樋口明雄のレビュー一覧

  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ11作目。
    いつものように、夏美と神崎の2名の山岳救助隊警察官・ハンドラーが遭遇する様々な事件。

    天空の犬も流石に11作目ともなると、シリーズ初期の作品とは異なり、夏美とメイだけが主人公になることはない。
    山岳救助隊の面々が、様々な場面で遭遇する日常の事件。そこに各メンバーの個性を活かした展開がある。
    本作は2つのエピソードを合わせた中編集。
    朝の電車で読み始めたのに、帰りの電車までもたないという面白さ。
    私は北岳に入ったことがないけれど、八ヶ岳付近にはしばしば通っている。
    今回も、本書を読みつつ、脳裏に山の景色が浮かんできた。
    次の作品を読めるようになる日

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    2022年11月18日
  • 屋久島トワイライト

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    天空の犬シリーズの樋口明雄さんが書く、自然の中の異界もの。

    屋久島であれば舞台にととしては不足なし。
    ミステリーと自然と、女子と山男。
    長く導入を引っ張った割に、呆気ない終わり方と後に続きそうな展開を残して終わる。
    なかなか面白かった。

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    2022年11月16日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    〈南アルプス山岳救助隊K-9〉シリーズ第11作。
    長いシリーズとなったが救助隊の面々、特に夏実や静奈の状況には変わりはない。二人とも思い人あるいは思われ人はいるが、進展する様子もない。じれったいような気もするがこのままでも良いようにも思う。特に静奈と大柴はこのまま友情関係というか同志関係で良いのではないかとも思っている。

    今回は2編。
    「リタイア」
    以前「風の渓」で出会ったアイドル・安西友梨香と、初老の作家・鷹森壮十郎がそれぞれの思いを胸に北岳に登る。途中まで夏実が同行するも、遭難の連絡により離脱。「風の渓」で遭遇した事件のトラウマを引き摺る友梨香と登山初心者の鷹森。これで何も起こらない筈は

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    2022年11月14日
  • 北岳山小屋物語

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    日本で二番目に高い山、北岳の山小屋にまつわる物語。両俣小屋が特に印象に残ったかなー。今年は北岳企画したものの天気が悪くいけなくて、来年こそ行きたいなぁと思った!

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    2022年11月12日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    お気に入りの南アルプス山岳救助隊シリーズ。

    北岳に現れた異形の生物は、何者なのか。
    宇宙生物か、雪男か?
    ちょっと話が飛び過ぎているのでは…と不安になりながら読み進める。

    ネタバレになるので詳しくは書けないが、猟師やYouTuberなど、登場人物がしょうもない男達で、共感しにくかった。

    でも今作では、救助犬リキが懸命に働く。
    そして山で生きる人間が思う、自然の中の神聖なものが、やはり描かれている。
    樋口さんの作品は、個人的にはそこに一番惹かれているかもしれない。

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    2022年07月04日
  • 田舎暮らし毒本

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    田舎への憧れは全くないですが、自分の想像以上に厳しい現実があるんだと

    あらためて再認識。

    そこそこの都会がいいというのが、自分の見解。

    自分はどこかに移住する気は、今のところゼロです。

    それでいいな、と再認識させられた1冊でした。

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    2022年06月26日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの5冊目。
    順番に読もうと思っていたが、なかなか中古本屋で見かけないので、この前見つけた文庫最新作のこの本に行ってみる。

    しかし“火球に乗って北岳に落ちてきた雪男”とは、『三流SFホラー映画じゃあるまいし』P.45 といった出だし。
    勿論、三流…ではなく真っ当な展開になるのだが、防衛省が出張ってきた段階でネタバレかな。

    それにしても、不明生物を観光立地のマスコットにしようとする職員も、猟果に拘る猟師も、一発当てんとするYouTuberも碌なやつはいないな。
    そうでなくては話が成り立たないのではあるが、そうした愚かな人間たちを“雪男”が哀れむ体の作りにな

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    2022年05月28日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    〈南アルプス山岳救助隊K-9〉シリーズ第10作。

    今回はなんと『北岳に雪男出現?』の巻。
    冒頭は大学生が登山中に目撃した流れ星。その後、山小屋の厨房が破られて食料が荒らされた現場から謎の白い毛玉が。そして山岳カメラマンが望遠レンズで捉えたのは白い毛に覆われた、人に似た大型の猿のような姿。この生物は何なのか、宇宙から来たのか?

    荒唐無稽な話かと思ったら、そこは樋口さんのこと現実性ある話にしてくれた。
    謎の生物は登山者のテントを襲ったり、特別天然記念物のライチョウを襲ったり、いつ人的被害が出てもおかしくない状況。
    北岳はついに入山規制がされ、本格的に謎の生物捜索となるのだが、勿論そう簡単にはい

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    2022年03月27日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ。

    今回は二つの物語が同時進行していく。

    一つは両親からの虐待ですっかり心を閉ざしている少年・悠人の話。
    唯一彼を気にかけている伯母に連れられて南アルプスにやって来た縁で、一時的に両俣小屋に預けられることになった悠人。一日中ゲームをしているだけだったのだが、釣りをきっかけに小屋の管理人・加賀美叔子始めアルバイトスタッフたちとも心を通わせるようになっていく。
    だが悠人の父親の会社が破産し、ヤクザとつながりのある父親は悠人にとんでもない危害を加えようとしている。

    もう一つはハッカー・桜井和馬の話。
    表向きは引きこもり、だが実はハッキングで多額の金を稼いで

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    2022年02月04日
  • 田舎暮らし毒本

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    大好きな作家さんの北杜市移住生活を描いたノンフィクション。ログハウス、薪ストーブ…、あこがれる人は多いが現実は甘くない。前半は移住のノウハウがいっぱいで、後半はなかなかお目にかかれないトラブル談。もともと田舎に住んでいる自分は春先から草刈り、庭木の剪定、薪づくりに忙しい。作業後のビールを楽しみに。

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    2021年10月30日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    シリーズ10作目。
    冬の北岳で起きた火球の目撃情報。そして尾池小屋では何者かに厨房を荒らされていた。
    他にも登山者のテントが襲われ、けが人も何人か発生し、目撃情報から、「雪男」が犯人らしいと見当をつけた山岳救助隊のメンバーは狩猟会のメンバーと共にパトロールを始める。
    火球や雪男の情報はYouTubeなどで拡散され、世間の話題に…
    一躍人気YouTuberになる為に、冬山の登山経験もほとんどないのに北岳に入る大学生や、自分たちのエゴの為だけに雪男を仕留めようと、勝手に狩猟を始める狩猟会のメンバーなど、冬の北岳の自然をバックに様々な人物の思惑が巡り巡る展開。
    正直、帯の「雪男」にはちょっと引いたし

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    2021年10月09日
  • ヤマケイ文庫 レスキュードッグ・ストーリーズ

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    山岳救助隊シリーズの中で、この作品は何故か気付かずに漏れていた。
    北岳での救助の日々を短編集にした感じ。
    特に注目したのは第4話「神の鳥」。
    私の大好きな『約束の地』の七倉航が八ヶ岳からライチョウ調査にやってくる。
    七倉の相棒は、熊を山へと追い払うベアドッグのダン。このシリーズでは救助犬が相棒として登場する。どの犬も強く賢くそして愛情深いのが、たまらなく良い。

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    2021年04月30日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    シリーズ第9弾。
    あとがきにもあるが、前作では舞台が北岳ではなかったので、久しぶりに舞台が北岳に戻って来た!と言う印象。
    山岳救助隊が待機する山小屋のオーナーも代替わりし、これまでバイトだった松戸がオーナーとなったり、シリーズと共に時代の変化も感じる。
    今作では引きこもりの少年を、ひょんなことから預かることになり、その少年の命を狙う義父の手から、必死に少年を守ろうとする夏美たち。
    同時に「山ガール」として知られるアイドルが、撮影の為に北岳に登るが、その取り巻きに怪しい人物を見つける夏美。
    夏美の予感は当たり、美しい北岳を舞台に凄惨な事件が起こる、と言う展開。
    久しぶりに夏美と深町のパートがあり

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    2021年01月20日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈

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    山岳救助隊シリーズ。
    『クリムゾンの疾走』に出てきた阿佐ヶ谷署の大柴が、被疑者の移送を命じられて南アルプス署にやってきて、事件に巻きこまれ、警察と秘密公安組織〈キク〉から追われ始める。
    周りの誰も信じられなくなる中、被疑者高沢を守って動く大柴。大柴を助けようと追う静奈。
    ハイスピードで一気読みして、面白かったけれど…山岳救助隊としての話が恋しい。

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    2020年11月28日
  • 炎の岳―南アルプス山岳救助隊K-9―(新潮文庫)

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    「天空の空」を読んで面白かったので読んだ。夏実の成長もあり、メイ・バロンも相変わらず可愛い。誘拐に救助に、火山噴火にと盛り沢山。お腹いっぱいな感じもある。

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    2020年08月28日
  • 光の山脈

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    冒険小説、猟師もの、ハードバイオレンス、そして、犬。狼犬、憧れる〜。
    しかし、私は、楽しめなかった。死が多すぎる。「K9」シリーズの優しさからは、かけ離れたところにある内容だった。

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    2020年05月06日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈

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    〈南アルプス山岳救助隊K-9〉シリーズ。

    「クリムゾンの疾走」の阿佐ヶ谷署の大柴が再登場。
    南アルプス署に勾留中の窃盗被疑者の移送を命じられ、後輩刑事と共に車で移送中、何故か大型トラックに追突される。しかしこれは悪夢の始まりでしかなく…。

    『大藪春彦の小説じゃねえんだ』
    という大柴のセリフがあるが、私に言わせれば『新宿鮫』かよ!という印象。あっちは桜田商事(あるいは桜井商事?)だったかな。

    つい最近、政治の世界で大いに盛り上がったあの問題が取り上げられているが、そこにここまで冒険要素を絡めるとは。
    こんなことが、まさか現実にはないだろう…と言い切れないのも政治の世界に不信感が高まっている

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    2020年03月03日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 クリムゾンの疾走

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    ネタバレ

    都内で発生しているシェパードを狙った事件に、たまたま上京していた静奈とバロンが巻き込まれる。
    物凄い勢いで話が突き進んで読み切ったのは、やはり読み易いのだと思うが…
    事前に助けた人が、実は下見に来た犯人だったというのは、どこかで読んだことがあるようなありがちな感じも。

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    2020年01月11日
  • 白い標的 南アルプス山岳救助隊K-9

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    山岳救助隊シリーズ。
    今回は甲府市内で起きた宝石強盗殺傷事件の犯人が雪の北岳へと向かい、警察官として関わった夏実が、救助隊として雪山で困難に立ち向かうような感じで、またハラハラさせられます。
    とても引き込まれるのですが、事件性の強いストーリーが続くので、そろそろ山岳色が恋しくなってきました。

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    2019年12月16日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈

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    やはり、樋口明雄氏の書く本は面白い。
    冒頭から切れ目なく続く連続した緊迫感と繰り出されるアクション。
    そして、静かで切なく、自然の中で、きっちりと方をつけるエンディング。
    天空の犬シリーズの読者には堪らないし、天空の犬シリーズを知らない人にもお勧めできる一冊。

    冒頭出てくるのは、いつもの星野夏美と神崎静奈。
    天空の犬シリーズの始まりかな?と誤認するのだが、すぐに彼女たちは山を下りる。
    その後、夏美は姿を消し、美しき武闘家神崎静奈巡査の戦いが始まる。
    樋口氏の書く物語の背景は、いつもとてもリアル。
    日本の国という組織、政治、そして警察という組織に存在する悪。そのリアルに翻弄される現場警察官と元

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    2019年11月12日