樋口明雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お久し振りに<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの11冊目。
夏実が北岳で記憶喪失の男性と発見するところから始まった話は、その男性・水越和志とその妹・真穂の日常に、甲府市内で起きた連続殺人事件の捜査が絡み、加えて折々に北岳での山岳救助隊の様子が描かれていく。
巻頭に北岳周辺の地図は載っているが、今回もまた、甲府市内での事件が話の中心で、途中の北岳の場面は無くても話はつながるし、このシリーズ、最近はだんだん山岳救助隊の話から離れてきているのが残念。
捜査の話自体は面白くないことはなかったが、なんだかオカルトめいた話は分かったような分からないような結末だった。
以下、どうでもよいこと。。
谷 -
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの10冊目。
今度も巻頭に北岳付近の地図はないが、今回は山を舞台にした160頁程度のお話が2篇。
最初の話には「風の渓」に出て来たアイドル安西友梨香が再び登場。ちょっとしたなりゆきで山を舞台に作品を構想中という作家の鷹森と一緒に北岳の頂上を目指すことになる…。
アイドルにせよ作家にせよ、その世界でトップにあり続けるのは大変ね。
傍若無人な作家先生が実はあんなんでしたというのはあまり面白みはなかったが、しっかり者で過去も乗り越えた友梨香は芸能界だけでなくどこででもきっと活躍できることでしょう。
次の話は息子を山で亡くした両親vs.山岳救助隊のお話。
誰か -
Posted by ブクログ
<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの9冊目。
巻頭に北岳付近の地図がないと思ったら今度も山から離れてのアクションか。
「クリムゾンの疾走」に出て来た大柴が再び登場。本庁から南アルプス署で拘留中の窃盗被疑者の移送を命じられた大柴が事件に巻き込まれ、一方、休暇で山を下りていた静奈がそれを知りバロンとともに現場へ向かうという展開。
大柴は飛び来る銃弾を間一髪でかわし続け、静奈は一足遅れを繰り返し、ようやく追いついてからは車を捨てて山を縦走する逃避行。追手は後ろから前から上からと、来るわ来るわ。それをひとりずつ屠っていく静奈の強いこと強いこと。
テンポよくサクサクと読めたが、話としてはちょっと雑 -
Posted by ブクログ
北岳に行きたい理由が2つありました。1つは昨年叶ったんですが北岳にしか咲かないとゆう希少種の「キタダケソウ」をみるため日帰りピストンしました。花の時期が早いので6月の開山と同時に行ってきましたがもう終盤を迎えてましたが見れてラッキーでした。下界は晴れていたのですが2500m以上はガスに覆われ10m位の視界のなか、強風にミゾレまじりの雨が冷たくって、煽られながらも凛として咲く姿の可愛いらしい花でした。今度行くときは晴天の眺望のよいときに行きたいと思いました。
そして2つ目は、北岳~間ノ岳の「天空の縦走路」を歩きたい。3000mの稜線歩きが楽しめる日本最高地の縦走路があるのです。ここを歩いてみたい -
Posted by ブクログ
南アルプス山岳救助隊シリーズ。
南アルプス北岳の山岳救助隊の夏実と救助犬メイを主人公としたシリーズだが、今作では救助犬はあまり登場せず、中編2作が収められている。
以前、山で夏実たちに救助された女性アイドルが、再び北岳を訪れ、過去の事件のトラウマや自分の仕事と向き合う1篇。『リタイア』
山で命を救えなかった隊員の関と、その遺族の悲しみや苦しみから生じた事件を描いた1篇。『孤高の果て』
読み慣れたシリーズなので、安心して読める。
『孤高の果て』では八ヶ岳の野生鳥獣保全管理官がクマの生態調査にやってくるなど、他作品の人物も登場して楽しめる。
山を訪れる人間の身勝手さや、山の厳しさも伝わるが -
Posted by ブクログ
樋口明雄『サイレント・ブルー』光文社文庫。
珍しい地下水問題をテーマにした社会派小説。
水と空気はタダという日本の常識は覆されつつある。山を荒らせば、良い水を得ることが出来なくなり、二酸化炭素排出や大気汚染は世界規模で問題になっている。
環境問題を描いたチャレンジャブルな小説である点は評価できるが、腹落ちするような結末ではないのが残念。
家族と共に八ヶ岳南麓に移住して来た秋津俊介は別荘地のログハウスでレストランを開業する。病気がちの息子も元気になり、レストラン経営も順調だったが、ある日、別荘地の井戸に異変が起きる。
井戸の水が茶色く濁り、その後、水位が下がり、水が出なくなったのだ。