樋口明雄のレビュー一覧
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この前見つけた樋口明雄の、これまた山岳冒険小説です。
前に読んだ『狼は狼は瞑らない』が良かったので、また試してみました。
読んでみた結果は…、やっぱり良かったです。
やっぱり冒険小説はこうでないと!と思ってしまう内容でした。
産業廃棄物の不法投棄を行う組事務所とそれを見て見ぬふりをする町の人間。そこに一投を投じる兄弟。祖父の時代に町に来たのにも関わらずよそ者扱いをされる閉鎖的な町に住む彼等は、兄は町を捨てて、弟は町外れで山とともに生きる。
でも町は非情で、山とともに生きる弟を排除しようとします。
彼が不法投棄の告発の手引きをしたということで…。
弟は知的障害を持っているという設定となって -
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、13冊目。
先に読んだ「愛と名誉のためでなく」とほぼ同じ時期に出されているが、こちらは長編。
冒頭から、谷川岳一ノ倉沢で起こった滑落事故のその後と、新人隊員に手を焼きながら活動する救助隊の日常が交互に描かれていく。
そこに、母親に置き去りにされた少年の家族の話も加わり、次はどうなるって感じでズンズンと読める。
阿佐ヶ谷署の大柴も登場すれば、珍しく夏実が犯人と格闘したり、もちろん静奈はいつもの通りのカッコ良さ。
「さよならの夏」の感想に『ニック・ハロウェイが何者だったのかを知りたい』と書いたが、今回でだいぶ素性が知れたり、色々と楽しめる。
ただ、谷川岳で -
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著者は、フリーライターでライトノベル作家。 酒浸り作家の断酒体験の本。
若い頃から酒浸りの生活が続く著者が、都会での飲み方や移住先の山での飲み方、断酒の経緯などを紹介する。著者のお酒に関する様々なエピソードが語られて、とても面白かった。
私自身は若い頃、会社の宴会で酒を飲みすぎて大失敗(会場で派手に吐いてしまった)して以来、自分の限界を知って、飲み方に気をつけるようになった。酒は、気分良くさせてくれるものだが、他人に迷惑をかけてはいけない。著者はアル中だったので断酒は必要だったが、酒を嗜む程度の人や普段あまり酒を飲まない人は、ここまでの決意は不要だろう。飲酒は量の問題。飲んでも理性を失わないこ -
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主人公の里村乙彦は、ファミレスを営む会社で手腕を振るった管理職だったが、65歳で定年を迎える。
帰宅した里村は、その日に妻の紀代実からいきなり離婚届を渡される。
理由が理解できない里村は茫然自失となるのだが、考えてみると妻の言い分も渋々理解する。
要は家庭を顧みず、仕事最優先で生きてきた40年近くの年月だった。
妻はその間、一人娘の美紀を育て、里村に不満を言うでもなく、毎日家庭を切り盛りしてきたのだが、定年を機に離婚を考えていたのだ。
里村は、頭の中では妻の言い分を理解しつつも、これからの生活に光明を見出せず、これまで以上にアルコールに身を任せ、悶々とした日々を送っていた。
そんな時、一人娘の