中山市朗のレビュー一覧
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大掛かりな呪いでも仕掛けているんじゃないか、もしくは土地の祟りに触れたのかと思わせる「まだらの坂」。まず「まだら」のビジュアルがしんどい、恐怖の前に異様さしかない。それが治った後に恐怖に変わるので、すごく嫌。
「靴」「工事現場」「女であって人ではない」「ピアノの修理」「家を買った」と土地に関わっているであろう怪異怪談が多かったなという印象です。
「山の霧」「目」もそうか。山という場所そのものが、身近にありながら異界に通じている場所をいうことを、気づかせてくれる怪談。
「野球のボール」これ怪談ではあるけども、実は事件につながっているのではないだろうか。そう考えると闇の深さが恐ろしくなる。復讐の -
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日常で遭遇する恐怖をまとめた怪談実話集。
サブタイトル「市朗百物語」「市朗百物語 赤い顔」「禍々しい家」「四季異聞録」「黄泉からのメッセージ」「あの子はだあれ?」「黒いバス」「山の足音」に続く、怪談狩りシリーズ9。
八甲田山雪中行軍遭難事件など、歴史的な事件にまつわる一連の怪異の総括も収録する。
自分にもありうるような、また実在する場所や出来事からの怪異など、リアル感たっぷりでかなり怖かった。というか今も怖い。
サブタイトル「葬儀猫」を含む57話。
公園のおばさん
流行らない店
トンボ
リセットするよ
空き缶
ファミリー・プラン
絆創膏
葬儀猫
悪魔祓い
エクソシストのテーマ
百三十円
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「杣の山」「八甲田山後日談」「千日前デパート」
禁忌に触れている印象が強く残る3編。終盤に畳み掛けるようにおいているのは、勘弁してもらいたい。
「八甲田山」関連が怪異を呼び起こすのは、どれだけ敬意を払っていても、お金が発生する形態をとってしまっているからではないかな、と思ってしまった。その片棒を担いでいる自分が言うのも何ですが。
敬意で思ったのは「真夜中の宴会」。傍若無人な振る舞いのせいで自業自得なことになってしまうのはよく聞く話ですが、きちんと礼儀作法を守れば、きちんと加護を与えてくれるという典型かな。ほっこりしました。また、無礼なことして怒られるのかな、と思って読んでいただけに、余計にね。 -
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ネタバレ百物語式から代わり短編物に、話は減った分一話一話が怖い、一番怖かった
「口元」
義母に暴力を振るう息子、家から逃げたい義母、仏壇に現れるおばあさん。過去に何かがあって義母が呪われて息子も影響を受けて暴力を振るうようになったのか…と勘ぐりたくなる
「深夜の訪問者」
「全体がグリーンがかった外の様子。そのモニターの半分が、一人の女の左半分の顔で占められていた」
怖っ怖っ怖っ、想像すると怖すぎる。シンプルだけど目に情景が浮かんできてゾッとする
「角部屋からの訪問者」
個人的今作最怖エピソード
あの四つん這いの女のせいで前の住人は自殺したんじゃないかな…そして引っ越しをしないNさんの図太さがすご -
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ほっこり怪談かと思いきや、最後にひっくり返してゆく「おじいちゃん」。因縁なのか怨讐なのか、解釈次第でどうとも取れる「カルテの虫干し」。人の弱みにつけ込む悪意の塊「彼女の声」。ホンモノじゃねぇかの叫びにいろんな闇を感じる「心霊番組」。これを社畜というのは心苦しいけど、そこまで囚われてしまうのがしんどい「残業」。希望と絶望が同居してしまう怖さの「やけど」。コロナ感染で経験したというタイムリーな「死神」「コロナ感染」「入院」。タイムリーというと不謹慎な気もするけど、大災害やパンデミックのような歴史に残る出来事には、不思議なことがつきものだと思う。そうでない時も起きているだろうけど。善意の仮面で奈落へ
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