【感想・ネタバレ】南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山のレビュー

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Posted by ブクログ

人の感情が色となって見えるという異能の持ち主星野夏実。クールでいて熱い心の神崎静奈。
彼女たちが活躍するこの山岳救助隊シリーズの新刊が出ると、見逃すわけにはいかない。読者の頭の中で、彼女たちが生きて立ち働いてしまっているから。
今作の帯惹句にはなんと「雪男」出現と。
マンネリになりかねないシリーズの乾坤一擲を狙った作者が、途方もない企画を立てたのかと、危ぶんだ。
しかし、そんな愚考を吹き飛ばしてくれるその正体。
謎の生き物を狩ろうと山に入るハンター。その正体を捉えて、注目を浴びたいYouTuber。さらに、遭難しかけていた謎の外国人。
それぞれの思惑を秘めている彼らに、山岳救助隊のメンバーはどのように立ち向かうのか。
そして、謎の生き物の正体は。
今回も、一気読みするしかない一冊。

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2021年09月27日

Posted by ブクログ

◆おすすめ度◆
・山岳冒険小説度:★★★★
・「雪男?」の正体は度:★★★★
・YouTuberもビビらせる北岳度:★★★★

◆感想◆
北岳の山小屋が荒らされる事件が発生。山岳救助隊が向かうと、そこは厨房や食料が荒らされ、大きな裸足の足跡が…

いつもの山岳冒険小説だと思っていたら、出だしから「雪男?」が出現するホラーな展開に。
純粋な山岳冒険小説じゃなくて、山岳ホラー小説でも自分はオールOKイケイケドンドンなんだけど、本当に著者はホラーにしちゃうのか?なんて思いながら読み進む。
「雪男?」を仕留めようとする猟師や、「雪男?」を撮影しようとするYouTuberなんかも登場して、ひねった展開に。
はたして「雪男?」は「雪男!」だったのか?
はたまた雪男のぬいぐるみをかぶった愉快犯の仕業か?(注:そんな人は登場しません)
それは読んでのお楽しみ。

山岳救助隊の活躍するシーンや過酷な雪山登坂シーンなんかももれなく描写されて、樋口明雄の山岳冒険小説にハズレはありません。

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2021年09月23日

Posted by ブクログ

冬の北岳に現われたのは異形の白い生き物。
雪男か? の声にそれぞれの欲を膨らませた人たちが集まってくる。一歩間違えればその身に降りかかるのは帰る道の無い世界だというのに。
それでも山は美しい。
登ることはできないので、せめて写真で楽しもう

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2021年09月16日

Posted by ブクログ

こういう頑なな老人と、SNSの数字稼ぎの無謀な若者いるよなって、モヤモヤした気持ちで読んだ。
特にYouTuberのは前にあった事故がモデルだよね。

最初に読んだのが何冊目かだったので、もうバラバラに読んでるんだけど、所々過去のエピソードに絡めた所があるから、やっぱり順番に読めばよかったな…ってなってる。

とりあえず、他の巻も積読になってるので順番調べておこうと思った。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

お気に入りの南アルプス山岳救助隊シリーズ。

北岳に現れた異形の生物は、何者なのか。
宇宙生物か、雪男か?
ちょっと話が飛び過ぎているのでは…と不安になりながら読み進める。

ネタバレになるので詳しくは書けないが、猟師やYouTuberなど、登場人物がしょうもない男達で、共感しにくかった。

でも今作では、救助犬リキが懸命に働く。
そして山で生きる人間が思う、自然の中の神聖なものが、やはり描かれている。
樋口さんの作品は、個人的にはそこに一番惹かれているかもしれない。

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2022年07月04日

Posted by ブクログ

<南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの5冊目。
順番に読もうと思っていたが、なかなか中古本屋で見かけないので、この前見つけた文庫最新作のこの本に行ってみる。

しかし“火球に乗って北岳に落ちてきた雪男”とは、『三流SFホラー映画じゃあるまいし』P.45 といった出だし。
勿論、三流…ではなく真っ当な展開になるのだが、防衛省が出張ってきた段階でネタバレかな。

それにしても、不明生物を観光立地のマスコットにしようとする職員も、猟果に拘る猟師も、一発当てんとするYouTuberも碌なやつはいないな。
そうでなくては話が成り立たないのではあるが、そうした愚かな人間たちを“雪男”が哀れむ体の作りになって、今回は川上犬リキが頑張ったけど、全体としてアクションはあまり盛り上がらず。

とは言え、まあまあ楽しく読んだけど、終章がちょっと安易。あれだけ政治的要素が懸念される事案なら、YouTubeに投稿される前された後、ひと悶着ふた悶着あるだろうよ。

夏実と静奈が表彰される大活躍をした事件はどの巻かな?

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

〈南アルプス山岳救助隊K-9〉シリーズ第10作。

今回はなんと『北岳に雪男出現?』の巻。
冒頭は大学生が登山中に目撃した流れ星。その後、山小屋の厨房が破られて食料が荒らされた現場から謎の白い毛玉が。そして山岳カメラマンが望遠レンズで捉えたのは白い毛に覆われた、人に似た大型の猿のような姿。この生物は何なのか、宇宙から来たのか?

荒唐無稽な話かと思ったら、そこは樋口さんのこと現実性ある話にしてくれた。
謎の生物は登山者のテントを襲ったり、特別天然記念物のライチョウを襲ったり、いつ人的被害が出てもおかしくない状況。
北岳はついに入山規制がされ、本格的に謎の生物捜索となるのだが、勿論そう簡単にはいかない。

注目を浴びたいYouTuberにやはり名を挙げたいハンターコンビが北岳に入っている。
そして進藤たちが山小屋で見つけた謎の外国人も怪しい。

今回頑張ったのは進藤がコンビを組む川上犬リキ(とヘリのパイロット陣)。小さな体で雪山を駆け臭いを辿り、自分の数十倍はあろうかという謎の生物にも立ち向かう。無理をしないで!とハラハラしたが、本当に勇敢だ。

テーマとしてはいくつかあるが、その一つ(他はネタバレになるので書けない)広河原山荘管理人・滝沢謙一が考える『命を奪うことの意味』。『食料を得る』だけではなく『生態系の維持という意味において重要な仕事』である狩猟に携わることによってより命をいただくことの重みを考えなければならない。川辺のように単なる『猟欲』で行ってはいけない。

夏実は終始謎の生物の駆除に反対していたが、単なる感情論ではなかった。どんな人間であれ救助するという彼らのぶれない姿勢が通じる相手かどうか、それは読まれてのお楽しみ。

静奈のアクシデントシーンが僅かだったのは残念だが、たまにはこういう回も良いだろう。夏実と深町の仲良しシーンがあったし。
個人的には江草隊長の体調が心配だが何とかリハビリ頑張って復職して欲しい。山岳救助隊みんなのお父さんだから。

それにしてもこのご時世にあの国が登場するとは。

※シリーズ作品一覧
(★はレビュー登録あり)
①「天空の犬」
②「ハルカの空」
③「ブロッケンの悪魔」
④「火竜の山」(文庫化の際「炎の岳」に改題)★
⑤「レスキュードッグ・ストーリーズ」★
⑥「白い標的」★
⑦「クリムゾンの疾走」★
⑧「逃亡山脈」★
⑨「風の渓」★
⑩ 本作 ★

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2022年03月27日

Posted by ブクログ

シリーズ10作目。
冬の北岳で起きた火球の目撃情報。そして尾池小屋では何者かに厨房を荒らされていた。
他にも登山者のテントが襲われ、けが人も何人か発生し、目撃情報から、「雪男」が犯人らしいと見当をつけた山岳救助隊のメンバーは狩猟会のメンバーと共にパトロールを始める。
火球や雪男の情報はYouTubeなどで拡散され、世間の話題に…
一躍人気YouTuberになる為に、冬山の登山経験もほとんどないのに北岳に入る大学生や、自分たちのエゴの為だけに雪男を仕留めようと、勝手に狩猟を始める狩猟会のメンバーなど、冬の北岳の自然をバックに様々な人物の思惑が巡り巡る展開。
正直、帯の「雪男」にはちょっと引いたし、どんな感じでこの奇怪な事件を展開していくんだろうと思ったが、意外と無理な感じもなく、物語に引き込まれた。
これまでも、どんどん事件のスケールが大きくなって来たが、今作ではとうとう他国が登場し、どうなることやらと思ったが、今回は山岳救助隊のメンバーの活躍もきちんと描かれるし、何より納富機長の登場回数が多いのは、ファンからすると嬉しい。
YouTuberの描写については、冬の富士山に登って、ライブ配信中に転落して亡くなった方のことを思い出した。
YouTubeを見ない人間として、視聴数がどんなに大事なのかは分からないが、人に迷惑をかけるような行為は絶対に許せないし、この作品をYouTuberの人が読むようなことはないと思うが、何かの注意喚起になればと願いたくなるような内容だった。

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2021年10月09日

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