佐藤優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
佐藤優さんの読書関連のお話には関心があるので、出るとつい手を伸ばしてしまいます。
が、本書は週刊プレイボーイに2008年10月から2010年3月まで連載されていたものが基本なので、ほぼ2年以上前の本ばかりというのが残念です。
章立てするくらいに重きを置いている「日本という国がわかる書籍」や「世界情勢がわかる書籍」というのは、この2年の間にもきっと増えているんじゃないかな、と思うと、出来るだけ新しいものを読みたいと思うのが人情かと。
それでも何冊か読みたいと思わされた本がありましたので、備忘的にご紹介しておきます。
1. 村山由佳『おいしいコーヒーのいれ方I キスまでの距離』
以前にも、佐藤優さんが書かれていた、綿矢りさ『夢を与える』の書評(佐藤優『功利主義者の読書術』)を読んで思ったのですが、佐藤優さんは、世間一般のイメージからは想像しにくいのですが、こういう小説の紹介がとても上手いです。
そして、この小説を『新共同訳 新訳聖書』と一緒に紹介するところに、佐藤さんの読書の幅というのが垣間見えるのです。
2. 冲方丁『天地明察』
「休みにこそ読むべき本」として紹介されているうちの1冊です。
もともと「読みたいな…」と思っていた本なので、ここは素直に年末年始の読書リストに加えておくことにしましょう。
なお、合わせて紹介されていた「休みにこそ読むべき本」のもう一冊は、ヘーゲル『歴史哲学講義』だったりします。。
3. 大城立裕『カクテル・パーティー』
4. 池上永一『テンペスト』
両方とも沖縄に関する書籍なので、沖縄行きの飛行機の中で読んでみたいですね。
まあ、『カクテル・パーティー』の方はそういう軽さではない本ではありますが。。
ちなみに、これまで沖縄行きの飛行機で読んだ中では、田村洋三『ざわわざわわの沖縄戦―サトウキビ畑の慟哭 (光人社NF文庫)』が結構良かったですよ。
佐藤さんの言を借りれば、僕らはみんな野蛮人なわけですけど、こうして読書を重ねていくことで、ちょっとは教養人に近づけているのかな…? -
Posted by ブクログ
元外交官の佐藤優氏がビジネスマン向けのインタビューに答えるという形式をとっている。そのため、文章量はあまり多くなくすぐに読める。
会話の進め方や初対面の人との接し方など、比較的実践しやすい内容となっているとは思うが、自分自身がが実践するにはちょっと敷居が高い。バリバリのビジネスマンならすぐ実践できると思う。
ただ、僕が読んでいてい最も印象に残ったのは「小説」に対する考え方の部分だ。
「よい小説とノンフィクションを大量に読んで、疑似体験を大量にストックしておく。(211頁)」
「(インテリジェンスは)そもそも小説の読み方が違う。必ずこの中に『生き残るヒントがある!』と、こんな読み方をするんです。(214頁)」
つまり、小説をケーススタディとして使って、それをもとに行動すれば、様々な状況に対応できる、ということらしい。
今までは「小説=娯楽」と単純に考えていたので、この考え方は目から鱗だった。 -
Posted by ブクログ
獄中記だったか国家の罠だったか。君は官僚としてはカリスマ性がありすぎる、みたいなことを言われた、なんて記述があったがその意味がよくわかる。
この本は右の雑誌から左の雑誌までを横断したコラム集である。で、あるのだが、右とか左とかはほとんど意味をなさない。なぜならこれはあくまでも「佐藤優」のコラム集であるのだから。
知的水準の高い著作を書く作家だから彼の著作を読みたくなるのではなく、佐藤優の著作を読みたくて彼の著作を読んでしまう。そんなちょっとした中毒症状を起こしてしまう。
動物園とかのペンギンは、オス度の高いオスがいると、オス度の低いオスがメスの役割を果たすように受けになるって話があるけど、そんなカンジ。彼のカリスマ性にあてられてしまうと瞬く間に信者になってしまう。
それは知的水準というよりは神学という稀少なバックボーンに因る気がするし、更にいえばそういった学問的な何かとは関係のないところに因っている気がする。そういった恐ろしい魅力をこの著者は持っている。
いわゆるひとつの、くやしい、でも、びくんびくん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・ロンドン軍縮会議・・1930 補助艦 アメリカ10 日本6
・アメリカはメキシコでは門戸閉鎖主義、アジアでは解放主義
・帝国主義的資本主義・・強者のための理論。競争に強い国は自由貿易を唱える。駆け足で1番の者が全てをとるという平等なゲームのルールは、一位以外の物にとってはいつも負けが約束されているに過ぎない。
・不満をそらすためにはだれかを悪者に仕立て上げること 軍閥が対象となった。
・モンロー主義:大陸間干渉からの脱却。 アメリカは地政学から普遍主義(アジアの門戸開放政策)への転換
・戦争においての思想的な勝利。戦争は思想の衝突がどうしても一致しえない場合に生じる。
・東亜解放の対象であった中国と戦火を交えた日本の矛盾
守るためには力が必要という考えだった。
・植民地化が目的の場合は、やり過ぎると相手が疲弊して収奪できなくなという思想が働く。日本の目的は異なっていたため、歯止めがきかなかった。相手に対して痛みを自覚できなくなる。
・本当に重要なものは合理性で割り切れない。
・アヘン戦争ではイギリスの植民地であったインドの人々も戦った。
・民主主義であれ共産主義であれ、思想の背後にはそれを生み出してきた伝統と文化があり、それを無視して日本や中国に輸入することは難しい。
・国際連盟や軍縮会議→性悪説の克服を建前に他国に主権尊重や人権を強要しながら自国の国益を追求する場合には理想を放棄し、むき出しの性悪説で対応。所謂ダブルスタンダード
・建設の原理は、断じてこれを他国に求むべきにあらず、実にわがうちに求めねばならない。
・自国の善を持って自国の悪を討つこと
・政党がしっかりせず、社会の側から国家に対する効果的な働きができないと、国家の生き残りを考えた官僚が世直しを行う。これは結局不幸になる。社会の側から変えていかなければならない。
→2.26は軍内部、5.15は日本人としての反抗 -
Posted by ブクログ
本書は著者が外務省在籍中に間近で接した歴代総理やロシア首脳の意外な素顔、さらには歴史上の人物にインテリジェンスの視点から切り込んだ異色の人物論集である。
当事者ならではの臨場感溢れる記述は面白い。個人的には神学の部分など読みづらい部分もあったが、本書を読むと、マスコミのニュースからは窺い知る事の出来ない一面が見られる。
例えば、鈴木宗男氏の事である。「ムネオハウス等」かつては悪の権化の様にバッシングを受けていた。しかし、現に鈴木氏を慕う人は多く、選挙で復活を遂げた事をみると、かつてのマスコミのステレオ的な見方では、とらえきれない事がわかる。(これは善悪の問題では無い)
マスコミは売らんがために叩く、新聞は部数を延ばすために叩き、テレビは視聴率のために叩く。(最近では海老蔵が叩かれているが)本書を読むとあの時の騒動は何だったのかと愕然とする。情報化社会の中で市民が情報を取捨選択できるように成長する事が求められていると思う。
本書はあくまでも、佐藤氏の目からみた人物論である。一面から、光を当てるだけではなく、いろいろな角度から見ることが大事であろう。私としては、もう一度、凡相伝を読んで見たくなった。