。南アルプス北岳と両俣小屋で、アクションシーンが繰り広げられる。神崎静奈の空手シーンももれなく。北岳を登るアイドルを引きこもり青年がつけねらうのと、引きこもりの少年を保険金目的に殺害しようとする話が平行して進む。

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    2025年09月12日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 紅い垂壁

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、13冊目。
    先に読んだ「愛と名誉のためでなく」とほぼ同じ時期に出されているが、こちらは長編。

    冒頭から、谷川岳一ノ倉沢で起こった滑落事故のその後と、新人隊員に手を焼きながら活動する救助隊の日常が交互に描かれていく。
    そこに、母親に置き去りにされた少年の家族の話も加わり、次はどうなるって感じでズンズンと読める。
    阿佐ヶ谷署の大柴も登場すれば、珍しく夏実が犯人と格闘したり、もちろん静奈はいつもの通りのカッコ良さ。
    「さよならの夏」の感想に『ニック・ハロウェイが何者だったのかを知りたい』と書いたが、今回でだいぶ素性が知れたり、色々と楽しめる。
    ただ、谷川岳で

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    2025年07月06日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ第十弾。異形の山って何だろう、雪男!?前半はミステリアス。途中で正体が明らかになるが、国名とか出してもいいのかな?いつも簡単に死者が出るのだが、今回は一人だけで、なんか良かった。

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    2025年06月22日
  • 白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9

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    3億円を超える宝石を強奪した犯人の一人が、冬季北岳を登る。仲間の二人が追いかける。宝石強盗を追う山岳救助隊。そんな中、ロッククライミング中の大学生が転落し負傷。救助に向かった山岳救助隊は宝石強盗に遭遇。そして雪崩。相変わらずの盛りだくさんでした。

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    2025年06月15日
  • のんではいけない 酒浸り作家はどうして断酒できたのか?

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    著者は、フリーライターでライトノベル作家。 酒浸り作家の断酒体験の本。
    若い頃から酒浸りの生活が続く著者が、都会での飲み方や移住先の山での飲み方、断酒の経緯などを紹介する。著者のお酒に関する様々なエピソードが語られて、とても面白かった。
    私自身は若い頃、会社の宴会で酒を飲みすぎて大失敗(会場で派手に吐いてしまった)して以来、自分の限界を知って、飲み方に気をつけるようになった。酒は、気分良くさせてくれるものだが、他人に迷惑をかけてはいけない。著者はアル中だったので断酒は必要だったが、酒を嗜む程度の人や普段あまり酒を飲まない人は、ここまでの決意は不要だろう。飲酒は量の問題。飲んでも理性を失わないこ

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    2025年06月04日
  • のんではいけない 酒浸り作家はどうして断酒できたのか?

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    酒浸りだった方がこのタイトル?と気になり手にとってみた。断酒のメリットを説くだけでなく人生訓的な内容もあり酒飲みの自分的には考えるとこもあった。すぐ止めようとは思わないけどもう少し節度持ちたいかな。

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    2025年06月01日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈

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    森友学園のような事件に関わった財務官僚を消そうと、あらゆる手を使う警察庁。なぜかその元官僚を守る神崎静奈。逃亡するため登山をする。話の設定はどう?と思うが、ストーリーはドキドキして面白かった。相変わらず、メインキャラ以外は簡単に死んじゃうな。

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    2025年04月13日
  • 太陽を背にうけて

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    主人公の里村乙彦は、ファミレスを営む会社で手腕を振るった管理職だったが、65歳で定年を迎える。
    帰宅した里村は、その日に妻の紀代実からいきなり離婚届を渡される。
    理由が理解できない里村は茫然自失となるのだが、考えてみると妻の言い分も渋々理解する。
    要は家庭を顧みず、仕事最優先で生きてきた40年近くの年月だった。
    妻はその間、一人娘の美紀を育て、里村に不満を言うでもなく、毎日家庭を切り盛りしてきたのだが、定年を機に離婚を考えていたのだ。
    里村は、頭の中では妻の言い分を理解しつつも、これからの生活に光明を見出せず、これまで以上にアルコールに身を任せ、悶々とした日々を送っていた。
    そんな時、一人娘の

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    2025年04月04日