樋口明雄のレビュー一覧
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<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、14冊目。
巻頭の地図がいつもと違うぞ。ヨセミテ国立公園、シエラ国立林、キングス・キャニオン国立公園…って、これはアメリカ!?
「さよならの夏」でだいぶ素性が知れてきたと思えたニック・ハロウェイだったが、まだまだ知られざる過去があったよう。
そんなニックがかつての仲間と約束していたジョン・ミューア・トレイル(JMT)に挑むためにアメリカに戻り、案じた静奈が長期休暇を取ってニックを追うという出だし。
なのだが、そこからは静奈がJMTのルートを辿ってそれを紹介する描写が続く。怪しげな人物がウロチョロはするが何も起こらず、ニックに追いついてからもトレイルの踏破を進めるばかりで、ちっとも面白くならない。
ニックが約束を果たして状況の何が良くなるのかが分からず、そもそも、かつての仕事仲間の不審死の裏にあんな背景があるとすれば、アメリカに戻った瞬間にニックも“削除”されているのではないのかしらん。
てな感じで、この設定ではバロンやメイの活躍があるはずもなく、最後の立ち回りにこのシリーズらしさがあったのでおまけで★★★にはしたが、今年最後に読んだお話としてはかなり残念。
というわけで、こちらが今年最後のレビュー。後半にペースが落ちて久し振りに100冊に届かなんだ。
だけども皆さんのレビューを参考にさせていただきながら、初読みの作者さんも多く、色々と楽しませてもらいました。
来年もよろしくお願いします。 -
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<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、13冊目。
先に読んだ「愛と名誉のためでなく」とほぼ同じ時期に出されているが、こちらは長編。
冒頭から、谷川岳一ノ倉沢で起こった滑落事故のその後と、新人隊員に手を焼きながら活動する救助隊の日常が交互に描かれていく。
そこに、母親に置き去りにされた少年の家族の話も加わり、次はどうなるって感じでズンズンと読める。
阿佐ヶ谷署の大柴も登場すれば、珍しく夏実が犯人と格闘したり、もちろん静奈はいつもの通りのカッコ良さ。
「さよならの夏」の感想に『ニック・ハロウェイが何者だったのかを知りたい』と書いたが、今回でだいぶ素性が知れたり、色々と楽しめる。
ただ、谷川岳ですごい偶然が重なった上に、伸彦があれで警察の捜査が自分には及ばないと思っているのや、透子が警察の手を借りず自身の手で犯人に報いようとするなど、設定はかなり雑。
『どうしていつも“北岳”なんですかね』に、『どうしてどいつもこいつも“北岳”なのよ』と、二度も突っ込みがあるところは、作者さんも自覚あり?
“購入した人間が非業の死を遂げてはナイフだけが何故か店に戻ってくる”、そんな呪いがかかっているというナイフを拾ってしまった栗原さん、大丈夫か?(しかし、どうしてあそこに落ちてるの?) -
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著者は、フリーライターでライトノベル作家。 酒浸り作家の断酒体験の本。
若い頃から酒浸りの生活が続く著者が、都会での飲み方や移住先の山での飲み方、断酒の経緯などを紹介する。著者のお酒に関する様々なエピソードが語られて、とても面白かった。
私自身は若い頃、会社の宴会で酒を飲みすぎて大失敗(会場で派手に吐いてしまった)して以来、自分の限界を知って、飲み方に気をつけるようになった。酒は、気分良くさせてくれるものだが、他人に迷惑をかけてはいけない。著者はアル中だったので断酒は必要だったが、酒を嗜む程度の人や普段あまり酒を飲まない人は、ここまでの決意は不要だろう。飲酒は量の問題。飲んでも理性を失わないことが大切。とても面白い本だが、酒好きの人には耳が痛いかも。 酒とタバコは、精神衛生上必要という潜在的な中毒の人たちに薦めたい。 -
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主人公の里村乙彦は、ファミレスを営む会社で手腕を振るった管理職だったが、65歳で定年を迎える。
帰宅した里村は、その日に妻の紀代実からいきなり離婚届を渡される。
理由が理解できない里村は茫然自失となるのだが、考えてみると妻の言い分も渋々理解する。
要は家庭を顧みず、仕事最優先で生きてきた40年近くの年月だった。
妻はその間、一人娘の美紀を育て、里村に不満を言うでもなく、毎日家庭を切り盛りしてきたのだが、定年を機に離婚を考えていたのだ。
里村は、頭の中では妻の言い分を理解しつつも、これからの生活に光明を見出せず、これまで以上にアルコールに身を任せ、悶々とした日々を送っていた。
そんな時、一人娘の美紀から「ねえ、お父さん。新しい仕事を見つけてみたら?」と告げられる。
このままの生活を送ることに不安を感じていた里村は、学生時代に登山部だったこともあり、山小屋でのアルバイトに絞ってネットで検索を始めた。
結果、「北岳肩の小屋」でのアルバイト募集を見つけ、連絡すると現地に来てくれとのことだった。
里村は保存していた一切のアルコールを処分し、北岳に向かうことになる。 -
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お久し振りに<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの11冊目。
夏実が北岳で記憶喪失の男性と発見するところから始まった話は、その男性・水越和志とその妹・真穂の日常に、甲府市内で起きた連続殺人事件の捜査が絡み、加えて折々に北岳での山岳救助隊の様子が描かれていく。
巻頭に北岳周辺の地図は載っているが、今回もまた、甲府市内での事件が話の中心で、途中の北岳の場面は無くても話はつながるし、このシリーズ、最近はだんだん山岳救助隊の話から離れてきているのが残念。
捜査の話自体は面白くないことはなかったが、なんだかオカルトめいた話は分かったような分からないような結末だった。
以下、どうでもよいこと。。
谷口は、宝石店強盗事件で北岳に入り高山病にかかったとあるので、きっと「白い標的」に出ていたのだろうが、名前を覚えていなかった。
ニック・ハロウェイが何者だったのかを知りたい。
夏実と深町のメロドラマみたいな場面が、なんか、なあ。