【感想・ネタバレ】なまなりさんのレビュー

あらすじ

怪異蒐集家・中山市朗が聞き取った幻の長篇実話が新装版で登場。後日談と、書き下ろし短篇を収録。沖縄で退魔師の修行を積んだというプロデューサーの伊東礼二。彼の仕事仲間の健治が、沙代子という女性と婚約をした。しかし沙代子は、妖艶な双子姉妹による執拗ないじめにより自死へと追いやられる。彼女の死後、双子姉妹の周囲で奇妙な事件が続発するようになるが、それにとどまらず、被害はやがて双子の実家へと移っていく――。伊東氏の目の前で起こる信じがたい怪異と事実……。体験者本人によって、二日間にわたり語られた生々しい体験記。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読み終わった後、背筋がぞぞぞとして、しばらくやまなかったです…。

本作の作者さんが原作の映像作品「怪談新耳袋」は大好きで、あらかた見尽くしたと思うのですが本を読んだのは初めてでした。
ごくフラットに体験者の話が書いてあって、それが逆に怖い。
でも、今日夜お風呂はいれないような怖さじゃなくって、ふいに思い出してはゾッとするような感じ。
きっとこの先の人生で度々思い出してしまうんだろうな。

お化けや幽霊が存在するか否か、そんなことはおいといて、ただこんなとてつもない怨念や因縁が実際にあったと言うことが、兎にも角にも恐ろしい。
なるべく穏便に生きていきたいと切に思う。

背筋をゾクゾクさせたい方には超オススメの一冊です。

1
2023年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ドロッドロの因縁もの怪談、善良な女性をいじめた双子姉妹が家族もろとも酷い目にあいました」だけではない変な不気味さが好きで、2回読んだし多分また読むと思う。

中山さんの怪談狩りは何冊か読んでいて、「なまなりさん」もタイトルをどこかで見て印象に残っていたのが、今回格好良い表紙で出たので買った。

がらせの描写はそんなに詳しくなく、自分には割と時代がかった・浮世離れした展開に見えたので、さらっと読めて助かった。(第三者の語りをさらに著者が一部変更している構成なので、本当にものすごく酷いことをした・されたのかもしれない怖さもある)

気持ち悪いのがそのあとで、
姉妹のちょっと浮世離れしたやりようや「私たちは長く生きられない」と含みのあることを言っていたのに、憑き物が落ちたように普通の女の子として帰っていくところ、
心身健康で優しい女性が、尋常でない呪い方をして、自分の妹も巻き込んでいるところ、
姉妹の両親が「自分たちの血筋には因縁がある」と言っていたり、何より姉妹が生まれた時に起こった呪いじみた件のところ、

自分には、
あの姉妹はただ呪われて死んでいくためだけに、東京に出てきて女性をいじめて、女性はただあの家系を呪うためだけに、姉妹と関わって自分であんなことになって…という、
本人たちの恨みとか悪意より、ただ因縁の結果そうなるように決められていて、それであれだけのことが起きた、という話に見えた。

退魔師の人が、これ以上関係者に酷い目にあってほしくないとお祓いしつつ「こんなことしても駄目だ」のところは、そうだろうな…とここだけとても納得したのでちょっと面白かった。

因果応報というにはなんとなく気持ち悪い、不気味な印象のまま終わって、思ったよりずっと怖く面白く読んだ。

0
2023年01月09日

Posted by ブクログ

怖い!怖すぎる、、、実話怪談ってことは実際起こった出来事なわけで…人間も恐ろしいし怨念も凄まじい、、、

0
2023年01月03日

購入済み

呪いの闇鍋

呪いの闇鍋みたいな感じで恐ろしいことが起こりました。金持ち姉妹やその親は自業自得の一言です。犬が好きなので、蠱のため犬が殺したのは厭な気分になりました。

#切ない #怖い #ダーク

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

★3.5
それは「呪い」と呼ぶには、生々しすぎた。
感情の残滓。粘つく執着。何かの、なれの果て。
怪異蒐集家・中山市朗による、実話怪談。双子の姉妹が織りなす、凄まじいまでの執着と嫉妬。そしてそれがもたらす怨念の連鎖。


「なまなり」とは、恨みが骨の髄まで染み、鬼と化す寸前を指す。怨みが言葉を持たず、しかし確かに形になろうとする、その発火点。
本書は怪異譚という枠を超えて、人間の怨念の深淵と、その不気味なリアリティを映し出す。読後の静寂は、決して安堵ではない。むしろ、底知れぬ闇が確かにそこにあることを、実感する時間なのだ。

人を呪わば穴二つ。
呪いは姿を変え、名を捨て、ただ影として這い寄り、気づけば隣にいる。それだけだ。逃げ場など、最初からどこにもない。
いじめ、嫉妬、そして怨念の渦は、私たちの日常の隣でも起こり、迫ってくる。

怨念は姿なきまま、誰かの祈りの隙間に入り込み、誰かの言葉にならない嘆きに絡みつき、やがて静かに、確実に、日常の隙間から侵食していく。ただただじわじわと、言葉になる前の感情に寄生するようにして、皮膚の裏側を侵していく。

人の悪意がどれだけ歪で、長く尾を引くのか。因果応報という言葉ではもう足りない。
中山市朗は語っていた。「呪いから逃げるのは難しい。呪いを受けないように生きるのだ」と。

最近、動画サイトでよく怪談話を聞く。うまい怪談師は時代背景や物理現象、心理的要因などを巧みに操り、実際にあった話なのだと、ひたひたと迫ってくる。
だが、中山市朗の語りは、それだけでは済まない「何か」がある。
まるで語ることそれ自体が、なにかを引き寄せる呪術であるかのように。

夕暮れでもないのに、影がやけに長い。
すりガラスの向こうの人影は、誰のものだろうか。

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2025年06月04日

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著者自身がYouTubeで話していたのを半分ほど聞いていましたが、後半は予想を上回る恐ろしい展開にゾッとした。脚色無しの実話ということを踏まえると、語り手が述べているように読者も「呪い」の類を信じる信じないの二元論ではなく、事実として受け入れざるを得ないとなってくる。最も解釈は自由ではある。読み終えて、頭に過ぎったことは被害者?家族に起こった長きにわたる不幸は、呪をかけた一人がもたらしたものなのか、その家系にまつわる過去の怨念的なものなのか、誰も明確な説明をしないので分からなかった。事実はミステリー小説のようにすっきりとは終わらない、このようなものだろうと考えれば余計にこの本で語られたことが恐ろしく思えてきた。

0
2024年11月04日

Posted by ブクログ

軽く読めて楽しめる1冊。





家の前にきて「ここは良くない」とか言うだけ言って帰ったおっさんほんと好き

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

自分の死をもって凄まじい呪いをかけるその執念。姉妹は自業自得かと思いきやそんな単純な話ではなく、一族の歴史にまで遡る。祓う方も下手すれば命が危ないし、かなり危険な案件だった。これ、映画で観てみたい。

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

どっちが悪いのか一目瞭然だけど、祓うひとには差別はないのかなとはちょっと思った。
呪いは自分に返ってくるのは本当なんだろう。
京都の貴船神社には実は行ったことがないのでそのうち行ってみたいと思います。

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2022年12月22日

Posted by ブクログ

文体は非常に読みやすくてスラスラと次に進んでいくが……実話という話がまたなんとも手を止めさせに来る。
人の執着心、怨嗟そんなじとりとした嫌ななにかを背筋に味わいたい人にはオススメの一冊。

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2022年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

関わるもの全て不幸にするようなとんでもない怨霊。

なぜ姉妹はいじめをしたのか。
伊東氏もなぜそこまで付き合ったのか。
そこら辺はモヤモヤとする。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「なままりさん」という単語が醸し出す不気味さは最高。ただ、誰が誰を恨んで何をしてるのかが結構はっきりしてるので、なままりさんの言葉の響きから期待していた謎の呪い感とか謎みたいなものは全くない。また、双子のキャラクターが富江みたいですごく良かったけど、急に弱くなるので残念だった。ざまあ感は減るかもだけど、どうせ早死にするって二人はわかってたし、変に「ごめんなさい」ってなるより開き直って死んだらキャラが立ってた分キャラの魅力を維持できて、作品としてのもっと評価が高くなったんじゃないかと思った。実話風なので全体的に話の展開は疑問が残るところが多くてややモダモダ。
正直、双子が犬殺してる時点で「死ねどす!」となってたので後半は助かってくれと思えず、なんで主人公は関わり続けるんだろう?と惰性で読んでた。メール受信したら燃えた、は情シスブチギレ案件だなあ。

ホラーでよく見る手法ではあるが、犬猫が可哀想な死に方するので注意。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

まあまあ。読みやすい。
双子が彼女に嫌がらせしてんのにもっとなんかあんのかと思ってたら男好きなだけ?なんじゃそら。

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2025年04月30日

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人の思い、執念、恨み、呪いは
一族末裔まで受け継がれ伝染する‥。

怖い。
因果応報、女の念の強さは計り知れない。

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2025年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪談を取材してるという構成。
語り方に好みはあるが。
あとがきや背景を知っているとより楽しめるんだと思う。
勉強不足ながら初めて知った身としては、衝撃的な内容。新三茶と同じく、あまりにもストレートで露骨な怪現象ゆえに、疑ってしまうパターン。
あまりにも生々しいゆえに、フィクション性が低く、リアリティが高い。作られた話感が薄い。ある意味、読み物としては単調なんだが、それが信憑性を担保してるように思える。
サヤコにこの本をお供えしてたり、とか後書きの内容が不謹慎ながら微笑ましい。

0
2024年10月24日

購入済み

呪い元がリーダーを作る話

ざっと読むと結構とっ散らかった感じの話だった。
実話であるということを考えると、沙代子は鬱になるような真面目で気弱な性格の被害者から一転した部分が説明されておらず、
「良いパートナーに恵まれた幸福な人生を諦めざるを得ない目に遭わされ、命懸けで怨敵を呪い殺す者に転換させられた」
「その時指揮をとったか近くで嘲笑ったのがカナエ」「姉妹(一家)のそれらの行動の全てが呪いによるもの」
みたいな想像をして、足りない部分を補完せざるを得ない。
鬱だと無力化してしまうが、転じて沙代子が攻撃的になるような引き金を引いたのだろう、納得のいく部分がぽっかりとない。

加害者姉妹は、それぞれに代々呪われた両親がおり、
元々兄となる筈の存在を呪いで喪っており、姉妹の出生時に「こいつらによってお前らは滅びるぞざまあ」的なことを呪い元から言われている。
自分たちを滅ぼすための呪いが更に強まるように操られ、目をつけたのが沙代子であり、
しかしその沙代子の出自や能力のポテンシャルについて一切言及がない。

そして代々力を持つような家系でもない、怪我で少し目覚めた程度の儚い力しかない退魔師(資格持ちなだけのほぼ一般人にしか見えない)も自滅。
そもそもが何で修行したり資格とったの?という謎。

呪い元の方々が強い仲間(道具)を作って引き込んでやり遂げた話、ということだけ分かる。
全体的に漠然としているのが実話怪談らしいけれど、漠然とし過ぎて「人を蠱にしたらいけない」という当たり前のことしか分からない。

一家は全滅して呪い元の皆さんの本懐は遂げられたのだし、読者としては沙代子は家族が幸福になることで自浄されていくことを望むが、
後書きから、下手に触ると障りのある話になっていることが匂わせられており、モヤッとするのも怪談師の定石の手っぽい。

様々な素材が揃っていて、話のポイントとなるような、決め手になるエピソードがなく、結局漠然としているまま一冊本ができるというのもすごい。
一気に読むほど好奇心は刺激されたが、その好奇心がひとつも消化されないのもすごい。
実話怪談系は仕方がないのか。取材者としては他に能力のある第三者を連れてきて解説してもらうとか、もう少し何かしてほしかった。

#シュール #じれったい

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

導入部を山中先生が直接話されてる動画がYOUTUBEにありますが、そちらの方が余程怖い気がします。
やはりあの人のお話ありきかなと。
文字にすると内容自体は恐ろしくてもやはり怖くはない。

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

怖いか怖くないかと聞かれたら
ズバリ私は怖さは感じなかった。
しかし呪術は興味深い。
かけるのも、かけられるのも
どちらも嫌だけど。

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2024年02月03日

Posted by ブクログ

筆者が聞き取った話、ということなんだけど……実話ベースでこんなことがあったら生きていられん。序盤の発端もなかなか嫌なところを突いてくるが、後半で明かされていく裏の面も含めて考えると、日本土着の闇深い恐怖は、長くはない話ながら読み応えがある。しかしやはり本当にこんな話が実在するとなると恐ろし過ぎるので、脚色たっぷりということにしといて欲しい。

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2023年07月04日

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