望月麻衣のレビュー一覧
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最初から登場する書は
「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)
平安時代の『歌合会』で詠まれた歌。『ちはやふる』でも有名になったこの歌は私も大好きな歌のひとつ。
子どもの頃、国際文通週間切手の「蒲原」が欲しくてたまらなかった。高くて手が届かなかったけれど。10年ぐらい前に静岡県の東海道広重美術館の浮世絵プチ体験で、その「蒲原」をゲットした時は嬉しかった。
今回の小説は、浮世絵と歌舞伎を通して道ならぬ恋がテーマになっている。ドロドロ感が支配しても、理知的なホームズが解き明かすとカラッと晴れ間が出てくる。そんなホームズも自分の恋の道では迷ってばかり。葵ちゃんと -
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我が家の大好きな京土産「阿闍梨餅」が出てくるというのでわくわくしながら読み始めた。
わくわくは阿闍梨餅だけじゃない。「哲学の道」も「銀閣」も出てくる。
学生の頃、銀閣が気に入ってずっと佇んでいた。友達に絵葉書を書いた記憶がある。父が西田幾多郎の本を好んで読んでいたから、「哲学の道」にも思い入れがあった。
さてさて、このシリーズ第二弾は真贋をめぐるミステリー。円生の存在が物語に勢いを与えている。
ホームズと葵の関係にも胸が躍る。
ホームズが好きな在原業平の歌は、
「きみにより 思ひならひぬ世の中の 人はこれをや 恋といふらむ」
次の作品も読んでしまいそう。 -
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『人が死なないライトミステリー』それも京都を舞台にした『京都行きたくなる』ミステリー。(あとがきより)
去年の春、京都を訪ねた。まさに『願わくは桜の下に』の季節に。鴨川の桜は見事だった。ずっと歩いていたくなる河原だった。その時、初めて「貴船神社」に行った。この物語にも『鞍馬山荘遺品事件簿』の中に鞍馬寺とともに貴船神社が出てきて、情景が鮮やかに甦ってきた。
さてさて物語の内容はといえば、ホームズの洞察力とうんちくに魅了され、面白い。高校生のアシスタント葵ちゃんも気持ちが少しずつ変わっていくのも楽しい。
望月さんの作品はシリーズになっているようなので、また読みたい! -
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「京都船岡山アストロロジー」の2冊目。
前作からおよそ1年が過ぎた頃、女子高生作家デビューの夢を目指す桜子が改稿を重ねて公開した小説が編集者の目に止まり、順調にデビューしたものの、発売された本の売れ行きは思わしくなく…、というところから始まるお話。
今回もまた京都の風情の中で、創作の仕事×占星術×プチ恋バナという感じで、サクサクと話が進む。
落ち込む桜子をさりげなくフォローする高屋や柊ら家族の姿も温かいが、作家として悩む桜子に対して、「あなたが、人気作家になれば、必ずこの本は注目されます」という柿崎と「『自分が絶対買ってしまうもの』をつくってる方が、仕事としては楽しい」と言う朽木の営業コンビ -
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5冊目。真中家と親戚の姉妹の話がメインで、
『惑星年齢域』ともう一つのテーマ『読書』。
個人的には『母親の存在』なのかなぁと。
どの登場人物も心の底にしまってある、
本当の思いを告げられない中過ごしているのだけども、
母親って子どものことを本当に心配する(自分で産んだ責任もあるけども)。
その心配が逆に子どもを縛り付けるようなり、壁を超えられなくなってしまうのは、
自分もそういうふうに育てられたので理解できてしまう。。。
彼らが母親の看病や親離れしてみて改めて、
これからの自分の道を作り上げていくか…本当の思いを掘り下げていき、
新たな一歩へ踏み出す気持ちを自分も受け止められたと思います。 -
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冥王星。『破壊・再生』『死生観』『個人・社会に影響を及ぼす』星。
今回は冥王星をキーワードにしたストーリー。
2巻目に出てきた鈴宮さんが転職した先の北海道で知り合った『マダム』が
『満月珈琲店』を知っていた。
『マダム』の人生はまさに天国と地獄のストーリー。
そんな中で『満月珈琲店』に出会い、
『嵐』が過ぎたあとは新たな世界へと変化だと…。
その年ごとに「耐え時なんだな」と感じることもある。
その時は『嵐』がきているんだなと思うようにしました。
「自分を律し、自分の足でしっかり立つ」
『満月珈琲店』は背中を押してくれる言葉が、星のように鏤められていますねぇ...。 -