あらすじ
甲府市内の宝石店が強盗グループに襲撃された。警備員二名を殺傷し、三億七千万円相当の宝石を強奪した犯人たちは、なぜか冬の北岳へと向かった!追跡する刑事たち、それをバックアップする山岳救助隊の夏実や静奈。そして救助犬二頭。非情な裏切りや、果てなき欲望が渦巻く白い山。その静寂を切り裂いて、一発の銃声がしたとき──!(解説:村上貴史)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの7冊目。
今回は北岳の警備派出署が閉鎖されている1月に起こったお話。
甲府市内の宝石店を襲撃した強盗犯が拳銃を所持したまま何故か(その理由は読者には分かっているが)北岳へと逃走し、それを追う県警の刑事は南アルプス山岳救助隊に応援を要請。夏実と静奈、2頭の救助犬が選抜される。
と簡単に書いたけど、ここまでに230頁費やし、犯人グループが犯行に至った経緯、逃走・追跡とその挙句の発砲、事件とは関わりのない北岳の中の単独行や学生二人組の登山の様子などがじっくりと描かれる。
場面はパキパキ切り替わっていくし、クライミングの様子には手に汗握り、追跡劇と警官への発砲というひと山もあってサクサク読めるが、事件を追う展開としてはややじれったいところも。
だが、極寒の北岳に入ってからは波乱万丈で危機一髪の連続。遭難者の救助、犯人との思わぬ遭遇、何度かの発砲、高山病、迫りくる雪崩、宝石を巡る諍いと、えぇ~そんな…、こんなのあり…、という場面が次々続いて、もうドキドキ。
怪我人病人が累々とする中で、今回も静奈、カッコいい。少ししか出番はないがしっかりおいしいところをさらっていく納富パイロットも流石。
一方、夏実はと言えば危ない目ばかりにあって、ちょっと可哀そう。たまには彼女にもスカッとした立ち回りをさせて欲しいな。
発行順に読めてなくて、夏実が堂島を背負って山を下った話はまた後に読むことになるのかと思っていたが、解説を読むと「ハルカの空」の「NO WAY OUT」で既に読んでいたのだった。
Posted by ブクログ
樋口明雄『白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9』ハルキ文庫。
K-9シリーズ……言わずと知れた傑作山岳冒険警察小説シリーズである。このシリーズは様々な出版社から刊行されているので、もはや第何作なのか解らなくなってしまったが、本作もまた期待を裏切らない面白さだった。
甲府市内の宝石店から三億円もの宝石を強奪し、警備員2名を殺傷した3人の凶悪犯が冬の北岳に向かう。犯人を追跡する刑事たちをバックアップする山岳救助隊の夏実と静奈であったが、さらなる試練が……
Posted by ブクログ
甲府市内の宝石店が強盗グループに襲撃された。警備員二名を殺傷し、三億七千万円相当の宝石を強奪した犯人たちは、なぜか冬の北岳へと向かった!追跡する刑事たち、それをバックアップする山岳救助隊の夏実や静奈。そして救助犬二頭。非情な裏切りや、果てなき欲望が渦巻く白い山。その静寂を切り裂いて、一発の銃声が谺したとき―!
このシリーズは断続的に読んでいる。「ブロッケンの悪魔」以来か。登攀シーンや救助シーンは実にスリリング。もっとも冬山登山には縁がありませんが。
「銀嶺の果て」という古い日本映画がある。あちらは銀行強盗三人組が北アルプスに逃げ込む話だったが、関係はないですね。
まだまだ未読の作品が多いが、今のところ著者の作品のベストは「狼は瞑らない」だと思っている。いずれ読み返してみよう。
Posted by ブクログ
3億円を超える宝石を強奪した犯人の一人が、冬季北岳を登る。仲間の二人が追いかける。宝石強盗を追う山岳救助隊。そんな中、ロッククライミング中の大学生が転落し負傷。救助に向かった山岳救助隊は宝石強盗に遭遇。そして雪崩。相変わらずの盛りだくさんでした。
Posted by ブクログ
山岳救助隊シリーズ。
今回は甲府市内で起きた宝石強盗殺傷事件の犯人が雪の北岳へと向かい、警察官として関わった夏実が、救助隊として雪山で困難に立ち向かうような感じで、またハラハラさせられます。
とても引き込まれるのですが、事件性の強いストーリーが続くので、そろそろ山岳色が恋しくなってきました。