樋口明雄のレビュー一覧
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「いきなり文庫本」の『クレムゾンの疾走』と同じく、山岳救助隊の神崎静奈が主人公。
カーチェイスあり、銃撃戦(人が死にすぎる!)ありの、ノンストップアクションエンタメ。
「クレムゾン」で関わりあった警視庁阿佐ヶ谷署の大柴刑事が陰謀に巻き込まれ、警察からも追われる羽目に。
彼を助けるべく、静奈が愛犬バロンとともに救出に向かう。
彼女の目も覚めるかのような活躍に、猛暑も忘れる一気読み。
陰謀の背景にあるのは、「地方財務局が国有地を不正価格で私立学園に売却した」(どこかの国で聞いたような!)事件だとか。
静奈たちの前に立ちはだかるのは、「政治家の犯罪の証拠隠滅のため、事故や自殺に見せかけて他人を殺す秘 -
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樋口明雄『南アルプス山岳救助隊K-9 逃亡山脈』徳間文庫。
文庫書き下ろしのシリーズ最新作。
なかなか面白いストーリーなのだが、モヤモヤ感が残るあっさりした結末が少し残念。今回は『クリムゾンの疾走』に登場した阿佐ヶ谷署の大柴刑事と南アルプス署の山岳救助隊員にして、空手の達人である神崎静奈と相棒のバロンが大活躍を見せる。
突然、上層部の呼び出しを受け、南アルプス署に拘留中の窃盗犯の移送を命ぜられた大柴刑事は相棒の小坂刑事と共に南アルプス署に赴き、窃盗犯の移送を開始するが、大規模な陰謀に巻き込まれるが……
余りにも人が死に過ぎるのはどうかと……
本体価格740円
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甲府市内の宝石店が強盗グループに襲撃された。警備員二名を殺傷し、三億七千万円相当の宝石を強奪した犯人たちは、なぜか冬の北岳へと向かった!追跡する刑事たち、それをバックアップする山岳救助隊の夏実や静奈。そして救助犬二頭。非情な裏切りや、果てなき欲望が渦巻く白い山。その静寂を切り裂いて、一発の銃声が谺したとき―!
このシリーズは断続的に読んでいる。「ブロッケンの悪魔」以来か。登攀シーンや救助シーンは実にスリリング。もっとも冬山登山には縁がありませんが。
「銀嶺の果て」という古い日本映画がある。あちらは銀行強盗三人組が北アルプスに逃げ込む話だったが、関係はないですね。
まだまだ未読の作品が多 -
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文庫帯の「山岳冒険小説の金字塔」は、けっして誇張された讃辞ではない。
山でしか己の生き甲斐を見出せない主人公ロッタ。そして、不幸な過去を持ち、生きるうえでの彼の存在が欠かせない妻の亜希。
彼らと、暴力団と産廃業者の悪行を新聞で暴露したロッタの兄に、魔の手が伸びる。
「純粋無垢にして自由奔放」、正義という言葉を何より信じるロッタ。復讐の念に燃えた彼は、兄と妻の仇を撃つべく、組事務所ですさまじい銃撃戦。
さらに、狼犬シオを従え、豪雪と極寒の南アルプスで、暴力団を相手に、一人サバイバル戦を繰り広げる。
その壮絶な戦いに、頁置く能わずも誇張と言えず、読む手が止まらない。
「古典的西部劇や東映やくざ映画 -
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帯や裏表紙の解説を確かめもせず、最初の頁を開いたとたん、七倉航というなつかしい名前を見つけ、この作品が『約束の地』の続編だと、初めて知った(笑)。
もちろん、単独で読んでも少しも支障はないと言っていい。
『約束…』が、七倉の娘が小学校5年の時の出来事であるのに対し、この春中学生になったという説明から、本書はその2年後の話のようだ。
七倉は、支所長をはずれ一管理官となっており、キャリア丸出しの新支所長が赴任している。さらに、新メンバーとして新人二人が加わる。
そのうちの一人関千晶は、同著者の別シリーズ「山岳救助隊K-9」で活躍する隊員関真輝雄の妹のようだし、県警航空隊のヘリの操縦士たちがチョイ役 -
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星野夏実を中心とした南アルプス山岳救助隊員と救助犬の活躍を描いたシリーズの第3弾。
今作の相手は、人質を盾に北岳山荘に立てこもるテロリスト集団で、スリリングでエキサイティングな一気読みの傑作。
今回メインとなるのは、絶望的な状況の中で、心が折れることなく必死の抵抗をする、北岳山荘のスタッフ松戸颯一郎。
そして、山岳救助隊員の沈着冷静で空手のエキスパート、神崎静奈。彼女の、テロリスト集団との息詰まる格闘対決場面には、読み手の目が縛り付けられてしまう。
このテロリスト集団のリーダーの肉付けをしっかりとしたことで、物語に膨らみを持たせている。
このリーダーの経験した、カンボジアや東日本大震災での出来 -
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南アルプス山麓に居を構える著者ならではの自然描写が、書中様々な場面で詳述される。
読者は、迫真の物語をしばし忘れ、主人公たちとともに八ヶ岳、南アルプス近辺を辿っているかのような寄稿文的臨場感を味わえる。
もちろん、この小説の主題はそんなところではない。
人と動物の棲み分け、人と自然の共生を問う意欲作であり、著者自身の生活体験から紡ぎだされた告発の書でもある。
その思いを、古参猟師に語らせる。
「・・・開発開発で山がどんどん切り崩され、必要もねえ大規模林道をあちこちにこしれえて、森はズタズタに切り裂かれる。人間の暮らしが作り出した有害なものをあちこちに埋めて、土や水は汚染される・・・」
山の怒り