樋口明雄のレビュー一覧

  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    リタイア/孤高の果て

    若いアイドルは自分の生き方に疑問を抱き、初老の作家は山を作品にしようとする。

    息子を山で亡くした夫婦は救助隊員を訴える!

    様々な場面で山を感じ自然を感じる。ただ生きることに懸命になれたらそこはよい世界になるのだろうか

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    2022年10月17日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    シリーズ11作目。
    シリーズ初の中編集で、「リタイア」「孤高の果て」の2編を収録。
    「リタイア」には「風の渓」に登場したアイドル・安西友梨香が再登場。自身の引退に悩み、再び北岳を訪れる。同じく、ベテラン作家の鷹森と夏実の案内の元、頂上を目指すが、救助命令の出た夏実が途中で二人の元を離れてしまう。
    何とか北岳の頂にたどり着くが、下山途中で滑落してしまう。しかし、お互いを助け合い、思いやることで、抱えた悩みを吐き出し、それぞれの答えを見つけていく。
    「孤高の果て」では、これまであまり前に出ることがなかった救助隊で唯一医師免許を持つ関がメインで登場。
    山で再会した同級生と結婚したばかりの関だったが、

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    2022年09月25日
  • 屋久島トワイライト

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    屋久島に行ったことがあるからなお面白く読めた。具体的に情景が鮮明に浮かぶ。私
    はこの世のものでないものは見えないが、屋久島の神秘的な場所には神々や怖いものやらが沢山いそう。

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    2022年09月12日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの6冊目。
    この前に読んだ「異形の山」の感想の最後に『夏実と静奈が表彰される大活躍をした事件はどの巻かな?』と書いたけど、この巻でした。

    山ガールとして人気のアイドルを追いかけて北岳にやって来たネットハッカーと、DVの父親と子育て放棄の母親から引き剥がされて両俣小屋に預けられた少年。今回は夏の終わりの北岳で二つの話が並行して描かれる。
    それぞれ引きこもりの生活を送っていた二人は話が終わる時には大きく道を違えることになるが、そこには、作中『この国の人間はどんどん“劣化”が進んでいると思う』と語る作者の憤りと、一方でそうした社会の中でも前向きな心を持つ人たち

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    2022年06月19日
  • 狼は瞑らない

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    雪山で繰り広げられる死闘には、書を置く能わずの感。
    「興奮、興奮、また興奮」との賞賛も頷ける迫力。
    かつてSPとして政治家を警護していた時に負傷し一線を退き、今は遭難者を救助する山岳警備隊の一員の佐伯。
    警察と政界の闇の証拠を握っている彼を、警察庁直属の”殺し屋”が襲う。佐伯の属する警備隊の中にも彼を狙う警察庁のスパイが。
    誰がスパイなのかのミステリーも。
    超弩級の台風という自然の猛威の中で、人間の悪意の象徴ともいうべき殺し屋たちと、佐伯および警備隊たちとの凄惨を極めるサバイバル。
    一方で、人を助け、その感動を仲間とともにすることにより、己の愚かさに目覚め改悛する隊員も。
    エンタメの醍醐味を満

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    2022年02月28日
  • 田舎暮らし毒本

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    コロナ禍で増加する田舎暮らしの理想と現実。山梨県北杜市に20年以上暮らす作家のリアルな現実。

    移住に関する費用、維持費や景観、近所付き合いなど。憧れの田舎暮らしについてまわるトラブルを具体的に記す。なかなか思ったような生活ができず、挫折する人も多いことが良く分かる。

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    2021年10月30日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 ハルカの空

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの2冊目。
    ようやく巻頭の北岳周辺の地図も頭に入りだした。

    山岳救助隊員のそれぞれが主人公になる話が6つ。
    色んな要救助者があって、その救出に隊員と犬たちが活躍するというお話だが、季節・天候・登攀ルートその他諸々手を変え品を変え、山に登る人の背景や心情を映して、読み心地が良い話が続く。
    中でも、表題作は、これだけが隊員ではなく夏の山小屋のアルバイトを主人公にした話だが、救助隊員だけではない、山での仕事の苛烈さがさりげなく描かれている佳品。
    物語の中では、山を駆けて救助に向かったり自分よりも重い人を背負って歩く隊員の様子が何度も出てくるが、「NO WAY

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    2021年10月22日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    人の感情が色となって見えるという異能の持ち主星野夏実。クールでいて熱い心の神崎静奈。
    彼女たちが活躍するこの山岳救助隊シリーズの新刊が出ると、見逃すわけにはいかない。読者の頭の中で、彼女たちが生きて立ち働いてしまっているから。
    今作の帯惹句にはなんと「雪男」出現と。
    マンネリになりかねないシリーズの乾坤一擲を狙った作者が、途方もない企画を立てたのかと、危ぶんだ。
    しかし、そんな愚考を吹き飛ばしてくれるその正体。
    謎の生き物を狩ろうと山に入るハンター。その正体を捉えて、注目を浴びたいYouTuber。さらに、遭難しかけていた謎の外国人。
    それぞれの思惑を秘めている彼らに、山岳救助隊のメンバーはど

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    2021年09月27日
  • 許されざるもの

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    自然を操るように、操る事ができると思っている人間社会。立場を変えれば○も×になる。中国に議員、公安、マスコミなど少し広がり過ぎ感はありますが、自分なりに深く考えて行くことは必要、と再認識

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    2021年09月23日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 異形の山

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    冬の北岳に現われたのは異形の白い生き物。
    雪男か? の声にそれぞれの欲を膨らませた人たちが集まってくる。一歩間違えればその身に降りかかるのは帰る道の無い世界だというのに。
    それでも山は美しい。
    登ることはできないので、せめて写真で楽しもう

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    2021年09月16日
  • 北岳山小屋物語

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    南アルプス北岳周辺の山小屋5軒の山小屋をルポ、平地とはけた違いの経験や苦難を乗り越えた人たちは個性的で味わい深い人生や哲学があった。「人に会いに行く山、それが北岳」、そえを実感できる本。

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    2021年07月31日
  • 北岳山小屋物語

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    「北岳は人に会いに行く山」。白根御池小屋、広河原山荘、北岳山荘、北岳方の小屋、両俣小屋を取材したノンフィクション。

    富士山に次いで高い山、北岳。この手の本としては珍しく山小屋の主人だったりスタッフが書くのではなく、しっかりプロのライターが各小屋を訪れて取材した内容。
    その分、バイトの子の使い方などビジネス的な内容が充実。閉鎖された環境、限られた食材などを扱いながら、山小屋を営む人々のリアルな日常。

    月刊「山と渓谷」に約2年連載されたもの。

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    2021年07月29日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 天空の犬

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    どこかで「ブロッケンの悪魔」のことを見て読んでみようかと思ったが、シリーズ物だったので最初のものからにしようと、まずこの本を買ってみた。

    シリーズ物の最初ということと、主人公が初めての職場に着任することが重なって、途中までは小ネタを挟みながら登場人物や救助犬や山岳救助隊の仕事や北岳周辺の様子を説明されているような話が続き、退屈なわけではないし後で効いてくるところもあるのだけれど、このまま大きな事件も起こらずに終わりはしないかと思わされるのは話の展開としてはどうかな。
    ようやく270頁を過ぎてから山場の話となったが、不穏な天候の中での、神がかり的なヘリの操縦テク、荒唐無稽なヘリからの降下&空手

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    2021年06月14日
  • 炎の岳―南アルプス山岳救助隊K-9―(新潮文庫)

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    〈南アルプス山岳救助隊〉シリーズ。未読と思っていたら第四作「火竜の山」を改題したものだった。だがせっかく借りたので再読してみた。

    昨日読んだ「クリムゾンの疾走」とは違い、こちらは山のシーン盛りだくさん。
    とはいえ、舞台は南アルプスではなく岐阜県の新羅山という架空の火山。人気の山で登山者で賑わう新羅山が噴火したことからパニック状態になる。
    作中で触れられているように御嶽山のような状況だが、御嶽山と違い前兆として様々な現象が起きていた。微細な地震や山体の膨張、そして本格的な地震。

    救助犬を使った山岳救助の講演会のため新羅山麓に来ていた夏実と静奈、新羅山の噴火予兆の研究をしている研究者、ネットで

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    2021年06月04日
  • 標高二八〇〇米

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    山岳小説あり、怪異譚あり、ホラーあり、SF小説ありと、まさにバラエティーに富んだ短編集。
    著者の作品で読んでいるのは、南アルプス山岳救助隊K-9シリーズや山岳冒険小説なので、本書もその類いと思っていた。しかし解説を読むと、著者は怪奇ホラー長編も物しているようだ。
    本書で印象深いのはやはり、表題作の『標高二八〇〇米』とその続編『リセット』。
    ある日突然、標高2800mより上にいた人間だけが生き残り、それ以外の人間が消失してしまう。残された主人公たちの孤独で絶望的な日々が綴られる。
    この状況に著者は、原発問題を絡めて、単なる消失劇とはしていない。
    人類は地球にとって、当初は良性の腫瘍だったが、今で

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    2021年05月06日
  • 北岳山小屋物語

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    2回目を現在読んでいます。
    7月に、南アルプス北岳に行く予定なので、山小屋の物語を楽しみに再読中です...

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    2021年05月04日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    南アルプス山岳救助隊シリーズ。
    今作は、ほぼ北岳が舞台となっていて、とても楽しく読めました。
    親の愛情を知らずに育ってきた少年の悠人が両俣小屋で過ごす日々が、特に印象に残りました。
    そして相変わらず。山岳救助犬のメイが可愛くてたまらない!
    後記に、山岳救助隊や救助犬は現実には存在しません、と書かれているが、本当に会いに行きたくなる人の気持ちがよくわかります。

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    2021年04月26日
  • 風に吹かれて

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    スタンドバイミーっぽい話好きなので楽しみにしていましたが、予想以上に心打たれてしまって、読み終わった時胸苦しい気持ちになりました。
    時は1970年代、山口県は岩国。米軍基地のある街で、少年少女たちの成長を追う物語で、なんだかんだ色々な人たちが書いている題材と何ら変わらないのに、どれもこれも胸をぐさぐさ刺してくるのかなあ。そういうお年頃になったという事なのでしょうか。

    小説家を目指す主人公モリケン、漫画家を目指すノッポ、エキセントリックなムラマサ、ミュージシャンを目指す転校生ミッキー。中学校2年生という多感な時期を駆け抜ける1年間が濃密でとても眩しいです。トラブルも山盛り有るけれど、信じられる

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    2021年05月21日
  • 北岳山小屋物語

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    山登りが好きで、山小屋にはとてもお世話になっている。その仕事の苦労は感じてはいたが、実際のところどうなのか気になって読んだ。

    宿泊施設であり、観光案内所でもあり、救護施設、病院といったさまざまな役割を背負った山小屋。山が好き、という気持ちだけでは務まらないだろう。それでも、色々なエピソードからは、管理人のまなさんの山を愛する気持ちが伝わってきた。

    自分も山に楽しませてもらっている一人として、その恩に報いることができたらと思う。

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    2021年04月05日
  • 北岳山小屋物語

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    天空の犬シリーズの作者樋口明雄氏による、南アルプス北岳周辺にある5つの山小屋を紹介するルポ。

    天空の犬シリーズに何度も登場してくる山小屋の、リアルな佇まい。その山小屋で働く人たちの姿、お客さんである登山者の素顔などを描く。
    天空の犬シリーズで何度も読んできた山小屋の姿は、初めて見るものではなく、よく知ってる人たちのルポルタージュを読むようだ。
    天空の犬シリーズファン、山好きな方、北岳登山を計画している方などが読むと、とても楽しいと思う。

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    2021年03月24日