樋口明雄のレビュー一覧
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巻末を見て初めて知ったのですが、警察が山に救助犬を配置しているという事は無いんですね。すっかり本当にある組織だと思ったのでびっくりしました。
北岳という日本2番目の高峰を舞台に、救助犬とそのハンドラーである婦警を主人公にした作品です。
当たり前ですが、この本の登山者はすぐ遭難するし滑落するので読んでいると登山怖いと思ってしまいそうですが、しっかり準備して過信せず、天気予報をがっちり確認して行動すれば大丈夫なんですよね、きっと。わからんけど。
今作は山岳救助隊それぞれが主人公の連作となっているので、前作で登場した仲間たちの素性が知れてとてもよかった。救助犬が活躍しない作品もあったけれど逆にそれがアクセントになっていると感じた。
全体的に山を愛している感がにじみ出ているので、読んでいると登山行きたくなってきます。そんなハードなやつではなくて、一泊二日で行ける位の・・・・。 -
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南アルプス山岳救助隊K-9シリーズの5作目。
『ハルカの空』に次ぐ短編集。単行本での12話に、文庫本特別収録1話がついて、お得感あり。
第4話では、『約束の地』『許されざるもの』での主人公野生鳥獣保全管理官の七倉航が顔を出し、なつかしい。
第9話で登場人物の一人が吐露する。
「なくてもいい便利さのために、この南アルプスが傷つけられる。かけがえのない自然が破壊される。俺はそれが許せない。人間は欲と傲慢を捨てて、そろそろ謙虚さを学ぶべきなんだ」
八ヶ岳と南アルプスに挟まれた土地に居住する著者の切実な思いでもあるだろう。
第11話「相棒」は、隊員進藤諒太と救助犬との話。涙腺を刺激されずにはいられない。
これからも読み続けたいシリーズのひとつ。 -
Posted by ブクログ
「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの著者が、南アルプスの小屋の管理人たちへのインタビューをまとめたノンフィクション。
それぞれの管理人たちの人生や仕事に対する姿勢の違いにより、各小屋にも特徴があり、思わず訪ねてみたくなる魅力にあふれている。
広池御池小屋は夫婦で経営。
管理人は規律を重んじ、「山の仕事は人を鍛える」との信念で、スタッフに対している。極限状況の中で、ひとつひとつの困難を乗り越えて彼らの顔つきが変わり、ひとりひとりの若者が磨かれてゆくことに喜びを感じている。
対して、広河原山荘では、そのスタッフは自由が基本だそうだ。
祖父と父に続き三代目の管理人は、高校時代はレスリングでならし、テコンドーの道場にも通った猛者。調理師の学校にも通った経験から、山荘での食事に一家言あり、丁寧に出汁を取り、味に徹底的にこだわっているとか。美味しいメニューを食べてみたくなる。
北岳山荘は、あの黒川紀章設計事務所が設計を請け負ったとか。
ここの管理人もユニーク。若いころ、糸魚川から北アルプスを縦走し、南アルプスを経由し富士山へ登り、その山頂から見えた伊豆の島々へ渡り太平洋を航海し、旅を終えた!?
傷病者の搬送の時、途中に休憩場所となる中継点が欲しいということでつくられたのが、北岳肩の小屋。
そこの管理人も三代目。小屋から山頂まで走って往復する山頂ダッシュが13分!往復コースタイムが70分のところを!
冬には12mもの積雪があるというこの小屋。ここからは八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、中央アルプスに北アルプス、そして富士山と、日本を代表する美しい山が、手に取るように眺められるという。何と贅沢なロケーションだろう。
両股小屋は、「両股のおねえさん」と呼ばれる小屋番(管理人と呼ばれるよりこのほうがふさわしいと)。
彼女の語る怪異談には、思わずゾクッと。
個性的な管理人たちを描いたこの本、「山に会いにゆく、それ以上に、この山にいる人々に会いたい」と綴る筆者の思いが込められた、山好きには見逃せない一冊と言っていい。 -
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下巻も読み終わりました!
山に棲む野生動物たちが人間の畑を荒らしてしまったり、不運にも人間と遭遇してしまって人が怪我をすると動物が殺処分されるという、現実でもたまに目にするニュース。
元はと言えば人間が山を切り拓いて、動物たちの住処を奪ってしまったことが原因だから、こういうニュースを見ると悲しくなってたんだけど。
人間も生きていかなきゃだしね。
難しい問題よね。
前に聞いたことある話で、自然との共存で一旦人間が手を出してしまったものはずっと手を出し続けなければいけないっていうの。
アメリカの国立公園の狼再導入の時に聞いたんだっけな??
ちょっとうろ覚え…。
そういうのを色々思い出すお話だった。
そして読んでる時、途中からずっと動物は乙事主さまで再生されてた。熊もね。
『もののけ姫』好きな人は好きじゃないかと。
色々な問題がギュギュギュッと盛り沢山のお話だったなー。
こちらのお話、読み切りだと思ったら続きもあるのね!
そちらも気になる。
K-9の方でもまだ読んでない巻があるから、徐々に読んでいきたいな。
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南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ、4作目。
今作の舞台は、架空設定の活火山・新羅山。登山客で溢れ返る山で突如火山活動活発化。否が応でも、御嶽山噴火を思い出すが、今作はその災害事例を教訓に、どのように災害救助を行うべきか、シミュレーションした内容とも言えそう。登山客の数が集まれば、それだけ暴挙に出る不届きモノも少数ながら出てくるわけで、山岳救助隊や自衛隊の方たちはそういった人たちを見据えた救助活動を実際に行わなければならず、如何に過酷で、時には理不尽なものか、本書を通して伝わってきた。
本シリーズの特徴と言うべきか、山岳救助小説である一方、警察ハードボイルド要素も加わっている。今作の場合、子供の誘拐事件が火山噴火と同時進行で起こるのだが、スリリングに物語が進行していく反面、ちょっと盛り込み過ぎ感があるのも否めない。単なる誘拐事件で収まらず、プロの殺し屋が出てきたりと、武闘派・神崎静奈のカッコいい立ち回りが見れて良しなところもあるが、純粋に山岳救助の話を読みたかったなぁとも感じてしまった。 -
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「いきなり文庫本」の『クレムゾンの疾走』と同じく、山岳救助隊の神崎静奈が主人公。
カーチェイスあり、銃撃戦(人が死にすぎる!)ありの、ノンストップアクションエンタメ。
「クレムゾン」で関わりあった警視庁阿佐ヶ谷署の大柴刑事が陰謀に巻き込まれ、警察からも追われる羽目に。
彼を助けるべく、静奈が愛犬バロンとともに救出に向かう。
彼女の目も覚めるかのような活躍に、猛暑も忘れる一気読み。
陰謀の背景にあるのは、「地方財務局が国有地を不正価格で私立学園に売却した」(どこかの国で聞いたような!)事件だとか。
静奈たちの前に立ちはだかるのは、「政治家の犯罪の証拠隠滅のため、事故や自殺に見せかけて他人を殺す秘密公安組織」!!
さすがにこんな組織は、フィクションだろう(もし、現実にあったりして恐恐・・・)。
最後「この国は一つの大きな組織だ」とか?・・・ -
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樋口明雄『南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈』徳間文庫。
文庫書き下ろしのシリーズ最新作。
なかなか面白いストーリーなのだが、モヤモヤ感が残るあっさりした結末が少し残念。今回は『クリムゾンの疾走』に登場した阿佐ヶ谷署の大柴刑事と南アルプス署の山岳救助隊員にして、空手の達人である神崎静奈と相棒のバロンが大活躍を見せる。
突然、上層部の呼び出しを受け、南アルプス署に拘留中の窃盗犯の移送を命ぜられた大柴刑事は相棒の小坂刑事と共に南アルプス署に赴き、窃盗犯の移送を開始するが、大規模な陰謀に巻き込まれるが……
余りにも人が死に過ぎるのはどうかと……
本体価格740円
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Posted by ブクログ
甲府市内の宝石店が強盗グループに襲撃された。警備員二名を殺傷し、三億七千万円相当の宝石を強奪した犯人たちは、なぜか冬の北岳へと向かった!追跡する刑事たち、それをバックアップする山岳救助隊の夏実や静奈。そして救助犬二頭。非情な裏切りや、果てなき欲望が渦巻く白い山。その静寂を切り裂いて、一発の銃声が谺したとき―!
このシリーズは断続的に読んでいる。「ブロッケンの悪魔」以来か。登攀シーンや救助シーンは実にスリリング。もっとも冬山登山には縁がありませんが。
「銀嶺の果て」という古い日本映画がある。あちらは銀行強盗三人組が北アルプスに逃げ込む話だったが、関係はないですね。
まだまだ未読の作品が多いが、今のところ著者の作品のベストは「狼は瞑らない」だと思っている。いずれ読み返してみよう。