【感想・ネタバレ】京都寺町三条のホームズ : 2 真贋事件簿のレビュー

あらすじ

京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた女子高生の真城葵。店主の息子・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと“いけずな”京男子。ある日、『蔵』に茶碗が持ち込まれる。清貴は、それが贋作だとあっさり見抜くが、やがて清貴の前に稀代の贋作師が現れ――エブリスタ発、大ヒットキャラミスの第二弾!

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Posted by ブクログ

本の中に私のお知り合いの画家さんが登場してびっくりしました。京都の知らないことをたくさん教えて貰えて、とても勉強になります。これからの展開も楽しみです

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2025年02月20日

匿名

購入済み

読んでいると、京都に行きたくなります。
清貴くんの薀蓄がすごく興味深くて、寺町三条はもちろん、話に出てきたスポット巡りをしたくなります。
実際その場にいて、清貴くんの説明を直に聞ける葵ちゃんの立ち位置、すごく羨ましいです。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

特別表紙第2弾。今回は葵ちゃん。
オーナーの誕生日会や豪邸での鑑定など目白押し。目利きの哲学、いい言葉だな。
円生が絡むと我を忘れるホームズさんもいいかも。葵ちゃんといい感じ?

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

京都の名所案内と故事来歴に古美術の真贋の謎解きと女子高生ヒロインの胸キュンの恋愛ドラマが味わえる大人気京都ミステリの2冊目です。本書を読んでいてよく出て来るのが最近の若者言葉風の言い回しで、間の抜けた「へっ」、心臓バクバクの「-ッ」。チャラ男俳優・秋人の「ちげーよ」でしたね。今回は1・2・4章が割合に落ち着いた人情味ある話で序章・3・最終章には上品な標準語からえげつない関西弁に豹変する黒ホームズの顔が全開でした。秋人はお笑い担当で空気が和らぎますし、永遠のライバル贋作師・円生との対決が今後も楽しみですね。

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2019年03月15日

購入済み

ドンドンハマります。

若い子向け恋愛系?と思いきや、そうでもなく、色々な展開にドンドン引き込まれていきます。それと、京都のことや古美術のことなども勉強になります。

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2018年08月25日

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ネタバレ

2巻も面白かったです。
ちょっとホラーな話があったのはやめて欲しかったですが…
円生さんは自分でモリアティーって言ってたので最大の敵役ってことになるんでしょうか。
今回は絵画の話も出て来てて興味深かったです。
やはりその絵画の成立ちや背景知ってると見方変わりますよね。

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2025年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回もまたまたホームズさんの
「いけず」なところが見られて胸きゅん!!
ただ2巻目では前巻に比べ、清貴の鑑定に対する真っ直ぐな思いがより強く描写されて、それが贋作師相手に強く出ることもあった。その怖さが清貴いわく、周りの人を怖がされてしまうと引け目を感じている点ではあるが、私も葵と同じくその鑑定に対する真摯な姿勢が逆にかっこいいと思った!!
つまるところ、今回は前回にまして
かっこよさが増していた作品だった(笑)
そして本作での見どころは、
清貴のライバルに出会うところでもある!!

序章『夏の終わりに』
清貴と葵が店番をしていると、茶碗を鑑定してほしいと大阪からお客が来たが…。

第一章『目利きの哲学』
オーナー(清貴の祖父)の誕生日パーティに招待され銀閣寺近くのオーナーの家を訪れた葵。しかし当日貴重なオーナーお気に入りの壺が割れてしまっているところを発見する。ここでの清貴の推理力と周りの人を驚かせてしまったという切ない表情の姿に胸が打たれた。

第二章『ラス・メニーナスのような』
元贋作師で今はオーナーに拾ってもらい画廊で働く米山は、以前贋作を売った富豪の高宮氏に再会することになる。そして高宮氏より、贋作を売った償いに『ディエゴ・ベラスケス』のような絵を描いてほしいと依頼される。そして完成した作品を高宮氏に見せる前にオーナーに見せると、オーナーは『清貴に識てもらい』と言い残し、清貴と葵と米山は高宮氏の元を訪れることに…ここで繰り広げられた清貴の推理と絵画の秘密に芸術作品の奥深さを感じた!!

第三章『失われた龍ー梶原秋人のレポート』
秋人はいよいよ旅レポートの番組で京都を紹介するという大仕事を任されることに!!そこで清貴に初回放送の「南禅寺」の勉強を兼ねて、一緒に南禅寺に行くことをお願いする。すると清貴がその日南禅寺から呼ばれているということから、その前に観光をしようということになり、2人は赴くことになるが…
そこで出会った南禅寺の僧に扮し贋作師である円生と鑑定に強い思いを抱く清貴のプライドとプライドのぶつかり合いにハラハラした。これが円生との長い戦いの幕開けになろうとは思っていなかった…

第四章『秋の夜長に』
秋人の親戚のうちに泊まり込みで、美術品鑑定に行くことになった清貴、葵、秋人の3人。そのうちは東福寺の近くにあり、家を訪れる前に3人は東福寺観光をすることに…東福寺の通天橋で見えた絶景と清貴の読んだ在原業平の歌「きみにより 思ひならひぬ世の中の 人はこれをや 恋といふらむ(君によって想いを知った。人はこれを『恋』というのだろうか?)」という恋の歌に葵同様、胸がズキンと傷んだ。その後に訪れた親戚のうちで起こるドッキリ番組にはびっくりしたが、まさかまさかの最後に明かされる真実に冷や汗が止まらなかった…

最終章『迷いと悟りと』
柳原先生の誕生日パーティーに招待され、行くことになった清貴、葵、秋人の3人。そのパーティーの前に鈴虫寺に行くことになり、お坊さんのありがたいお話を聞いて、私もますます鈴虫寺に行きたくなってしまった…そして参加した誕生日パーティーでは、ゲームとして真贋判定ゲームが行われた。そこの鑑定士抜きの部門で葵は真贋を当て続け、見事優勝。着実に清貴の元で力をつけてきた葵に、清貴たちだけでなく私自身とても嬉しかった。そしてその後柳原先生の指名により真贋判定をすることになった清貴。しかしその真贋判定したものは円生の作品であり彼からの挑戦状だったのだ。それに気づいた清貴は円生の元へ行くが、真贋判定では勝ったものの、100%の自信を持って判定できなかった自分に腹を立てる。そんなに清貴に葵が「次は負けないでください」とかけた言葉にとても救われたと思う…

清貴と円生との戦い、そして清貴と葵2人の恋の行方からますます目が離せなくなった2作目だった…

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

我が家の大好きな京土産「阿闍梨餅」が出てくるというのでわくわくしながら読み始めた。
わくわくは阿闍梨餅だけじゃない。「哲学の道」も「銀閣」も出てくる。
学生の頃、銀閣が気に入ってずっと佇んでいた。友達に絵葉書を書いた記憶がある。父が西田幾多郎の本を好んで読んでいたから、「哲学の道」にも思い入れがあった。
さてさて、このシリーズ第二弾は真贋をめぐるミステリー。円生の存在が物語に勢いを与えている。
ホームズと葵の関係にも胸が躍る。
ホームズが好きな在原業平の歌は、
「きみにより 思ひならひぬ世の中の 人はこれをや 恋といふらむ」
次の作品も読んでしまいそう。

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2024年09月05日

Posted by ブクログ

あなたは、大切な”お宝”だと思っていたものが、『これは、ニセモノですね』と『鑑定』されたとしたらどう思うでしょうか?

まあ、どう思うでしょうか?と言われてもこれはショック以外の何ものでもないですよね。某テレビ番組の影響で私たちは身近なモノに思わぬ価値があることを知りました。幼き時代に遊んだ玩具の数々に信じられないくらいの金額がつくことを知って捨ててしまったことに後悔することしきりですし、モノを買った時に箱を取っておこう、付属品も失くさないようにしようなんていう心がけもするようにもなりました(笑)。それは、まさしく”お宝”になるかもしれないという思いが先立つからでもあります。

一方で、昨今『ニセモノ』が大量生産されもする時代です。ブランド品、これはいつか売れる…そんな風に思っていたモノにも関わらず、いざ売ろうとした時、『これは、ニセモノですね』という言葉を聞くことになってしまったとしたら、そのショックは計り知れないものがあると思います。

さてここに、『京都寺町三条』にある『骨董品店「蔵」』を舞台にした物語があります。『鑑定』する側視点で”お宝”を見るこの作品。そんなお店に持ち込まれた『ニセモノ』を見抜いていく主人公たちの姿を描くこの作品。そしてそれは、望月麻衣さんの大人気シリーズ第2作な物語です。

『葵さん、どうされましたか?』と『カウンターで帳簿をつけ』るホームズに訊かれ『あ、いえ、掃除が終わって、惚けちゃっていました。何か他にお仕事ありませんか?』と答えるのは主人公の真城葵(ましろ あおい)。『仕事は特にありませんし…、それでは、また、お勉強タイムに入りましょうか』と言うホームズに『は、はい!よろこんで』と葵が『カウンターに近付くと』、『スッと椅子を引いてくれ』ます。『相変わらず、仕草や動作のひとつひとつが、とても上品で洗練されている』とホームズを見る葵は『ここにバイトにきて、もうすぐ五か月』、『自分も、もう少しちゃんとしなければ』と思います。そして、『今日はこれを観てください』とホームズは小箱から『陶器の茶碗』を取り出します。『お勉強タイム』とはホームズがレクチャーしてくれる『古美術勉強会』であり、『古唐津の茶碗です…桃山時代に、現在の佐賀県の窯で焼かれたもの…』と続くホームズの解説に『ジッと茶碗を見』、手帳にメモする葵を見て『葵さんは、いつもとても熱心ですね』と言うホームズ。そんな時、『カランとドアベルが鳴』り、『艶のある高級そうなスーツを纏い、ゴールドの腕時計をつけ』た『中年の男性』が入ってきました。『鑑定をお願いしたいんやけど、ええですか?』、『これを識てもらいたいんやけど』と風呂敷から箱を取り出した男性。『黒い手袋』をつけたホームズは『中から茶碗を取り出し』ます。『ズッシリとした印象の「半筒形」の茶碗で、黄土色の肌に深緑色の花の模様が描かれている』という茶碗を見て『これはこれは』と言うホームズに『うちの先祖は代々大阪で商売をやっていまして、これは蔵の奥にあった』『祖父のコレクション』で、『「黄瀬戸(きぜと)の茶碗」ちゃいますか』と話す男性。それに『黄瀬戸、ですか』と『ポツリと零』したホームズは、『あなたはどう思いますか?』と葵に『目で尋ねて』きます。『マットな質感の黄土色の肌。ごつい重厚感。歴史を感じさせる雰囲気もあるし、一見したところ黄瀬戸の出で立ちではある。だけど、どうにも拭えない「違和感」』を感じる葵は『多分だけど、その茶碗は本物ではない気がする』と思い『そっと首を振』ります。そんな葵に『「正解です」とばかりに、満足そうに頷』いたホームズは、『残念ですが、これはニセモノですね』と『キッパリと言い放ったホームズ』に、『目を見開』く男性。『本物の黄瀬度は、俗に「油木肌」といって土の表面に油を流したような艶のある肌感と、なおかつ清潔感があるんです。ですが、こちらにはその質感がまるでありません…間違いなく、故意に黄瀬度を真似た贋作ですね』と『冷ややかに告げる』ホームズ。それに『あ、あんたみたいな若造に何が分かるん?』と『声に怒り』を込める男性。『分かりますよ。もうひとつ言わせてもらえば、あなたはこの茶碗が贋作だと知ったうえで、持ち込まれましたね?』、『大阪の南の方にお住まい』のあなたが『わざわざ京都の骨董品店にこの茶碗を持ち込んだのはなぜですか?』と『優しげな口調』で、『それでも、迫力』を滲み出すホームズに、『一瞬グッと息を詰まらせた』男性は『た、たまたまや…』と返そうとしますが『たまたま、京都にきて、たまたま、黄瀬度の茶碗を持っていたなんて不自然すぎますね…あなたは、あえてこの店を狙ってきた。…学生の見習い鑑定士ならチョロいと思われたんですよね?』と詰め寄るホームズは『この茶碗は作られたあと、「汚し屋」に仕事を依頼されたようですね…贋作売買も慣れたもので、今まで何度か未熟な鑑定士を騙してこられたんでしょうね』と続けるホームズに『何も言えなくなっ』た男性は『ダラダラと汗を流しながら口ごも』ります。『残念やったな。僕は若輩やけど、こんな稚拙なもんに騙されるほど未熟者ちゃうわ』と『瞬時に冷ややかな目を見せたホームズ』に、『男性は顔面を蒼白させ』ます。そんな様を見て、『うわ、出た、怒りの京ことば!』、『「黒ホームズさん」の降臨だ』と思う葵。そして、『真っ黒なホームズ』に『当てられた男性は、贋作の茶碗と風呂敷を手に逃げるように店を出て行』きました。そんな鑑定の場面から始まる物語。『京都』の街を舞台に『鑑定』の世界の面白さを見る物語が始まりました。

“京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた女子高生の真城葵。店主の息子・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと”いけずな”京男子。ある日、『蔵』に茶碗が持ち込まれる。清貴は、それが贋作だとあっさり見抜くが、やがて清貴の前に稀代の贋作師が現れ”と内容紹介にうたわれるこの作品。このレビュー執筆時点で21巻まで刊行され、シリーズ累計230万部という望月麻衣さんの紛れもない代表作のシリーズ第2作です。そんなこのシリーズの魅力はなんと言っても舞台となる『京都』の描写と、『鑑定』の世界の奥深さを見るところだと思います。順に見てみましょう。

まずは『京都』の描写です。この作品の作者である望月麻衣さんは北海道生まれの方ですが、京都に移り住まれています。そして、この「京都寺町三条のホームズ」で”第4回京都本大賞”を受賞されていらっしゃいます。”私が京都市民になったのは、二〇一三年の春”、”何もかもが新鮮で目新しく、すべてが面白くてたまりませんでした”と『京都』の街の印象を語られる望月さん。そんな望月さんが”「余所者目線と感覚」が色褪せないうちに、京の町をどうしても描きたい”と手がけられたのがこの作品です。第1作でも魅力的な『京都』のあちこちを見せていただきましたが、この第2作ではさらに深く『京都』に入り込んでいきます。食に関するこんな描写を取り上げましょう。『阿闍梨餅(あじゃりもち)』という『「満月」という名店』の『市内ではかなり有名なお菓子』が登場します。

 『袋を開けると、丸い焼き餅が入っていた』と『阿闍梨餅』を『パクリと口に運ぶ』葵。
  → 『皮がモチモチで、中の餡がとてもアッサリしていて、 「こ、これ、すごく美味しいです」 思った以上の美味しさに、目尻が下がる』葵は、『関西ではとても人気がある菓子なんですが、賞味期限が五日間しかないので、全国的にはあまり知られていなかったりもするんです』と説明を受け『たった五日間しか味わえなかったら、お土産に持って帰ろうという人も限られてくるわけだ。こんなに美味しいのに一部の人しか知らないなんて、もったいない!』と思います。

『阿闍梨餅』、みなさんご存知でしたでしょうか?私はそもそもこの漢字は全く読めませんし、このお菓子も全く存じあげませんが、こんな風に書かれるととても食べたくなりますね。賞味期限的なレア感も地元以外の方にはポイントです。もう一つは『渡月橋を見ると十三詣りを思い出します』という『十三詣り』です。

 『主に関西に伝わる行事で、他の地方では知らない方も多い』、『イメージ的には七五三と同じようなものでして、数えで十三歳になった時にお詣りをし、知恵を授かりに行くという行事』
  → 『渡月橋の向こうに十三詣りで有名なお寺「法輪寺」があ』る、『参詣の帰路、本堂を出たあと、後ろを振り返ると「せっかく授かった智恵を返さなければならない」という伝承がありまして、渡月橋を渡り終わるまでは、動じず後ろを振り向かずに歩き続けなければいけないといういわれがある』

こちらも私には知識がありませんでした。”○○詣り”という言葉はよく聞きますが『十三歳になった時に』『知恵を授かりに行く』という発想は新鮮です。また、『法輪寺』と『渡月橋』の『いわれ』も興味深いですね。他にも、『哲学の道』や『南禅寺』、そして『東福寺の「深夜の送り鐘」』のことなどなど、もう『京都』のディープな話題が次から次へと登場します。これは、『京都』が好きな方にはたまらない一冊かもしれませんね。改めてそう思いました。

次に『鑑定』という側面です。この作品は主人公の葵のアルバイト先である『京都寺町三条にある骨董品店「蔵」』が舞台となっていることもあって、そんなお店に持ち込まれる『骨董品』の数々含めたいわゆる”お宝”に光が当たる物語です。某テレビ番組の影響もあって、身近なものにも予想外な価値があるのではないか?と思いもします。第1作では、ストレートにそんな『鑑定』の面白さが描かれていましたがこの第2作で望月さんが光を当てるのがサブタイトルの『真贋事件簿』という観点からの物語です。そうです、”お宝”に見せかけた『ニセモノ』を見破っていく物語が展開します。

 『ニセモノはあくまでニセモノであって、本物ではない』

そんな風に言われれば確かにそうではありますが、その”お宝”の知識が十分なければ簡単に騙されてもしまいます。このレビューの冒頭にまとめたのはそんな『ニセモノ』を見破っていくシーンの一節であり〈序章『夏の終わりに』〉で展開されていくストーリーですが、明らかにホームズを騙そうと訪れた男性を返り討ちにするたくましいホームズの姿を見ることができます。作品中にはさまざまなシーンで、さまざまな”お宝”の真贋を見抜いていくホームズの凄腕を見ることができます。それは、『茶碗』だけに限りません。『フェルメール』などの西洋絵画、お寺の『書』、『青磁』などなど、ホームズの博学を改めて感じさせる物語は読んでいて痛快です。ホームズは『ニセモノ』に関してこんなことを言います。

 『我々鑑定士は、まだ観たことのない作品のニセモノを出されても、それがニセモノだと分かるんですよ。本物には本物の、ニセモノにはニセモノのラインがあるのです』。

『鑑定士』はその経験によって『真贋』を見極めていくものだと思っていましたが、『観たことのない作品』であっても見極めができてしまうというのは驚きです。もちろんこれこそが経験の積み重ねということなのだとは思いますが、プロを感じます。

 『ニセモノにはどうやっても、「人を騙そう、欺こう」という隠しきれない打算のラインが出てしまうわけです。どんなに色や形が同じでも、「どうにも何かが違う、いやらしさ」を鑑定士は感じ取れるわけなんです』。

『どうにも何かが違う、いやらしさ』を感じ取れるという『鑑定士』。某テレビ番組の中で展開する『鑑定』は、『鑑定士』の皆さんのそういったプロの目を見るものでもあるのだなと思いました。なかなかに奥が深そうですし、このシリーズが21作までも続いている理由が分かる気がします。

そんなこの作品は主人公の葵とホームズこと清貴を中心に展開していきます。

 ・真城葵: 17歳、高校二年生、第1作で埼玉県大宮市から『京都』に引っ越してきた先に、『骨董品店「蔵」』でアルバイトとして働くことになる様が描かれていた。ホームズの『古美術勉強会』を受けている。

 ・家頭清貴(ホームズ): 22歳、京都大学大学院1回生。骨董品店「蔵」の店主の孫。『物腰は柔らかいが、恐ろしく鋭い。時に意地悪、”いけず”な京男子』。『「ホームズ」と呼ばれているのは、苗字が家頭「家(ホーム)頭(ズ)」』だから。

そうです。この作品は、主人公の葵が、アルバイト先の『骨董品店「蔵」』で一番身近な存在であるホームズと行動する中に登場する”お宝”に焦点が当たってもいきますが、一方でホームズという一人の男性を見る彼女の思い、彼女の心の動きを見る物語でもあります。

 ・『もしかして、夏休み中、どこかに遊びに行こうというお誘いだったりして?…なんだか、少しドキドキしてしまう』。

 ・『どうしよう、ホームズさん、素敵すぎる!  ドキドキさせられてしまっていることが、少し悔しい』。

 ・『楽しげに笑うホームズさんに、ドキドキが止まらない』。

そんな風に何かにつけて『ドキドキ』してしまう葵の様子が描かれていく物語は〈第三章 『失われた龍 ー梶原秋人のレポートー』〉を除いて終始、葵視点で描かれていく分、上記のような葵の心の内が読者にも伝わってきます。それでいて、ホームズには決して視点が移動しない物語は、まさしく”キュン♡”な物語であり、これもこの作品の魅力の一つです。

物語は、〈序章〉と〈最終章〉に挟まれた四つの短編が連作短編を構成しながら展開していきます。上記した通り、この第2作は『ニセモノ』に立ち向かうホームズの姿が描かれていく分、前作とは異なって敵と味方がハッキリと色分けされてもいきます。そんな中でホームズの側にいて、時にはホームズを支え、少しずつ成長していく葵を見る物語。シリーズ累計230万部も納得の読み応えのある物語がここには描かれていました。

 『たとえ故意に贋作を持ち込んだとしても、そこは鑑定士なんだから見抜かなければいけないわけだ。それはまさに、鑑定士と贋作師の勝負なんだ』。

『京都寺町三条』にある『骨董品店「蔵」』でアルバイトとして働く高校2年生の葵。この作品ではそんな葵がホームズと共に関わることになる”お宝”をめぐる物語が描かれていました。『京都』の魅力が盛りだくさんに盛り込まれたこの作品。『ニセモノ』を見抜いていくホームズの姿に読者も感心する他ないこの作品。

とても魅力的に描写される『京都』の街並のリアルな姿に、ホームズと葵に会いに『京都』に行ってみたくもなる、そんな作品でした。

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2024年08月28日

Posted by ブクログ

京都の魅力や古美術のにわか知識など情報たっぷり。蘊蓄好きのわたしには少し物足りない説明だけどジュニア向けだから仕方ないのか。。

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

なんでこんなにも面白く読み続けられるのだろうか。と、ふと思いました。

顔を見合わせて、ぷっと吹き出した
ふふと笑った
ギョッとしてしまう

などの表現が親近感あるのでは……と感じました。
物語の進行はほとんど葵ちゃん目線で描かれているため、骨董品の知識や京都の知識などホームズさんに説明されて知らなかったことを知れたと言う葵ちゃんと同じ感覚で物語が進んでいきます。客観的に物語は見ているはずなのに、いつの間にか葵ちゃんを自分と置き換えていたり、物語の世界観にいつの間にか入り込んでいた感覚があったりするのも夢中で読める理由なのかもしれないと感じました。

読めば読むほど、京都に行きたくなります。

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)

京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた、女子高生の真城葵。店主の孫・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと“いけずな”京男子。ある日、一見の客が『蔵』を訪れ、清貴は骨董の茶碗の鑑定を頼まれる。それが贋作だとあっさり見抜いた清貴だったが、後日、清貴と葵の前に円生と名乗る若い僧侶が現れる。円生は、稀代の贋作師だった―大ヒットキャラミスの第二弾!

令和5年11月11日~14日

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2023年11月14日

購入済み

楽しいお話し

望月先生のお話しは いつも思うのですが お伽話ですよね。
いろいろな難関があり どうするの?と思いつつ読み進めるなかで王子様とお姫様が綺麗にまとめ上げてくれる。
出てくる王子様お姫様含め 登場人物みんな大好きになります。

#胸キュン #癒やされる #カッコいい

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2023年10月25日

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現在も続いているシリーズなので1巻はただのプロローグに過ぎないという私の読みは当たっていた。2巻になり、ぐっどミステリ度合いが強くなった(とはいえライトミステリだが)。美術品を巡る鑑定士と贋作師の戦いは手に汗握るし、キャラクター達が活き活きとしていて読んでいて楽しい。京都を旅した気分に浸れるのも良い。お得な一冊である。

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2023年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作に続き2作目を。とても面白かったです!サブタイトルにある通り、全体を通して贋作についてのお話でした。

いつもは見ないのになんとなーく、読む前にあらすじ見たら、盛大にある人物のネタバレ書いてあってかなり笑いました。清貴さんにとってのモリアーティ教授なのですね。ライバルキャラも現れてどんどん面白くなりそうです。

前作にでてきた秋人が出てきましたが、少しずつ仲良くなっていってる気がしてほっこり。男性でもエスコートが完璧なのにいけずな京男子…良きです…(*ˊᵕˋ*)੭ ੈ❤︎ただ慣れているからなのか清貴さんの京言葉は言うほど怖くなかったです。

少女漫画展開も楽しく「ごちそうさまです!」って叫びたくなる描写がチラッと。最後のシーンでは「ま…まさか…!?」と展開があったので、今後の恋愛も進みそうなような気がしますが、2人の過去もありきっとゆっくりなのだろうな…。

まだまだシリーズは長いですが続きが気になります。

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2022年06月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

京都が舞台の骨董・美術品ミステリ(というジャンルでいいのかな?)。

前作もなかなか良かったのですが、本作ではホームズこと、家頭清貴のライバル的存在の贋作師、円生が登場。清貴が有能すぎて緊迫感が薄いのが惜しいところだったので、その弱点が埋まったのはとてもプラスポイント。

葵との関係がどうなっていくかも含めて、いい感じに先の展開が気になってきました。

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

私の地元にご縁のある作家さんの作品。市民だよりで紹介されていたので読んでみたけど、シリーズ2作目にしてハマりそう!

骨董品にまつわるライトミステリー。本当にライトなのでサクサク読めますが、2冊目から続編に引き続いていくであろう大きなミステリーが始まって、ドキドキする展開になってきました。

登場人物の掛け合いが楽しくて、特に主人公の今後の恋の行方が楽しみです。

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2022年01月01日

Posted by ブクログ

俳優の秋人に頼まれて訪れたお寺で贋作師・円生とであう。秋人はレギュラーキャラになったんですね。葵の目が優れているとは最初から言ってましたが、柳原先生に褒められるほどとは、葵の進路はどうするのか?読んでると京都に行きたくなる〜。

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2021年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

骨とう品店でアルバイトをするうちに、京都特有のイケズな男子に鍛えられる葵
遠距離恋愛問題は1巻で解決したが物語はマダマダ続くのだ
骨董店の孫、家頭(ホーム・ズ)清貴の前に謎の贋作者がライバルとして立ちふさがる
万能鑑定士Qni登場するコピアみたいだとアタクシだけ盛り上がる

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2021年01月09日

Posted by ブクログ

ライバルが出てきたので、今後がちょっと楽しみ。ミステリの推理部分は、主人公の頭脳の中で完結してしまって推理する情報が少ないのでちょっと物足りない。
けど、主人公がスマートでかっこいいのと、京都と美術品のウンチクが豊富なので、そちらに満足。

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2018年11月11日

Posted by ブクログ

二作目も面白かった!
最初に読んだ時にも感じたが、
ヒロインの葵ちゃんが鼻につかないというか
優しい表現をする子で個人的には
とてもいい。
ホームズと葵ちゃんが
これからどーなるのか気になる‼︎

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2017年03月28日

Posted by ブクログ

こんな話だったなぁと思いながらほぼ覚えてなくて楽しめた
ホームズはもちろん、葵の目利きがすごい
これからもっと円生との戦いというか勝負というかが始まっていくのかなぁ

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2025年04月28日

Posted by ブクログ

贋作師登場。でも単なる悪者ではなく、人間くさくて好きです。
登場人物それぞれに別の顔や裏の事情があって、ストレートなのに厚みがあるストーリーですね。
安心して読めるシリーズです!

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

優れた贋作師とホームズのライバル関係が築かれる。秀逸な贋作を作れる者は、目利き以上にその作品の背景や作風を理解し、更に作者の技量をも凌駕する力量が問われる。少し面白くなってきた。

葵の鑑定眼も頭角を表しはじめる。家頭清貴と真城葵は1巻からキャラが立っていたが、秋人もしっくりしてきた。ちょっとしたミステリーの要素も1作目より印象深く感じた。

カードトリックを見破る場面などは、そこまで隙のないキャラってどうなんだろうと感じた。
阿闍梨餅は好物だが、午前中で売り切れるので、私の口に入ることは滅多にない。京都の肉も美味しいし好物である。
鈴虫寺もさらっと住職の説法が入る。
今回も京都を満喫でき、骨董品の歴史も知ることができた。

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2022年08月11日

購入済み

さっくり読んで楽しむ系

ホームズくんの目利きっぷりはもちろん、勉強を始めて日が浅い葵ちゃんまでこんなに真贋を見極めるなんて、いやー、フィクションだよねと思いつつ、まぁ楽しいから良いかなということで。

最後の、円生とホームズくんの対決、ホームズくんはあれこれ勿体付けて自分が負けたと思ってるけど、円生はあんな半端な勿体付けで、実際見破られてるのに勝ったつもりでいるんかね?

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2021年02月12日

Posted by ブクログ

 ホームズのライバル、円生登場で面白くなってきた。
アニメでみた話が多いけれど、さらっと読めてこんな内容だったなぁと思い出しながら楽しんでいる。
円生に振り回されて、ホームズさんが素の部分をさらけ出すシーンは人間味があって好き。
二人のバトルがこれからもどんどん出てくると良いな。

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2019年12月06日

Posted by ブクログ

とにかくホームズさんがカッコいいという事。
イケメンに囲まれて葵は羨ましいな。
ホームズのライバル円生も登場して面白くなって来た。

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2019年01月31日

Posted by ブクログ

仔犬のような元贋作師米山に、二十五歳の俳優の秋人と清貴の、寺の僧侶の贋作師円生との出会い、仕掛けられた心霊ドッキリに、勝負と謎を仕掛けられ結ばれる円生との因縁等。秋人も加えた会話劇や、葵の審美眼を手放しで喜んだりいけずの割に心を許している清貴が微笑ましい。寺の描写が清々しい。文章の隙が少し薄れた。

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2018年10月10日

Posted by ブクログ

ホームズさん、相変わらずの観察力・洞察力です。自分もこんな力を持てたらと思ってしまいます。円生というキャラの登場はこの先もことあるごとに対峙することになるのかちょっと興味。

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2018年10月06日

Posted by ブクログ

「秋の嵐山の駐車場は、自家用車駐車お断りやで」等と、つっこみを入れたくなるところも多いですが...。
宿敵円生も登場してまあまあ面白く読めた。やっぱりホームズには、モリアーティ教授がなくっちゃ!

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2018年08月25日

Posted by ブクログ

京都観光案内も堂に入っていて、負けず嫌いな清貴もなかなか良かった。迷いと悟りのエピソードも良かったと思う。
ただ、まあ、文章能力が低いのは残念なことだ。ちゃんと推敲はしているのだろうか。ラノベとはいえ、自分の書いた文章には責任を持ってほしいものだけれど。
清貴のキャラクター造形で成り立っている作品、というところだろう。

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2018年08月04日

Posted by ブクログ

ホームズに敵が現れた。贋作師円生。
これはなんだかおもしろくなってきたぞ。

それにホームズと秋人さんのコンビもなかなか面白い。

葵ちゃんも頑張ってるけどね。

ホームズのイラストが私のイメージとなんか違う。

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2018年05月22日

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<内容紹介より>
京都の寺町三条商店街の骨董品店『蔵』でアルバイトを始めた、女子高生の真島葵。店主の孫・家頭清貴は、物腰は柔らかいが恐ろしく勘が鋭い、ちょっと”いけず”な京男子。ある日、一見の客が『蔵』を訪れ、清貴は骨董の茶碗の鑑定を頼まれる。それが贋作だとあっさり見抜いた清貴だったが、後日、清貴と葵の前に円生と名乗る若い僧侶が現れる。円生は、稀代の贋作師だった――大ヒットキャラミスの第二弾!
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前作からの続きとして、するすると読み進めることができました。作品の中には5つのエピソードが入っていますが、今回は「贋作」がテーマとなっています。
どのようにして清貴や葵が「真」と「贋」を見抜いていくのか、その様子がしっかりと描かれているので、目利きのポイントもわかりますし、葵の成長も感じることができます。

今回は秋人のテレビ取材の下見につきそう、という場面も出てきて、よく知られている観光地の解説もあり、ガイドブックとしても前作以上に役に立つかもしれません。

清貴と葵の関係が変化するのか(あるいはしないのか……?)も含めて、次巻が気になるエンディングです。

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2018年04月07日

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黒ホームズさんがいっぱい。

京男子というよりは
いけず男子やねぇ。
好きやけど(笑)

対比するような葵ちゃんの素直さが可愛らしい。

秋人の登場でさらに面白さアップかな。

次も楽しみです。

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2017年04月13日

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