この前見つけた樋口明雄の、これまた山岳冒険小説です。
前に読んだ『狼は狼は瞑らない』が良かったので、また試してみました。
読んでみた結果は…、やっぱり良かったです。
やっぱり冒険小説はこうでないと!と思ってしまう内容でした。
産業廃棄物の不法投棄を行う組事務所とそれを見て見ぬふりをする町の人間。そこに一投を投じる兄弟。祖父の時代に町に来たのにも関わらずよそ者扱いをされる閉鎖的な町に住む彼等は、兄は町を捨てて、弟は町外れで山とともに生きる。
でも町は非情で、山とともに生きる弟を排除しようとします。
彼が不法投棄の告発の手引きをしたということで…。
弟は知的障害を持っているという設定となっておりますが、その設定、やや無理があるんじゃないの?と思ってしまいます。
山から全てを教わったこともあり、頑なな正義感を持つ彼は、許せないことは絶対に許せません。
ということで、方々でトラブルを起こすのですが、それはマトモなコトをマトモに言ったためにトラブルとなるという類のものです。
あくまでも純粋だという前提なのですが、それだったら知的障害を持っているという設定にはならないんじゃないかな?とも思いました。
というよりも、組との闘争シーンでの超人的な動きやアイディアなんかは、
障害とは無縁の話で、冒険小説の超人的な主人公の働き!そのものでした。
冒険小説にはヒロインも必要なのですが、弟の奥さんも充分にヒロインの資格のあるキャラだと思いました。
東映ヤクザ映画を見るみたいに、主人公にこれでもか!これでもか!!っていう不幸をもたらしたヤクザを、一人でやっつけていくっていうのが爽快です。
それを助ける親方や兄の同僚、刑事、みたいな魅力的なキャラもいいかんじです。
出来れば刑事をもう少し描いて欲しかったかな?です。
あと、敵役のヤクザの親分の心の闇ももう少し掘り下げて欲しかったかな?
でも、本当に面白い作品でした。
樋口明雄、これからも要チェックです!