樋口明雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この前見つけた樋口明雄の、これまた山岳冒険小説です。
前に読んだ『狼は狼は瞑らない』が良かったので、また試してみました。
読んでみた結果は…、やっぱり良かったです。
やっぱり冒険小説はこうでないと!と思ってしまう内容でした。
産業廃棄物の不法投棄を行う組事務所とそれを見て見ぬふりをする町の人間。そこに一投を投じる兄弟。祖父の時代に町に来たのにも関わらずよそ者扱いをされる閉鎖的な町に住む彼等は、兄は町を捨てて、弟は町外れで山とともに生きる。
でも町は非情で、山とともに生きる弟を排除しようとします。
彼が不法投棄の告発の手引きをしたということで…。
弟は知的障害を持っているという設定となっておりますが、その設定、やや無理があるんじゃないの?と思ってしまいます。
山から全てを教わったこともあり、頑なな正義感を持つ彼は、許せないことは絶対に許せません。
ということで、方々でトラブルを起こすのですが、それはマトモなコトをマトモに言ったためにトラブルとなるという類のものです。
あくまでも純粋だという前提なのですが、それだったら知的障害を持っているという設定にはならないんじゃないかな?とも思いました。
というよりも、組との闘争シーンでの超人的な動きやアイディアなんかは、
障害とは無縁の話で、冒険小説の超人的な主人公の働き!そのものでした。
冒険小説にはヒロインも必要なのですが、弟の奥さんも充分にヒロインの資格のあるキャラだと思いました。
東映ヤクザ映画を見るみたいに、主人公にこれでもか!これでもか!!っていう不幸をもたらしたヤクザを、一人でやっつけていくっていうのが爽快です。
それを助ける親方や兄の同僚、刑事、みたいな魅力的なキャラもいいかんじです。
出来れば刑事をもう少し描いて欲しかったかな?です。
あと、敵役のヤクザの親分の心の闇ももう少し掘り下げて欲しかったかな?
でも、本当に面白い作品でした。
樋口明雄、これからも要チェックです! -
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズ、16冊目。
これでようやく既刊のものに追いついた、よね。
北岳で起こったクマ騒動に、幕営地での盗難事件も加わって展開していく話。
昨日もまた「八王子城跡でツキノワグマが目撃された」とニュースになっているが、全国的にクマの被害が頻発するご時世にタイムリーなお題。
人知を超えた手負い熊“片目”を巡ってページが割かれ、盗難事件はリンクするわけでもなく、いささかとってつけられた印象。
単身山に入った七倉を追い夏実と静奈が“片目”と遭遇するクライマックスは緊迫感があったが、そこまでの流れは何回も“片目”が人を蹂躙する場面が重ねられるばかりで、物語としては平板。
銃も持たずに多くの人を殺してきたクマがいる山に入っていくなんて(それをハコ長が許可するなんて)かなり無謀ではないかい。
ファンタジーのような決着は良かったような、急にリアリティがなくなったような…だが、このシリーズのテイストからすると、クマを駆除する結末にはしたくなかったのだろうね。
北アルプスにもクマが出るのかしらんと思っていたが、そこらも含めて東農大の先生が詳しく語っておられる解説がありがたい。
その解説だけでなく、農業被害や人的被害を食い止めるためになすべき野生鳥獣の捕獲や保全を民間狩猟に丸投げしていた国の政策への作者さんの考えも随所に示され、自然界に対して人間が行ってきた行為への批評は傾聴に値する。
『狩猟は熊を駆除することしかできないが、ベアドッグは生きたまま人間の生活圏から遠くへと追い払うことができる』ということを初めて知ったが、こういう取組みがうまく進むと良いのだけど。 -
Posted by ブクログ
購入本。そういえば最近新書を読んでいないなと思い、新書の積読本より今作をチョイス。読んでみた。
地方に移住して20年以上の著者が田舎暮らしの苦労を色々と教えてくれる本。新書を読んでいる感覚はあまりなく、田舎暮らしエッセイを読んでいるような感覚。めんどくさがりな自分には田舎暮らしは絶対無理だなと思った。
第一部のログハウスの話や薪ストーブの話は、あまり興味がなかったので流し読み。
第二部の狩猟問題や水問題、電気柵問題など田舎暮らしならではのトラブルの話が興味深く読めました。
私は自宅の徒歩圏内にスーパーやコンビニがない生活は無理。ほどよく便利な生活がいい。空いた時間で本が読めるから。と、この本読んで思いました。
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Posted by ブクログ
「のんではいけない」が面白かったので、何か他のものも読んでみるかと思ってこの一冊。アウトドアライフが高じてついに田舎にログハウスを立てて移り住むことを決断したものの、ログハウスは雨漏りするわ、設備屋は地元でも有名な手抜き野郎だったり、庭先に猟銃を持ったハンターがうろつくわ、ミネラルウォーター工場のせいで井戸は枯れかかるわ、無能な行政が電機柵を作るわと、数々の苦難におそわれ、しかし、それがこそが人生の醍醐味と前向きに捉えて、今日も(2年後、3年後の)冬に備えて薪を蓄える毎日。生まれたときから東京暮らして、都市を一度として離れたことのない自分には到底無理な暮らしだと思った。田舎暮しの夢は見ないことにしよう。