中山市朗のレビュー一覧
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ネタバレもし自分が幽霊で、恨みなり八つ当たりなりを生きている人間に仕掛けて、
驚くやろな怖がるやろなと思っていたら、
思いっきり物理攻撃(蹴り)で応戦されたら。
あるいは、電話口で恨み言なりを言おうとしたら、姐ちゃんに思っクソの関西弁で一喝されたら。
パニックに陥るのも、二度とこんなところかけてやるか!と凹むのもわかる気がする…。
いや、そういう怪談ばかりではないですが。
めちゃくちゃ印象に残ったのは、「生きてる人間のほうが怖い(物理的&勢い的に)」話だったので…。
意外と凡人でも「寺生まれのTさん」的なフィジカルを見せつけられるのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
特定の「怪談」が、連続して怪異を成す、という話は何度か耳にする。
古く有名なのは、徳川夢声氏を襲った「田中河内介」の怪異だろう。
凄まじい怪談会での変死事件にはじまり、不気味に徳川氏周辺を得体の知れないナニカがうごめく。
中山氏にとってはそれが八甲田山・青森第五連隊にまつわる話になるのだろう。
特定の話を語る際に起こる怪異は、単純に怖いながらも、「怪談を語る」を生業としている人間に確実にダメージを与えるような代物で、それを引き起こしているのがもし軍人ならば、なかなか敵?を心得ている、死後もなお凄まじさを感じる。
しかし、こういう怪異に見舞われながらも、話を封じず、リクエストがあれば語るあたり -
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呪い元がリーダーを作る話
ざっと読むと結構とっ散らかった感じの話だった。
実話であるということを考えると、沙代子は鬱になるような真面目で気弱な性格の被害者から一転した部分が説明されておらず、
「良いパートナーに恵まれた幸福な人生を諦めざるを得ない目に遭わされ、命懸けで怨敵を呪い殺す者に転換させられた」
「その時指揮をとったか近くで嘲笑ったのがカナエ」「姉妹(一家)のそれらの行動の全てが呪いによるもの」
みたいな想像をして、足りない部分を補完せざるを得ない。
鬱だと無力化してしまうが、転じて沙代子が攻撃的になるような引き金を引いたのだろう、納得のいく部分がぽっかりとない。
加害者姉妹は、それぞれに代々呪われた両親がおり -
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今回は末尾を中心に「山の怪談」が多い一冊。
吉野・高野山という霊山もあるが、里山(田舎)もあるので、どちらかというと人間の生活圏に近い。
このうち、吉野を著者が探索したエピソードがあるが、そのなかで『山怪』の田中康弘氏との出会いから「山の神」の存在を考えるようになったと書いている。
この本と同年の心霊ドキュメンタリー『北野誠のおまえら行くな。』では、「女の声が聞こえる某トンネル」を訪れた北野誠氏がこの田中氏とこの著者の名前をあげたうえで「これは山の神ではないか、幽霊ではないような気がする」とコメントしている。
このように本書で語られている中村氏&田中氏の「山中にあらわれる女性=山の神 -
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8月も終わるというのに異常なほど暑い。
いったいいつまで続くのか…。
うんざり気味の毎日にぞぉ〜っと寒気がするような本を読もうと手にした怪談実話集。
言い伝えなどもあるが、土地や家にまつわる話は動きがとれないと感じるせいか怖さが増す。
「二十二階の男」高層マンションの窓に張り付き、ニタッと笑って落ちてゆくなんてゾッとする。
「遭難」娘のお稽古帰り、遅くなり高速道路に入ったはずが、逆へ向かっているのに気づきインターを降りた後迷ってしまう。廃寺近辺をうろうろしたあとやっとの思いで帰ってから太ももにくっきりと指五本の手の平の跡が…。
「弟」彼女の家で見たものが、想像を超えたものすぎて気絶して -
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ネタバレ体内に怪談を300話くらい吸収したのでこれだけ読めばいつ怪奇現象が起きてもおかしくないですねな怪談狩り第四段。四季の情景を頭に思い浮かべて読めば怖さ倍増
○五号室
怖くもあり切なくもなる戦後の話。情景が目に浮かんでくる
○卒業旅行
怪異に対抗するにはやはりフィジカル
○タカシの引越し
Mさんは踏んだり蹴ったりだけど最終的には良かったのかもしれない。2人で勝手にやってろ
○やめとかんね
「息を呑んだ。まぶしいほどの、満開の桜」
登場人物がみんな優しくて良い話。A子さんはきっといい人生を送っていけるはず。
○綺麗な梅林
拝み屋がさっさと帰ろうとするほどの"凄いもの"ってなんな