toi8のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「三井が気づいていたかどうかはともかく、とりあえず第一段階をクリアしたってことが重要なんじゃないか。次はいよいよ、好きです、付き合ってください、の方の告白だな。がんばれよ!」
江本はパンパンと瞬太の肩をたたいた。
これまでも瞬太は何度か三井と二人きりになったことはあったのだが、ドキドキすると耳や目がむずむずしてキツネに変化しそうになってしまい、恋の告白どころではなかったのである。
「え、でも、化けギツネだって告白したばっかりだし……」
「今のおまえの勢いなら大丈夫だよ」
江本はニカッと笑って右手の親指をたてた。
「そうかな?」
「そうそう」
「もたもたしてたら、三井を他の男にとられちゃうぜ」 -
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Posted by ブクログ
“「じいちゃん、これどのくらい読んだの?」
「ほとんど読んだよ」
「まじか、すごいな」
漫画以外の本をまったく読まない瞬太は、感嘆と驚愕のまじった声をあげた。
「もしかして祥明も?」
「ヨシアキも子供の頃から、よくここにこもって本を読んでいたけど、せいぜい半分か三分の一だね」
「子供の頃から?」
「普通の男の子がやるような、サッカーやキャッチボールはあんまり好きじゃなくてね。雨の日はもちろん、晴れた日にも一人で本を読んでいたよ」
だから陰陽屋なんて妙な商売をはじめる大人になったのか、と、瞬太は納得する。
「そういえば、最近、ヨシアキの様子はどうかな?」
「あいかわらずだよ。面倒くさがりだし、子 -
Posted by ブクログ
本を開いてびっくり。台詞しかない!!!
いわゆる戯曲形式らしいです。
でも頑張って読み進めているうちに慣れてきました。
中身はというと、面白い!
異世界経済学ファンタジーで(狼と香辛料と似ているらしい)
勧善懲悪な話ではなく魔王と勇者が手を組んで、
「戦争(実はこれがないと世界の経済が成り立たない)がなくても
生きていける世界」を目指して頑張るお話。
勇者はバカチートでありふれた主人公なんだけど(失礼)
魔王さまが可愛い。テンプレキャラだけど好感もてる。
経済学や人類の研究の歴史も勉強になる上に、
ちゃんとストーリーとしての盛り上がりや面白みもあって
想像以上の内容だった。
ただ、メイド -
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Posted by ブクログ
“「あ、そうだ。おれ、どうせ授業中も寝てばっかりだし、高校やめちゃうっていうのはどうかな?」
「「絶対だめ!」」
みどりと吾郎は同時に言った。
「えー……いいと思ったんだけど……」
「あたりまえでしょ!せっかく奇跡的に都立に合格したのよ」
「陰陽屋さんに就職するっていうならまだしも、一日二、三時間のアルバイトのために高校をやめてどうするんだ。ちゃんと将来のことも考えなさい」
「うん……」
両親に異口同音で反対され、高校中退案はひっこめざるをえなかった。
「それに、高校をやめたら、もう三井さんにも会えなくなるわよ。いいの?三井さんと一緒の高校に通いたくて、飛鳥高校を受験したんでしょ?」
「か、母