中山市朗のレビュー一覧
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建物で起こった怪異を収集した『禍々しい家』。
「角部屋からの訪問者」「メリーさんの館」「置屋」と恐怖に震えた話。ただ、正直な話、収録されている全ての怪談に震えが止まらない。ここまで、怖さが押し寄せてくる一冊というのもなかなかない。
やはり、家という舞台がそうさせるのでしょうね。一軒家、アパート、マンション、廃屋と舞台は違えど、構成されているものは同じなので。
帰宅した時の安心感。それを裏切る違和感。例えば、消したはずの電気が点いている。たいてい自分の記憶違いなのですが、そうでない可能性。
そこに染み込んでいるのが、怪異だったりするわけです。
ふう。一気に読むには心が落ち着かず、休み休み読みまし -
Posted by ブクログ
「洞窟のお堂」「私が二人」「鬼が来る」「メガネ」「思い出ノート」「サヤマさんが来る」が印象に残っている話。そしてタイトルにもなっている「黒いバス」。
「黒いバス」が登場する一連の怪談。時代も場所も違いながら、各地で目撃される怪異。最終話の「お手伝いします」で語られたことから、何者かの介入があるのだろうと思わされます。人知を超えた何者かの。
長年積み重ねられてきた、多くの人々の執念・怨念が形取って生まれたものなのか。
手伝いをしてもらわなかった、してもらえなかった語り手の女性。手伝いの代償は、と考えると恐怖も生まれるけども、悲しみの方が強く残ります。
どんな境遇になってしまっても、忘れることの -
Posted by ブクログ
「新耳袋第一夜」4
著者 木原浩勝、中山市朗
出版 角川文庫
p4より引用
“読書とは、
異界を呼び起こすための呪術に外ならないのです。”
怪異蒐集家である二人による、
現代に起こった不思議で奇妙な話を集めた怪談集。
仏間での話からトンネル等外での話まで、
読みながら後ろが気になる話が99話収録されています。
上記の引用は、
京極夏彦氏による一文。
自分の目の前で別の世界が開かれるとは、
考えてみるとずいぶん凄いことだと思います。
昔から数多くの小説などが読まれるたびに、
異界が生み出されているかと思うと、
世の中はえらくごちゃついている様な気になってきます。
あとがきによると