樋口明雄のレビュー一覧

  • 南アルプス山岳救助隊K-9 愛と名誉のためでなく

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    なるほど。著者のあとがきを読んで初めて合点がいった。
    天空の犬K-9シリーズの新作は8篇からなる短編集。

    一つ一つの作品が、短編ではなく長編として書かれても違和感がないほどに内容が濃い。
    ページ数が膨らめば、シリーズとして何作品かにできるほどの面白さ。ひとつ一つの作品を堪能し、これなんで短編なんだろうと考えていたら、あとがきに小説誌に連載された作品を集めたものとあり、初めて合点がいったというわけ。

    山岳小説とはいえ、警察小説でもあるという性格上、そこには犯罪があり、犯人が出てくる。
    しかし、犯罪事件を解決してよかったねという話ではなく、物語の結末に優しさがあった。
    八ヶ岳の自然がベースにあ

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    2024年08月14日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 紅い垂壁

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    南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ
    北岳での遭難事故から始まるサスペンス。

    山での誤った決断と、それを糊塗するために塗り重ねられる嘘と犯罪。それでも山に登るさらに他の犯罪者。
    いつものように、北岳にはとてもたくさんのストーリーが渦巻く。

    殺人事件が起きている、クズのような犯罪者も描かれる。でも、そのいやらしさを北岳の自然が大きく受け止めてくれる。
    そして、夏海とメイたちの山岳救助隊は、生命を救い続ける。
    今回も、楽しませていただきました。
    そして、今回は次につながる伏線がいくつか敷かれていたと思います。
    これらの話の回収が楽しみです。

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    2024年08月08日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 天空の犬

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    厳しい冬やまを舞台に、山岳救助隊に配属された女性警察官とバディのボーダーコリーの活躍は思った以上に面白く、話にのめりこめた。震災など身近な背景もまた、小説に現実感をもたらしてくれている。
    惜しいのはやはり山岳や登山用語などが所々出てくることで、用語の意味を調べたりと話を進めるのが止められてしまうもどかしさがあった点。そして主人公のもつ特殊な技能が一つアクセントにはなりつつも、あまり話の中心になっていない点か。それでもおすすめできる1冊かな。

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    2024年04月17日
  • 還らざる聖域

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    北朝鮮にクーデターが勃発し、難を逃れた政府軍が屋久島に上陸し全島武装制圧するという、近未来的冒険小説。
    彼らは、キムジョンウンの解放と亡命を日本政府に要求する。日本を通じアメリカに圧力をかけるための戦略。
    島民を虐殺し、警察署を爆破し、さらに核爆弾を爆発させると脅す北朝鮮軍。
    山岳救助隊員の高津夕季と山岳ガイドの狩野哲也たちが、「奇跡はまた起きるさ・・・ここは神の島だからな」との思いを胸に、北朝鮮軍の精鋭たちを相手に、生き残りをかけて戦いを挑み、山野を駆け巡る。
    しかし、この一連の事態には、その裏に国際的な謀略が。
    政府内のスパイが浮かび上がり、それにアメリカCIAの関わりも。
    終息に向かうな

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    2023年11月26日
  • さよならの夏

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    南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ。
    北岳で星野夏実は、記憶を喪失している青年を救助する。赤石岳に登っていたはずだと証言する彼を、甲府の実家へ届ける。
    その頃、甲府では猟奇的な連続女性殺人事件が発生。
    犯人は誰なのか?記憶喪失の彼と、殺人事件は関係あるのか?
    彼に疑惑が深まる中、彼の妹と彼女の友達たちが北岳山行を計画する。彼女の危険を予感する彼が強引に同行し、そして・・・
    殺人事件の犯人は?というミステリーに、山での超常現象を絡ませているが、多少消化不良の感がなきにしもあらずというところ。
    確かに、山で不可思議な現象や怪異譚がみられることがあるだろうが、少なくとも小説上では殺人事件のリアルさと

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    2023年09月27日
  • 屋久島トワイライト

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    一日で読めてしまった。もっと屋久島の風景の描写があったら行った気分になれたのに。異世界に旅立ってしまった。ファンタジーは最近読み慣れたので世界観が広がっていくのを実感できた。

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    2023年09月14日
  • 北岳山小屋物語

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    山小屋の管理人さんの話。人を育てること、様々な人との連携、食事の準備、掃除、山開きや荷揚げの大変さ、事故、マナー、山の素晴らしさ。興味深く読んだ。

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    2023年09月11日
  • 還らざる聖域

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    樋口明雄『還らざる聖域』ハルキ文庫。

    久し振りに正統派の日本の冒険小説を堪能した。屋久島を舞台にした山岳アクション小説なのだが、複雑な国際情勢も関係して来るのだから、さらに面白い。

    如何せん、登場人物の設定が今一つはっきりとせず、そこがマイナスポイント。

    早々と登場した山岳救助隊員の高津夕季が主人公かと思ったら、事あるごとに泣いてばかりで使い物にならず。代わって主人公役に名乗り出たのは山岳ガイドの狩野哲也なのだが、北朝鮮軍の特殊部隊の女性隊員ハン・ユリに比べると物足りなさを感じた。


    北朝鮮で内戦が勃発し、世界に緊張が走る中、北朝鮮の航空機2機が日本の領空に侵入し、スクランブルした日本

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    2023年07月16日
  • 許されざるもの

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    生活の中で野獣を見る機会がなく、獣との共存など考えたこともない。 被害に遭われた方には申し訳ないが、鹿に対しても害獣という意識はなく熊の被害すら現実感に乏しい。 樋口さんは、そんな私をいつも野獣の吐息が頬に当たるほどの森の奥へ連れて行ってくれる。 今回は野山を颯爽と駆け巡る狼の姿が目に焼き付いて離れない。読み終わって以来、狼の画像をインターネットで眺めてる。(^_^)v

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    2023年04月29日
  • 北岳山小屋物語

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    タイトル通りの本。
    登山をする人は読んでおくとよいかも。
    私は登山はほとんどしませんが(-_-;)

    払ってもいい金額:1,200円
    貼った付箋の数:0

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    2023年02月13日
  • サイレント・ブルー

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    「水はカネのあるところへ流れる」と巻頭に綴られるとおり、水をテーマとした社会派エンターテイメント。
    天然水が蛇口から出る八ヶ岳山麓に移住し、レストランを経営している主人公の秋津俊介。しかしある日突然水が出なくなる異変が。
    解決を図るべく、管理会社や地下水を大量取水する飲料メーカーへと奔走するが、対応は平行線のまま。
    埒があかない状況に、遭遇した市長選で新人候補に望みを託し選挙スタッフとして活動する。
    選挙小説になるかと思いきや、新人候補にも何やら胡散臭い背景があり、予測の付かない方向へ。
    水というものが、当たり前のように手に入る現代日本では、水が有限だという事実に、我々はなかなか気がつかない。

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    2023年01月09日
  • サイレント・ブルー

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    八ヶ岳南麓に住む秋津さん。井戸から汲み上げる水は天然水。ある日突然その水に異常がおきやがて出なくなる。ずっと出なければ命にかかわる。
    何故だ?どうすればいい? 水 みず ………

    ~エピグラフ~
    ―― 水はカネのあるところへ流れる
    『世界が水を奪い合う日・日本が水を奪われる日』
    橋本淳司・著より

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    2023年01月05日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 クリムゾンの疾走

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの8冊目。
    読む順番がバラバラになってしまっているのだけれど、シリーズとしてはこの前に読んだ「白い標的」の次の巻ということで良いのかな?

    今回は冒頭から怒涛&波乱の展開。
    静奈が出場した空手大会を皮切りに、最近出没しているシェパードばかり狙う賊と遭遇してのカーチェイスと見せ場が続く。
    ここまででも結構凄いと思っていたがなんのなんの。今度はバロンが捕らわれ再び激しいチェイスと格闘劇、挙句に犯人一味と間違われた静奈が警察から追われるはめに。
    くう~っ、なんと言うこと…、一旦本を閉じて心を鎮めないと次に進めないくらい苦しい展開。遂に捕まってしまっても手錠のまま

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    2022年12月29日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    最近は1年に1冊のペースで刊行され、それが待ち望まれるシリーズの一つ。
    今回は中編が2篇で、『南アルプス山岳救助隊Kー9』が2倍楽しめるかのよう(笑)。
    相変わらず、彼ら彼女たちの活躍は、南アルプス北岳の描写とともに爽快で、このシリーズ病みつきになる。
    『リタイア』では、『風の渓』でのヒロイン安西友梨香が再登場する。
    己の仕事に真摯に取り組む救助隊たちに涙腺が刺激される『孤高の果て』では、警視庁阿佐ヶ谷署の大柴刑事が活躍する。これもシリーズものならではの楽しみだろう。
    山岳救助隊の星野夏実と神崎静奈、この二人の恋の行方も気になるシリーズでもある。

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    2022年10月20日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    リタイア/孤高の果て

    若いアイドルは自分の生き方に疑問を抱き、初老の作家は山を作品にしようとする。

    息子を山で亡くした夫婦は救助隊員を訴える!

    様々な場面で山を感じ自然を感じる。ただ生きることに懸命になれたらそこはよい世界になるのだろうか

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    2022年10月17日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 それぞれの山

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    シリーズ11作目。
    シリーズ初の中編集で、「リタイア」「孤高の果て」の2編を収録。
    「リタイア」には「風の渓」に登場したアイドル・安西友梨香が再登場。自身の引退に悩み、再び北岳を訪れる。同じく、ベテラン作家の鷹森と夏実の案内の元、頂上を目指すが、救助命令の出た夏実が途中で二人の元を離れてしまう。
    何とか北岳の頂にたどり着くが、下山途中で滑落してしまう。しかし、お互いを助け合い、思いやることで、抱えた悩みを吐き出し、それぞれの答えを見つけていく。
    「孤高の果て」では、これまであまり前に出ることがなかった救助隊で唯一医師免許を持つ関がメインで登場。
    山で再会した同級生と結婚したばかりの関だったが、

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    2022年09月25日
  • 屋久島トワイライト

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    屋久島に行ったことがあるからなお面白く読めた。具体的に情景が鮮明に浮かぶ。私
    はこの世のものでないものは見えないが、屋久島の神秘的な場所には神々や怖いものやらが沢山いそう。

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    2022年09月12日
  • 南アルプス山岳救助隊K-9 風の渓

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    <南アルプス山岳救助隊K-9>シリーズの6冊目。
    この前に読んだ「異形の山」の感想の最後に『夏実と静奈が表彰される大活躍をした事件はどの巻かな?』と書いたけど、この巻でした。

    山ガールとして人気のアイドルを追いかけて北岳にやって来たネットハッカーと、DVの父親と子育て放棄の母親から引き剥がされて両俣小屋に預けられた少年。今回は夏の終わりの北岳で二つの話が並行して描かれる。
    それぞれ引きこもりの生活を送っていた二人は話が終わる時には大きく道を違えることになるが、そこには、作中『この国の人間はどんどん“劣化”が進んでいると思う』と語る作者の憤りと、一方でそうした社会の中でも前向きな心を持つ人たち

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    2022年06月19日
  • 狼は瞑らない

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    雪山で繰り広げられる死闘には、書を置く能わずの感。
    「興奮、興奮、また興奮」との賞賛も頷ける迫力。
    かつてSPとして政治家を警護していた時に負傷し一線を退き、今は遭難者を救助する山岳警備隊の一員の佐伯。
    警察と政界の闇の証拠を握っている彼を、警察庁直属の”殺し屋”が襲う。佐伯の属する警備隊の中にも彼を狙う警察庁のスパイが。
    誰がスパイなのかのミステリーも。
    超弩級の台風という自然の猛威の中で、人間の悪意の象徴ともいうべき殺し屋たちと、佐伯および警備隊たちとの凄惨を極めるサバイバル。
    一方で、人を助け、その感動を仲間とともにすることにより、己の愚かさに目覚め改悛する隊員も。
    エンタメの醍醐味を満

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    2022年02月28日
  • 田舎暮らし毒本

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    コロナ禍で増加する田舎暮らしの理想と現実。山梨県北杜市に20年以上暮らす作家のリアルな現実。

    移住に関する費用、維持費や景観、近所付き合いなど。憧れの田舎暮らしについてまわるトラブルを具体的に記す。なかなか思ったような生活ができず、挫折する人も多いことが良く分かる。

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    2021年10月30日