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樋口明雄『レスキュードッグ・ストーリーズ』ヤマケイ文庫。
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの短編集。文庫本特別収録の1話を含む全13話を収録。徳間文庫、ハルキ文庫、新潮文庫と続き、今度はヤマケイ文庫からの刊行となかなか忙しい。 しかも、ヤマケイ文庫から刊行されたのを見逃していた。
冬山で遭難した男、嫌われ者の頑固爺さん、急変する山の気象、失われいく自然と人間のエゴ、山の怪異、大切な人との別れ……日常よりも生と死を強く感じる山を舞台に様々なドラマが描かれる。他のシリーズ作品はサスペンス冒険小説の色合いが濃いのだが、本作は泣ける感動的な話が多いようだ。
『遺書』『山の嫌われ者』『青天の霹靂』『神の鳥』『霧の中に……』『帰ってきた男』『父の山』『サバイバーズ・ギルド』『辞表』『向かい風ふたたび』『相棒』『夏のおわりに』『彼方の山』を収録。
Posted by ブクログ
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの5作目。
『ハルカの空』に次ぐ短編集。単行本での12話に、文庫本特別収録1話がついて、お得感あり。
第4話では、『約束の地』『許されざるもの』での主人公野生鳥獣保全管理官の七倉航が顔を出し、なつかしい。
第9話で登場人物の一人が吐露する。
「なくてもいい便利さのために、この南アルプスが傷つけられる。かけがえのない自然が破壊される。俺はそれが許せない。人間は欲と傲慢を捨てて、そろそろ謙虚さを学ぶべきなんだ」
八ヶ岳と南アルプスに挟まれた土地に居住する著者の切実な思いでもあるだろう。
第11話「相棒」は、隊員進藤諒太と救助犬との話。涙腺を刺激されずにはいられない。
これからも読み続けたいシリーズのひとつ。
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