樋口明雄のレビュー一覧
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樋口明雄『北岳山小屋物語』ヤマケイ文庫。
珍しい樋口明雄のノンフィクション。
南アルプス北岳周辺にある5軒の山小屋、白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳肩の小屋、両俣小屋を取材し、山小屋の日常とその裏側を描いたノンフィクション。
文庫化にあたり、それぞれの山小屋では、経営の変動、管理人、スタッフの異動、小屋の改装や建て直しなどの変化について追加取材、加筆されている。
山小屋に関わる様々な人間のドラマ。山小屋はアルバイト集めから始まり、シーズン前のインフラ整備やルート整備などの開業準備、山小屋の日常的な運営に加えて、さらなる苦労があるようだ。標高3,000メートルという過酷な自然の中で、発電機や水源のトラブル対応、山小屋のメンテナンスも殆ど自らの手で行わなければならないのだ。さらには山岳遭難救助やマナーを守らぬ登山客への対応と苦労は尽きない。
気候変動による台風による災害の大規模化、新型コロナウイルス感染禍などが山小屋の経営に大きな変化をもたらしているようだ。
最後に登場する両俣小屋を運営する名物女将、星美智子の語る『41人の嵐』の物語は、確かテレビ番組で再現ドラマ化され、紹介されていたのを思い出した。
定価1,210円
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樋口明雄『南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山』徳間文庫。
山岳冒険警察小説シリーズの第11弾。文庫書き下ろし。南アルプスの北岳を舞台に、山岳救助隊員と相棒の救助犬の活躍を描く『リタイア』と『孤高の果て』の2編を収録。安定、安心の面白さ。シリーズが11作を数えるのも読んでみれば、その理由が自ずと解るというもの。
このシリーズは徳間文庫、ハルキ文庫、新潮文庫、ヤマケイ文庫と4つの文庫レーベルから刊行されており、油断が出来ない。中でも『南アルプス山岳救助隊K-9』のサブタイトルが付かないヤマケイ文庫の『レスキュードッグ・ストーリーズ』には全く意表を突かれた。
『リタイア』。引退を考えるアイドルと初老の作家。山は2人に何を伝えたのか。人生の道に迷ったら、自然の中で自身を見つめ直せば、答えが見付かることもある。南アルプス山岳救助隊の星野夏実と神崎静奈は、かつて北岳で事件に遭遇した安西友梨香の所属するアイドルグループのライブの帰り、3人の若者にからまれていた初老の男性を助ける。男は作家の鷹森壮十郎と名乗り、次回作は山を舞台にした作品を構想中だという。半年後、偶然にも安西友梨香と鷹森壮十郎が同じ日に北岳を訪れる。2人は星野夏実と一緒に頂上を目指すが、途中、夏実は要救助者の捜索のため、2人と別れることになるが……★★★★★
『孤高の果て』。感動、感涙のラスト。死にゆく者への悲しみと生き続けることの苦しさ。人は誰もが運命には逆らえないが、天寿を迎えるまでは真っ直ぐに強く生きたいものだ。北岳に単独行に来て、悪天候の中、亡くなった大学2年生の中砂雅斗。現地に駆け付けた父親の和俊は息子の死は山岳救助隊の失態によるものだと糾弾する。その後、母親の瑠璃子が山岳救助隊を相手に訴訟を起こす。中砂雅斗の遭難現場に最初に駆け付けた山岳救助隊の関真輝雄は責任を感じ、事件を再検証する。突然、訴訟は取り下げられたが、ある日、母親の瑠璃子が息子の遭難現場を案内して欲しいと北岳の警備派出所を訪れる。★★★★★
本体価格750円
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<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの7冊目。
今回は北岳の警備派出署が閉鎖されている1月に起こったお話。
甲府市内の宝石店を襲撃した強盗犯が拳銃を所持したまま何故か(その理由は読者には分かっているが)北岳へと逃走し、それを追う県警の刑事は南アルプス山岳救助隊に応援を要請。夏実と静奈、2頭の救助犬が選抜される。
と簡単に書いたけど、ここまでに230頁費やし、犯人グループが犯行に至った経緯、逃走・追跡とその挙句の発砲、事件とは関わりのない北岳の中の単独行や学生二人組の登山の様子などがじっくりと描かれる。
場面はパキパキ切り替わっていくし、クライミングの様子には手に汗握り、追跡劇と警官への発砲というひと山もあってサクサク読めるが、事件を追う展開としてはややじれったいところも。
だが、極寒の北岳に入ってからは波乱万丈で危機一髪の連続。遭難者の救助、犯人との思わぬ遭遇、何度かの発砲、高山病、迫りくる雪崩、宝石を巡る諍いと、えぇ~そんな…、こんなのあり…、という場面が次々続いて、もうドキドキ。
怪我人病人が累々とする中で、今回も静奈、カッコいい。少ししか出番はないがしっかりおいしいところをさらっていく納富パイロットも流石。
一方、夏実はと言えば危ない目ばかりにあって、ちょっと可哀そう。たまには彼女にもスカッとした立ち回りをさせて欲しいな。
発行順に読めてなくて、夏実が堂島を背負って山を下った話はまた後に読むことになるのかと思っていたが、解説を読むと「ハルカの空」の「NO WAY OUT」で既に読んでいたのだった。 -
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短編はあまり好きじゃないけどこの本は同じテーマだからなのかサクサクと読める。テロを扱った小説より面白かった。
遺書
仕事、人間関係の煩わしさから単独登山に目覚めある日遭難。登山計画を出していなかったため救助される見込みもなくケガをしたため動くこともできない。遺書を離婚した妻に書くがその妻から救助要請がくる。遭難した事で家族を見直すきっかけとなる。
山の嫌われ者
五十六と言うおじいさん。我が強く皆の嫌われ者。北岳56回挑戦の最後の誕生日の日。あと少しで登頂というところでケガをした人に遭遇。歩ける状態ではないが今日、記念となる登頂の日。どっちを取るか。。。救助をとった五十六は次の日登頂し、救助隊は五十六のためにお祝いをする。
晴天の霹靂
雷が嫌いな山岳救助隊の横森。名誉挽回のため雷雲の中山頂目指して曽我野と2人無茶な行動をする。
そしてそのために命を失うことになりかねない事故が起こり恐怖心も大切だと身をもって知る。
神の鳥
雷鳥が絶滅する原因の一つに犬のフンなどが挙げられる。山岳救助犬もやり玉に上げられ存続の危機。
密猟が原因だったが自然形態がおかしくなっているのは事実である。
霧の中に
自分を家族の元に返して欲しくて山岳救助隊に現れる幽霊の話。
帰ってきた男
山で事故に遭い顔が判別できない状態になって亡くなる。山小屋の人も家族も服装で本人と判断し葬式の途中で帰ってくる。持ち物も血液型も一緒の死人は同じ職場の人で不正操作を知られて計画犯罪をしようと同じ服を購入し山に登るが途中で滑り落ちるという間抜けな話。
父の山
深町は仕事一徹で苦労を重ねた母親が亡くなった事で父親とわだかまりが生じていた。定年退職した父が山に登った事を知り探しにいく。親子の絆を深める話。
サバイバーズギルト
生存者の罪悪と言う意味の題名のように冬山に登る途中、相方が足を凍傷。動ける状態ではなく携帯も悪天候で濡れて使えなくなる。1人下山し助けを求めるがなくなってしまう。 罪悪感に家庭も崩壊の危機。山に登った事を知った神崎は仕事とは別で探しにいく。
辞表
リニア新幹線トンネル工事反対のデモを鎮圧するために女性や子どもを相手にしてほしいと要請。本当はそういう訓練を受けていないので拒絶できるが断りきれず神崎と星野が行くことに。あまりの横暴さに星野は止めるが逆らうなと殴られ大事となる。
周りに迷惑をかけたため辞表を提出。深町は星野が傷ついている事を知り慰める。愛が芽生えたような書き方に今後が知りたい。
向かい風ふたたび
北岳以外の山岳捜査。休暇中の星野はメイの母犬災害救助犬の理事宅へ遊びに行く。そこで要請を受けて行くが行方不明になった状況、情報が皆無のなか
捜索を開始する。
この題名と話の意味する向かい風とは何なのかわからないまま話は終わる。
相棒
進藤の山岳救援犬が末期の癌。ショックの進藤は有給を取って北岳に登りに行く。心なしかカムイが少し元気になった気がして体調をみながら登っていく。途中雪崩に遭遇し人影が見えた希がしてカムイと捜索にあたる。カムイは吐血しながらも救助し帰ろうとした矢先に進藤らに雪崩が直撃。カムイは吐血しながらも単独で登りにきていた松戸に助けを求める。カムイ最期の仕事は一緒に働いた進藤を救援する事だった。
夏のおわりに
中年の釣り人に出会う星野。その人はこの川で妻を亡くし失望の中釣りで気を紛らわしていると知る。気にはなりながらもその後会う事もなかったが川で人が死んでいると通報を受け星野は自分が行くと挙手。違う人でホッとするが余計に気になりまた出会った場所へ行くとその人の妻愛用のマグカップが。そこには星野宛に手紙が添えられていた。もしかしたら届かないかも知れない手紙に感謝と海外で働くことがしたためられていた。
出会いによって人生が大きく変わるその手紙の後に作者の後記に漫画家の偶然の出会いとその人からもらったプレゼントのナイフ。そこでキャンプを思いつき、登山にのめり込むようになり今の自分がいる。
人生に無駄はないとはこのことかも知れない。
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<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの4冊目。今度は新潮になった。
見慣れた北岳周辺の地図ではなくなったと思ったら、今回の舞台は幻の名峰として人気の新羅山(岐阜県のどの辺りにあるか調べたが架空の山だった…)。
やくざの世界から抜けるために誘拐を企てた男女と攫われた少年、彼らを追う組織に雇われたヒットマン、噴火の兆候を感じる火山地質学の大学教授、登山サイトで募集された山岳ツアーの参加者、そして救助犬チームの講演に招かれた夏実と静奈にメイとバロン。
前半は物語の舞台に集まってくる人々が丹念に描かれて、少しじれったくなるくらい。
しかし、舞台が整ってからは一気呵成。山は動き出し、教授は焦り、少年は脱出し、誘拐犯はそれを追い、ヒットマンは更にそれに迫り、ツアーの参加者はバラバラになり、救助隊は山に入る。
これでもかという噴火の描写に加えて、それぞれの行動が徐々に距離を詰め縦横に絡みあって畳み込むような展開に頁を繰る手が止まらず。
前作に続いて静奈とバロンが頼れるところを見せるが、今回はメイにも見せ場あり。異様な状況の中でも人を信じて駆け回る姿が出色。 -
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さて、シリーズ3冊目。
このシリーズを読み始めたのは、何かでこの巻を見て、タイトルと表紙の絵に惹かれたからだった。
今回、見慣れた地図がストーリーにあわせてちょっと変わったみたい(何故だか出版社も変わっているし)。
シリーズ初の本格的長編だが、これがなかなか面白かった。
北岳山荘を制圧しVXガスを盾に政府に要求を突きつけるとは結構無茶な設定だが、私怨とも公憤ともつかぬ犯人の動機と右往左往する無能な閣僚たちのコントラストを見せられれば、さもありなんと思わされる。
そんな中、内幕を知らされないまま陸の孤島になった北岳で行動する人々と犬たち。これがまたそれぞれに持ち味全開で見せ場あり。
外で作業していたために捕まらずに済んだ山小屋の従業員・松戸と休暇で山を離れていた静奈&バロンもなかなかの立ち回りだったが、江草隊長の判断や県警ヘリ・納富と自衛隊・矢口のやり取り、ミサイルを分解する関隊員の姿などちょっとしたところにも随所に光るところがあり、物語を堪能できた。 -
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樋口明雄『南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山』徳間文庫。
山岳救助犬&救助隊員が活躍する山岳小説シリーズの第10弾。文庫書き下ろし。
まるで、あの大傑作『約束の地』を彷彿させるようなストーリーに大興奮のうちに読み進む。非常に面白い。荒唐無稽な大事件の真相については道義上、余り触れられないのがもどかしいのだが、現実味のある真相であることだけは付け加えておく。読めば解る。
南アルプスの北岳で謎の火球が目撃された後、北岳にある白根御池小屋が破られ、備蓄食料が荒らされた。通報を受けて現場に到着した山岳救助隊の進藤諒太と相棒の川上犬リキが目撃したのは人間業とは思えぬ破壊の光景だった。現場に残された白い毛玉と人間のような足跡……
その後、北岳の冬季ルートで山岳カメラマンが望遠レンズで稜線に白い毛に覆われた生物の姿を捉える。さらには登山客のテントが謎の生物に襲撃され、怪我人が出たことから北岳は入山禁止となる。
謎の白い毛に覆われた生物は雪男なのか、それとも宇宙から来た地球外生命体なのか……
本体価格750円
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樋口明雄『南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓』徳間文庫。
シリーズ第9弾。文庫書き下ろし。
南アルプスの自然とは無縁なはずのネグレクトや引き籠り、ネット犯罪という現代社会の病巣を巧くテーマに取り入れ、南アルプス山岳救助隊のメンバーの活躍と山に生きる人びとの暖かさを描いた感動の傑作。
第一章に描かれた深町の言葉、「この国の人間はどんどん“劣化”が進んでいると思う。」は、まさにその通りだと思う。今の世の中は個人の権利や自由を優先し、義務を果たさない人間が増えた挙げ句、何時の間にか人間の心が荒廃しているようだ。しかし、その中でも真っ当に歩み出そうとする者と道を踏み外してしまう者がいる。
今回は、南アルプスの北岳を巡る2つの物語が同時進行する。
以前、登山中に叔母と共に救助された13歳の少年・悠人は、暴力団の父親のDVから逃れるために叔母に連れらて再び南アルプスを訪れる。南アルプス山岳救助隊員の星野夏実と深町は悠人を両俣小屋の加賀美淑子に預けるが、殻に綴じ込もったままの悠人はなかなか心を開かないことに胸を痛める。
一方、都内に暮らす35歳の桜井和馬は自宅に引き籠りながらハッカーとしてネット犯罪に手を染め、不正に金儲けをしていた。ある日、和馬は芸能事務所のサイトを不正にハッキングし、お気に入りのアイドルグループのリードヴォーカル・安西友梨香がテレビの企画で北岳登山を計画していることを知ると自分も一緒に登山することを計画するが……
後半の怒濤の展開にはページをめくる手が止まらず!
このシリーズは徳間文庫にハルキ文庫、新潮文庫にヤマケイ文庫と出版元が次々と変わるので、全く油断が出来ない。さすがにヤマケイ文庫の『レスキュードッグ・ストーリーズ』などは『南アルプス山岳救助隊K-9』のサブタイトルも無く、暫く見逃していた。
本体価格740円
★★★★★ -
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犬と人間の心の交流を描く五編の短編集。
「グッドバイ」
「バックパッカー」
「疾風」
「遠吼え」
「向かい風」
うち後半の三篇が印象的でしたが、最後の一篇のみストーリーを途中まで紹介。
「向かい風」
高津弥生は2008年、国際緊急救助隊として、今までの職を辞して、牝のボーダーコリーのエマとともにNPO法人ジャパンレスキュードッグスの活動で中国へ行き地震の被災地の小学校に入りますが、活動中にガス爆発で、一緒に被災地入りした、二人の仲間と犬を失ってしまいます。
それが、トラウマになり弥生はエマと日本で何もできずに、休養中の山の中で、遭難事件が起こります。
東京から来た双子の女の子が、行方不明なので一緒に捜して欲しいと地元の警察から頼まれます。
警察は二人の少女を絶望視していますが、エマが吠えたのです。
救助犬の人間の為の立派な活躍に胸がいっぱいになりました。 -
購入済み
浮かび上がる情景
引き込まれるように読みました。
山々の景色、メイの瞳、人々の動きや表情が、あたかも映像のように浮かび上がり入ってきました。命の息吹を吹き込んでくれる傑作だと思います。
他のご著書も拝読します。 -
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4.8
もうとっくに跡形も無くなっていると思っていた。
けれども、痕跡すら無くなっていたハズのその傷に触れられたら、やっぱり血が出て来て驚いた・・
秘密基地で繰り広げられるおバカな日常・・
エロ本やクラスの女子への狂騒と照れ隠しには、声を上げて笑った。(ただし自分の感覚では小学校6年位だったな)
所々に流れる昭和の名曲達には思わずハミング。
そして・・上関のキャンプである。
すっかり暗くなった空の下で焚く、拾い集めた流木での焚火。
食事を終え、する事が無くなってボーっと見つめる火床の描写が余りにもリアルな為、何十年も前の砂浜に意識が飛んで、その煙の匂いや明滅する熾を前にして涙が出ていた。
オサゲが隣で微笑むのが、また涙が出るほど嬉しくて切ない。
(僕等に無かったのはテントとオサゲ・・キャンプというより野宿やった。笑)
ノッポが言う・・
「俺らやっぱし、いつまでも子供でいられんのじゃのう」
「ああやって傷ついたり、血を流したり、泣いたりして、少しずつ大人になっていくんと違うかのう」
思えば、
自分の人生で初めて「慟哭」という名の感情の在りようを経験したのも、友の死だった。
本当の意味の「喪失」の想像を絶する残酷さも。
◯森木健一(モリケン)・・小説家を夢見る中二。ノッポ、ムラマサ、ミッキーの三人といつも秘密の基地でたむろす。イジメに遭う幼馴染・陽子に想いを寄せるが救う勇気が出ない。
◯北山登(ノッポ)・・モリケンの親友。マンガ家を目指す。父譲りのミノルタで写真を撮りまくる。漢気があふれる奴。
◯村尾将人(ムラマサ)・・母子家庭に育ち、破天荒な困った奴。中学生にしてアル中。拾ったバイクを器用に再生する。
◯幹本靖弘(ミッキー)・・東京から転校してきた垢抜けた男子。兄から貰ったギターでボブ・ディランを弾く。クラスで唯一ボウズでない。
◯松浦陽子(オサゲ)・・四人のクラスの女子。
イジメを受け登校拒否に。モリケンの訪問をキッカケに立ち直る。
やがて・・
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Posted by ブクログ
決して女には立ち入れない男達の世界。
警視庁警備部に在籍しSPとして、エリート警察官だった佐伯。
その佐伯が、なぜ山岳警備隊に??
キャリアを捨て山岳地帯で遭難者を助ける佐伯が
次から次へと命を狙われ羽目に・・・。
雪山で繰り広げられる死闘。
仲間の死。
しつこい程、追いかけてくる奴等。
山の厳しさ、過酷さの中の
男達の闘いが、とにかく熱い!!
山で命を落とす人の死に方が、詳細に書かれていて
全く知らなかったので唖然とした。
佐伯の寡黙な生き方と、そんな佐伯を見守る仲間達の
熱い絆が、泣ける!!
登山や山の厳しさが丁寧に書かれていて
その丁寧さが、丁寧過ぎずに読みやすく
私事が言うのは何ですが(笑)
凄く物語りの強弱??が上手かったです。
山岳メンバー、一人一人も魅力的で
とても楽しめた作品。
臨場感たっぷりでいて、ハラハラドキドキもあり
そして、泣ける場面もあり。
何と言っても山の厳しさの中
男達が命を掛けて人命救助に向かうのが
格好良すぎます。 -
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樋口明雄『レスキュードッグ・ストーリーズ』ヤマケイ文庫。
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの短編集。文庫本特別収録の1話を含む全13話を収録。徳間文庫、ハルキ文庫、新潮文庫と続き、今度はヤマケイ文庫からの刊行となかなか忙しい。 しかも、ヤマケイ文庫から刊行されたのを見逃していた。
冬山で遭難した男、嫌われ者の頑固爺さん、急変する山の気象、失われいく自然と人間のエゴ、山の怪異、大切な人との別れ……日常よりも生と死を強く感じる山を舞台に様々なドラマが描かれる。他のシリーズ作品はサスペンス冒険小説の色合いが濃いのだが、本作は泣ける感動的な話が多いようだ。
『遺書』『山の嫌われ者』『青天の霹靂』『神の鳥』『霧の中に……』『帰ってきた男』『父の山』『サバイバーズ・ギルド』『辞表』『向かい風ふたたび』『相棒』『夏のおわりに』『彼方の山』を収録。 -
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樋口明雄『炎の岳 南アルプス山岳救助隊K―9』新潮文庫。
南アルプス山岳救助隊シリーズ。徳間文庫、ハルキ文庫と続き、今度は新潮文庫からの刊行となかなか忙しい。『火竜の山』の改題。
相変わらず面白く、このシリーズはハズレが無い。今回、静奈と夏実の前に立ち塞がる敵は自然の猛威と誘拐犯に謎の凶悪殺人犯だ。山岳アクション冒険小説とピカレスク小説の二つが同時に楽しめる贅沢な作品。
登山客で賑わう幻の名峰、新羅山を群発地震が襲う。火山学者は噴火の警告を出すが、行政側に黙殺される。やがて噴火が始まり、逃げ遅れた登山客を救出するために静奈と夏実はバロンとメイを伴い、山頂へと向かう…… -
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樋口明雄『風に吹かれて』ハルキ文庫。
文庫書き下ろし。著者の出身地である山口県岩国市を舞台にした傑作青春小説。舞台に加え、描かれている年代から考えても著者自らの体験をベースにした自伝的作品であると推測される。著者とは年代が近いこともあり、描かれている年代の流行や文化に懐かしさを覚えた。
物語は1973年の夏から始まり、2018年の夏で幕を閉じる。あくまでも物語の中心は1973年で、2018年は著者のあとがきなような感じである。1973年の夏に中学2年生のモリケンこと森木健一が幼なじみのノッポ、ムラマサ、転校生のミッキーラと繰り広げる小さな冒険。山と川と海、秘密基地、友情に喧嘩に恋に冒険と、400ページ余りの作品の中には中学時代に誰もが味わった喜怒哀楽の全てが詰まっている。
タイトルの『風に吹かれて』は作中にも度々登場するボブ・ディランの名曲から。